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ワガママ女子高生、美月の趣味は担任の小林イジメ。だけど全く動じない小林の態度に、美月の不満は爆発寸前! そんなとき、街で絡まれた美月を偶然助けたのは、他でもない小林だった。学校では見せない、大人な小林の魅力に、ハマってしまう美月。小林の家に押しかけて一線を越えてしまったけど、思いもよらない過去の事件が、2人の仲を引き裂く―!?

ぼくのこころのやばいやつ
僕の心のヤバイやつ
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あらすじ

学園カースト頂点の美少女・山田杏奈の殺害を妄想してはほくそ笑む、重度の中二病の陰キャ・市川京太郎。だが山田を観察する内に、京太郎が思う「底辺を見下す陽キャ」とは全然違うことに徐々に気づいていき…!? 陰キャ男子・京太郎の初めての恋、始まる。陽キャ美少女×陰キャ少年のニヤニヤ系青春格差ラブコメディ!!

ラブコメですよ

ゆゆゆ
ゆゆゆ
北斗の拳
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あらすじ

199×年、世界は核の炎に包まれた。破壊され、荒野と化した地球に生き残った人類は、再び暴力に支配された。一滴の水さえも奪い合う時代が到来し、弱者は虐げられるだけの過酷な運命を負わされた。そんな、ある日。一人の若者が水を求めて荒野を歩いていた。彼こそは、肉体に散在する経絡秘孔(ツボ)を突き、内部から相手を破壊するという、一子相伝の暗殺拳「北斗神拳」の使い手、ケンシロウだった。たどりついた村で、ケンシロウは牢に囚われる。牢には、バットという少年がいた。牢番をしていた少女リンは、ケンシロウの優しさに触れ、牢の鍵を渡す。そのとき、村は、豊富な食料と水が目当ての強盗組織「Z(ジード)」に襲われる……。ケンシロウの最初のライバルのシンや、最愛の恋人ユリアも登場。「週刊少年ジャンプ」やTVアニメで爆発的人気を誇り、「おまえはすでに死んでいる」のセリフが流行語にもなった一大格闘巨編、ここに復活!悲哀は、やがて愛へと変わる――。

この世界の片隅に
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あらすじ

主人公・すずは広島市から呉へ嫁ぎ、新しい家族、新しい街、新しい世界に戸惑う。だが、昭和18年から描かれる一日一日を確かに健気に生きていく。戦中の広島県の軍都「呉」を舞台にした戦中を生きる小さな家族の物語。

こだいせんしはにわっと
古代戦士ハニワット
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あらすじ

長野県長野善光寺市に、なんの前触れもなく突如現れた巨大土偶。街を破壊し、阻もうとする人間を排除しながら漸進する土偶を阻止できるのは、そうハニワットしかいない! 『鈴木先生』の武富健治が渾身の筆致で描き出す、超古代伝奇ヒーロー譚!!

冬季五輪ばりのスルメ的面白さで気づくとズブズブにハマってるスゲー漫画

周囲の漫画好きに勧められて読んだけど、全くとんでもねぇもん読ませてくれたなと思う。この漫画を読む楽しさというのは、冬季オリンピック期間中に日本が善戦しているマイナー競技にハマる現象に似てるかもしれない。カーリングとか。 最初は何やってんだか全然わからなくて、「いったい何を見せられているんだ」って感じなんだけど、見てるうちにだんだんルールが理解できてきて、お茶の間で「いや〜あそこはあっちでダブルテイクアウト狙うべきだったよ」って、覚えたての専門用語使って語っちゃう感じ。 それと同じでこの漫画もわかるとスゲー楽しい。メチャクチャ楽しい…!! ということは逆もまた然りで、「埴輪土」について右も左もわからぬ状態で読む1巻はメチャクチャ大変。 それでも登場人物たちがガンガン使いまくる専門用語を1つずつ覚えて、埴輪土について自分の力で読み解いていくのが本っっっ当に楽しいので、これから読む人は1話で挫折しそうになっても最初の大きな戦いが終わる第1部(4巻)まで読みつづけてほしい…! 絶対ハマるから。 https://i.imgur.com/XxUQMWP.jpg (△『古代戦士ハニワット』武富健治 1巻1話より)     とりあえず1話は 「長野に光撃型か剣技型か不明の謎のドグーンが現れ、仮具土の埴輪徒である主人公・仁は、幼馴染の主巫女・クマリとともに蚩尤収めに臨む」 っていう感じなんだけど、わかるように説明すると 「長野に突然ちょっと大きい人間くらい(2m大)の土偶が現れて怪力や超能力で街を破壊したり人を殺し始めた。それを止めるには巫女の舞や祈り、そして戦いでおもてなしをして土偶の魂を鎮めて帰っていただくしかない。巨大土偶と戦うため、霊力の高い青年は巫女とシンクロすることで土でできた鎧にその魂を憑依させ、遠隔操作型の仮面ライダー的な戦士となる」 という感じ。 >【用語解説】 「蚩尤(しゆう)」…2m大の土偶のこと。一般にはドグーンとして知られている。 「特殊祭祀」…土偶に帰ってもらうための儀式。蚩尤収め、魂鎮めとも言う。 「埴輪徒(はにわと)」…埴輪土を操る強い霊力を持った男性。 「主巫女(あちめ)」…埴輪徒が埴輪土に憑依する際、ともにシンクロして力を貸す霊力の高い女性のこと。 第1部(4巻)を読み終わるころには、あのさっきのわけわからんあらすじが全部問題なく理解できるようになっているので安心してください。 (もはや完全に理解しきった今となっては、序盤のわけのわからぬまま置いてけぼりにされる感じがある意味心地よかったなとすら思う) ちなみに自分が作中で一番好きシーンは、3巻で真具土の埴輪徒である凛の戦いを警官隊が警備しているとこ。 >「神主も…正面のドグーンに向かって祈っている…!」 >「前のときと違うぞ…!!」 という警官のセリフに「だよな〜〜!?!!!」 と激しく共感してしまう。 気持ちメチャメチャわかる。だって昨日の人たちはドグーン(敵)じゃなくて味方側に向いてお祈りしてたし。「えっ!? 前のときと違う…!」ってなりました。 https://i.imgur.com/QmX2WPa.jpg (△『古代戦士ハニワット』武富健治 3巻22話より)     いきなりわけわからん状況に放り込まれた警官そして読者が、現場でただじーっと儀式を見守り続けた結果、いつの間にか「埴輪土」について学習して理解し始めている…っていうこの感じが最高に冬季五輪観戦で好き。 ここまで専門用語が難しい的なことを散々書いてきたけど、もちろんただ難解なだけでなく     ・変身ヒーロー×神道の面白さ ・シン・ゴジラを始めとする様々な特撮映像作品からの影響 ・緊急事態なんだけど神事なので準備にやたら時間がかかるシュールさ ・車社会の地方都市を自家用車で移動しまくる実家のような安心感 (「あっ 鶴ちゃんとこのリーフだ!!」って子供が当たり前のように知り合いの車種把握してるとこ最高に実家)     という感じで、マジで魅力にあふれている作品なので漫画好きなら絶対一度は読むべき…そしてこの感覚を味わうべき! 2021年、鬼滅と呪術のあとに古代戦士ハニワットブーム来てほしい…!

たか
たか
さいきょうでんせつくろさわ
最強伝説 黒沢
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あらすじ

「オレが求めているのは……オレの、オレによる、オレだけの……感動だったはずだ……!!」――。うだつが上がらない中年男が、不器用ながらも様々な修羅場に奮闘して、男気ある人間へと成長していく人情コメディ。目標もなく働き続け、年齢を重ねてきた土木作業監督・黒沢(くろさわ)は、ふとしたことで自分の生き方に不安感を覚える。そして、誰にも祝福されず44歳の誕生日を過ごした孤独な黒沢は、人望が欲しいと強く願って……!?

ぎんがながれぼしぎん
銀牙―流れ星 銀―
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あらすじ

大輔の家に子犬が誕生した。猟師の間で貴重視される虎毛の秋田犬・銀である。猟師である五兵衛の熊犬・リキは、殺人熊・赤カブトと戦い谷底へ転落、消息を絶った。復讐を誓った五兵衛は、生まれて1ヵ月もたたない銀に厳しい訓練をつけ、熊犬として鍛えあげていく。

日出処の天子(完全版)
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あらすじ

ときは飛鳥時代前夜、権勢を誇る蘇我氏の後継者たる毛人は14歳。父に連れられて出仕した朝廷で、10歳の少年、厩戸王子と出会う。毛人と厩戸、ふたりの激動の物語が、いま始まる。数多くの貴重なカラー原稿、トビライラスト、予告カットなどを完全再現。日本の漫画界を代表する山岸凉子の最高傑作「完全版」!

デビルマン
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地球の先住民族、デーモン族の存在を知ってしまった不動明と飛鳥了はデーモン族の侵略に対抗するために、悪魔と合体しようとするが…

キャプテン
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あらすじ

弱小野球部のキャプテンと部員達が、ひたすら努力を重ねて最強チームに成長していく熱血スポーツコミック。墨谷二中に転校してきた谷口タカオ(たにぐち・たかお)は、野球部の練習に参加しようと、以前いた学校のユニフォームに着替える。それが野球の名門・青葉学院のユニフォームだと気付いた野球部員達は、谷口を凄い大物選手だと思い込んでしまう。しかし青葉学院にいた頃の谷口は、パッとしない二軍の補欠選手で……!?

キャプテン試論 ースポ根とは言われない何かー

いわゆるスポーツ漫画一般を分類する言葉として「スポ根」というものがあるが、ちばあきおの『キャプテン』ならびにその続編の『プレイボール』は、その内容的には「スポ根」と呼べそうな要素を多分にもっていながら、どうしても「スポ根」とはいいがたい何かがあるように思う。それはいったい何なのか。 スポーツとはそもそもが不平等である。そんなスポーツ界で頂点に立つような人々というのは、生まれながらにして神に愛されており、尚且つ、努力にいっさいの身を惜しまないような人であろうと思う。それはそれは残酷で切ないことではありませんか。 そうであれば、少なくとも、青葉から墨谷二中に転校してきた谷口タカオをはじめ、体格にも才能にも恵まれない人々は二倍も三倍も、もっともっと、もっともっと、がんばらなくっちゃならない、その間にも、生まれながらにして神に愛されており、尚且つ、努力に身を惜しまない人々は先へ先へと進んでいくのだから。しかし、あえて言及してみるまでもなく、これほど当然の理屈もないだろう。劣っているものが優れたものに勝つには、もっともっと、もっともっと、がんばらなくっちゃならない。三分の一ノックで身体がボロボロになろうとも、向こう見ずのダイビングキャッチで脳震盪を起こそうとも、それでも、それでも、がんばらなくっちゃならない。なにせ相手は生まれながらにして神に愛されており、尚且つ、努力に身を惜しむことのない猛者たちなのだ、これほど至極当然の理屈がこの世にほかにあるだろうか。これほど残酷で切ないはなしがほかにあるだろうか。 しかし、ちばあきおという作家は、この残酷で切ない至極当然の法則から目を背けることはけっしてしない。むしろ、それを剥き出しの状態のまま直視しようとしているようにみえる。この眼差しには、残酷で切ないだけではない、どこか優しさめいたものがあるように思う。この優しさは、けっして、困っているひとを、あるいは劣っているひとを、助けるといったたぐいの優しさではない。もし、そうであれば、島田は二度も三度もフェンスに激突して脳震盪を起こさずに済んだにちがいない。 思うに、いわゆる「スポ根」なるものは、当然なるものを当然のこととして描くのではなく、この残酷で切ないがんばりそのものを直視するのではなく、それを問題的に、あるいは問題-解決的に覆うことで物語を構築しているのではないか。そうすることで残酷で切ないがんばりそのものは問題的なもののベールに包まれて見えにくくはなるが、登場人物たちは野性的で不平等きわまりない野晒しの世界からは守られることになる、しかし、これもある種の優しさではあろう。 それにしても、この野晒しの世界で、墨谷二中はどうなったか。なんと全国制覇を成し遂げたのである。当然のことを当然のこととして丹念に描いた結果が、荒唐無稽な夢のよう話になってしまうという、これほど感動的な事態がほかにあり得ようか。数あるスポ根の登場人物たちには勝つために理由-問題が必要だった、裏を返してみれば、彼らの勝利にはそれ相応の理由があった。そうと理由があるのなら、なんだ、そういうことかと腑に落ちることができる。しかし、ほんとうに感動的な体験とは、まだ見たことのない信じられないようなものを目の当たりにするときに起こるのではないだろうか。そして、それを少なくとも可能にするのは、努力は必ずしも、いや、ほとんど場合において実を結びはしないが、それでも、それでも、がんばらなくっちゃと思う、なにか対象のない漠とした祈りのような姿勢のなかにあるということを谷口たちは身をもって教えてくれる。

影絵が趣味
影絵が趣味

4世代にわたる大長編野球マンガ!!

表紙のとおり、野球マンガです。特徴としては、墨谷二中の野球部のキャプテンが4代にわたって主人公をつとめる、リレー形式のマンガという点です。 谷口キャップ→丸井キャップ→五十嵐キャップ→近藤キャップ マンガは主人公のキャラクターが大事と思いますが、4者4様なので、その都度結構作風・校風が変化します。初代の谷口キャップは、素質はそこまででもないと思いますが、とにかく努力の人で、読む者に勇気を与えてくれます。谷口キャップ時代の面白さに文句をつける人はいないと思います。 わたしが次に好きなのは、近藤キャップ時代です。丸井&五十嵐の時代にも、近藤キャップは登場してましたが、そのときはいけすかないキャラ設定で、正直好きになれず、五十嵐キャップの次のキャプテンが近藤キャップに決まったときは、「これでこのマンガも終わったな」と思いました。 ですが、近藤キャップはキャプテンになってからものすごく変わりました(変わりきれずに退場になったりもしてしまうのですが・・)。それまでの墨二は、ものすごい練習量で、言い方は悪いですが、とにかくシゴきにシゴきまくって欠点を修正し、チーム力をアップさせるやり方を採っていたのですが、近藤キャップに変わり、皆の長所をうまぁく引き立たせて、野球を楽いと思いながら前向きに頑張れるように導くスタイルに変化します。練習量は激減しますが、逆に成果は落ちてなくて、下級生たちの実力も選抜大会出場校の選手と比べても遜色のないほどに成長していきます。 どちらが良いとかは一概には言えませんが、素質はありながらも1年のときから先輩たちにバカだの何だの言われて怒られ続けてきた近藤キャップだからこそ、できない人・怒られる側の気持ちがわかり、その人達の実力を引き出すことができるんだなと思って感心して読みました。最終盤で近藤キャップがお父さんと相談して作った練習計画ノートが出てきたときは感動で咽び泣きました。 丸井と五十嵐の時代は、わたしは読んでてダレてしまいました。正直読破を諦めようかとも思いましたが、最後近藤キャップの活躍が見れて、がまんして読んで本当によかったです。 丸井も合宿の掃除や炊事を買って出たり、悪いやつではないのはわかるのですが、正直でしゃばりすぎだと思います。基本いいやつだとは思いますが、出てくる度にがっかりしてました。タイムとかも取りすぎです。 谷口キャップと近藤キャップのところだけなら★5でいいと思います。

酒チャビン
酒チャビン

根尾くんはイガラシではないか!

第100目の開催となった夏の甲子園~ドラフト会議までのあいだには数々のドラマがあったと思いますが、そのなかにひとつ、遊撃手対決というのがありましたね。立役者はもちろん、報徳学園→広島東洋カープに入団した小園選手と、大阪桐蔭→中日ドラゴンズに入団した根尾選手、野手の華とも言われる遊撃手というポジションをめぐる二人の関係はそろって4球団競合ドラフト1位という決着に一旦終止符を打ちました。 しかし、それにしても、小園選手は見事なまでのショート顔をしている。将来は球界を代表する名ショートストップになること間違いナシと太鼓判を押したくなります。内野手の要として、すえながく渋い活躍でチームのピンチを救ってくれそうな選手です。いっぽうで根尾選手はと言うと、どうやら、必ずしも遊撃の名手としてドラフト指名されたのではないらしい、しかも、プロでは二刀流とは決別して野手一本でいくと表明していたのにも関わらずです。根尾選手は、いちプレーヤーとしての質の高さだけではなく彼の人間性全体からくる伸びしろの高さを評価されているらしいのです。 根尾選手にまつわる各界からのコメントをみてみますと、これが実にバラエティにとんでいて非常におもしろい。ショートの他にも、いまだピッチャー説もあれば、センター説もあり、挙句の果てにはキャッチャー説まででてくる始末。さらに特筆すべきはチームリーダーとしての資質です。単なるチームのまとめ役ではなく、根尾ひとりがいるだけで他のチームメイトにも良い影響を及ぼしてチーム全体の力能がこぞって向上するような類のチームリーダーとしての資質です。 こんな選手がかつていただろうかと思い巡らせてみますと、そんな選手をわたしはひとりよく知っているのです。そう、墨谷二中を全国優勝に導いたイガラシです。もう、見た目からして、あの猿か忍者のような身のこなし、ひん曲がった眉毛、根尾くんはまさにイガラシの体現だとしか思えないのです。

影絵が趣味
影絵が趣味
りへいさんとこのおばあちゃん
利平さんとこのおばあちゃん
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あらすじ

「おばあちゃんは、今は一人暮らし。じいちゃんいたけど、せんだって死んだ…。突然ポックリ死んだ」 山間にある素朴で懐かしいちいさな村で、荒物屋を営む、太田利平さんとこの、おしげばあちゃんは、猫のミーコや犬のお杉と、のんびりと、そして賑やかに暮らしています。 人と人との絆を繊細で抒情溢れるタッチで描き、読む者の涙を誘う、優しく切ない珠玉のハートウォーミング・ストーリーズ。すべてのマンガファンのために、遂に待望の電書化! 『利平さんとこのおばあちゃん』とは? 本電子版第1話で、第3回小学館新人コミック大賞佳作を受賞。1970年代後半〜1980年代後半にかけて10年間、小学館『ビッグコミック』とその増刊号にて連載された人気作。過去に小学館、エンターブレインより単行本が出版されている。このたび著者監修のもとエピソードを厳選し傑作選としてマンバより電子書籍化された。

令和の今読み返したい、昭和の優しいおばあちゃん

「味のある老人を描く」というのは一際困難がある作業です。まだ若い作家であれば自分の実体験に即して描くことができないので、他者への鋭い観察眼または豊かな想像力が必要となってきます。そもそも、マンガの主な購買層である若い読者を想定して主人公も若くしておくことで共感しやすくするのがセオリーとなっているところもあります。 実際、1000万部以上の累計発行部数を誇るメガヒット作品群を見てみても、老人が主人公の作品というのはほとんどありません。島耕作や『蒼天航路』の曹操は物語が進むにつれて歳を重ねましたが、最初から老人を主人公に据えている作品というのはやはりメインストリームではありません。しかも、現在よりももっと男性作家が多かったかつての青年誌というフィールドで老婆が主人公となっている作品は非常に珍しいです。 しかし、私は老人が主人公の作品が大好きです。読書は想像力の翼を広げてくれる行為。自分の人生では味わえないこと・まだ経験していないことを擬似体験させてもらえるのが物語の醍醐味です。老人を主軸に描いた作品は、これから往く道について教えてくれる存在です。派手でキャッチーな面白さはなくとも、含蓄に富み心に響く作品が非常に多いのです。 『利平さんとこのおばあちゃん』でも、主人公のおしげさんが一話完結のお話たちの中で年の功によって多くの若人の良きメンターとなるシーンが幾度も描かれます。おしげさんや周囲の人たちの人情の暖かさが、法月理栄さんの朴訥とした絵柄との相乗効果で胸に優しく沁み渡ります。旦那さんを亡くしても、在りし日の思い出を心の中の宝物として日々を精一杯、笑顔で楽しく生きるおしげさんのようになれたら素敵だなと思います。 だら、だに、ずらなどの方言、茶畑でお茶を栽培をしている様子、また『ゆるキャン△』でも扱われたシッペイ太郎の民話や「清水港の名物は〜♪」と歌われるシーンなどから、静岡の片田舎が舞台であることが察せられます。法月理栄さんは静岡の島田市出身だそうなので、静岡県民の方が読めば私以上に共感できるポイントが多くあるでしょう。 ところで異端な余所者へは風当たりの強さがある一方で、誰かの子供に何かあったら「村の子供」として村人全員で一致団結して助け合う。そんな所には良くも悪くも田舎らしさ・日本人らしさが凝縮されているなとも感じました。それが当たり前であった昭和の時代をありありと感じられる物語を、令和になった今読むのも乙なものです。

兎来栄寿
兎来栄寿
さきがけおとこじゅく
魁!!男塾
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あらすじ

過激なスパルタ教育を施す「男塾」を舞台に、剣桃太郎(つるぎ・ももたろう)を中心とした男気溢れる塾生達の活躍を描いたバイオレンスアクション。行き場を無くした全国の不良少年達を集めて、過激すぎる軍国主義教育を施す男塾。その一号生筆頭である桃太郎は教官に目を付けられて、民家があっても破壊しながら突き進む男塾名物の直進行軍で、直進の先にあるヤクザの組事務所へたった一人で突撃するように命令されて……!?

ふじこえふふじおえすえふたんぺんぱーふぇくとばん
藤子・F・不二雄SF短編<PERFECT版>
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藤子・F・不二雄のSF短編112話を全8巻に完全収録した“PERFECT版”が登場! 鋭い風刺精神を存分に発揮した「藤子美学の世界」にどっぷり浸かれる作品集! ある日突然、ある町のスーパーマーケットのむすめが、スーパーマンになってしまった。「女の子のくせに、えらいものになってくれたね」と嘆く両親だったが、町内会長がやって来て、「スーパーマンの店と大はやりになるだろう」と言ったことから、両親は大喜び。「がんばってスーパーマンをやりなさい」と言われるものの、むすめは何をしたらいいのかわからず……(第1話)。乗っていた惑星間航行ロケットが故障し、生き残ったのはオレ1人。水、食料ともに底をついたが、救助艇がくるのは23日後だという。やっとの思いで不時着した地球型の惑星。そこには低い段階ながらも文明があり、ミノアというかわい子ちゃんとも出会うことができた。ところが、その文明というのが実は……(第2話)。目次 第1話 スーパーさん 第2話 ミノタウロスの皿 第3話 ぼくのロボット 第4話 カイケツ小池さん 第5話 ボノム=底ぬけさん= 第6話 ドジ田ドジ郎の幸運 第7話 じじぬき 第8話 ヒョンヒョロ 第9話 自分会議 第10話 わが子・スーパーマン 第11話 気楽に殺ろうよ 第12話 アチタが見える 第13話 換身 第14話 劇画・オバQ 第15話 イヤなイヤなイヤな奴

あした死ぬには、
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あらすじ

ものすごく共感できる、老若男女におすすめの傑作です! 四十代女性が直面する体調の変化や人間関係のあれこれに、笑ったり涙したりしつつ うなずきすぎて、私は首が太くなりました……!――三浦しをん、絶賛!! 歳をとるのは怖いですか? ~切実に生きる女子たちの心に寄り添い、そっと背中を押してくれる本。~ 20代ほどがむしゃらじゃない。30代ほどノリノリじゃない。40代で直面する、心と身体の変わり目。立ちはだかる40代の壁。突然の病気、更年期障害、取れない疲労、働き方の変化、お金の不安、これからの人生プラン……私のあしたはどうなるの!? 本奈多子(ほんな・さわこ)、42歳、独身。映画宣伝会社に勤め、ハードワークをこなす日々。ある夜突然、心臓の動悸が止まらず、体が冷たくなって……。もしかして私、更年期障害かもしれない!? 苛々したり、涙腺がゆるんだり、おばさんと言われて悲しくなったり。心身の変化に戸惑いながら、迷いながら、私たちは、あしたを生きる。

四十路のあれやこれや

アラサー女性を主人公にしたマンガは沢山あれど、四十代以降の女性を主人公に据えたマンガとなると途端に少なくなります。そんな中、雁須磨子さんが素晴らしいアラフォーマンガを生み出して下さいました。 現代日本の平均寿命が八十四歳程だそうなので、まさに人生の折り返し地点であり、「残り時間」について意識させられてくる四十代。幾人かの様々なアラフォー女性を通して、二十代・三十代からの様々な変化、不安や傷つくこと、苛立つことが出てくる様子がリアルに細やかに描かれます。筆者が実際に四十代になって体験し感じたことを描いている部分もあるようで、納得です。 加齢は当然良いことばかりではありません。が、そこまで悪いことばかりでもないとも思わされる、豊かな味わい深さのある物語です。たとえネガティブな事柄でも過剰に悲痛になることがない雁須磨子さんの絶妙な軽やかさがとても利いています。 一回り以上歳が下なものの仕事ができて考え方もしっかりしている女の子や、その子とは正反対にまったく仕事ができない困った上司など脇を固めるキャラも人間臭く魅力的です。 同年代の人にはあるあるとして、下の年代の人には近い将来に自分にも訪れるかもしれないこととして、普遍的な仕事や家庭、健康等の問題への共感として、それぞれに楽しめるでしょう。歳を重ねてから再読するとまた感想も変わる作品かもしれません。 単行本2巻以降掲載部分では内容的にもより広がりを見せてくれています。こういった作品がもっと増えていって欲しいなと思います。

兎来栄寿
兎来栄寿
ひきだしにてらりうむ
ひきだしにテラリウム
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ようこそ、ショートショートのワンダーランドへ。笑顔と涙、驚きと共感。コメディ、昔話、ファンタジー、SF……新進の気鋭、九井諒子が描く万華鏡のようにきらめく掌編33篇。―Web文芸誌マトグロッソでの、2011年8月~2012年12月の約1年半の連載分全篇のほか、「えぐちみ代このスットコ訪問記トーワ国編」「神のみぞ知る」、描き下ろし作品も収録。

こどくのぐるめしんそうばん
孤独のグルメ
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個人で輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎が一人で食事をするシチュエーションを淡々と描くハードボイルド・グルメマンガ。井之頭五郎は、食べる。それも、よくある街角の定食屋やラーメン屋で、ひたすら食べる。時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、彼はつかの間自分勝手になり、「自由」になる。孤独のグルメ―。それは、誰にも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為だ。そして、この行為こそが現代人に平等に与えられた、最高の「癒し」といえるのである。

みなさん名前は知ってる名作ではないですか?

ドラマの方が有名で、だいたい飛行機に乗ると、孤独のグルメくらいしか見るものがないので、みてしまう作品だと思います。わたしもその口で、ドラマの方は本当にお世話になってました。 マンガ版、めちゃ面白いですね!!!! ドラマ版は正直そこまで面白いものとは思わなかったのですが、マンガ版はかなり面白いです!!! 内容はグルメマンガだとばかり思っていたのですが、いわゆるグルメマンガではなく、ハズレの店に入ってしょんぼりしたりすることがあるところが好きになりました!!行く店も高級店ばかりということではなく、営業先で腹が減りすぎて適当に入った店とか、あげく入院中の病院食とかもあって、そこも好きです! ちなみにパリの書店でこちらのマンガが平置きになっていたので、買ってあったのでフランス語版でも読みました!味わい深いです!群馬の焼きまんじゅう屋に行く話をパリジェンヌ・パリジャンが読んで何が面白いのか分かりませんが、どうやら一定の人気があるようです! ★5も検討したのですが、1巻巻末の対談で、原作者の方が「食べ物のマンガで食べているシーンって、濡れ場というか…セックスシーンなんですよね。」というどこかでみたような発言があり、−1させていただきました。

酒チャビン
酒チャビン

「1人で飯喰うだけ漫画」の始祖

谷口ジローも孤独のグルメも巨匠&名作なのに1作品も読んだことなかったのでまずはこれから読んだ。 第1話読んで、マジのガチでおっさんが全く知らん店に飛び込んでいろいろ考えながら飯食うだけの話で拍子抜けしてしまった。 でもこの今じゃ山ほどあってもはやスタンダードになったスタイルを四半世紀前に生み出したというのが凄まじいんですよね。(アイデアを出した編集さんすごい) そしてデジタル作画の写真加工に慣れすぎたせいでスルーしそうになったけど、これが全部手描きという……。本当に途方もない超画力……。 読んでて「うぉォン」とか「こういうんでいいんだよこういうので」とか「あ、ネットミームで習ったところだ!」の連続で感動。 回転寿司のあと、一服しながらおばさんの家庭を考えるシーンが一番好きだった。 煙草といえば……あまり作中の時代を考えずに読んでたら、新幹線シュウマイ弁当食い終わったあとおもむろに吸い出して硬直してしまった。けど奥付見たら1995年に掲載された号で納得。そのあと店先に並んだガラケー(PHS?)に驚くシーンもあって時代を感じた。 作中の店で、2021年まで残ってる店はあるのか……。 知りたいのと同じくらい知りたくない。

名無し
ハード&ルーズ
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あらすじ

俺はハードでルーズな探偵だ。--ボクシングと競馬をこよなく愛する孤独な探偵・土岐正造がすれちがう愛すべき人生たち--かわぐちかいじ×狩撫麻礼の黄金コンビが放つTOKYOフォークロア!

しっそうにっき
失踪日記
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あらすじ

「全部 実話です(笑)」(吾妻) 突然の失踪から自殺未遂・路上生活・肉体労働──『アル中病棟』に至るまで。著者自身が体験した波乱万丈の日々を、著者自身が綴った、今だから笑える赤裸々なノンフィクション。 ・第34回日本漫画家協会賞大賞・平成17年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞・第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞・第37回日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門 数々の賞を受賞した名作が待望の電子書籍化! さらに、電子書籍限定特典として関連作品を収録! これはもう総てのアズマニア、だけでなく総ての現代人にとっての福音の書だと思いました。面白くて面白くて、泣く暇も震える暇もありません。[足の丸い四頭身で描かれた現代の新約聖書]て事でどうでしょうか。受難の煉獄とも言える全編を覆う、強烈な生命力が軽妙ですら有ります。──菊地成孔(ミュージシャン) ●単行本カバー裏 インタビュー『裏失踪日記』収録●【電子書籍限定特典】・『放浪日記』2006年・『失踪こぼれ話』2001年 【目次】夜を歩く/街を歩く/アル中病棟/巻末対談 吾妻ひでお×とり・みき/裏失踪日記/失踪日記 電子書籍限定特典

歪な面白さ

江口寿史という漫画家がいまして、彼は世間的にはマンガを放棄したひととして有名(マンガをやめてイラストレーターに転身した)なようなのですが、じっさいのところ、彼は自身が漫画家であることに、いまだ深い誇りと拘りとを持ち合わせてやまないようなのです。そして、ここにもひとり、吾妻ひでおという一度はマンガを放棄して戻ってきたひとがおります。 手塚治虫文化賞、日本漫画家協会賞、文化庁メディア芸術祭、星雲賞など、権威ある賞を総ナメにした吾妻ひでおの『失踪日記』ですが、ここに辿り着くまでには"失踪"の一言では片付けられない前途多難なエピソードがあるのです。タイトルそのまんま、自らの失踪からのホームレス、アル中などの体験を描いた『失踪日記』の内容ついては、たくさんの賞のお墨付きがあるので面白くないわけがない、ということで割愛させて頂き、このたびは、吾妻ひでおはどうして失踪しなければならなかったのか、というところについて触れていきたいと思います。 失踪日記の冒頭にもある通り、原稿を途中で投げ出して行方を眩ました後、失踪してしまった吾妻ひでおですが、同じように原稿を放棄した江口寿史とは似て非なるところがあります。それは一言でいうと、やりきったかやりきってないか、の違いだと思います。江口寿史は良い作品にしようと拘るあまり完成に間に合わず、どうせできないなら止めてしまえ、という立場をとりました。いってしまえば只の不真面目です。対して、吾妻ひでおは大真面目。失踪後の今でこそ、アウトローの代表格のようになっていますが、失踪前のキャリアはむしろ真逆で連載を掛け持ちしまくり月に100頁以上を描き上げる仕事ぶりでした。こういう書き方をすると、あまりの仕事量に音を上げて失踪したと思われそうですが、それもまた少し違います。さきほど、江口寿史に不真面目のレッテルを貼りましたが、彼にしても元々は漫画に対する真面目すぎる気持ちが仇となって、どうせ完成させられないならやらない、という不真面目に振り切る経緯があったわけですが、吾妻ひでおの場合は真面目に真面目を貫いた、つまり、締切や作風等の出版社や編集者の意向には従いつつも自らの誇りと拘りを発揮し続けたのです。対して、江口寿史のばあいは自らの誇りと拘りを守るために放棄したといえるかもしれません、そこにはもちろん週刊少年ジャンプというメジャー誌の王道で連載していた江口と、マイナー誌やエロ本等の辺境で活躍していた吾妻との土壌的な違いがあるのですが。 では、具体的には何に拘ったのか? 従来のギャグに(小説家の筒井康隆らから影響で)SFやナンセンスの要素を盛り込んだスタイルで人気を博した吾妻ひでお。当時その試みは新鮮で、大友克洋、いしかわじゅんと合わせてSFマンガのニューウェーブ御三家と呼ばれたりしていました。しかし、新しいものが古くなるのは自明の理、吾妻ひでおはブームが頂点に向かう最中、新たな試みをはじめます。彼はブームに乗っかって同じネタを繰り返すことはしなかったのです。彼が見据えたのはナンセンスのさらにその上、「表現の解体」というテーマでした。そもそも「ナンセンス」とは約束事や理論性をあえて無視することで生まれるユーモアの総称で、そこから吾妻ひでおが得意とするスラップスティック(ドタバタ)や不条理な笑いが引き出されてきたわけですが、彼はそれだけでは飽きたらず、自らが考え出したギャグの体系や方法論、さらには先人たちが創り上げてきた漫画表現そのものを壊していったのです。つまり、先人たち、そして自らが積み重ねてきた漫画表現という名の「建物」を文字通りひとつずつ解体していったのです。 実に様々な方法で「解体」を試みた吾妻ですが、その代表的な例に「ナハハ」というキャラクターの存在があります。この時期(奇想天外社から『不条理日記』等を発表)の吾妻漫画に頻繁に登場する「ナハハ」という名のキャラクターは喜怒哀楽の表情を持っていません。もっというと大人なのか子供なのか、男なのか女なのかも判別できない、つまり登場人物としての情報を全く持っていないのです。「ナハハ」の他にも、無口、無表情、無感情を徹底したキャラクターが当時の吾妻漫画にはいくつも登場します。表現豊かな漫画が描けるようになった時代に、あえて、その逆を突き進み「空虚」を描こうとしたのかもしれません。 そして、あらゆる漫画表現を解体し壊しきった先に吾妻が見たのは正に「空虚」そのものでした。当然のことながら、何もかも壊してしまった後には何も残りません。吾妻の周囲には先人たちや自らがかつて創った漫画表現の残骸が散らばっているだけで、目の前には只々広がる真っ白な闇、空虚があるだけだったでしょう。これを目の当たりにした吾妻は遂に何も描けなくなり、逃げ出し、酒に溺れることになります。ここらへんまでが『失踪日記』には描かれなかった前日譚になるかと思います。 表舞台から姿を消してから十数年……、心と体の健康を取り戻しつつあった吾妻は、かつて自らが壊した漫画表現のスクラップを広い集めて再構築をしはじめます。それが『失踪日記』であり、あるいは、そう、『失踪日記2~アル中病棟~』で吾妻が作っていた、ガラクタのネジや何か、どうでもいい金属片でできた、あのオブジェ作品のように。『失踪日記』の魅力は、正にあのオブジェと同じようなものなのでは、という気がします。つまりそれは、不完全の美学であり歪な面白さなのではと。思えば、ナンセンスにしても解体にしても、吾妻ひでおはいつだって歪さを追い求めて漫画を描いていたような気がします。これこそが吾妻の自己表現の形であり、誇りと拘りの種だったのではないでしょうか?

影絵が趣味
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夕凪の街 桜の国
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昭和30年、ヒロシマを舞台に一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き市井の人たちにとって戦争とは何だったのか、原爆とは何だったのか。こうの史代が描く渾身の問題作。

解体屋ゲン
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借金まみれで自堕落な生活を送る、孫請け解体業者の朝倉巖(通称ゲン)。しかしゲンは、世界を股にかけて活躍した爆破解体技師だった。その噂を聞きつけた大手ゼネコン社員の慶子は、ゲンをもう一度表舞台に引っ張りだそうと画策する。ゲンと慶子の出会いを描く「爆破解体」、家を丸ごと移動させる曳き家を描いた「曳き家のロク」、自殺志願のクレーン技術者ヒデが登場する「初仕事」他。

これぞ、お仕事系のお手本と言っても過言ではない知る人ぞ知る神作品

「派手な発破や重機をガチガチに使った珍しいお仕事系作品」 「あるあるネタからトレンドや風刺ネタに加え異世界ネタまでありとあらゆる引き出しが用意された圧倒的ボリューム」 「稀に一冊辺り5~11円で買える破格の大セールを仕掛けてくるメチャクチャな作品」 etc……… 調べれば調べる程気になって来る情報しかない上に丁度11円セールが始まっていたので既巻100巻を購入し、最近は解体屋ゲンばかり読み進んでおりましたが上記の情報に偽り無しと強く実感した神作品でしたね そんな神作品をざっくり説明しますと日本では珍しい爆薬を使った発破解体等を生業とする主人公:朝倉巌【通称解体屋ゲン】が様々な建築物や大自然はたまた黒い噂のある大企業等々を相手に奮闘するお仕事系作品になりますが、どの物語も練りに練られた内容に仕上がっており ・同僚や仲間との成長やすれ違いや恋愛事情からなるエピソード ・主人公ゲンの過去や知識力から生まれた奥深いエピソード ・財政や地方特有+人には言えない程の事情を抱えた問題絡みのエピソード ・談合や違法な取引等を汚職まみれの企業を相手に死闘を繰り広げるエピソード ・この仕事をしていて良かったと思わせる涙無しには語れない心暖まるエピソードetc… 読めば読む程お仕事系のお手本と言わんばかりのエピソードが盛りだくさんとなっておりますので少しでも気になった方は大セール期間問わずご購入されてはいかがでしょうか?

カワセミ㌠
カワセミ㌠
せんそうはおんなのかおをしていない
戦争は女の顔をしていない
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「一言で言えば、ここに書かれているのはあの戦争ではない」……500人以上の従軍女性を取材し、その内容から出版を拒否され続けた、ノーベル文学賞受賞作家の主著。『狼と香辛料』小梅けいとによるコミカライズ。

戦争という現象を、最大限の解像度で見つめる覚悟

 本作は、ノーベル文学賞を受賞したジャーナリストによる同名のインタビュー集を、小梅けいと先生がマンガにしたものです。第二次世界大戦におけるナチス対ソ連の戦いに兵士として身を投じ、余生を送る女性たちの肉声が集まっています。  ソ連では、男女平等を強調する共産主義思想の影響も受け、他の国よりもはるかに多くの女性が自らの意思で従軍し、最前線に立っていたのです。  皆さん、「戦争」ってどう思いますか?  日本で育った私たちは、敗戦国として徹底された反戦教育の中で生き、漠然とした「絶対あってはならないもの」といったイメージを持っています。しかし、もう日本人のほとんどは戦争を体験したことのない世代です。だから、「戦争=あってはならないもの」という公式を形式的には認識していても、なぜあってはならないのか、実際のところ自分の国が戦争に突入するとはどんな感じなのか、その中身を本当の意味では理解していません。  本作では、原作著者であるインタビュアーが、年老いたかつての女性兵士から丹念に収集した声が、情景が、丁寧に再現されています。  では彼女たちの語る戦争は、単に血も涙もない、ひたすら凄惨を極めるものであるのかといえば、そうではないのです。彼女らの語る戦争は本当に千差万別です。正気を捨てて戦地に赴き、その狂気の痕が心から消えない人、過酷な環境の中でささやかな幸せを見出した人、死の恐怖より、女性の存在を想定していない住環境への忌避が勝った人… その全てに、過酷で凄惨な環境の中でもきらめきを失わないそれぞれの個性が、人間味が、激情があるのです。  加えて、それらの当事者が(戦地にいることがイレギュラーな存在である)女性であるがゆえに、そこで語られる戦争は、私たちが知る「戦争」の視座から、少しずれています。かつて動物を愛した女性が、命を奪うことに躊躇しないようになっている自分に気づいたときの衝撃、復員後数年ぶりに履くスカートへの違和感、男ものの下着を無理やり身に着けることへの嫌悪感… そんな、これまで戦争という文脈では表出してこなかったエピソードが、次々と語られるのです。  そう、私たちがひとえに「あってはならない凄惨なもの」としてとらえてきた戦争という現象をもっと目をこらして眺めてみると、そこにはこれまで見たこともなかった多様で強烈な情景が、パッチワークのように広がっているのです。  このことから読者が思い知らされるのは、「戦争というのは決して一つの現象ではない」ことです。戦争を歴史としてしか知らない私たちは、それを「あってはならない凄惨なもの」としてひとくくりにして処理し、それ以上戦争について考えることをしません。しかし実際は、戦争というものは決して均質な現象ではありません。一口に戦場といっても、そこには個々人固有の多様な時間が、何千層にも、何万層にも折り重なっているのです!  本作は、原作の丹念なインタビュー、そして収集された物語を最大限汲んだ精緻なマンガ化をもって、「戦争という現象を眺める眼」としてはもはや最高峰と言っていい解像度を獲得し、そのレンズで戦争というものの中味を、私たちに覗かせてくれるのです。  あなたはこの作品を読むと、戦争の中で走り、生き、笑い、泣いた一人ひとりの女性の鮮烈な過去を目にすることでしょう。それらの物語を覚悟をもって受け止めた上で、「戦争」とは何なのかもう一度じっくり考えなおしてみても、きっと遅くはありません。

いさお
いさお

教養として一刻も早く読むべき本の一つ

 小梅けいと先生を知ったのは小説「狼と香辛料」のコミカライズ版だった。可愛らしい絵柄とは裏腹なディープで骨太なストーリーのライトノベルの名作だ。小梅氏の繊細なタッチで描かれた漫画のヒロインの少女もまた、目が大きく髪が柔らかそうで、氏の描く少女の魅力は年月を経てジャンルすら異なる本書「戦争は女の顔をしていない」においても発揮されている。  本書に登場する女たちの多くは実際、戦争当時は少女だった。洗濯兵、衛生兵、狙撃兵……彼女らは様々な戦場で活躍し、そのいずれも悲惨で過酷で血の死にまみれていた。  漫画や映画で描写される戦争はいつも凄惨だが、本書の特筆すべき点はやはり女性特有の(身体的、社会的)苦悩であったり、敵であれ味方であれ「人間同士である」ということが強く感じられるような心の触れ合いが描かれている点であると私は思う。この本の中の戦場では、女たちは男性に馬鹿にされまいと奮闘し、時に自身が女性であることを呪い、時にハイヒールやスカートに密かに憧れ、自らの足跡を経血で文字通り赤く染めながら行軍する。同僚の男たちとしばしばぶつかり合うが、しかし最終的には人々は互いにリスペクトしあっている。本書は原作者・スヴェトラーナによる従軍女性へのインタビューと、それを受けての生存者である女性たちによる回想で構成されているため、文字の大半が彼女らのモノローグからなる。おそらくは部分的に美化された記憶であるだろうことは想像できる。戦場の凄惨さと精神的に前向きな美しさの奇妙なコントラストが、小梅けいとの美麗で繊細な絵柄によって際立つ。戦争ドキュメントと、美少女を得意とする作家、一見ミスマッチにみえる組み合わせだがまさか狙ってやったのだろうか……?読み味が独特すぎて、新鮮さに痺れる。あの有名な「片隅」ともある意味では共通する面白さがあるかもしれない。

mampuku
mampuku

生きている内に一度は読むべき名著

ノーベル文学賞を受賞したジャーナリストであるスヴェトラーナ・アレクシェービチさんが500人以上の従軍女性に取材して書いた原作を、『大砲とスタンプ Guns and Stamps』などでも戦争の裏側で直接の戦闘行為を行わない人々の闘いを描いた速水螺旋人さんが監修し、『サフィズムの舷窓』のキャラクターデザインや『ビビッドレッドオペーション』のコミカライズを行なっている小梅けいとさんがマンガにする。 企画の勝利、と言う他ない作品です。ちょっと普通には思い付かないですし、思い付いてもやらない、そんなことをやってのけてこのクオリティで出してしまったことに敬服するしかないです。 こうして本にされることが無ければ絶対に意識もしなかったであろう戦時下の数々の事柄。様々な部隊、部署に女性でありながら従軍した者たちの実体験からくる生々しい苦しみの証言が今回マンガにされたことでより克明に伝わってきます。 兵士の服は誰がどのように洗っていたのか。 女性兵士はなぜ脚が緑色になるのか。 なぜズボンがガラスのようになるのか。 戦火の中での彼女たちが感じる幸せとは何なのか。 その過酷な答はすべて読めば解ります。 「戦争はなんでも真っ黒よ  血だけが別の色  血だけが赤いの……」 といった、心に深々と刺さる生々しいセリフも溢れています。 戦争は手段に過ぎず、双方が望まずとも起こってしまうこともあります。それでも、なるべくその手段を取らなくて済むように、かつて先人が味わわねばならなかったこの悲哀と辛苦をこの先の時代に生まぬように、人類が知識として未来へ伝承していかねばならない大切なものが詰まった本です。 『アンネの日記』や『夜と霧』などと同様に読み継がれて欲しい、あらゆる人に一読を推奨したい名著です。

兎来栄寿
兎来栄寿
はちみつとくろーばーはくせんしゃ
ハチミツとクローバー
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6畳+台所3畳フロなしというアパートで貧乏ながら、結構楽しい生活を送る美大生・森田、真山、竹本の3人。そんな彼らが、少女のように小さく可憐な女の子・花本はぐみと出会い…!? ※カバーデザインをリニューアルしました。また作品内の一部でカラ-ページを再現しております。内容に変更はございませんので、重複購入にご注意ください。

10年振りにハチクロを読み返した

ハチクロの連載終了時が高校1年生だったので、私も大学生になったらこんな青春をしたいな〜と憧れながら読んでいました。気の合う仲間達と遊覧船に乗ってお弁当を食べたり、クリスマスパーティーをしてツイスターで遊んだり、笑ったり泣いたりしたかったのですが、実際にそんな感じの大学生活を送れるはずもなく…。月日は流れ流れて、あの頃大好きだったハチクロをこのたび10年振りに読み返してみました。 まず衝撃的だったのは、どんだけダサダサな服でも見事に着こなしてしまうおしゃれチャンプの山崎さんが年下になってしまったこと!彼27歳なんですって。若造ですやん。そんな感じで主要キャラの大学生5人も自分より年下になってしまったので、今回改めて読んでみたら大人キャラ達にとても共感するようになりました。例えば、野宮さんの山田さんに対するアプローチを見た山崎さんが「何でお前の恋愛ってさキズつけるのが前提なの?オレは好きなコができたらうんと大事にしよう…ってずっと思ってきたぜ?」と言ったことで、野宮さんがとうの昔に脱ぎ捨てた青春スーツをもう一度着ることになるこのシーン。これを読んで私は…ハッ!青春と呼ばれる時代が遠く過ぎ去ったとしても、あの甘酸っぱい感情とエネルギーは再び装着できるんだ!と目からウロコでした。(山崎GJ!あなたと一緒に大人になったって壊れない友情があるってコトを証明したいです!)ラストでは花本先生も青春スーツを再装着するのがいいですよね〜!むき出しの感情が人生を変える瞬間はキラメキに満ちています。大人になったことでようやく気づけた物語がありました。 ちなみに一番カッコいいと思ったのは美和子さん。私もまぜご飯番長になりたいです!

かしこ
かしこ
殺し屋1(イチ)
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あらすじ

電子書籍限定版!! 元いじめられっ子の殺し屋・イチ VS ドMヤクザ・垣原。壮絶な殺し合いが幕を開ける!! 気弱な青年イチは、心の内に強烈なドS性を秘めている。一方、命を狙われる事に悦びを覚えるドMヤクザ・垣原。宿命の二人が出会った時、新宿の街が血に染まる!! 「ホムンクルス」「新のぞき屋」の山本英夫が贈る伝説的バイオレンス・エンターテイメント第1巻!!

びかちょうしんしかいころく
鼻下長紳士回顧録
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あらすじ

20世紀初頭、フランス・パリ。売春宿で働くコレットは、訪れる“変態”的な欲望を抱えた紳士たちを相手に、出口の見えない生活を送っていた。彼女の唯一の幸せは、どうしようもなく惹かれてしまうヒモ男、レオンとの逢瀬の時間。…たとえ、彼がコレット以外の女のもとへ通っているとしても――…。「変態とは、目を閉じて花びんの形を両手で確かめるように、自分の欲望の輪郭をなぞり、その正確な形をつきとめた人達のことである……」絢爛なる花の都の夜に息づく、安野モヨコの描く“変態”たちとは一体――? 8年ぶりの、安野モヨコ新作ストーリー! 「さくらん」「バッファロー5人娘」につづく、力強く生きる“娼婦たち”の物語。電子版では、雑誌収録時のカラーをすべて収録!!