ななし
ななし
2019/11/19
海外のオタクが日本に暮らしたら!
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ちょっと前に海外エッセイ漫画と海外ウェブトゥーンにハマっていて、フランスはとにっきやモンプチ(フランスに偏ってますが)などを読み漁っていました。そのころにたまたま**「海外のマンガ家さんが日本での生活を描いたエッセイ漫画」**という興味ドンピシャのマンガがあると知り、内心「絶対面白い…!」と思いながら読んだのがこれ。 https://www.comic-essay.com/episode/68/ **実際絵がめちゃめちゃかわいい…!コミックエッセイらしさとお洒落さが絶妙なバランスの絵が素敵。** さっき、クチコミを書くにあたり冒頭を読み返してみたら ・アニメやマンガで買い物袋から突き出しているものが「ネギ」だとわかり真似したくてスーパーで買う ・日本で人の家に招かれた際、「(※客間に)上がって上がって」の意味がわからなくて、3階まで上がって待っていた ・スーパーで売ってる下着が地味なのが不思議 …という面白エピソードがゴロゴロ出てきて笑ってしまいました。 ちなみに私が好きなのは「あられの日に窓の外を見たら、男の子がマンガみたいに屋根の上で空を見上げていた」という話。もし自分が外国人のオタクでそんな光景を見たらエモすぎて一生忘れられないと思う…!! (↓このエピソードです。「第10話 あられで出会った少年2」) https://www.comic-essay.com/episode/read/747 20話以上がコミックエッセイ劇場で公開されているのでぜひ読んでみて下さい! (追記) 当時は知らなかったのですが、フー・スウィ・チン(FSc)さんは、日本でも著者を発表してる有名な作家さんなんですね。最近知ってすごく驚きました。 (画像は序文の挨拶のところ。優しい塗りと洗練された柔らかいデフォルメがたまらない…!)
影絵が趣味
影絵が趣味
2019/12/14
いま、ここで何かが動く ~流動する田島列島~
寡作故に何年も前から要注目の新人であり続ける田島列島選手もとうとう単行本が3タイトルになりました。そろそろ傾向といいますか、作家性がみえてきそうな気がします。 まあ、とにかく、留まることが嫌いなひとなんでしょう。生まれついて付与された性別からして変えてしまうひとが毎度登場するのも、毎度のこと親が突然家から出ていってしまうのも、まずテコでも動かなそうなものから率先して動かしてやろうとする気概がみられます。 今作も、まあ、いきなり不倫からの幕開けで、しかも、不倫された奥さんが不倫相手のアパートを訪ねに行く。さらに本妻が訪ねて来るというので同居人の姉さん(不倫相手)が家から出ていってしまうのが主人公の妹の境遇なわけです。もう初っ端から動きまくり。そして、はじめはこの事態を「昼ドラ」と形容して、一歩引いた目線で傍観していた妹がこんどは、くりかえし訪ねてくる本妻に心を動かされて、自らアクションを起こす。ただ受け身でいるのが嫌だといって自分のほうから積極的に奥さんに働きかけるんです。この「ただ受け身でいるのが嫌で自分のほうから積極的に働きかけようとする瞬間」こそが田島列島マンガにおける決定的な動きなのではないかと睨んでいます。 ひとというのはどう足掻いても外的作用からは逃れられない受動的な生き物ですから、積極性を発揮するといっても、けっきょくは何かを受けての積極なわけです。せいぜい外的作用の決壊を防ぐために土嚢を積むことしかできないといいますか、攻撃のない野球みたいなものですね。ピッチャーがどんなに踏ん張って最高のパフォーマンスをみせても、せいぜいゼロか失点によるマイナスしかないわけで、これでは試合は動きません。田島列島には、このテコでも動かない受動的な状況をどうにかしてでも覆してやりたいとする気概がみられるんです。 ただし、この転覆は極めて難しい。だからこそ、せめて、そのほかのものだけは自由に動けるようにしようとする。これはインタビューで言っていましたけど「キャラが勝手に動く」という言い方をされている。たしかに自分でキャラの動きを先に規定してしまえば、作者本人からしてみればキャラがそこでは自由に動きまわれない不自由が生じることになる。だから、しばらくのあいだ、キャラが自分から自由に動いてくれるのを待つ。それ故の寡作なのかもしれません。そうして待つことで、いま、ここで何か動くのを最前線で捉えようとしているんです。 あとは台詞、というか言葉についてもかなり辛辣な姿勢がみられます。田島列島マンガのキャラたちは互いに言葉を介そうとはしないんです。だからいつだってセリフは間の抜けたギャグのようになり、発した言葉は相手に届かず、会話は常に両者のあいだの宙を空転している。これも留まることが嫌いな田島列島ならではの仕様といいますか、感情というのは常に複雑に流動しているものなのに対して、言葉を発するというのは、そのとりとめのないものを無理やり型にはめるような作業なので、田島列島マンガのキャラは誰も言葉なんか信じてはいない。ただ、それでも、それでも、言葉を伝えなければならない瞬間というのはどうしてもある。『子供はわかってあげない』がそうだったように。ただ、好き、と言っても、それは胸の苦しくなるようなバカでかい感情を小さな型に無理やりはめただけでそれでは嘘になってしまう。ナンセンスなんです。それは朔田さんも重々承知なんです。だからこそ、その一言がなかなか口をついて出ない。でも、それでも、せいぜいゼロかマイナスしかなくても伝えなければならない瞬間があるんです。まさにそのとき、田島列島マンガで何かが動いている。テコでも動かないような何かが動いているんです。
熊蔵
熊蔵
2020/07/25
90年代の少年マガジンらしさが詰まったオカルティックな漫画
90年代の週刊少年マガジンで連載されていた、未来予知能力を持つ少女が主人公のサイコサスペンス。周りの人の死が見えてしまうということで、それを防ごうとあれこれ手を打つのですが救える命もあれば、救えない命もあったりで、なかなか考えさせられるところもある作品でした。 心霊現象、都市伝説、怪談などオカルティックな要素だけでなく、わかりやすいお色気シーンとか、ちょっとしたラブコメ展開とか、ドキュメンタリー風のお話、気合の入ったヤンキーが出てきたりと、少年マガジンのエッセンスが随所に詰まってます。 何と言っても主人公・深月真夜のキャラクターが良かったですねえ。ほとんどのシーンで思いつめた暗い顔をしてたり、絶望した表情ばかりなんですけど、その憂いを秘めた顔が良いのです。わたるクンと出会ってからは徐々に明るくなり、その容姿だけでなく性格も含めて回を追うごとに魅力的なヒロインになっていったと思います。 あと、3巻に登場した鷹音クンの回とか印象的でした。「カルネアデスの板」の回とか印象的で、よく覚えてる人も多いのでは。 ちなみに単行本未収録となってしまった「サイコパス編」はもう内容を思い出せないのだけど、それほどの問題ある話だったのか気になる所ですね。
野愛
野愛
2020/08/21
変わるものと変わらないもの
いいところも悪いところも納得できないところも含めてこの漫画がとても好きです。 どの側面も全部大好きな人間なんていないし、何を選んでも苦しみや痛みがなくなることなんてきっとない。 会社が倒産し恋人に振られ全てを失った青年・チョクがとある出会いから古着屋を経営し、出会いやわかれを繰り返し成長していく物語。 このチョクという青年がなかなか憎めないヤツなんですね。 愚直だけど優柔不断、優しすぎるけど妙にドライなところもあるし、流されやすいし小心者。でもいいヤツすぎるくらいにいいヤツなんです。心の隙間を抱えてる人たちが、チョクに集まってくる理由はなんとなくわかる気がします。 そしてこの漫画の1番好きなところは、チョクが古着屋をやりたいわけじゃないというところ!! 「古着屋だったらできるかも」と周囲の人から服を集めたりアドバイスを受けてなんとか店を開き、様々な困難を乗り越えてもなお、チョクは別に服を好きにならないのです。ギターをはじめたり、ビールの美味しさに目覚めたり、魅力的な女性と出会ったりしながら自分のやりたいことを探していくのです。 脱サラしてお店を経営するだなんて、夢でしかない憧れでしかないと思うけれど、そりゃ悩みは尽きないよね…って現実を見せてくれます。 悩んで流されて苦しんで、そんな日々の中で自分を突き詰めていくのが人生なのかもしれません。 最終話はめちゃくちゃ駆け足すぎるし、チョクの仕事や恋愛のその後が知りたくて仕方がないけど…人生死ぬまでどうなるかわかんないもんね、と自分を納得させています。 そして大市民シリーズと同じくブレないギャル批判がすげえ。とんでもねえ。 茶髪ガングロ厚底厚化粧へのヘイトスピーチがとんでもないですけどこれは柳沢きみお先生の一貫した主張なので、もうなんとも思わなくなりました。 そういう個人的な主義主張を抜いたらとても好きな漫画です。そういう主義主張がやばいなと思える世の中になったのはよかったと思います。 時代は変わったなあ と 時代が変わっても変わらないなあ 両方を味わえる作品だと思いました。わたしは好きです。
なかやま
なかやま
2020/01/14
多くの人に読んでもらいたい作品
さまざまな形で作品が発表できる時代、埋もれてしまう作品も多くあります。 自分はこの作品をコミティアで偶然手に取ったことで運よく知ることができました。 当時の自分に「ナイス判断!」と言ってあげたいです。 noteやtwitterで無料で公開されている作品なので、読むためのハードルが低いので多くの方に読んでもらいたいです。 自分がこの作品に最初に「ぐっ」と来たポイントは、単純にキャラクターたちが生き生きと描かれており【かわいい】ということでした。 登場人物?たちのコミカルな動き、発言も要因だと思いますが、線の微妙な太さやベタの塗り方など作画の方法の影響も多いと思います。 その【かわいさ】に釣られて読み進めていくと、しっかりとしたストーリーがある作品だとわかります。 キャラクターの成長や心の葛藤などが、週1ページの7コマというゆっくなペースで進行していきます。 同人誌で発表された1巻のあとがきに「たのしいだけではおわりません」と書いてあったのですが、【かわいい】だけではなく、7コマでこちらの心を揺さぶってくるエピソードも多いです。 毎週毎週が楽しみで仕方ありません。 この作品は作者さんのTwitterをフォローしていれば、スマホで1タップで読める作品です。自分の中で、週一回最も価値のある1タップだと思っています。 読めば皆さんの心に届くと思っています、ぜひ読んでみてください。
ひさぴよ
ひさぴよ
2019/10/13
どこから読んでも楽しめる
岡崎二朗のSFショートショート「アフター0」の続きシリーズです。前シリーズと同様に一話完結の短編集なのでどこから読んでも楽しめます。 本当に一話一話の完成度が高いです。何となくですがアフター0よりもNeoの方がメッセージを向ける対象みたいなものが、より「大いなる存在」へと向かっているような気がしました。この連載の後、傑作「宇宙家族ノベヤマ」が生み出されることを思うと、今作との繋がりのようなものを感じてなりません。 短編は全部で20話近くあるので細かくは紹介しきれないですが、どれか1話だけを選べと言われたらNeo2巻に収録されている「再会」というお話です。 何度読んでもセンス・オブ・ワンダー(あえて、このフレーズ使います)を感じる一品。 科学や人類に関わるような大きなテーマがあるわけではなく、公園のベンチに座る普通の男女の意識を通して”見た世界”が描かれているだけです。にも関わらずヒトの持つ意識や記憶、時間の概念の広がりを最も感じたのがこのお話でした。有名な短編「ショートショートに花束を」より個人的に好きなお話です。 1巻には鉄腕アトムの誕生日を祝って描き下ろされた「鉄腕アトム2003」も収録されています。もちろん手塚プロ公認です。原作の魅力を存分に活かしながら現代的なSFのエッセンスを巧みに組み込んであり、アトムとサイボーグ009の良さをあわせたような、これまた傑作です。 岡崎作品といえば藤子・F・不二雄の影響を思い浮かびますが、手塚治虫への想いというのも強く持っていたんだなあと、あとがきを読んで改めて感じました。 ちなみに、単行本内のどこかに「ファミリーペットSUNちゃん!」のSUNちゃんが描かれてるらしいのですが、未だに見つけられず…。 もし見つけた人がいたら教えてほしいです。
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