かしこ
かしこ
2020/07/05
カムバック新連載「地域の相楽さん」
短期集中連載されていた「地域の相楽さん」がシーズン2として新たにスタート!これまでの計4回のお話がとても面白かったので、連載復活は嬉しい限りです。だいぶお隣さんと仲良くなりましたが、まだ設楽さんの素性?は知らないようですね…。 ちなみにこれまでのあらすじ。町内会に新しく入ってきた相楽さんは中性的な見た目でかっこいい。引っ越してきた当初は一軒家にひとり暮らしなんて…と、近隣住民に不思議がられていましたが、町内のゴミ拾いでの仕事っぷりのよさ、回覧板まわし騒動で見せた意外な熱血さ、大晦日に神社で配る豚汁作りでの機転のきかせ方、を経て徐々に受け入れられてきた模様。 実は…という程でもないかもしれませんが相楽さんは女性です。あまりにもクールなので、第1話では町内会の全員が「男性なのかな?女性なのかな?でもすごく聞きにくい」と悩んでいて、そこがすごく面白かったです。私も正直どっちなんだろうって思いながら読んでいました。相楽さんはあらゆる物事を推理するクセがあることがずっと描かれていましたが、それも職業がミステリー作家だからということがシーズン1の最終話で判明してます。そのことをお隣さんはまだ知りません。 毎回クスッと笑えるところがあって個人的に激推しの新連載です!!
六文銭
六文銭
2020/06/26
技術の進歩で風化される専門技術を思う
時代の流れとともに、昔は人の手でやっていたことがボタン一つで片付いてしまう。 そんなところに、なんとなく哀愁を感じるんですよね。 電気をつけるのも昔は木から火を起こしていたわけです。 それがランプになって、今はスイッチひとつですよ。 手作りだった下駄も、今は工場であらかたつくってしまうわけです。 映画の世界も、時代はデジタル再生です。 なんなら人もいないかもしれない。 映写機を使ってフィルムでみれる映画館もどんどん減ってます。 本作はそんな希少職業の一つ「映写技師」のお話。 スクリーンに写す映像を、フィルムで順次流し込む仕事です。 映画1本で、巻き尺みたいに巻かれたフィルムの束を何本も使うこともしばしばで、そのつなぎこみをうまくやる熟練のテクニック。 1分1秒を見逃さず、観客にむけて映像を絶え間なくきちんと流す。 純粋にすごいのですが、機械に取って代わられてしまった技術なんです。 それでも人の手でやることに、私は味があると思うんですよね。 面倒だからという理由で、簡素に効率化して失われてしまったものたち。 そこに、本質があるんじゃないかと思ってしまうわけです。 本作の主人公も、そんなレトロな技術に没頭します。 これから先、使い物になるかどうかわからない技術なのに、 打算もなく、純粋にただ好きで楽しむ姿はすごく良いです。 あぁ、まだこんな世界があるんだなと痛感させられる作品でした。 やっぱり人が関わっている、人がつくっているっていいもんです。
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
2020/06/11
お馬鹿男子との恋は成り立つか? #1巻応援
この作品は、かずまこを先生が『楽園』誌で連載した、高校生男女の恋愛漫画『ディアティア』のスピンオフ。主人公・桐ヶ谷睦子の友人・諏訪環の物語である。 行動の早い環の恋は睦子の恋を刺激したが、環の恋の実際は、本人の報告からしか分からなかった。そこを環の高校入学時から描いているのが、本作だ。 環の恋の相手・佐久間は、典型的な「お馬鹿男子」。ガサツでバカばっかりやって、見てる分には面白いが、時に真面目な女子が腹を立てる様な。読む前は彼の恋愛話が、読み応えのある物語になるという気が、あまりしなかった。 しかし、佐久間の心理描写、とりわけ「女子嫌い」が描かれるうちに、物語は深みを増していく。 佐久間は女子の、自分への評価を、どこまで分かっているのか……彼の内面描写が、かなり丁寧になされる。男子らしい自意識で苛立ち、女子への感情を拗らせている佐久間の内面は、同じ男子の私には結構、共感できる。 一方、佐久間の男子ノリが好きな環は、女子のノリや、女子達の佐久間への態度に違和感を感じる。この環の心境は、「同調圧力」に覚えがある人は、理解できるのではないだろうか。 環に芽生えた佐久間への恋は、彼の友情との取り引きになる。恋を告げた瞬間、友情は失われるのか……? 1巻では1年生が終わり、新学年、環が睦子達と出会う所まで。 2巻以降、ある程度二人の進展は『ディアティア』で知っている訳だが、そこでの二人の心理描写や対話の細部がどの様に描かれるのか……1巻は瞬間の思考と、繊細で丁寧な心理描写に心動かされた。2巻も期待して待つ!
影絵が趣味
影絵が趣味
2020/07/10
泡のような愛の物語集 ~その愛は祈りだね~
舞台は近未来の都市か、もしくは、誰からも忘れ去られた過去の都市か。 この外殻都市は、都市の上に都市を重ねる形で成長を続けている。いったい、いつ造られたのかさえ定かではない。下部階層の劣化は激しく、このグラスを伏せたような形の殻構造がなければ、上部階層の安定はおぼつかない。いや、古い下部階層では、その殻構造の強度さえ低下している。 白を基調としたコマに、淡々として、きわめて抑制的なモノローグをそえて展開される七つの愛の物語。それは愛の物語であり、同時に、消えていってしまうものへの祈りの物語でもあると思う。 愛は、その形を定義づけた瞬間にも、泡のように、古くなって崩落する殻都市の一部のように、たちまち立ち消えてしまう。その一瞬一瞬を描くことに注がれた『殻都市の夢』には、痛々しい描写こそ数あれども、そこには不思議と慈しみの表情がある。それは消えていってしまうものへの祈りの態度であると思う。愛が、泡のように、古くなって崩落する殻都市の一部のように消えてしまっても、そこに愛があったことは永遠に変えられない。もはや触れることができず、干渉することができず、だからこそ永遠に不変のかつてそこにあった愛。それは消えてしまうのではなく、そこにずっと在り続ける、私たちが祈ることさえ忘れなければ。 川の水の流れるように、つぎつぎと積み重なる殻都市、あるいは私たちの記憶。その絶え間のない流れは、目に触れた先から流れ去っていってしまう。でも、いつかの川のせせらぎが陽光をきらきら反射させていたのを私はいまも憶えている。見せておきたい景色が、ひとつ、ふたつ、と募ってゆく。それをいつか誰かに話し聞かせたいと思っている、祈りのように。そして、モノローグはようやくセリフへと変わる。 これから話すのは いつか存在した 今では存在すら忘れられた都市 ひたすら上へ上へと積みあがっていった都市 目的もわからず 理由も定かではなく その行為に没頭した都市 そんな 都市の抱いた 夢の残滓の こと そんな 人々の 物語
たか
たか
2019/06/25
圧倒的才能...! マンガが上手すぎる
camera2017年に読んで衝撃を受けた作品。1話だけ読んでもとにかくすごい。というか1話4ページ目の見開きのシーンが上手すぎる。ただの釣りと見せかけておいて、いきなり奇妙で壮大な世界を見せつける構成に痺れる!! (読めばわかります…とにかく第1話読んで) https://comic.mag-garden.co.jp/yotsuya13/ 凄まじい画力と懐かしいノリのギャグが織りなすハーモニーが最高。 ネットでは「高い画力で描かれるSF。主人公がゲスに振り回されるストーリー」という部分がレベルEと共通するというだけで「パクリ」と呼ぶ輩がいるようで本当に悲しいです…。 それは「NARUTOはハリー・ポッターのパクリで、ハリー・ポッターは落第忍者乱太郎のパクリ」だと非難するくらい、的はずれなこじつけにすぎません。 **そもそも冨樫先生の高い画力と卓越したストーリーは、表面的に簡単にパクれるようなものではありません。**魅力的な絵と読者の度肝を抜くエグい展開。この2つが揃って初めて冨樫先生らしさにようやく一歩近づけるかどうかというくらいでしょう。 もし仮に冨樫先生の漫画を真似できるとしたら、それ自体がその人の人並み外れた能力の高さを示しており、むしろ評価されるべきだと思います。 そして有馬慎太郎先生は、誰と比べる必要もなく最高の漫画家です。 マグコミでずっと読んでいたので、休載のアナウンスがあったのかどうかすら把握していないのですが、ずっと続きを待ってます。 (画像は2話より。キャラデザ・設定、何もかも好き…)
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
2020/07/08
漫画と土地の記憶(インタビュー記事を読んで)
『今日どこさん行くと?』の作品ページに、作者の鹿子木灯先生のインタビューへのリンクが追加されたので、読んでみました。 熊本地震で被災された先生が、熊本のPRのため、そして復興していく様子を残したいという意思のもと、この作品を産み出されたことに、色々な感慨が湧くのですが、読者としてこの作品が嬉しいのは、 ●変わりゆく熊本の記録が読める ●美しく楽しい熊本が描かれている の二点を両立しているところにある、と思っていたので、先生のインタビューは大変納得いくものでした。 敢えて復興の途中を描くのは、美しさに欠けると思われるかもしれませんが、記録としては貴重なものです。何よりもそれは、復興を望む人々の、強い想いの記憶でもあります。そう思えば、復興の生々しい過程も、完成された美しい光景も、その土地の人々にとっては等価に愛しいものでしょう。 ある土地を描くことは、その土地の記憶を描くことです。(長い目で見れば)いずれ失われる物を描き残すことは、そこを大切にした人々の、生きた証を残すことでもあります。 こうした漫画作品が残されることは、何よりも熊本の方にとって、嬉しいことでしょう。そのことは、次作の熊本ドライブ漫画『私の魅力がわからんと!?』が、ネッツトヨタ熊本さんの企画であることにも表れていると思います。 今(2020年7月)、熊本をはじめ九州地方は大きな水害に遭い、再び郷土が奪われる事態となっています。『私の魅力がわからんと!?』の内容にも今後、それが反映される「かもしれません」。また他作品では、『放課後ていぼう日誌』の舞台・芦北町は甚大な被害を受け、作者の小坂泰之先生も被災され、連載を休載されるようです。また、『カワセミさんの釣りごはん』の地域も大雨に見舞われているようです。 様々な作品の発表に、大きな影響が現れるのかもしれません。しかしまずは、何よりも先生方と九州の皆様の、身体の健康と心の安寧を、お祈り申し上げます。 私達はまず、今ある作品でこの地域に想いを馳せ、もしこの後、作品がまた産み出される時が来たら、その作品から様々に変わっていく九州と、変わらず美しい九州を、また鑑賞し、コレクションすることで応援出来たらと思います。 結論:まずは『今日どこさん行くと?』と『私の魅力がわからんと!?』を読もう!
sogor25
sogor25
2020/10/12
"不完全な世界"を探索する主人公の"本当の目的” #1巻応援
クレボーン島という島の辺境にある小さな村に住む、宿屋の娘ニコラ。 彼女が村の近くの平原で薪を拾っていると、本来山の奥深くに住むはずのドラゴンと呼ばれる巨大な生物が突然現れる。 身の危険を感じ逃げようとするのですが足がすくんでしまって動けなくなってしまうニコラを通りがかりの謎の男が助けてくれる。 ハガと名乗るその男はドラゴンのことを近くで観察していたといい、あまり自らのことを詳しく語らないのだが、村の人たちは彼は国内の調査をするため国王が極秘に派遣した調査隊「王の探求者(キングスシーカー)」なのではないかと噂をし始める。 そんな中、今度はそのドラゴンが直接村を襲い始めるが、ハガの奮闘によりドラゴンを討伐することに成功する。 その様子を見たニコラは、彼の弟子として冒険について行かせてほしいと懇願するが、ハガはその願いを受け入れることができなかった。 なぜなら彼の行なっていることは単なる冒険ではなくある"目的"があったためである。 この作品とにかく第1話の構成が素晴らしく、1話の中で世界観を見事に表現しつつ最後には裏切りを見せそして2話以降にもしっかり引きを作っていく。 2話以降で彼の本当の目的やかつて一緒に調査を行っていた仲間の話、そして何故か敵対している同業者の話などが徐々に加わり、1話のインパクトに負けずとも劣らない物語が展開していく。 物語の核心に触れて頂くために、まずは何も情報入れずに1は話を読んでみてほしい作品。 1巻まで読了
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