デビルマン
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あらすじ
地球の先住民族、デーモン族の存在を知ってしまった不動明と飛鳥了はデーモン族の侵略に対抗するために、悪魔と合体しようとするが…
キン肉マン
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あらすじ
怪獣に負けてばかりのドジなヒーロー・キン肉マン。しかし、その正体は宇宙一のヒーロー一族・キン肉星の王子だった!故郷の危機を救うため、星に舞い戻ったキン肉マンを待ち受けていた強敵は…!?

わたしの大切なワン&オンリー

人生初マンガがこちらのキン肉マンです。こればかりは変えようがなく、わたしにとって唯一無二のマンガです。好きだった・・ 当時小1だったのですが、夏休みに毎年3週間ほどおばあちゃんちに滞在してまして、その際、すぐにやることがなくなって、マガジンラックに刺さっていたジャンプで見かけたキン肉マンにやられました・・・ たしか作中2回目の超人オリンピック決勝でウォーズマンと戦っており、ウォーズマンがキン肉マンの肩の上に乗ってエルボーを頭に打ち付けていた回だったように記憶しています。 すぐにおばあちゃんに言って、納屋に置いてあったバックナンバーを全て出してもらって、全部読み漁りました!!! その後程なくしてキン肉マンフィーバーが訪れ、寝ても覚めてもキン肉マンキン肉マン。 すでにドクターボンベくらいの年齢に達してしまったわたしですが、ちゃんと努力を怠らず友情に厚い、キン肉マンに恥ずかしくない男になれているでしょうか。 ちなみに2022年現在連載されているシリーズは、粋なことにこの初代の正当かつ完全なる続編という扱いになっており、巻数も通算されていますが、正直そこまで面白いとは思えず(試合とかが長い気がするのと、一部を除き新キャラが魅力的に感じないのと、チーム名とかが少しダサく感じるのと、セリフなども少しクサすぎる気がするのです…)購読はやめてしまいましたが、わたしにとっての唯一無二の大切な作品であることに変わりはありません(当然★5です)。

酒チャビン
酒チャビン
こちらかつしかくかめありこうえんまえはしゅつじょ
こちら葛飾区亀有公園前派出所
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あらすじ
「やつらをひとりも帰すんじゃねえぞ!!」ガンマニアの中川と冬本が派出所を訪れ、拳銃談義に。そこに暴走族が出現し、両さんらは追撃を開始!!「早撃ち両さん!?の巻」他7編に加え、山止たつひこ笑劇場「交通安全’76」も収録。
ドラえもん(てんとう虫コミックス)
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あらすじ
●日本を代表する漫画家藤子・F・不二雄先生の傑作作品『ドラえもん』。未来の国からやってきたごぞんじ、ネコ型ロボットのドラえもんが親友のび太とともにくりひろげる友情ファンタジー。四次元ポケットから取りだされる不思議な道具で日本じゅうを笑いに包みこむ。しずちゃんやスネ夫、それにジャイアンも元気いっぱい。大きな夢をあたえてくれるワクワクドキドキ素敵な道具でキミを心温まるドラえもんワールドにご案内。▼第1話/未来の国からはるばると ▼第2話/ドラえもんの大予言 ▼第3話/変身ビスケット ▼第4話/秘(丸囲み)スパイ大作戦 ▼第5話/コベアベ ▼第6話/古道具きょう争 ▼第7話/ペコペコバッタ ▼第8話/ご先祖さまがんばれ ▼第9話/かげがり ▼第10話おせじ口べに ▼第11話/一生に一度は百点を ▼第12話/プロポーズ大作戦 ▼第13話/◯◯が××と△△する ▼第14話/雪でアッチッチ ▼第15話/ランプのけむりオバケ ▼第16話/走れ! ウマタケ

マンガ入門にこそ『ドラえもん』を! #完結応援

ナカタニエイト
ナカタニエイト
ぶらっくじゃっくてづかおさむぶんこぜんしゅう
ブラック・ジャック
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あらすじ
全身が傷だらけで黒マント姿の天才的外科医ブラック・ジャック。彼は患者に法外な料金を提示し、華麗なメスさばきで次々と不可能を可能にしていく……。 相棒・ピノコが誕生した「畸形嚢腫」、手塚治虫漫画全集未収録の「ふたりの修二」を含む18編を雑誌掲載順に収録した『ブラック・ジャック』の決定版! 満を持して登場!! <収録作品>医者はどこだ!/海のストレンジャー/ミユキとベン/アナフィラキシー/人間鳥/雪の夜ばなし/海賊の腕/とざされた記憶/ふたりの修二/鬼子母神の息子/ナダレ/畸形嚢腫/ピノコ愛してる/後遺症/ダーティー・ジャック/ピノコ再び/灰色の館/二度死んだ少年

1973年に連載がスタート

ゆゆゆ
ゆゆゆ
ひのとりてづかおさむぶんこぜんしゅう
火の鳥
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あらすじ
「その生き血を飲めば永遠の命を得ることができると言われている……」。「永遠の命」をテーマに、手塚治虫が生涯にわたって描き続けたライフワーク作品「火の鳥」シリーズがついにはじまる! 第1巻には「騎馬民族渡来説」を取り入れ、独自の解釈による日本神話を描いた「黎明編」に加え、手塚治虫エッセイ集より抜粋した「『火の鳥』のロマン」を掲載。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>・『火の鳥』黎明編(手塚治虫漫画全集MT201~202『火の鳥』第1~2巻収録) ・『「火の鳥」のロマン』(手塚治虫漫画全集別巻MT389『手塚治虫エッセイ集』第3巻収録) <初出掲載>・『火の鳥』黎明編 1967年1月号~11月号 COM連載 ・『「火の鳥」のロマン』1983年1月号 「旅」掲載

「ヤマト編」の感想です!

黎明編に引き続き、ヤマト編を読みました。 時代としては手塚治虫公式サイトによると、4世紀頃とのこと。物語としては、ヤマトタケルインスパイア(オリジナルの方を知らないのでどれくらい下敷きになってるのかわわかりませんが)です。 黎明編の最後で崖を登って旅立ったタケルが出てくるのですが、それが80年前とのことなので、前作は3世紀の設定ですかね。黎明編には卑弥呼が出てきて、卑弥呼は242〜248年ころ没とのことなので、大体そんな感じかもしれません。 黎明編のタケルが外界に出て作った国の名が「クマソ」なのですが、これはタケルのお母さんが生まれ育った国の名と同じで、黎明編で滅ぼされてしまっているのですが、同じ名前をつけているところがすごくジーンときました。 長さ自体は結構短く、1時間もあれば読み終わってしまうのですが、体感としてはかなり内容が濃く、読み終わった後の充実感がありました。 印象に残った一コマは、オグナがかなりサイケデリックな背景の中、火の鳥に笛を聞かせているシーンです。P-FUNK系の曲調だったのでしょうか。 作品のメッセージ自体は「生きる幸せとは」といったかなり壮大なものですが、作風がかなり砕けており、すごくわかりやすく読みやすいので、お子様にも安心してオススメすることができると思います。 次回は、作中の時系列で読み進めるということだと、「太陽編」の半分くらいが7世紀なのですが、もう半分が21世紀なので、前編8世紀頃の「鳳凰編」とどちらに進むか迷います・・

酒チャビン
酒チャビン

「復活編」の感想です!

火の鳥の中でトップクラスに好きな話です!!!火の鳥って、好きな編がそれこそ十人十色で、かなり票が割れる傾向にあると思うのですが、それだけ全てのエピソードが粒ぞろいということではないかと思います。 復活編はいくつかの時代を行き来しながらエピソードが進行します。 火の鳥はシリーズ全体からしてそういう構成をとっているのですが、復活編は一つの編の中でそれをしています。 2482年→2483年→3030年→2484年→3009年→2484年→2917年→3344年 主人公がある事故をきっかけに体の6割ほどを人工物に入れ替えられてしまうのですが、それにより、人間が無機物に、ロボットが人間に見えるようになってしまいます。 ・身体の60パーセント人工物に変えられた人間である主人公 ・主人公には人間に見えるロボット(主人公にやさしい) ・主人公には無機物に見える人間(主人公を殺そうとする) ・人間らしさとは人間と形が似ていることだと言い、人間に似せて作られたアンドロイドと愛し合う人間 ・人間とはかけ離れた容姿だが自分はかつて人間であったと信じるこけし型ロボット などが登場し、これまでの編でも何回か出てきた「何が人間を人間たらしめるのか」というテーマを考えさせられます。 他の編との繋がりですが、望郷編でちょろっと登場したチヒロがメインキャラの一人として登場します。あとラストで猿田博士が登場し、ロビタも未来編で登場します!

酒チャビン
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まんが道
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あらすじ
戦後漫画史の貴重な記録でもある、連載期間43年に渡った藤子不二雄A先生の自伝的作品。満賀道雄と才野茂。北陸で出会い、“漫画”に魅入られた2つの才能が、漫画家という夢に向かって共に歩んでいく長編ロマン。青春の悩みや歓びを丹念に描き、読んだ者誰もが引き込まれる日本漫画の金字塔。

足塚茂道(満才茂道)先生の自伝的青春群像まんが!!!

かなり有名な作品で、レビューもたくさんされてますし、もはやわたしが付け加えることはありません。ここをみてるということは既に読み終わった方か、読もうかどうか迷ってる方だと思いますが、もし後者ならここを読んでるくらいなら、迷わずすぐ買ったほうがいいと思います!!!!!我らが手塚治虫先生も多数出場されてます!!! ちなみに、「青春日記」という当時のA先生の日記が載っているのと、あと作中作みたいな感じで当時の作品が大量にかつほぼ全編載ってたりするので(一部は書き直しされてるようです)、それもものすごくタメになります。 1957年作品の段階で、タッチはほぼ手塚先生なので、ここからどうやって藤子節ができてくるのかがすごく気になります! 一応登場作品リストまとめておきます。 ■作中作のような感じで登場するマンガリスト ・天使の玉ちゃん(2巻)毎日小学生新聞 ・小さな拳銃王(2巻) ・宝島(2巻) ・拳銃魔(5巻)激河大介の作品 ・UTOPIA(6巻、7巻)単行本 ・西部のどこかで(8巻)少年少女冒険王 1952年12月号 ・三人きょうだいとにんげん砲弾(9巻)漫画王 1952年12月号ふろく ・四万年漂流(10巻、11巻)少年少女冒険王 1953年02月号 - 07月号 ・白魔きたる!!(12巻)少年 1959年 ・旋風都市(12巻)おもしろブック 1953年夏休み増刊号 ・役に立たなかった目覚まし時計(13巻)漫画少年 1955年 ・海抜六千米の恐怖(14巻)漫画少年 1954年06月号 ・かくてシャシンはうつされる(14巻) ・光にあたれ陽にあたれ(14巻)漫画少年 1955年06月号-10月号 ・ぼくの暑中お見舞アルバム(14巻)漫画少年 1955年 ・南部戦線異常あり(15巻)漫画少年 1954年 ・ライオンとこじか(15巻)講談社の漫画絵本 38 ・コンクリートの密林(15巻)少年クラブ 1955年 ・漫画図鑑 植物編(15巻)漫画少年 ・漫画図鑑 虫編(15巻)漫画少年 ・砂漠の牙(16巻)漫画少年 1954年 ・海底人間メバル(17巻、20巻、21巻)ぼくら 1955年01月創刊号 - 04月号 ・漫画図鑑 スポーツ編(17巻)漫画少年 ・熱血絵物語 英雄暁に死す(17巻)漫画少年 1955年 ・銭無平太捕物帳(17巻)漫画少年 1955年 ・チビわかまる(17巻、18巻)小学三年生 1957年4月号ふろく ・とんぐりくん(18巻、20巻)漫画王 1954年 ・バラとゆびわ(18巻、19巻)少女クラブ 1955年お正月増刊号ふろく ・よるの王子さま(20巻、21巻)二年ブック 1955年04月号 - 06月号 ・世界とたたかう少年(20巻)三年ブック 1955年 ・鉄拳の怒り(20巻)漫画少年1955年 ・ゆりかちゃん(21巻)少女 1954年12月号 - 1955年10月号 ・漫画図鑑 さかな編(21巻)漫画少年 ・漫画図鑑 のりもの編(21巻)漫画少年 ・史劇絵物語 十字架上の英雄(22巻)漫画少年 1954年11月号 ・巌窟王(22巻)漫画少年 1955年 ・ある日本人留学生からのローマ便り(22巻)漫画少年 1954年11月号 ・ゼンダ城の虜(23巻)三年ブック 1954年 ・愛読者クイズ大会(23巻)ぼくら ・宇宙少年団(24巻)ぼくら 1956年 ・シラノ・ザ・キッド(24巻)たのしい四年生 1962年 ・雲の中のミカド(24巻)少女 1957年03月号付録 ・ロケットくん(25巻)ぼくら 1956年(宇宙少年団からタイトル変更) ・ユリシーズ(25巻)たのしい三年生 1957年06月付録

酒チャビン
酒チャビン

言わずと知れた大名作『まんが家』の魅力は全てここから教わった

世に居る漫画家の数だけそれぞれの『まんが道』あれど… この作品無くしては生まれなかった自叙伝漫画という概念 作者は 藤子不二雄A 安孫子 素雄氏 『オバケのQ太郎』『忍者ハットリくん』『怪物くん』『プロゴルファー猿』 『笑ゥせぇるすまん』 最早説明する必要のない名作達を生み出した伝説の作者 私は安孫子作品の中でも特に『まんが道』が好きで自分の人生が決まった一作だと思って居ます 日本の漫画がどう発展していったのかもわかる時代の全てが詰まった名作なので 是非ご一読をと思います そしてここからは"マンバ"内の人にまんが道を語るのは野暮な気がしたので… ここからは私の漫画道との出会い『漫画道の道』をお話しします(長くなります) =========== 今の時代ではとても考えられませんが 『漫画を読むとバカになる』 本当にそう伝える大人達がまだ少なくはなかった時代が私の幼少期です とはいえ大分世の中には浸透していて、アニメも漫画も沢山世に出て居て (ラピュタやガンダム…魔法少女) 一部厳しい人がこのセリフを唱えて残って居る感じです 我が家の父はそのタイプでした (今思うとうちの父は既に少数派だったのかもしれません) とはいえ、子供の頃からアニメや漫画が好きだった私は 普通に子供向けのアニメも漫画も見て居ました 同級生の間で漫画の貸し借りはしていて 親も『子供同士のコミュニケーションの手段』に漫画があることは理解して居たので そのあたりは黙認されて居ました。 でも父の目の前で漫画を読むと怒られます(笑) 本当は『全部規制したいけど…目を瞑ってやる』という感じが我が家で『漫画』の位置づけでした そんな中で何故が我が家の本棚には 一種類だけ『漫画』が置かれて居ました それがこの『まんが道』中央公論者の愛蔵版です。 (話が横道にそれますが この中央公論者の愛蔵版シリーズはすごく大きくて分厚くて、何故か紙はペラッとしていて とても好きです 当時の図書館にはこのシリーズでゲゲゲの鬼太郎やルパン三世などがありました) 何故『まんが道』だけ我が家の本棚に許されたのかは今も謎です… つまり『この漫画だけは『親の前で読んでいい』ということになるんだなと勝手に理解した私は (本棚に堂々とあるので)それはもう、この作品ばかりすり切れるほど読みました そんな理由もあり『まんが道』にのめり込みましたが そんな理由がなくてもこの作品は名作です 内容がとにかくワクワクドキドキなのです 『こんな世界があるの!?』の連続 寝る間を惜しんで漫画を描き 憧れの地へ行きー憧れの先生へ会いー 下宿 編集から締め切りを急かされ 全てが私にはキラキラして見えました 時代は移り変わり行きますが 必ず漫画やアニメが側にある世界に生まれたことを良かったと思います その時代を切り開いていったトキワ壮の伝説が この作品に詰まって居ます 私の『漫画道の道』は以上です ちなみに我が家、 母は根っからの漫画好きで、自分の手持ちの漫画(ガラスの仮面など)は押し入れに隠して居ました (普通…子供がやるやつ…ですね 笑)

名無し

まんが道ってタイトルがもう優勝ですよね

本屋でバイトしてた時にどしゃ降りでお客さんも来なくて「今日は暇だな〜」とレジでボーッとしてたらサラリーマンが飛び込んできて迷わずまんが道全巻を手に取って買っていったことがあった。今なら分かる。人には雨が降ろうが槍が降ろうが今すぐまんが道を読まなければならない衝動にかられる時があるのだ…。それがまんが道なのだ。 やっぱり一番好きなのは「なろう!なろう!明日は檜になろう!」の名言にあるように読むと向上心が爆上がりするところですね。才野も満賀もめちゃくちゃ才能あるけど、そんな二人だってこんなに努力してるんだから自分だってやってやるぞ!今日がダメでも明日があるじゃないか!明日があるって素晴らしいね…!と思えるんです。 あと、一人だったら心が折れてたけど二人だから乗り越えられたってシーンがたくさんあるじゃないですか。編集者のダメ出しにへこんだり原稿を落として仕事が無くなっても、お互いに励まし合ってるうちに新しいアイディアが浮かんでもう一度頑張ろうって思えたとか。こんな尊い友情が現実に存在したというだけでマジで泣けるし、一人で考え込むのって本当によくないなという気づきを得ますね。 それからなんと言っても手塚治虫先生の存在ですね。やっぱり圧倒的「神」なんですよ!手塚先生は!このまんが道を通して漫画界の神々たちの戯れをのぞかせて頂いてるんです。トキワ荘の敷金3万円を下宿先の両国のおじさんが貸してくれるって言ってくれた時もその優しさに感動したのですが、その後に手塚先生が肩代わりしてくれるという神展開があってビビりましたね。好きなエピソードです。 あと途中で倒産する出版社の編集者で、いつもは目立たないヤツなのに「漫画は映画じゃない。映画みたいな漫画を描いたってダメだ。漫画にしか出来ない表現をしなさい」みたいなことを言い出したシーンが印象的でした。

かしこ
かしこ
うるせいやつらしんそうばん
うる星やつら 〔新装版〕
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あらすじ
なぜかこの世の不幸を一身に集めてしまう「見るからに凶相の持ち主」・諸星あたる。UFOに乗ってやってきた女の子・ラムちゃんの鬼ごっこの相手に選ばれてしまったことから、あたるの運命はさらなる不幸(?)へと突入していく……。コミック界をゆるがした高橋留美子の奇想天外SFコメディが、ついに新装版で再スタート!! ※My Lumの収録はありません。あらかじめご了承下さい。
キャプテン
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あらすじ
弱小野球部のキャプテンと部員達が、ひたすら努力を重ねて最強チームに成長していく熱血スポーツコミック。墨谷二中に転校してきた谷口タカオ(たにぐち・たかお)は、野球部の練習に参加しようと、以前いた学校のユニフォームに着替える。それが野球の名門・青葉学院のユニフォームだと気付いた野球部員達は、谷口を凄い大物選手だと思い込んでしまう。しかし青葉学院にいた頃の谷口は、パッとしない二軍の補欠選手で……!?

キャプテン試論 ースポ根とは言われない何かー

いわゆるスポーツ漫画一般を分類する言葉として「スポ根」というものがあるが、ちばあきおの『キャプテン』ならびにその続編の『プレイボール』は、その内容的には「スポ根」と呼べそうな要素を多分にもっていながら、どうしても「スポ根」とはいいがたい何かがあるように思う。それはいったい何なのか。 スポーツとはそもそもが不平等である。そんなスポーツ界で頂点に立つような人々というのは、生まれながらにして神に愛されており、尚且つ、努力にいっさいの身を惜しまないような人であろうと思う。それはそれは残酷で切ないことではありませんか。 そうであれば、少なくとも、青葉から墨谷二中に転校してきた谷口タカオをはじめ、体格にも才能にも恵まれない人々は二倍も三倍も、もっともっと、もっともっと、がんばらなくっちゃならない、その間にも、生まれながらにして神に愛されており、尚且つ、努力に身を惜しまない人々は先へ先へと進んでいくのだから。しかし、あえて言及してみるまでもなく、これほど当然の理屈もないだろう。劣っているものが優れたものに勝つには、もっともっと、もっともっと、がんばらなくっちゃならない。三分の一ノックで身体がボロボロになろうとも、向こう見ずのダイビングキャッチで脳震盪を起こそうとも、それでも、それでも、がんばらなくっちゃならない。なにせ相手は生まれながらにして神に愛されており、尚且つ、努力に身を惜しむことのない猛者たちなのだ、これほど至極当然の理屈がこの世にほかにあるだろうか。これほど残酷で切ないはなしがほかにあるだろうか。 しかし、ちばあきおという作家は、この残酷で切ない至極当然の法則から目を背けることはけっしてしない。むしろ、それを剥き出しの状態のまま直視しようとしているようにみえる。この眼差しには、残酷で切ないだけではない、どこか優しさめいたものがあるように思う。この優しさは、けっして、困っているひとを、あるいは劣っているひとを、助けるといったたぐいの優しさではない。もし、そうであれば、島田は二度も三度もフェンスに激突して脳震盪を起こさずに済んだにちがいない。 思うに、いわゆる「スポ根」なるものは、当然なるものを当然のこととして描くのではなく、この残酷で切ないがんばりそのものを直視するのではなく、それを問題的に、あるいは問題-解決的に覆うことで物語を構築しているのではないか。そうすることで残酷で切ないがんばりそのものは問題的なもののベールに包まれて見えにくくはなるが、登場人物たちは野性的で不平等きわまりない野晒しの世界からは守られることになる、しかし、これもある種の優しさではあろう。 それにしても、この野晒しの世界で、墨谷二中はどうなったか。なんと全国制覇を成し遂げたのである。当然のことを当然のこととして丹念に描いた結果が、荒唐無稽な夢のよう話になってしまうという、これほど感動的な事態がほかにあり得ようか。数あるスポ根の登場人物たちには勝つために理由-問題が必要だった、裏を返してみれば、彼らの勝利にはそれ相応の理由があった。そうと理由があるのなら、なんだ、そういうことかと腑に落ちることができる。しかし、ほんとうに感動的な体験とは、まだ見たことのない信じられないようなものを目の当たりにするときに起こるのではないだろうか。そして、それを少なくとも可能にするのは、努力は必ずしも、いや、ほとんど場合において実を結びはしないが、それでも、それでも、がんばらなくっちゃと思う、なにか対象のない漠とした祈りのような姿勢のなかにあるということを谷口たちは身をもって教えてくれる。

影絵が趣味
影絵が趣味

4世代にわたる大長編野球マンガ!!

表紙のとおり、野球マンガです。特徴としては、墨谷二中の野球部のキャプテンが4代にわたって主人公をつとめる、リレー形式のマンガという点です。 谷口キャップ→丸井キャップ→五十嵐キャップ→近藤キャップ マンガは主人公のキャラクターが大事と思いますが、4者4様なので、その都度結構作風・校風が変化します。初代の谷口キャップは、素質はそこまででもないと思いますが、とにかく努力の人で、読む者に勇気を与えてくれます。谷口キャップ時代の面白さに文句をつける人はいないと思います。 わたしが次に好きなのは、近藤キャップ時代です。丸井&五十嵐の時代にも、近藤キャップは登場してましたが、そのときはいけすかないキャラ設定で、正直好きになれず、五十嵐キャップの次のキャプテンが近藤キャップに決まったときは、「これでこのマンガも終わったな」と思いました。 ですが、近藤キャップはキャプテンになってからものすごく変わりました(変わりきれずに退場になったりもしてしまうのですが・・)。それまでの墨二は、ものすごい練習量で、言い方は悪いですが、とにかくシゴきにシゴきまくって欠点を修正し、チーム力をアップさせるやり方を採っていたのですが、近藤キャップに変わり、皆の長所をうまぁく引き立たせて、野球を楽いと思いながら前向きに頑張れるように導くスタイルに変化します。練習量は激減しますが、逆に成果は落ちてなくて、下級生たちの実力も選抜大会出場校の選手と比べても遜色のないほどに成長していきます。 どちらが良いとかは一概には言えませんが、素質はありながらも1年のときから先輩たちにバカだの何だの言われて怒られ続けてきた近藤キャップだからこそ、できない人・怒られる側の気持ちがわかり、その人達の実力を引き出すことができるんだなと思って感心して読みました。最終盤で近藤キャップがお父さんと相談して作った練習計画ノートが出てきたときは感動で咽び泣きました。 丸井と五十嵐の時代は、わたしは読んでてダレてしまいました。正直読破を諦めようかとも思いましたが、最後近藤キャップの活躍が見れて、がまんして読んで本当によかったです。 丸井も合宿の掃除や炊事を買って出たり、悪いやつではないのはわかるのですが、正直でしゃばりすぎだと思います。基本いいやつだとは思いますが、出てくる度にがっかりしてました。タイムとかも取りすぎです。 谷口キャップと近藤キャップのところだけなら★5でいいと思います。

酒チャビン
酒チャビン

根尾くんはイガラシではないか!

第100目の開催となった夏の甲子園~ドラフト会議までのあいだには数々のドラマがあったと思いますが、そのなかにひとつ、遊撃手対決というのがありましたね。立役者はもちろん、報徳学園→広島東洋カープに入団した小園選手と、大阪桐蔭→中日ドラゴンズに入団した根尾選手、野手の華とも言われる遊撃手というポジションをめぐる二人の関係はそろって4球団競合ドラフト1位という決着に一旦終止符を打ちました。 しかし、それにしても、小園選手は見事なまでのショート顔をしている。将来は球界を代表する名ショートストップになること間違いナシと太鼓判を押したくなります。内野手の要として、すえながく渋い活躍でチームのピンチを救ってくれそうな選手です。いっぽうで根尾選手はと言うと、どうやら、必ずしも遊撃の名手としてドラフト指名されたのではないらしい、しかも、プロでは二刀流とは決別して野手一本でいくと表明していたのにも関わらずです。根尾選手は、いちプレーヤーとしての質の高さだけではなく彼の人間性全体からくる伸びしろの高さを評価されているらしいのです。 根尾選手にまつわる各界からのコメントをみてみますと、これが実にバラエティにとんでいて非常におもしろい。ショートの他にも、いまだピッチャー説もあれば、センター説もあり、挙句の果てにはキャッチャー説まででてくる始末。さらに特筆すべきはチームリーダーとしての資質です。単なるチームのまとめ役ではなく、根尾ひとりがいるだけで他のチームメイトにも良い影響を及ぼしてチーム全体の力能がこぞって向上するような類のチームリーダーとしての資質です。 こんな選手がかつていただろうかと思い巡らせてみますと、そんな選手をわたしはひとりよく知っているのです。そう、墨谷二中を全国優勝に導いたイガラシです。もう、見た目からして、あの猿か忍者のような身のこなし、ひん曲がった眉毛、根尾くんはまさにイガラシの体現だとしか思えないのです。

影絵が趣味
影絵が趣味
ぎんがてつどうすりーないん
銀河鉄道999
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あらすじ
1000年もの間生きることができる機械の体を夢見る少年・星野鉄郎とその母親。しかし、機械伯爵の人間狩りにより母親は殺されてしまう。逃げ延びた鉄郎も吹雪の中、力尽き倒れてしまうが、謎の美女・メーテルによって助けられる。しかもメーテルは、自分と同行してくれれば、ただで機械の体を手に入れることができる星・アンドロメダへ行く“銀河鉄道999”の乗車パスもくれると言うのだった…。アニメ化され、一大ブームを呼んだ名作。機械の体を手に入れるために地球からアンドロメダへと銀河鉄道“999”で旅を続ける少年・鉄郎と謎の女性・メーテルを通して、人間の“命”とは何かを説く長編ドラマ!
えりあはちじゅうはち
エリア88
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あらすじ
空を飛ぶ戦いの最中、想い馳せるは故国――。大手航空会社のパイロット訓練生・風間真(シン・カザマ)は親友の神崎悟と共にパリでの研修訓練を終了し、帰国後にパイロットとしての第一歩を踏み出すことになっていた。社長令嬢・津雲涼子との交際も順調でその将来を嘱望されていたシンだったが、神崎の策略により傭兵部隊入隊の契約書にサインをさせられてしまう。激しい内戦の続く中東・アスラン王国に入隊したシンが配属されたのは、作戦地区名「エリア88」と呼ばれる傭兵部隊で構成された空軍基地だった。この基地から除隊するためには、高額の違約金を払うか、契約満了まで生き延びるかのみ。シンは違約金を稼ぐため、ザク・ヴァシュタール国王率いるアスラン政府軍の傭兵として、ザク国王の実兄であるアブダエル・ヴァシュタールは率いる反政府軍と血みどろの戦いを繰り広げることになる。戦いのさなか、シンはエースパイロットとして頭角を現し、報奨金を稼いでいくが、次第に傭兵稼業に染まっていく……。作者の代表作にして一時代を築いた名作エア・コンバット・アクション・ロマン、電子書籍として装いも新たに登場!

ハードな物語を彩る、青臭さを超越した名言の数々

アスランと言えば、『機動戦士ガンダムSEED』とか『ナルニア国物語』ではなく、当然『エリア88』が出てくる3X歳です。『エリア88』に登場するアスランは、中東にあるとされる架空の国の名前。アスランを舞台に空を飛び戦うことしか許されない男たちの生き様はいまだにオッサンたちの心を熱くするのです。  主人公・風間真は日本人。アスラン王国に雇われた戦闘機パイロットとして、空軍基地エリア88に駐留しています。もともとは大和航空の旅客機パイロットとして将来を嘱望されていたのですが、親友の神崎悟の姦計により、大和航空令嬢で恋人の涼子を置いたまま外人部隊に入隊することになります。  シンとアスラン王国との契約は3年間。3年間生き残り、契約を満了するか、違約金150万ドル(当時のレートで日本円3億円)を支払わなければエリア88からは脱出できません。シンはかつての親友・神崎への復讐と愛する涼子のため、この地獄を生き抜く覚悟を決めます。  エリア88にはシン以外にも、、脛に傷持つ男たちが多く集まっています。シンの盟友・ミッキーはベトナム戦争時にアメリカ海軍のパロットとして活躍しましたが、復員後の平和な日常に馴染めずエリア88に来てしまいました。対地攻撃を得意とするグレッグはソビエト連邦からの亡命者の運び屋をしていましたが、ある事件がきっかけでエリア88に流れ着いてきました。歴戦のパイロットそれぞれに事情があります。  『エリア88』の面白い所は、やはり彼らが正規軍人ではなく傭兵であるところです。彼らは国や軍を守るためではなく、ただ自分のために戦います。罰金を払うことで、ある程度の任務の選択もできますし装備の選択も自腹で自由。生き残るために装備を整えれば違約金まで遠くなりますが、怠ればすなわち死…。自身の能力・装備と、任務の難易度を天秤にかけるのです。    物語は、エリア88の個別の作戦から、やがて世界を支配する軍産複合体・プロジェクト4の陰謀まで広がります。傭兵個人の想いを描きながらも大きな大きな物語が展開し、綺麗に完結するという、稀有な名作なのです。  また、忘れてはいけないのが、松本零士作品とも通じる“漢ポエム”があります。「頭上をかすめる排気音…青く輝く誘導灯…地獄を照らす着陸灯…その日、悪魔は“生きろ!”といった…」ハードな物語を彩る、青臭さを超越した名言の数々は、日々、板挟みにあえぐサラリーマンにも意外と通じている気がします。苦しいときに、『エリア88』の名言を思い出して踏ん張っている僕は、色んな意味でどうかしているような気がします。

名無し
ドカベン
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あらすじ
ドカベン山田、里中、岩鬼ら、明訓球児が大活躍する高校野球まんがの最高傑作!!

だから野球マンガは面白い!

当初は柔道マンガとして始まり、いくつものシリーズを経由しながら、ひじょうに長い年月を経て、とうとう『ドカベン』に終止符が打たれた。最終巻の最終話では、第一巻の第一話における山田と岩鬼の出会いをそのまま回想としてなぞり、このあまりにシンプルでありながら、これしかないという演出には言うにいわれぬ感慨を憶えたものだった。 『大甲子園』を含めたドカベンシリーズの本流だけで全205巻。それ以外の支流からドカベンシリーズの本流に合流してきたものを合わせれば300巻に迫る勢いである。じつは、こち亀の200巻の記録をゆうに超えてしまっているのだ。 この途方もない事態は、おそらく『ドカベン』にのみ関わるものではない。すべての野球マンガに、野球マンガというジャンルに関わるものであると思う。マンガには様々なジャンルがあるが、そのなかでも野球マンガというジャンルは、マンガという体系に対して、ある特権的な位置を占めていると思うのだ。これはハリウッドが西部劇というジャンルとともに映画産業を発展させてきたのとよく似ているような気がする。すなわち、ここでは映画が西部劇を撮るのではなく、西部劇という土壌が映画を撮らせているというある種の逆転現象が起きている。映画においてもっとも重要な光線の処理の問題、これをハリウッドはその近郊の年中天候の変わりにくい荒涼地帯で西部劇を撮ることで解決してきたのだ。天候がほいほい変わればそのたびに撮影を中断せねばならないが、西部劇ならばそんな心配はしないでどんどん撮影をすすめ、作品を量産することができる。つまり、こうした西部劇の量産で興行した潤沢な資金を次の撮影にまた注ぎ込むというサイクルがハリウッドにはできていたということだ。 では、マンガはどうかといえば、マンガ制作に天候はあまり関係がなさそうだが、やはり手塚治虫の登場いらい体系の整えられてきたコマと記号の処理という問題が"大友以降"のマンガにおいても頭をもたげてやまないはずなのだ。というより、マンガにおける諸問題はコマをいかに処理し、記号をいかに処理するかに集約されるはずだ。あれだけマンガというものに抗ってみせた『スラムダンク』の井上雄彦もけっきょくはコマからは逃れられないし、記号には頼らざるを得ないところがあった。そもそも井上がマンガに抗わざるを得なかったのはマンガ家という身分でありながらバスケが好きだったという不幸に由来する。マンガでバスケの動きをどう表現するか、それは文字通りマンガへの過酷な抵抗であったことだろう。『スラムダンク』の美しさは、このマンガへの過酷な抵抗と山王への果敢な挑戦がダブるところに集約されるだろう。ただ、あくまでも井上に許されていたのはマンガへの飽くなき抵抗という姿勢までで勝利ではなかった、だからこそ湘北が山王に奇跡のような勝利をおさめたときに連載を止めねばならなかったのだ。その点で、マンガは野球に愛されていると言わざるを得ない。愛に守られてスクスクと育ち、野球マンガに特有の素晴らしき楽天性でもって『スラムダンク』とはまたちがった豊かさを随所で花開かせている。そのことは近年ますます豊饒となった野球マンガのひとつ『おおきく振りかぶって』にもよく描かれている。すなわち、打者のほとんどが打ち上げてしまう三橋くんのまっすぐ、打者はボールの運動をじっさいに目で正確に追っているのではなく、その軌道を経験的な記号として捉えてバットを振っている、と。このことは野球を外からみる側にもいえる。投手が構えて、ボールが投げられる、打者が構えて、バットが振られる、この一連の運動を隈なく目で追っているひとなどいないはずなのだ。わたしたちが見ているのは、投手が構えて、次の瞬間には、構えていた打者がスイングし終えていて、マウンドの投手はまるでバレエでも踊るみたいな不可思議な格好になっている。この野球をみるときの呼吸はマンガの呼吸とぴったり合いはしないだろうか。コマからコマのあいだの欠落を敢えて埋めようとはしなくてもマンガは野球を経済的に語る術をはじめから心得ていた。つまり野球マンガは、あるいはバスケマンガのように、マンガそのものに抵抗する必要があらかじめなかった。この追い風を受けてマンガは野球という物語を幾重にも変奏して量産することができたのではないかと思うのだ。

影絵が趣味
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なぜ今までドカベンを読まなかったのか?

マンガトリツカレ男
マンガトリツカレ男
ガラスの仮面
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あらすじ
港町、横浜の裏通りにある小さな中華料理店で住み込みで働く母親と暮らす、13歳の少女、北島マヤ。美少女でもなく成績も普通の平凡なマヤの眼の奥には、激しく燃えるような炎がくすぶっていた。映画やテレビのドラマに夢中になってしまうマヤは、今日も出前の途中で映画を覗き見し怒られる。そんなマヤを見た謎の女性から、あなたのような千の仮面を持つ少女を探していたと…。■巻末に、eBookサイン会限定描き下ろしイラストを収録!

「こんにちは、あたし」で鳥肌

ガラスの仮面って月影先生の「恐ろしい子」って台詞があまりにも有名で、ガラスの仮面を読んでなくても、パロディでよく使われてるから有名ですよね。 でも、私が1番すごいと思ったセリフは北島マヤの「こんにちは、わたし」というセリフです。役者としての技術も未熟で、バレエなどの下地もない彼女は、それらを持つ姫川亜弓に憧れていますが、その姫川亜弓が嫉妬するレベルで忘我し役になりきる北島マヤの天才性を端的に表しているセリフ・シーンだからです。役の仮面を脱ぎ捨て「こんにちは、わたし」と鏡に映る自分に対して言い放つ姿はまさに狂気ですし、「恐ろしい子」です。 この漫画の魅力のひとつに北島マヤと姫川亜弓の立場の逆転があると思います。物語の序盤は天才として扱われた姫川亜弓も今は努力の人として定着し、役者としての未熟さを笑われていた北島マヤは無二の才能で他者を圧倒する恐ろしい子になっていきます。最近では、主人公の北島マヤよりも姫川亜弓を応援したくなることもしばしば。姫川亜弓の「ガラスの仮面をつけているのは、わたし」というセリフなんか泣いてしまいます。 紅天女を演じるのは誰になるんでしょうか。気になりますね。この物語の終わりをわたしは読みたくてしょうがないです。

ばにゃにゃんだー
じゃりんこちえしんていばん
じゃりン子チエ【新訂版】
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あらすじ
大阪の下町でホルモン焼き屋を切り盛りするチエちゃんは小学5年生。父親のテツは無職でケンカとバクチに明け暮れ、母親のヨシ江は家出中。そんな逆境にもめげず、大人顔負けのたくましさで奮闘するチエちゃんと、個性的な登場人物たちが大騒動を巻き起こす!

なぜこれがアニメ化され、国民的人気作になったのか

子供の頃アニメを観ていたが、決して好きではなかった。「好きじゃないなら観るなよ」というのは今だから言えることで、当時はそれほど娯楽の選択肢が多くなく、暇を潰すにはテレビを観ているのが一番だった。 父親は暴力的で賭け事大好き、母親は別居中というのが、子供の頃の自分には恐怖でしかなかった。お父さんがああなったらどうしよう、お母さんが出て行ってしまったらどうしよう…。父親がパチンコに行くことで夫婦喧嘩になった時など、不安になったものだ。 しかし大人になって読み返すと、それぞれ口は悪いがお互いに思い合っているし、保守的な価値観に対する疑問や清濁併せ呑む態度など、生きる上で大切なことがたくさん描かれている。一般的なアニメや漫画に出てくる「普通の幸せな家庭」ではないことも、近い境遇の人達には勇気になったかも知れない。 舞台は大阪の西成区周辺をモデルにしていると思われるが、それも大人になるまでは分からなかった。今なら何故当時の大人たち(アニメの監督は高畑勲)がこの作品を子供達に観せたかったのかというのがすごくよく分かる。そしてジェントリフィケーションや格差の拡大、ポリティカルコレクトネスや自己責任論が吹き荒れる今、また読まれて欲しい作品だと思う。

hysysk
hysysk
浮浪雲(はぐれぐも)
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あらすじ
激動の幕末を、流れる雲のようにサラリと生きる“大江戸楽天人伝”。▼第1話/宿場女郎▼第2話/戸塚ッ原の対決▼第3話/木曽路から来た男▼第4話/品川慕情▼第5話/街道工事不正事件▼第6話/くりからもんもん▼第7話/幽霊駕篭▼第8話/黒の舟唄▼第9話/風流トンヤレ節 ●登場人物/浮浪雲(品川宿の問屋場、夢屋の頭。柔軟かつ強靱な精神の持ち主)、新之助(雲の長男。大人物を夢見る熱血少年)、カメ(雲の妻)、欲次郎〈とっつあん〉(夢屋の帳場をまかされている老人) ●あらすじ/「3年経ったら迎えに来る」と言い残し、京へ発った男を信じて待つ遊女。約束当日に現われた男には追っ手が……。けなげな遊女のために浮浪雲が一肌脱ぐ!(第1話)。▼街道一の親分、清水次郎長とその一家が品川宿にやってきた。やりたい放題の次郎長に品川一の春秋親分は、このままでは面目が立たないと、次郎長に喧嘩状を送りつける。それを知った雲は……(第2話)。▼客の女をてごめにした問屋場の新入り、鮫造。それを苦にした女は自殺。しかし反省の色もない鮫造に雲は……。雲の妻カメ、息子の新之助登場!!(第3話)。▼借金を返すために旅籠で働くお美代。問屋場の文次は、お美代と一緒になろうと仕事に精を出す。しかし、お美代に関しての良くない噂を聞かされた純情な文次は……(第4話)。●その他の登場キャラクター/清水次郎長(第2話)
銭ゲバ
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あらすじ
ある日少年は強く思う…。世の中は銭でまわっていると…。貧しい生い立ちであるが故に手段を選ばず金を得ることに執念を燃やす蒲郡風太郎。貧しさ故、病身の母を救うことが出来ず、家族を捨てた父を憎む、彼の生き様を、ジョージ秋山が鋭く描いた衝撃の傑作!!
いちにのさんしろう
1・2の三四郎
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あらすじ
日本一の闘魂男、東三四郎登場!!ラグビー部を追われた三四郎は、レスリング部の西上馬之助、空手部の南小路虎吉、転校生・北条志乃と4人で、廃部寸前の柔道部を格闘部として再生することになった。県下一強いラグビー部は、学園内でも女の子たちに騒がれる人気クラブ。三四郎がラグビー部を追われたのには、ある理由があった。

タラッタ リッタ タッタ タ〜〜〜〜ン

小学生のとき、蓄膿症で耳鼻科に通っていたのですが、待ち時間がべらぼうに長かったのですね。そのときお世話になっていました。 いちおう、他にはキャプテンかプレイボールのどっちかもあったのですが、断然三四郎の方が面白く、大ファンでした!! 当時、田舎の小学生の間ではジャンプが王道中の王道で、マガジンを読んでいる人はクラスに一人もいなかったですし、まだコンビニもなかったため、売っているところもあまり見かけない感じで、そのマガジンに連載されているというのは小学生時代の私にとってものすごくミステリアスで、何か遠い異世界で連載されているマンガなのではないかという感覚を抱いていました。当時の茶色地に白でKCKCKCKCKCと印刷された講談社コミックスのいでたち(センスどうなんですかね)も、ジャンプコミックス(確かカバーを外してもキャラの絵が書いてあった気がします)に馴染んだ私にはものすごく異世界感がありました。 さて、内容ですが、今読んでもかなり上位にランクインできるほど完成度の高い作品だと思います。 基本的にはギャグよりのスポ根(ラグビー、柔道、プロレス)ですが、70年代特有のシリアスさもあり、ドラマ的なストーリーとギャグのバランスがものすごく素晴らしいです!!!全体的にジメジメ感はなく、切ない場面もカラッとしています。そこもわたしの好みに合っています。カラッとしててもグッとくるところはちゃんとグッとくるのがすごいと思います。 後半登場機会がめっきり減ってしまいましたが、ラグビー部時代の盟友・飛鳥が三四郎のことが好きで、たまに三四郎がラグビー部の練習に来ると、本当に嬉しそうな顔になってるところもいいと思います。 ひとつ個人的に残念な点をいうと、後半に行くに従って志乃のすぐ泣くキャラ設定がなくなっていってしまったのがもったいなかったと思います(2ではほぼ別キャラになってます)。 基本誰が読んでも楽しめると思いますが、男子に特にオススメです。

酒チャビン
酒チャビン
ぶっだてづかおさむぶんこぜんしゅう
ブッダ
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あらすじ
いまから三千五百年ほどの昔、インダス川のほとりに住むアリアン人はバラモンを頂点とする身分制度を築いていた。そんな中、物語の主人公であるシッダルタが誕生する少し前、奴隷出身のチャプラはコーサラ国の将軍を助けたことがきっかけで彼の養子となる。そして、出自を隠して権力の座を狙うが、チャプラもやはり身分制度の呪縛からは逃れることができなかった……。ブッダが生きた時代とその生涯を描いた大作がここに始まる! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT287~288『ブッダ』第1~2巻収録 <初出掲載>1972年9月号~1978年7月号 希望の友/1978年8月号~1979年12月号 少年ワールド/1980年7月号~1983年12月号 コミックトム連載

手塚治虫の中でも一番

一番面白い、とは言いません。でも一番好き。 漫画を読み始めた小学生の頃、実家にはブッダの愛蔵版と秋田書店版ブラックジャックの単行本とDr.スランプがあり(後に手塚作品は拡充されていってたけど他は自分で買うようになった)それらをひたすらに読み返していたので思い入れも一番深いです。 火の鳥は雑誌ぐらいの大きさの○○編とかごとに別れてるやつがピアノの先生の家にあって待ち時間に読むのが楽しみでした。 なんか書いてるとすぐ脱線してしまう。。。 ブッダ(仏陀)に関して、私は正直この手塚治虫のブッダ以外の知識がないです。本来の意味としては「悟りを開いた人」ということだったと思う。 ただ、どこまでが世間一般で言う意味合いと合致しているのかわからないのでそこは置いときます。 今作はシッダールタがブッダとなり亡くなる(正しい表現じゃなかったらすみません)までの間の物語。 宗教的な背景や知識がなかった小学生でも、シッダールタを取り巻く登場人物たちや出来事のインパクトに惹き込まれあれよあれよと最後まで読み切り、また何度でも読み返してしまうほど深い作品でした。 タッタがすごい好きだったなぁ…ダイバダッタが本当に憎くて、でもみんな憎みきれない感じのストーリーを持ってるんですよ。 一言で言い表せない内容で、なんとも感想が書きづらいけど、本当に面白いし読まないのはほんと損だと思う。 人生への影響が色濃く強い!というほどではないかもしれないけど、きっと心に残ると思います。 大人になってから行ったタイ旅行で見た涅槃像を全部ブッダだと思って見てました。心臓を上にして横になるので右肘で頭を支えてるんですよね。これも事前知識なく手塚ブッダで学んだことだったけど合ってました。楽しい。

さいろく
さいろく

超おもいでの作品

高校生の頃(すでに手塚先生は亡くなられていましたが)、火の鳥を読んで、その面白さに圧倒され、続けて読んだのがこのブッダで、それまでに読んでいたマンガとは完全に別格の面白さに、すっかり虜になりました。わたしがヅカラーになる決定打となった作品で、とても思い入れがあります。この度、再読して、その面白さを再確認しました。 もし「ゆうれい小僧がやってきた!」がもう少し面白ければ、ゆでラーになっていたと思うので、人生なにが起こるかわかりません。 本作品は、ブッダの生涯を描いたものですが、物語は生まれる少し前からスタートします。 仏教の教えについては、そこまで詳しくないので、この作品に書かれている数々の教えが、仏教の教えそのものなのか、それとも手塚先生なりのアレンジが加わっているのかは分かりません。本作中のブッダは、決して最初から聖人だったわけではなく、どちらかというと問題児的な部分や弱い部分もありながら、いろいろ経験していく中で迷いながら悟っていくので、自分を諦めない勇気をもらえます(作中の弟子たちも皆そうです)。 ただ、実在のブッダや本作品中のブッダが数多の人の心をお救いになったように、手塚先生は本作品によって、わたしの心をありがたくもお救いになられました。その意味で、手塚先生は、巷間言われているとおりマンガの神様であると同時に、我が心の仏様でもあります。 ちなみに、作中登場するタッタ、ミゲーラ、チャプラ、ブダイ将軍、バンダカ、アッサジあたりは手塚先生のオリキャラだとのことです。まぁ正確な歴史を知りたいわけではないので、別に良いですし、むしろその辺のオリキャラの存在によって、より心根に響く作品になっていると思います。

酒チャビン
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はだしのゲン
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あらすじ
著者の体験をもとに、強く明るく生きる少年・中岡元の姿を通して、原爆の恐ろしさ、命の尊さ、そして平和への強い願いが込められた名作。

戦争やっぱやめた方がいいような・・・

戦争しようとする人たちはシゴウしゃげたるしかないですね。争いごとはやめた方がいいと思いました。 よくサバイバルとかの「地球の終わりもの」のマンガを読むのですが、そのどれよりも真に迫っていて心にこたえました・・。夏江さんたちに比べたらサトルとか全然ピンチじゃないですよ! マンガというおもにフィクションとして考えられたことよりも、ダンゼン現実のできごとの方が悲惨に感じたということなのですが、これはつまり、人間が想像できること以上に悲惨な出来事が、実際に起こってしまったということだと思うので、今後はやめていきたいです。 楽しいマンガを読んで、ほがらかな気持ちをはぐくんでいけたらと思います。 ■勉強になった点 ・ピカの候補地が小倉・広島・京都・新潟だったこと (わたくしごとで恐縮ですが、母方の実家が新潟で父方が小倉です) ・「しょうがない」とあきらめることは良くないということ (最終的に気合ということ) ・広島カープが広島の人に熱狂的に愛されている理由 (ピカで焼け野原にされて夢も希望もなくして暗い気持ちの広島市民が作ったチームだから) ■面白かった点&好きなシーン ・うれしいとすぐおしっこ漏れそうになる点 ・勝子と夏江さんの洋服が売り切れるシーン ・相原が野球に希望を見出すシーン ・夏江さんがツボを完成させたシーン (直後に元に割られたときは、うすうす意図はわかったもののかなりショックでした。自分なら死にます。)

酒チャビン
酒チャビン
ベルサイユのばら
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あらすじ
1755年、この年ヨーロッパの3つの国で、やがてフランスのベルサイユで宿命的な出会いを持つことになる3人の人間が生まれる。スウェーデンの上院議員の長男として生まれたハンス・アクセル・フォン・フェルゼン、フランスの将軍家の末娘として生まれたオスカル・フランソワ・ド・ジャルジュ、そして、オーストリア、ハプスブルグ家の皇女として生まれたマリー・アントワネット!!少女漫画史上に輝く大傑作、ついに登場!
プレイボール
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あらすじ
中学野球の名作「キャプテン」の続編にあたる、初代キャプテン・谷口タカオ(たにぐち・たかお)の高校進学後の活躍を描いた熱血スポーツコミック。墨谷高校に入学した谷口は、中学時代に全国大会で優勝を果たした試合での負傷が原因でボールが投げられなくなり、墨高野球部の練習をただ眺める日々を送っていた。そんなある日、サッカー部キャプテン・相木(あいき)に勧誘された谷口は、サッカー部へと入部するのだが……!?

ちばあきお漫画を動揺させる御馳走という存在

夏の甲子園の県予選がはじまっているので、性懲りもなく『プレイボール』を読み返している。 語弊を恐れずにいえば、ちばあきお漫画の魅力は味気のなさにあると思う。野球に熱心すぎるあまり、ひたむきすぎるあまり、本気で打ち込むあまりの味気のなさである。「勝利の味をしめる」という言葉があるが、『キャプテン』にしても『プレイボール』にしても、負け試合はもちろんのこと勝ち試合においてもどこか苦い雰囲気が拭えないのである。『キャプテン』のイガラシ時代の夏の決勝戦、西の強豪・和合中との雨の決戦はどうだったか、全国制覇を成し遂げたというのに不思議なまでのあの味気のなさは。 ところが、そんな試合に勝ってまで味気のないちばあきお漫画において、奇妙に味気のある数コマがおよそ一巻に一度ぐらい落とし穴のように潜んでいる。それすなわち御馳走の時間である。 田所先輩の代こそは元々が弛んでいるので、まだ御馳走はみられないが、まさしく田所先輩たちが引退して谷口が次のキャプテンに指名される日から落とし穴のような御馳走がひっそりと潜んでいる。薄汚い部室にテーブルを囲い、それぞれの席には簡易的ながら紙のナプキンが敷かれて、その上に可愛らしくお菓子やフルーツやジュースの瓶が乗っている。野球一筋のこのマンガにおいて、なんと奇妙で戦慄さえ憶えかねない一コマであることだろう、淡々とただひたすら野球に打ち込むばかりのコマの連なりのなかで不意に挿入されるこの紙ナプキンの上の御馳走たちはスリリングとさえいえないか。 この送別会の御馳走を先がけに、新入生の歓迎会ではふたたび囲んだテーブルに紙ナプキンが敷かれて、出前の兄ちゃんが蓋付きのカツ丼を運んでくる。大会の谷の日には田所さんが激励にアイスクリームを紙袋にたくさん詰めてもってくるし、鰻丼かと思いきやカツ丼の上を御馳走してくれるし、熱戦の翌日の休養日には丸井が谷口家を訪ねるさいのお土産として鯛焼きを持参して、しかもそれらは丁寧に紙の上にあけられる。そして極みつけにはOB会の発足パーティー、またしても薄汚い部室にてテーブルを囲み、もはや簡易的な紙ナプキンではなくテーブルクロスが敷かれ、御馳走に加えて瓶ビールまでが用意され、スリリングはさらに加速する。ここで注目したいのはこれらが単なる食事ではなく、それ以上に丁寧に格式張っているということにある。ちばあきお的マンガ世界において、彼ら野球少年たちは基本的には野球という社会のなかに閉じた存在である。その閉じた世界に不意に出現するイロモノめいた別の社会(すなわち御馳走という格式)はあまりに滑稽であり、その場を動揺させずにはいられない。しかも、その御馳走が部活の聖地ともいうべき部室にひろげられたさいには事尚更である。 味気のないちばあきおマンガが不意に彩りをみせるとき、その場は途端にスリリングに動揺しはじめ、物語に緩急と躍動とをもたらしているらしい。

影絵が趣味
影絵が趣味

キャプテンと同一世界線の物語!

月刊少年ジャンプで連載されていたキャプテンと同時期に週刊少年ジャンプで連載されていた作品です。連載開始時期は1年ほどこちらが後です。 元々キャプテンが盛り上がっていた、ちば(あ)先生に週刊少年ジャンプでも、との話があり、アメフトかラグビーマンガの準備をしていたらしいのですが、ルールの把握等に時間がかかり、高校入学後の谷口選手の話を繋ぎで描き始めたところ、ちば(あ)先生の方でも興が乗ったために連載となったようです。 必殺技等がない正統派野球まんがですし、敵味方ともに超人がいない世界観の中で、キャラを立たせるのが非常に難しく、試合展開も普通っぽくなりがちな中で、キャプテン&プレイボールを同時に連載されていたので、読者を飽きさせない工夫を考えるのは相当大変だったと思います。 事実、正直私も両作品とも中盤以降はちょっと飽きましたので・・・ ただやはり谷口キャップのキャラが素晴らしく良いですね。爽やかというか気持ちの良い方です。私も谷口選手のような人を目指さねばなりません。あとは半ちゃんが好きです。自分は全然出る予定もないのに城東にもらったメモを見直して、ベース寄りに立つ攻略法を気づくきっかけを作ったシーン。自分もプレイでは貢献できないけど、なんとかチームの勝利のために、という気持ちが現れている気がしてすごく良いです!! キャプテンの方は、谷口選手は割に序盤で引退&卒業してしまうのですが、こちらは物語の全部にわたって、その谷口選手が活躍するので、谷口ファンの女性にはプレイボールをオススメします。 後半、丸井が編入してきたり、五十嵐が入学してきたりと、だいぶ戦力も整って、これは甲子園を現実的に目指せるぞ、といういいところで終了してしまいます。 ドクターストップだったようで、仕方ないですが、これくらいの余韻を残した終わり方で良かったのかな、という気がします。話のゴールとしては読者にも見えてしまっているので(がんばって甲子園優勝する)、あえて描かないというのも選択肢かなと思いました。 コージィ城倉先生の手による続編があるようですが、正直蛇足かな、と思って読んでおりません。コージィ先生は好きですが、読むつもりも今の所無いです。 余談ですが、丸井の編入後は、それまでセカンを担当していた鈴木と全く見分けがつかず、読むスピードが激落ちしてしまいました。

酒チャビン
酒チャビン
火の鳥
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あらすじ
火の山にすむという不死鳥――火の鳥!!その生き血を飲んだ者は、永遠の命を得られるという……!!不死身の鳥をめぐって壮大な宇宙ロマンが展開する手塚漫画の代表傑作!!大波乱続出の黎明編第1弾、堂々大登場!!
ぽーのいちぞくはぎおもと
ポーの一族
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あらすじ
1880年ごろ、とある海辺の街をポーツネル男爵一家が訪れた。ロンドンから来たという彼らのことはすぐに市内で評判になった。男爵夫妻とその子供たち、エドガーとメリーベル兄妹の4人は田舎町には似つかわしくない気品をただよわせていたのだ。彼らを見たものはまるで一枚の完璧な絵を見るような感慨にとらわれた。実は、その美しさは時の流れから外れた魔性の美。彼らは人の生血を吸うバンパネラ「ポーの一族」であった。市の外れに家を借りた一家は、人間のふりをしながら一族に迎え入れるべき者を探し始めた。そして、エドガーが興味をひかれたのが、市で一番の貿易商の子息であるアラン・トワイライトだった…。
がんばれげんき
がんばれ元気
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あらすじ
堀口元気はプロボクサーである父親の影響をうけて、5歳からボクシングをはじめた。しかし、父親は後に世界チャンピオンとなる「天才ボクサー」の異名を持つ関拳児(せきけんじ)との死闘の末、この世を去ってしまう。父親の果たせなかった夢……世界チャンピオンを目指して、元気が駆け抜ける!熱く燃え続ける男の感動ドラマ!