熊蔵
熊蔵
2020/05/30
闇カジノをイカサマで食い荒らす #1巻応援
漫画ゴラクらしい、裏社会のギャンブルノワールといった感じで、1話目からずっと緊張感と勢いのある漫画です。大型店舗のカジノではなく、闇カジノと呼ばれる違法賭博店を舞台に、主人公ゲンがディーラーとなり、客や店側をイカサマにかけて金を巻き上げようとするのですが、その場の緊迫感たるや尋常ではありません。ミスれば「死」という状況の中、イカサマをどうやって成立させるか?読者をドキドキさせる演出が抜群にうまいのです。作画・吉田史朗さんの漫画はけっこう好きで、これまで『村上海賊の娘』『甲鉄城のカバネリ』など読んできましたが、いずれの作品でも「雰囲気」を持ってる主人公像が良いんですよねぇ。劇画すぎない、かといって今どきの画とも違う、画力のある作家さんだと思います。覚悟と胆力を感じさせる顔つきだったり、人物の表情が素晴らしいですね。あと、原作者の方も相当凄い人じゃないかと睨んでますが、検索しても情報が一切出てこないので何者なのか気になるところです。(誰かご存知でしたら教えてください) ちなみに、この作品タイトルを初めて見たとき、オッサン的には「女喰い」という往年のエロ作品を連想いたしました。ちょっとしたエロ要素を期待してた部分も正直ありましたが、いい意味で裏切られたというか、本格的なギャンブル漫画で逆に良かった感じがあります。日本でもカジノ法案ができて、これから盛り上がる題材かもしれないので、ヒットしてほしいですね。
さいろく
さいろく
2020/10/05
白いマットのジャングルに今日も嵐が吹き荒れる
ルール無用の悪党に正義のパンチをぶちかませ とありますが、パンチはプロレスでは反則となります。 (歌詞を記載するのはNGなんでしたっけ?) タイガーマスク世代ではないのですがプロレスファンとしてプロレスを語るのに外せないタイガーマスクのお話。というか原作ですね。 実在したプロレスラーであるタイガーマスクは新日本プロレスが当時海外修行に出していた佐山サトルという若手の天才(イギリスだったかな?で東洋人だからということでブルース・リーのような黄色いジャージに黒ラインの衣装で現地でも大人気だったそうです)を日本に呼び戻し、講談社・梶原一騎と正式なタイアップとして実現させてヒーローを具現化するプロジェクトにより誕生した本当のヒーローです。 当時のプロレス人気は凄まじく、日本全国でタイガーマスク旋風が巻き起こっていたとかなんとか。 当時の映像をNJPW WORLDという新日本プロレスの公式動画配信サービスで見ることが出来ますが、タイガーマスクは他の選手と比較にならない動きをしてます。本当に圧倒的に違うし、一人だけ格ゲーのキャラみたいな動きをバンバン繰り広げていく様は今見ても体幹・センス・スピード・運動神経のレベルが常人のそれを遥かに上回っている事がわかります。一度見てみてほしい。 タイガーマスクで大成功を収めた新日本プロレスですが、当のタイガーが相手がいなくてつまらん、こんなルール(プロレス)では最強になれないので最強を目指すため辞めます!と言って人気絶頂のところで本当に辞めてしまい非常に困った状態になってしまったのでした(初代タイガーこと佐山さんはここから総合格闘技の前身とも言える修斗(シューティング)を創設、後の格闘技界に多大な影響を与えます) ただ、タイガーの影響でプロレスラーを志す若者は後を絶たず、結果としてプロレス業界を力道山・アントニオ猪木に次いで盛り上げた人物といえるのではないかと思います。諸説あるのは重々承知ですので文句がある人は一緒に飲みながら語りましょう。 ちなみにプロレスファンなら最近まで現役だった獣神サンダー・ライガー選手をご存知かと思うのですが、そちらも永井豪先生の原作との公式タイアップで生まれたキャラで、そちらも名に恥じぬ豪腕・スーパースターぶりを発揮し、私も含め多くのファンを魅了し続けた名選手でした。 というわけで脱線しまくりですが、漫画のほうでも色々とあります。 孤児院で育った「伊達直人」という主人公が、「虎の穴」という悪のレスラー養成所に攫われて(スカウトだっけな)訓練して殺人拳を学んで覆面レスラー(悪役)としてデビューするところから始まります。 虎の穴での修行は常軌を逸したもので、伊達直人は自分と同じような境遇の孤児たちにつらい思いをしてほしくないと願い、ファイトマネーを孤児院に投げ入れていくのですが、それが虎の穴からは裏切り行為とみなされて虎の穴からの刺客たちと戦う羽目になる…という流れだったと思います。違ったらごめんなさい。 ただ、その「伊達直人」という名義で幼稚園や保護施設に匿名に近い形で莫大なお金を寄付する人が度々現れているんですよね、現実に。 2005年だか2007年だかぐらいにもあったんですが、当時はすでにTwitterが生まれていたので割と話題になったのを憶えています。 まぁ何が言いたいかというと、本当に全国のちびっこ達の心を掴んだ作品であり、そのちびっこたちが大人になって力を得た結果として慈善事業が潤ったりプロレス業界が潤ったりしていて、色んな所へ波及しているのがわかるんですよね。 漫画に限った話ではないですが「本当に素晴らしい作品」とはこういうのを指すのだろうな、という話でした。 長くなりすぎたのでこの辺で。正直絵が古いのは否めないのですが一度読んでおくとためになるかもしれませんよ!
まるまる
まるまる
2021/02/26
なぜ「いじめ」はこんなに長く続いているのか?
五十嵐かおる先生の言わずとしれた代表作「いじめ」シリーズ。1話完結のオムニバスです。2021年2月現在、17巻も出てるうえに、いまだに連載が続いていることに驚愕。今更ながら読んでみたいと思いつつ、17冊買うのはなかなか勇気がいる。そこで、1巻と最新17巻のみ、とりあえず読んでみることにしました。 ストーリーの基本的な構成としては ・女子生徒から女子生徒へのいじめ ・視点はいじめ側、いじめられ側、いじめリーダー格に逆らえない立場側など様々 ・最終的には同級生や近い年齢の女生徒が味方についていじめから抜け出す という感じ。 共通しているメッセージとしては「ひとりじゃない。きっと誰かが味方になってくれるから諦めないで」というものだと思います(多分)。 1巻と17巻を読んで比べた結果、ほとんど内容は同じであることがわかりました。16年続いてても変わらないって色んな意味ですごい。 私はちゃお読者ではないし、対象年齢からははるかにかけ離れているのでなんとも言えませんが、この漫画が16年も同じような内容で続いていて、そしてきっとこれからも続いていく。その意味ってなんなんでしょうか。 確実なことは、対象者は女子小学生なのでその子達が「読みたくない」ものではいけない。したがって、悪は粛正され、正義は勝たなくてはいけない。だとすると、中にはこの漫画を完全フィクションの勧善懲悪エンタメとして楽しんでいる人もたくさんいるのでは。しかし現実はそう簡単ではなく、いじめ問題の根は深く複雑で、むしろいじめる側にこそケアが必要な場合もあるけれど…。 他の巻も読めば、男子が主人公だったり、親や教師がもっと介入してきたり、いじめる側の心の病に焦点を当てるエピソードもあるんだろうか?いや、無さそう。 ちょっと調べてみたところ、結構教材として使われていることがあるみたいです。なるほど。そう考えると、余計にもっとバリエーションを増やしたほうがいいんじゃないかと思ってしまうな。うーん。 漫画にいじめをなくす力はなくても、いじめられている子の心を少しでも救うことはできる。それを続けることにはとても大きな意味があるということですかね。 (あえてここでは続く理由は「売れるから」とは言わないでおきますよ。)
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