磨き上げられた骨と肉、そして神の与えし顔(かんばせ)
兎来栄寿
兎来栄寿
約5時間前
『インヘルノ』や『美女が野獣』のマツモトトモさんの最新作。 「剣聖」と呼ばれた祖父を持ち16年間剣道に邁進してきた少年が、3人の美形ダンサーと出会ってA(エース)と呼ばれるようになり、ダンスの道に引き摺り込まれていく物語です。 印象がほぼ闇金の人であるリーダーのJ(ジョーカー)、派手なK(キング)と地味なQ(クイーン)。抜群に顔が良くてダンスも上手い3人の素性・バックボーンは物語を読み進めるにつれて明らかにされていきます。そうしてキャラクター性が確立されてくると、脇役も含めて全員とても魅力的でどんどん彼らが織りなす物語を読みたくなります。 シリアスとギャグがいい塩梅で調和しており、Aが最初のボックスステップで 「これは…靴を履かされた実家の犬…!(ポポちゃん3歳)」 と言われたシーンでは声を上げて笑ってしまいました。しかし、剣道一筋で培った体幹や身体をコントロールする技術によってみるみる成長していくAの姿はワクワクします。 絵柄が非常にスタイリッシュですが、それに加えて 「磨き上げられた骨と肉」 「顔面が良すぎる…!全てのパーツがすっきり整った圧倒的端正なお顔立ち…ああ神の与えし顔(かんばせ)…!!」 「踊るということは 常に今の自分を否定されるところ」 など、随所に出てくるさり気ないセリフやモノローグのひとつひとつにパワーワードが溢れており、惹き付けられます。 こんなにスタイリッシュな作品なのに、 「この漫画を読み終わったら社員食堂の本棚の美味しんぼの隣あたりにスッと置いといてもらえると嬉しいです」 という冒頭の作者コメントも何とも良いです。
リズムナシオン
無常観と青春
野愛
野愛
3日前
青春は儚いし、時は無常だ。 同じ春は二度とやって来ない。また三人で笑い合えたとしても、あの頃には戻れない。 渦中にいると苦しいのに、振り返りたくなるほど眩しいのが青春なんだと感じた。 第四話の冬の三人に青春のすべてが詰まっている。 どうしようもない恋に振り回されて変わってしまった三人が、幼い頃のように笑い合う場面。 幸せすぎる時間だからこそ、終わりを予感させて寂しくなった。 青春の儚さと美しさが描かれた作品でした。
さきくさの咲く頃