カレー戦争編
本作は味平全5シリーズのうちの4つめの章。デパートの売上競争の代理戦争に巻き込まれた味平が、カレーの味でどれだけ客を集められるか、というものです。ライバルは6000種類のスパイスを嗅ぎわけるカレー将軍・鼻田香作。この恐るべき男を相手に味平の策は?ということでまさに戦争がはじまります。でこの作品、特筆すべきは料理漫画ではあるものの、おいしく見せることを追求しているのではないんですね。ミルクカレーにスパカレー、しょう油入りカレーと一歩間違えばゲテモノです。ただ、これが食べたく思ってしまうんだなあ。そう、この作品の胆はここ。説明などどうでもよく食べてみたいという幻想がここにはあります。最後に出てくるブラックカレーなんてもう、一度は…。あ、でもこれはちょっと禁じ手かぁ。
ネットのYoutubeなどで「ココイチ」のカレーを
絶賛する動画を良く見かける。
特に来日した外国の方々の
「日本式カレー最高!」との絶賛動画が多い。
たしかにココイチのカレーは美味しいし、
まさに日本式カレーなんだろうな、と思う。
味平のカレー戦争では
「味平カレー」という醤油味を軸にして
一つの辛さで万人を納得させるカレーと
「インド屋カレー」という本場の味をうたってはいるが
日本人向けにアレンジしたり辛さを数段階に分けて用意した
カレー(そしてブラックカレーも)が登場して、
「日本人にあったカレー」を競い合う。
ココイチのカレーはけして醤油味でもないし
一つの辛さで勝負しているわけではないが、
味平カレーとインド屋カレーのいいところをあわせて
(プラス、多様なトッピングの良さも加えて)
実現させた「日本式カレー」のようにも感じる。
実際にはココイチのカレーは味平カレーの影響を
受けて作ったものではないだろうけれど、
「味平カレー戦争編」での
「日本人には日本人にあったカレーが一番なはず」
という基本的な考え方を現実化したカレーなのでは
ないかなあ、と思う。