nyae
nyae
2020/12/17
宮崎夏次系が子育てマンガを描いたら
想像以上に感動的な家族の物語になりました。まさか夏次系先生がベビモフで連載持つとは思わなかったですけど、エデンを追放されたアダムとイブが子育てに奮闘し、いろんなモンダイにぶつかりながらも確実に「家族」が出来上がっていく様子は涙なしでは読めません(笑い泣きです)。アダムとイブの子はいつも唐突に現れるんですが、カインを兄と呼ぶがっしりマッチョのベビーフェイス男子が現れたときは「まさかこいつがアベルなの…?」とショックを受けました。その名がまさかの「阿部」だったときは椅子から転げ落ちるほど笑いました。あとから神さんに下の名前「る」を貰ったので事なきを得ます(?)。 このアダムとイブの子育て物語には賑やかで個性的でクセの強い良いキャラクターがたくさん出てきて本当に面白いんですが、もうひとつ1巻に載っている読切り「オカリちゃんちのお兄ちゃん」。これが本当にすごいということは何よりも言っておきたい。アダムとイブとは全く関係のない独立した読切りですが、心臓がギューーーーーーーーッッッッとなるくらい込み上げてくるものがある傑作です。大げさじゃなくこれのためだけに1巻買ってもいいかもしれない。
mampuku
mampuku
2018/03/01
一見普通の高校生(普通とは言ってない)
 「エウレカセブンAO」漫画版の人のオリジナル作品。エウレカの影響を色濃く感じる。エウレカ自体ポストエヴァに数えられるかもしれないが、これなんかはエウレカ系って呼んじゃってよさそうな感じ。  敵対的侵略者に人類が滅ぼされそうになっている、そんなアポカリプスの中心には一人の少年と少女が…っていうベタなやつ。彼らの運命はこれでもかというほど残酷で、傷ついて傷つけあって引き裂かれて引き裂かれてまた求めあって、そのすべてに地球の命運が懸かってて…  アレですよ。「世界を取るか、彼女を取るか」っていう究極の二択。美しきかなセカイ系。  半ばあたりまで読み進めないとわかりにくいことも多くて、 ・大好きな人がぶっ壊れたと思ったら、実は最初からぶっ壊れてました ・なかなか面白くならないなと思ってたら、実は最初からかなり面白いことになってました  みたいな感じで、伏線でぶん殴られるのが好きな人にはオススメかも。主人公ら二人以外の感情同線が薄いので展開はが色々突拍子もなく見えなくもないが、画力が高いから情報密度が担保されてるし。  戦いはしだいに困難と混乱を極め、主人公もヒロインもぶっ壊れてくし誰が敵か味方かわからなくなっていくなか、悪意の在り処とヘイトの矛先が巡り巡って最終的にある一箇所に集まっていく。これぞまさにラスボスの中のラスボスといった「悪者」の完成である。光と闇の狭間で揺れ動く悲壮系ダークヒーローの煮え切らないバトルも嫌いじゃないですけど、やっぱり最後はヤな奴ぶっとばしてスカッとしたいものです。  ともあれ良いところもあればツッコミどころもある漫画ですが、ラストの数頁はすごく好きです。嗚呼これが描きたかったんだなって。好きのツボが個人的にすごく近いと感じたので、台詞回しなどが洗練されてくると尊さ5倍増しになるなぁと、読んでて思ったのでした。次回作が楽しみ。
(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し
2019/05/08
「おっ いっちょまえに男色家だな」
猫十字社という奇才がかつていたことを、もっと思い出さないといけない。 佳品『小さなお茶会』のほうが少し有名だとは思うのですが、やっぱり『黒もん』ですよ、『黒もん』! 例えば、今や大きな潮流となっている「BL」的なるものの前段としてのJUNEについてとか、その源流『風と木の詩』まで遡るタイプの言説は、それなりにあると思うのですが、少女漫画的「少年愛」を、「男色!」として破壊的なギャグで表現したのは、この猫十字社『黒のもんもん組』をもって嚆矢とする…とかいうテキストは、ほとんど見ないですよねえ。 でも、そういう意味で、山上たつひこ『喜劇新思想体系』や新田たつお『怪人アッカーマン』に並ぶインパクトですし、少女漫画ギャグ史的には、少年漫画史の巨大なる高峰『マカロニほうれん荘』に匹敵する重要性を持つ作品だと思うんです。 (連載時期的にも作風的にも、『マカほう』の影響は強いだろうなあ) とにかく、これだけ好き勝手やってる少女誌のギャグなんて、今はほとんど存在しない。 本当に、当時の『LaLa』は、ものすごいラインナップでした。 とはいえ、もう40年以上前の漫画になっちゃうのか…。 『黒もん』完全版というのが出ているのをマンバで知りましたが、やっぱり今の読者には『県立御陀仏高校』や『華本さんちのご兄弟』から入ったほうが、読みやすかったりはするのかもしれませんね。
なかやま
なかやま
2020/01/14
多くの人に読んでもらいたい作品
さまざまな形で作品が発表できる時代、埋もれてしまう作品も多くあります。 自分はこの作品をコミティアで偶然手に取ったことで運よく知ることができました。 当時の自分に「ナイス判断!」と言ってあげたいです。 noteやtwitterで無料で公開されている作品なので、読むためのハードルが低いので多くの方に読んでもらいたいです。 自分がこの作品に最初に「ぐっ」と来たポイントは、単純にキャラクターたちが生き生きと描かれており【かわいい】ということでした。 登場人物?たちのコミカルな動き、発言も要因だと思いますが、線の微妙な太さやベタの塗り方など作画の方法の影響も多いと思います。 その【かわいさ】に釣られて読み進めていくと、しっかりとしたストーリーがある作品だとわかります。 キャラクターの成長や心の葛藤などが、週1ページの7コマというゆっくなペースで進行していきます。 同人誌で発表された1巻のあとがきに「たのしいだけではおわりません」と書いてあったのですが、【かわいい】だけではなく、7コマでこちらの心を揺さぶってくるエピソードも多いです。 毎週毎週が楽しみで仕方ありません。 この作品は作者さんのTwitterをフォローしていれば、スマホで1タップで読める作品です。自分の中で、週一回最も価値のある1タップだと思っています。 読めば皆さんの心に届くと思っています、ぜひ読んでみてください。
兎来栄寿
兎来栄寿
2020/02/18
歴戦のマンガ読みが戦慄した驚愕の才能
最近登場したCOMIC BRIDGEというレーベルは大人の女性向けの作品を多数掲載しており、非常に面白いものが増えてきていると感じます。 去年の7月16日。雨が降り、例年なら蒸し暑くなっていそうなところ、例年より10度以上低い涼しい7月となっていたあの日。コミックブリッジで新作が公開されたということで読み始めました。 写実的なバナーから画力の高さは見て取れましたが、すぐにそれまでの作品と比べても異彩を放つその内容に圧倒されました。 そしてすぐさまTwitterでそのタイトルを呟きました。『マイ・ブロークン・マリコ』という名前の強烈な新連載が始まった、と。それは、Twitter上で2番目に呟かれた「マイ・ブロークン・マリコ」という文字列でした(1番になれなかったのが悔しいのはここだけの話)。すぐに数千人フォロワーのいる作家の友人に引用RTされ、そのコメントは単行本の帯にもなりました。その日の間に面白いマンガを求めるマンガ読みに伝播し、その次の日には更に広く拡散され瞬く間に大きな話題となっていきました。 Twitter上の有志がその年の面白かったマンガに投票する #俺マン2019 では、未刊行作品ながら18位という高順位に。その前の5年間の未刊行作品トップがどういった順位だったかと言えば以下の通りです。 2014年 ゴールデンカムイ 65位 2015年 猫工船 101位 2016年 猫工船 196位(BEASTARS、映像研には手を出すな! 227位) 2017年 二兆円と、1日と、猫 47位 2018年 王様ランキング 31位 今現在絶大な人気を誇っている作品群と比べても、『マイ・ブロークン・マリコ』がどれだけ圧倒的な支持を受けたかが解ります。2020年の各マンガ賞でも確実に上位で名前を見ることになるタイトルでしょう。最早、『マイ・ブロークン・マリコ』は事件であり現象と化しています。 目の前にあるものを灼き尽くさんばかりの激情、駆け出さずにはいられない疾走感、魂を抉り取るような哀切。 ラスト1ページを読み終えた時の言葉で表し切れない感情を、タイトルを改めて噛み締めてしまう名状し難き想いを味わってみませんか。 平庫ワカさんの今後の活躍が楽しみでなりません。
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