くにお
くにお
2019/10/17
変人揃いだが、わりと楽しそうに生きてるおじさんたち
気の抜けたようなタイトルと表紙のおじさんたちの顔が気になり、本屋で買ってみたところ、これは面白いと思った。 そこらへんにいるような、そうでいないような、一癖も二癖もある変なおじさんたちが一話ずつ登場して、独特でマイペースな生き様を見せてくれる。 (ちなみに表紙ではおじさんが集合してるけど皆孤立してます) 展開がファンタジックすぎて、なんだかよくわからん話もあるけどそれも含め好き。 他人の家の雑草を刈りたがる「ボーボーおじさん」という、ほとんど妖怪か仙人のようなおじさんから、 生き辛さ、孤独を抱えるおじさんの話(「なめくじおじさん」「2個ずつおじさん」)もあり、登場するおじさんの幅が広い。 お掃除道具と会話する「ハッピーおじさん」、ハンドパワーで家事をこなそうととする「念力おじさん」、電柱や自転車の気持ちになりきる「イマジンおじさん」など、想像力でもって楽しそうに暮らしているおじさんたち。これは独身中年に差し掛かってる自分も共感する部分が多かった。 憎めないけど、ちょっと迷惑なタイプのおじさん(「センチメンタルおじさん」「案内おじさん」など)も登場。 実際にこういう近付きたくないおっさんいるな〜と思いながらも「自分もいつかこうなってしまうのでは…」という考えが頭をよぎってしまう。これは反面教師にしたい。 おじさんに(比較的)やさしい世界で、ホンワカとした絵柄なので全体を通して、明るい気分で読めた。 おじさん自身も、あまり自虐的になったり卑屈になることはなく、 「ありのままで生きてる」って感じなのが、 いいよな〜(いいよなおじさん)
sogor25
sogor25
2020/01/26
料理好き人見知りJK×釣り好きヤンキーJK、ボツから蘇ったガールミーツガール
親の仕事の関係で東京から福岡の田舎に転校してきた女子高生・白梨翡翠(やまなし カワセミ)。料理好きな彼女だけど、持ち前の人見知り能力を遺憾なく発揮して調理部の門を叩くことすらできず、転校初日からぼっち生活まっしぐら。そんな中、見た目どう見ても田舎ヤンキーな同級生女子・魚取魚鷹(うおとり ミサゴ)に声を掛けられ、「ちょっと付き合え」と半ば強引に拉致られて連れてこられたのは山の中。死を覚悟したカワセミだったが、ミサゴが取り出したのはただの釣り竿。ということで、料理好き人見知り女子と釣り好き田舎ヤンキー女子とのガールミーツガール(?)から始まる作品。 ヤンキーっぽい雰囲気のミサゴが釣りに対してめちゃくちゃ詳しいというギャップもいいけど、人見知りだけど初めて体験する釣りに新鮮なリアクションを見せたり料理のことになると豹変するカワセミの一挙手一投足が面白くて、コメディとしてだけでもずっと読んでいられる作品です。 また、キャラの造形だけではなく、釣り上げた魚や料理、水面や風景まで、細かい部分の作画を丁寧に描いているのも注目すべき点の1つ。さらに福岡が舞台であることによる方言女子の要素や、ミサゴの家族から勝手に認定された公式百合要素まで、楽しそうな要素がたくさん詰まっていいます。 ちなみにこの作品、双葉社による"プロのための「セカンドオピニオン」"という企画によって連載にまで至った作品。この作品が一度でも企画が通らずボツになりかけたというだけでも驚きですが、それを見事に拾って頂いた双葉社と連載に至ってもこれだけ面白い作品を描き続けて頂いてる匡乃下キヨマサさんには感謝しかありません。 1巻まで読了。
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
2018/05/13
まだまだやってやる
僕はお笑い芸人だ。 7年目でもまだ若手で、まだ売れてもいない。 今年で30になるが、意識するとふと他の生活を考えてしまうことがある。 そんなとき、いつも思い出すのは僕がお世話になった先輩と、この読切漫画だ。 この漫画は、売れていくイケメン芸人と、真剣にお笑いに向き合っていたが苦悩の末にアイドルにハマって辞めていった主人公を描いている。 イケメン芸人は主人公・清水の才能を羨み、清水はイケメン芸人を妬んだ。 僕の先輩は、心底面白くて、芸人の誰からも愛されていて、でも地味で人気がなかった。 僕なんかのことを可愛がってくれた「大久保たもつ」さんという大好きな先輩だ。 深夜のバラエティに少しずつ出始め、ドラマ化した芥川賞受賞作の「火花」で売れていく若手芸人役を演じて、去年の冬に、突然芸人を辞めた。 「ODD FUTURE」の主人公・清水は、実はこの大久保さんがモデルだと聞いた。 当時、まだ芸人を辞める前に、この漫画を読んだ大久保さんがTwitterで感想をつぶやいたところ、作者から返信があったと喜んでいた。 この漫画がいいのは、もがいた闇の向こう側に一筋の救いを見せてくれているところだ。 僕たち若手芸人はその一筋の光にすがって売れるか辞めるまで、もがき続ける。 おそらく都内にいるであろう1万人ほどの売れていない芸人が抱えている苦しみ、葛藤、光と闇を生々しく描いてくれている。 主な収入はアルバイトで、睡眠時間削ってたくさんライブに出ていっぱいオーディションを受けても売れなければお笑いでの給料は雀の涙だ。 それでも頑張れるのはひとえにお笑いが好きだから。 しかし好きでも結果が出ないと疑念が首をもたげ、自身の才能を疑い、貧しい老後、孤独死を考えない人はいないだろう。 僕が大好きな先輩も芸歴10年目にして辞めてしまった。 夜道で泣きながら必死に自転車をこいで気持ちを紛らわせた記憶がまだ生々しく残っている。 しかし、実はいまその大久保さんは就職して幸せそうに暮らしている。 人生何が起こるか分からない。 この漫画はあくまで可能性だ。 再び立ち上がることもあるかもしれない、そうじゃないかもしれない、もっと向いていることがあるかもしれない。 この漫画を読むと、それでも自分が思う幸せに向かって頑張ろうじゃないか、少しでも報われることもあるかもしれないよね、と語り掛けてくる、気がするのだ。 そう思うとまだ頑張れる。 今年で30。 結構じゃないか。 80で死ぬとしてもまだあと50年。 余裕余裕。 折り返し地点にすら来ていない。 まだまだやれる。 やってやる。 読切がずっと読めるモアイさんはありがたい。 http://www.moae.jp/comic/chibasho_oddfuture
なかやま
なかやま
2021/02/01
「虫」というハードルはあるが先が気になる作品 #1巻応援
作品のタイトル通り「虫」です! 全話余すところなく「虫」!苦手な人は生理的に受け付けないはず そこを無理に「虫は出てくるけど、いいですよ!」で読んでもらうのはちょっと違うと思うので、虫は嫌いだけどちょっと気になった人は、作者さんの過去作 時忘の捨姫 をどうぞ あらすじ 主人公の恩田は子供の頃から虫が好きだった ただ、誰しもが持っている子供時代の無邪気な無残さによって多くの虫を興味本位から殺してしまっている 大人になった恩田にその虫たちが【怨】を返しに来る・・・ 私の感想ですが「虫」が出るは出るのですが、イメージとして"グロい"というのは感じませんでした、どことなくギャクテイストです。 これが意図したものなのか?それとも読むハードルを落とすためのものなのか?が個人的に非常に気になっています。 この作者さんの作品を読むとなかなか知的な主人公たちが登場するので、現状「虫」たちにかき回されている恩田くんがバケる可能性も大いにあるかと思っています。 先の展開も気になる作品です。 そしていい感じに着地点が見えないのも個人的にポイント高いです。 完全に「怨」で終わるのか、それとも「恩」が出てくるのか? 完全にバッドエンドで終わることも、この主人公だったらみんな納得はできるけど、もう少し足掻く部分を見てみたい気もする! そしてタイトルの クモノイト ですが、1巻時点では蜘蛛は出てきていません・・・ 二巻が気になる注目作です
すなわ食堂
すなわ食堂
2019/07/12
漫画力の高い漫画
かつて高校球児だった作者さんによる高校野球の話です。決して明るく楽しいだけではない展開になる部分も多々あるのでその辺りはきっとリアルなんだと思います。 でもそんなリアルな雰囲気に気持ちが引っ張られてしまうことはなく、主人公の朝富士大生くんがとにかく前向きなので読んでいて元気になります。 ここからは少しテクニカルな話になります 漫画を読んで「絵がうまいなあ」と思ったことは過去幾度もありますが「漫画を描くのがうまいなあ」と思ったのは高嶋さんの漫画を読んだ時が初めてです。 変則的ながら見やすいコマ割りおよびフキダシの配置、比較的多用されていながらひとつひとつが印象に残る見開き、読み手がテーマ(今回の場合は野球)に造詣が深くなくともスッと入り込んでくるネーム。 漫画だからこその技巧がこれでもかと詰め込まれていて臨場感がすさまじく、時には目の前で試合が繰り広げられているんじゃないかという錯覚に陥ったこともあるので 漫画家志望の人にもぜひ読んでみてほしいです。 3巻の途中でライバル校が出てきてからがそれまでに増して絵も話もグッと良くなります。おすすめです。
ななし
ななし
2019/10/01
バリスタを目指したくなる爽やかな物語!
きょう10月1日はコーヒーの日ということで思い出した作品。主人公の香樹はコーヒーに並々ならぬ想いを持っていて、中学生の頃からコーヒーをイタリア風に「カッフェ」と呼んでいたほど。 https://res.cloudinary.com/hstqcxa7w/image/fetch/c_fit,dpr_2.0,f_auto,fl_lossy,h_365,q_80,w_255/https://manba-storage-production.s3-ap-northeast-1.amazonaws.com/uploads/book/regular_thumbnail/144679/63981935-64e7-4f2e-b842-fc7065f68baf.jpg 最初は本場イタリアで働いていた香樹が日本のカフェで働くことになるのですが、雑用メインの見習いから上り詰めていきバリスタの大会に出たり、新店舗の参考に京都でお茶や焙煎について勉強したり、とある事件を受けて仕事もコーヒーもやめて知らない町の場末のスナックで働いたり…。 **マンガらしくドラマチックなストーリーではあるけれど、コーヒーの文化や知識は本物が描かれ決して非現実的ではないところが魅力的。**主人公が前向きで爽やかで熱い性格なので、読んでいてすごく安心できるし気持ちがいいです。 バリスタという職業・コーヒー・コーヒー文化を具体的に知るのにもってこいの1冊です…!! https://piccoma.com/web/product/6706?etype=episode https://www.bookbang.jp/article/531741
banner
banner
banner