子供たちの小学校での話題(今で言うクチコミ)とか
サラリーマンの財布事情や主婦の娯楽感覚が
売り上げ・集客に関わってくるとか、
そういうのがとても面白かった。
単純な「美味しいが正義」の漫画じゃやないのが凄いと思う。
大衆料理を極めようと決めた味平が挑んだのがカレー。
それぞれが千差万別の味の好みを持つ大衆相手に
「一つの味で大衆が満足するカレー」
を追求する。
それが味平カレー。
そしてある意味、鼻田のブラックカレーも。
グルメ漫画でありながら料理がそれほど美味そうに
見えない漫画は結構あるように思います。
ビッグ錠先生も、けして美味く描くほうではないですね。
写真みたいに正確に描けばいいってもんでもないし
難しいだろうなとは思いますけれど。
柳大吉というキャラが凄くいい。
大吉の突堤での号泣には感情移入してしまう。
この「カレー戦争編」の後の「ラーメン祭り編」にも
出てくるけれど、応援したくなるキャラだ。
スーパーくいしん坊は衛生的にアウトが多い。
あと天丼をフライにするという見るだけで胸焼けする料理もやばかった
>>スーパーくいしん坊は衛生的にアウトが多い。
たしかハープ(弦楽器)を倒して弦で切った寿司とかあったような。
>>あと天丼をフライにするという見るだけで胸焼けする料理もやばかった
フライの中にさらに天ぷらが、という奇抜さを狙ったのだろうけれど、
手間やコストや、なにより味を考えれば
「天むす」くらいがちょうどよいのではないかと思う。
ハープで寿司を切るシーンもやばかった。
天丼フライ回はハンバーガーに対抗して作るとかの展開で親子丼/かつ丼/天丼はハンバーガーと違って手軽に温かいまま食えないのでフライにすればイケる!! おまけに漬物までついてて良いみたいな展開だった
味平の方は多少無茶でも食える感じはあるんだよね。味平の汗入り潮汁以外は...
洗濯機ラーメンは一度やってみたい
味平カレーも衛生面で考えたら微妙な部分はあるけれど・・
まあ「漫画だから」で済む範囲だよね。
けれどカレー編以外だと
「汗入り潮汁」みたいなアウトっぽいのもあるし、
「地雷包丁」とか「火炎放射器炙り」とかの、
味とは関係ないだろ、ってのもあった。
そういう意味では「カレー戦争編」は味平シリーズのなかでは
もっともマトモな話だったとも言えるかな。
地雷包丁には夢しかなかった。
味平は前半で鍛えに鍛えた包丁技術を
後半ではほとんど活用しないな。
表に出てこないだけで、活用しているのかもしれないが。
チンピラ暴走族集団のブラック・シャークの連中が
なんだかんだあって真面目に味平カレーを手伝って
更生?しているのが地味に面白い(笑)。
「カレーは辛いから美味いんだ」は至言だね。
牛丼の吉野家さんが「スパイシー・カリー」
を売り出したので食べてみた。
ほとんど素カリーで310円。
値段からしたら充分美味しいと思った。
味平カレーは1970年代の漫画だと思うが
値段は300円。
いまとは物価が違うとはいえ格安だ。
ライバルのインド屋のカレーが500円らしいし。
というか、殆ど素カリーとはいえ
いまどき310円で販売する吉野屋も凄いかな。
狙いはトッピングを注文させることだろうけれど。
後々料理勝負漫画の影響もあるが鼻田香作のインパクトもすごい
解体屋ゲンにもオマージュしたキャラが出てたし
鼻田香作という名前からして凄いが、
料理人としての能力と矜持、
頭からつま先までのファッションセンス、
結末にいたる人生の歩み、
すべてがキャラとして際立っている。
デパートの屋上とか満員の店先とか
人目の多いところで平気で刃物を振り回すし(笑)。
このカッコウでこういうことしてたら、
普通に警察か救急車を呼ばれる。
ある意味、鼻田の狂気性を垣間見せたシーン。
カレー将軍というネーミングセンスも素晴らしい
テレビ東京の番組
「世界!ニッポン行きたい人応援団」
で、日本の大衆食堂料理が好きで
メキシコで食堂を開いている夫婦を日本に招待して
料理修行をさせる回があってとても面白かった。
その中でカツカレー、そしてカツカレーと福神漬けの
マッチングに嵌って「驚くべき美味しさです」
と絶賛するシーンがあった。
カレーに福神漬けといい、
天ぷらとかスシでなく大衆食堂料理屋を目指すことといい、
この人、メキシコの味平だな、と思った(笑)。
ネットのYoutubeなどで「ココイチ」のカレーを
絶賛する動画を良く見かける。
特に来日した外国の方々の
「日本式カレー最高!」との絶賛動画が多い。
たしかにココイチのカレーは美味しいし、
まさに日本式カレーなんだろうな、と思う。
味平のカレー戦争では
「味平カレー」という醤油味を軸にして
一つの辛さで万人を納得させるカレーと
「インド屋カレー」という本場の味をうたってはいるが
日本人向けにアレンジしたり辛さを数段階に分けて用意した
カレー(そしてブラックカレーも)が登場して、
「日本人にあったカレー」を競い合う。
ココイチのカレーはけして醤油味でもないし
一つの辛さで勝負しているわけではないが、
味平カレーとインド屋カレーのいいところをあわせて
(プラス、多様なトッピングの良さも加えて)
実現させた「日本式カレー」のようにも感じる。
実際にはココイチのカレーは味平カレーの影響を
受けて作ったものではないだろうけれど、
「味平カレー戦争編」での
「日本人には日本人にあったカレーが一番なはず」
という基本的な考え方を現実化したカレーなのでは
ないかなあ、と思う。