mampuku
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2018/04/05
泣けるアフタヌーン
 アフタヌーンで「金のひつじ」を連載中の尾崎かおり先生による過去の傑作。大人には相談できない秘密を抱えて、誰にも内緒の初恋をした11歳の夏。強烈なノスタルジーに加え、逃避行のドキドキと背徳感、爽やかさと切なさが心地よい1冊です。 こんな象徴的な台詞がありました。 「どんな理由があっても…悪いことだとわかってても それしかできないときって」 「他にどうしたら──どうしたらよかったんだよ!?」  周りより大人びて見えていても少女はどうしようもなくまだ子供で、その「重荷」は小さな肩に背負うにはあまりにも大きくて、そんな彼女の力になりたいと願う少年もまた何もできない子供でしかなくて…  幼い彼らは大人の力を借りなければ生きていけないけれど、彼らの中にはたしかに守りたい世界があって、でもそれって紛れもない「愛」そのものなんですよね。愛という確かな意思によって突き動かされた物語であるからこそ、彼らの努力も涙も旅の結末も、儚くも美しく感動的なのではないでしょうか。それがたとえ子供故に浅はかで、拙い足取りだったとしても。  小学校高学年のこの時期ってなかなか自分の素直な気持ちが自覚できなかったり、思ってても言えなかったりしたものでした。けれど勇気をもって一歩踏み越えて行動した先にはまったく違う世界が広がっていて、そこから得られる高揚と不安それこそがまさしく冒険のワクワクに他ならないわけです。異世界ファンタジーでも得られないほどのドキドキで感情を揺さぶられる、少年少女たちが精いっぱいの冒険をする話がたまらなく大好きなのです。  「四月は君の嘘」とか好きな人にも薦めたいですね。
ANAGUMA
ANAGUMA
2019/08/27
メダロットが「生きてる」…
原作ゲームにハマった時期にボンボンを買って読んでたんですが、結構読むのが怖かった思い出があります。 このマンガのメダロットは攻撃されると腕がちぎれて関節の被覆が裂けるし、ボディを撃たれればオイルが血しぶきのように飛ぶし(効果音は「ゴプッ」!)、殴り合えば顔のシェードが破損しカメラアイが露出します。フェティッシュと言えるほどに破壊の表現が緻密で、機械であるメダロットが、まるで生きた肉体を持っているかのように痛々しく傷ついていくのです。 ビーストマスターがメタビーの半身を吹き飛ばす表現は今でも脳裏にこびりついていて、トラウマものです…。 ゲームボーイの画面では、ロボトルで戦うメダロットはパーツが壊れて戦闘不能になるあくまでロボットっていうイメージがやっぱり強くて、それがマンガになるととたんに生々しくなって「実際はこんな壮絶なことが起きているんだ…」とビビリまくりましたね。(メダロット2、3になると色がついたり、表現力が増してもっと生き生きした感じになりますが…) この破壊の表現やリアリズムがあってこそ、人間の相棒であるメダロットへの愛着、キャラクターとしての個性がより際立ち、児童マンガの域を超えたストーリーの緊張感が保障されていました。メダロットの神秘性や出自の設定など、SFとしての見せ方もめちゃくちゃレベルが高い。 『ポケスペ』なんかもそうなのですが、子ども向けのゲームをネタに「そこまでやるのか???」という気合がビシバシ伝わってくるわけです。 特に3巻のセレクトビルでの攻防は『デビチル』のマーブルランド戦争編と並び立つ珠玉の名勝負だと思います。 限られた表現でつくられたゲームの魅力を、想像力を爆発させてマンガでブーストしていたんだなぁと思います。おかげでいい子ども時代を送れました。 この時代のボンボンマンガを代表する気迫溢れる一作なので、ゲームをやったことがない人にもぜひ読んでほしいですし、出来たらゲームもプレイしてそのギャップも味わってほしいですね。
熊蔵
熊蔵
2020/05/30
闇カジノをイカサマで食い荒らす #1巻応援
漫画ゴラクらしい、裏社会のギャンブルノワールといった感じで、1話目からずっと緊張感と勢いのある漫画です。大型店舗のカジノではなく、闇カジノと呼ばれる違法賭博店を舞台に、主人公ゲンがディーラーとなり、客や店側をイカサマにかけて金を巻き上げようとするのですが、その場の緊迫感たるや尋常ではありません。ミスれば「死」という状況の中、イカサマをどうやって成立させるか?読者をドキドキさせる演出が抜群にうまいのです。作画・吉田史朗さんの漫画はけっこう好きで、これまで『村上海賊の娘』『甲鉄城のカバネリ』など読んできましたが、いずれの作品でも「雰囲気」を持ってる主人公像が良いんですよねぇ。劇画すぎない、かといって今どきの画とも違う、画力のある作家さんだと思います。覚悟と胆力を感じさせる顔つきだったり、人物の表情が素晴らしいですね。あと、原作者の方も相当凄い人じゃないかと睨んでますが、検索しても情報が一切出てこないので何者なのか気になるところです。(誰かご存知でしたら教えてください) ちなみに、この作品タイトルを初めて見たとき、オッサン的には「女喰い」という往年のエロ作品を連想いたしました。ちょっとしたエロ要素を期待してた部分も正直ありましたが、いい意味で裏切られたというか、本格的なギャンブル漫画で逆に良かった感じがあります。日本でもカジノ法案ができて、これから盛り上がる題材かもしれないので、ヒットしてほしいですね。
野愛
野愛
2020/09/11
愛にあふれた商店街のものがたり
人間模様がしっかりあって、とんでもなく悪いやつは出てこなくて、もどかしくなったりちょっとだけすれ違ったりしながらもすんなり読めてちゃんとエロい。つまりはとてもよいBLでした。 数年ぶりに帰った地元で、相変わらず可愛いけど大人になった幼なじみと再会するのがまず良い。 大人になったなあ…と思ったら大人になりすぎちゃってドエロいビッチになっちゃってるのも良い。 ドエロいビッチなのに相変わらず可愛くて、俺がいないとダメだって思わされちゃって、でも商店街のために誰よりも奮闘してる立派な人間になっていて…寂しいような切ないような気持ちになってしまうんですね。 テンポ良く進む割に主人公・翔大と幼なじみ・麻琴の心模様はしっかり描かれているので、しっかりがっつり感情移入できます。 純情ビッチ麻琴が可愛くて可愛くて仕方ないし、可愛いだけじゃなく芯の強さや愛の深さも伝わります。麻琴とそういう関係になってる商店街の男たちも案外いいやつらなんです。 いいですね。いい商店街ですね。これからもみんな幸せでいてくださいね…!という気持ちになりました。 BのLの作品のことを「山なしオチなし意味なし」なんて言葉であらわすこともあるけれど、人を愛したら山も谷もあるしハッピーエンド以外のオチなんていらないし人が愛し合うことに意味があるとかないとかどうだっていいじゃないか。 2人が幸せならなんだっていい。この商店街には愛がある。
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