かしこ
かしこ
2020/01/18
バタアシ金魚のカオル君みたいになりたい
あなたにとって望月ミネタロウの代表作は何ですか? 私にとってのそれは「東京怪童」なんですけど。こないだ始まった「フレデリック」で【あの「ドラゴンヘッド」と「ちいさこべえ」の作者の新連載がスタート!】と紹介されててビックリしました。あれ!?「バタアシ金魚」は!?と。まあ、代表作があり過ぎるということかもしれませんが…。 私が「バタアシ金魚」を読んだのは10年位前ですが、主人公・カオル君のブレーキが壊れた熱血さが理解できなかった。これは連載当時との感覚が合わないから起こるギャップなのかな?と思ってたのですが、どうやらリアルタイムで読んだ人にとってもカオル君の熱さは時代遅れで、みんなソノコ状態だったそうです。でも圧倒的に表現の仕方が新しくてカッコ良かった!と聞いたことがあります。 岡崎京子のエッセイでも「バタアシ金魚のカオル君みたいに」という言葉がありましたが、カオル君のバカみたいなガムシャラさって、本当はどんな時代でも一番カッコいいことであるべきなんじゃないかと思います。 今、このクチコミを書いてて「ちいさこべえ」の主人公とカオル君って似てるかも?と気づきました。望月ミネタロウが描いている、人間にこうあって欲しいと思う姿(ヒーロー像?)って、初めから変わっていないのかもしれません。
まるまる
まるまる
2019/07/01
憧れのアーバンライフ少女漫画
内容は、親同士が再婚してある日突然知らないイケメン男子と同居生活が始まっちゃった!どうなるの〜!?☆という話で、主人公たちが高校から大学までの数年間で様々な恋模様を展開しながらこの上なく完璧なかたちで完結する名作です。 そして、ママレード・ボーイ littleという素晴らしい続編へ続くことができるわけです。 りぼん連載当時のわたし(小学生)からすると、主人公たちは高校生ですが、やることなすこと全てが憧れの「少し大人の恋愛」に映っていたくらい、ママレードボーイは全体的に落ち着きと品があるラブストーリーでした。 吉住先生の(いい意味で)手描き感のない細くてキレイな線の影響もあると思います。 今思えば、登場人物たちは皆(実際にそういう設定なのかはさておき)それなりの富裕層家庭で育っており、身につけるものや振る舞いが上品。あの世界には不良とかヤンキーの概念がなさそう。 制服のデザインも凝っており、私服も洗礼されていてめちゃめちゃオシャレです。何度真似して描いたことか…。とくに女の子キャラの服装は今見ても可愛い。 なので、アニメで光希が水色やピンクの服ばかり着ているのが嫌だと先生が言ってた記憶があります。 個人的にはすず×蛍カップル推しですね。美しい容姿を持ち、スポットライトを浴びる者同士、お互いを高め合える関係で、わがままなすずちゃんとクールな蛍くん。ナイスカップル。 ママレは90年代りぼん作品の中では、ベスト3に入るほど好きです。
hysysk
hysysk
2020/03/26
バブル後期の日本の恋愛観や仕事観そして人生観
ドラマが1991年だから自分は当時小学校4年生くらいか。当然原作を読んでる訳はなく、ドラマを観る習慣もなかったのだけど、あの当時としては衝撃的なセリフ「セックスしよ!」をクラスのお調子者がふざけて真似していたり、物真似やパロディや懐かしのドラマを振り返る的な番組で見かけたりして、断片的な知識だけはあった。 するとなんとこの4月から現代版としてリメイクしたドラマが始まるとのこと!これって今の10代からしたらおじいちゃんとかおばあちゃんの世代(30年前の20代)の話でもおかしくない訳だよね? https://www.fujitv.co.jp/tokyolovestory/ 柴門ふみが「スタバもユニクロも無かった時代」って言ってるのがうけた(ださくて質が低いとされてたけどユニクロはあったよ!)。 ぜひリメイクドラマと91年版ドラマと原作を比較して楽しみたいのだけど、始まる前の期待としては、赤名リカは今の時代にすごく合ったキャラクターとして描き直せるんじゃないかな、ということ。あとがきによれば「作品の成功はリカが受け入れられるかどうかにかかっていた」とのことで、当時としては賭けだったようだけど、今ならむしろ普通の感覚として受け入れられるような気がしている。帰国子女の外資系バリキャリみたいな人も増えたはずだし。 くっついたり離れたりすれ違ったりまた戻ったり辛気くせえ〜と思うのと、ところどころ現代(2020年)の感覚と合わずに「うわっ」となるところはある。けれどもあの時代にしては新しい(自分の親はほぼ柴門ふみと同世代だけどこんなにリベラルじゃない)考え方や生き方を肯定しているし、新旧の価値観のぶつかり合いに、まさに今リアリティを持って考えたい問題が見えてくる。この作品が生まれた時代(恋愛至上主義的な価値観)含めて乗り越えられるべき名作だと思う。
熊蔵
熊蔵
2020/05/30
闇カジノをイカサマで食い荒らす #1巻応援
漫画ゴラクらしい、裏社会のギャンブルノワールといった感じで、1話目からずっと緊張感と勢いのある漫画です。大型店舗のカジノではなく、闇カジノと呼ばれる違法賭博店を舞台に、主人公ゲンがディーラーとなり、客や店側をイカサマにかけて金を巻き上げようとするのですが、その場の緊迫感たるや尋常ではありません。ミスれば「死」という状況の中、イカサマをどうやって成立させるか?読者をドキドキさせる演出が抜群にうまいのです。作画・吉田史朗さんの漫画はけっこう好きで、これまで『村上海賊の娘』『甲鉄城のカバネリ』など読んできましたが、いずれの作品でも「雰囲気」を持ってる主人公像が良いんですよねぇ。劇画すぎない、かといって今どきの画とも違う、画力のある作家さんだと思います。覚悟と胆力を感じさせる顔つきだったり、人物の表情が素晴らしいですね。あと、原作者の方も相当凄い人じゃないかと睨んでますが、検索しても情報が一切出てこないので何者なのか気になるところです。(誰かご存知でしたら教えてください) ちなみに、この作品タイトルを初めて見たとき、オッサン的には「女喰い」という往年のエロ作品を連想いたしました。ちょっとしたエロ要素を期待してた部分も正直ありましたが、いい意味で裏切られたというか、本格的なギャンブル漫画で逆に良かった感じがあります。日本でもカジノ法案ができて、これから盛り上がる題材かもしれないので、ヒットしてほしいですね。
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
2019/01/19
素敵な短編集
camera
どこか海外の香りがするなーと思っていたらロンドンで美術学んでらしたんですね、衿沢世衣子さん。 いろんな雑誌に載っていた短編をギュッと集めた短編集。 表紙の素敵さがヤバい。 ポスターにして飾りたい。 タイトルは掲載された短編のタイトル3つを合わせたもの。 衿沢世衣子さんを初めて知って読んだのが、『うちのクラスの女子がヤバい』だった。 思春期の性だったり関係性など彼女らにそっと寄り添ったような悩みを淡々としているようですごくいいバランス感覚で描くなーと思っていたんだけど、それももしかしたら海外にいたことで培えたものもあるのかもしれない。 すごく勝手な話だけど、こういう価値観をもって描けるような大人が親戚の叔母あたりのポジションで自分と仲良かったらいいのになと思ってしまう。 いや、違うか、こういう人と結婚したい。 短編はどれも素敵で健やかで愛しい。 8本ある短編だけど、ちょうどタイトルの ・ラ・フランス ・難攻不落商店街 ・ベランダ が好きだった。 その中でも特に「ベランダ」。 たわいない会話にグッとくる。 そして見た目から推測できることはあくまで推測でしかなく、心配することは大人の自分勝手な善意の押しつけのようなもののしんどさや重さと表裏一体だ。 何かから逃げてきた子供の「別の国じゃなくなっちゃった」のセリフを描けるのは本当にすごい。 自在に特定の年代の人間と同じ目線になれるんだろうか。 よっぽど深く潜れないとその言葉は引き出せないと思う。 しかし、ここで見せたいのは少女の方ではなく、あくまでそれを聞いた大人の女性の表情だ。 僕たち読者は一緒にハッとさせられる。 それまで呼んでいた「テキサス」というおちゃらけたあだ名が耳の奥で響き宙に浮く。 このあと、結局最後までストーリーには一切関わってこなかった主人公の杖が気になるようになった。 彼女も過去に何かあったのかも、とは深読みのし過ぎか。 誰にだって何かの事情はあるものだ、ということかもしれない。 梅雨が明けた頃、この短編をもう一度読もうと思った。 画像は僕が一番好きな、なにげない会話のシーン。
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