ヴァラナシの牙

ヴァラナシの牙

広大な草原が広がるインド―― まだ人間が原始的な集落で生活を送っている頃、その草原の主は、ライオンやトラなどの肉食動物ではなく、巨大なゾウたちだった。そのなかでも、山のように大きくて強い一匹の黒い巨ゾウを人間たちは「ヴァラナシ」と呼んで恐れていた。草原の秩序を重んじ、すべての動物たちの命の源である草原を焼く火事の元になる「火」を嫌い、また自分たちがその日食べる以上に動物を殺し果実などを穫る人間たちを「強欲な愚か者」と考えるヴァラナシは、山の民「ストロー(黄色い人)」の集落をたびたび襲っていた。石の武器しかもたないストローたちの攻撃はヴァラナシには通用せず、集落を蹂躙され、家や冬用の食糧を失うことに…。さらに海の民「ドラッタ(黒い人)」たちが草原に進出してくると、コブラの毒を塗った鉄製の武器を使うドラッタに太刀打ちできずストローたちは滅ぼされていく。草原を支配したいドラッタは「草原の暴君」として君臨するヴァラナシを排除すべく周到な罠を仕掛けて…。太古のインドの大地を舞台に人間とゾウたちの戦いが描かれる!
水に犬

水に犬

「麻薬密売の金で…首相の座を買わせてたまるか!」──日本人の暴力団幹部と、タイ人の少女がバンコクで惨殺された。犯罪制圧特科のワッサン大佐は捜査を始めるが、突然タイ国首相から直々に電話がかかってきた。その上、車を爆破され……!? この事件は危険過ぎる!──ミステリー小説ファンにもお薦めの重厚なストーリーと、タイの風景を精緻に描くドラマティックな絵が魅力の、読み応えのある作品。
格闘士ローマの星

格闘士ローマの星

西暦63年、冷酷非道な皇帝・ネロに支配されたローマ帝国で市民が熱狂していたもの…それがコロッセオで連日行われる格闘士たちの生死を賭けた闘いであった。市民に人気で心優しき格闘士・アリオンは、その人気に嫉妬するネロの策略により愛するライザを失い、冷酷な悪役格闘士のレッテルを貼られてしまった…。
柔侠伝

柔侠伝

起倒流柔術家・柳秋水は日本講道館柔道の創始者・嘉納治五郎に挑戦し敗れた無念を一人息子・勘九郎に託した。それからくる日もくる日も秋水と勘九郎の激烈な稽古が始まった。過酷な修練は勘九郎が19歳になるまで続いた。その後、秋水の命に従い、勘九郎は郷里の九州・小倉から東京へ。起倒流師範・松柴久三を訪ねるため上京した日は明治38年6月×日…おりしも日露戦争の勝利祝賀に沸き返る日であった。明治から昭和にかけての激動の世相を背景に勘太郎、勘太郎、勘一、勘平の柔道一家・柳家4代、足掛け100年余りの歴史を描いた壮大な大河ドラマである。1970年から「漫画アクション」(双葉社)に連載された柔侠伝シリーズの1作目。
地獄の子守唄

地獄の子守唄

2004年公開の映画「日野日出志のザ・ホラー怪奇劇場」の原作にもなった初期名作短編『地獄の子守唄』『胎児異変 わたしの赤ちゃん』『恐怖列車』『蔵六の奇病』の4本を収録した日野日出志ベストセレクション! 雑誌掲載時には巻頭8ページが2色だった『地獄の子守唄』の巻頭を4色カラーで掲載!
女帝花舞

女帝花舞

銀座の女帝・彩香の娘として育った明日香。名門の娘が多い私立校で水商売の娘と蔑まれ、鬱積した不満を抱えていた。女帝の母にも反抗。憧れは祇園の舞妓に…。そんな時、育ててくれた安西のお婆ちゃんが死に、明日香の心に穴が空いてしまう。相談した菱和会会長の伊達に「ママに反抗するなら、ママの手から離れてお前の力で生きろ」と言われて決心、十七歳で家出して京都へ出た。祇園甲部にある屋形を兼ねた茶屋の『よし野』に入ろうとするが、身元のしっかりした者でないと駄目だと断られ、母を頼れない明日香は、伊達のもとに…。名作『女帝』の、続編がリリース!彩香の娘・明日香の新たな女帝伝説が始まる!!
ヤメ検弁護士シャチ

ヤメ検弁護士シャチ

その凄腕から検事時代には、「シャチ」という異名をとった弁護士・英剛直。彼は、ある国選弁護の依頼を受ける――。事件は、板橋一家三人強殺事件。警察は、強盗殺人と断定。残された指紋から容疑者を特定、逮捕するが…。
花板虹子【合冊版】

花板虹子【合冊版】

※本作は、『花板虹子』(全10巻・実業之日本社刊)に単行本未収録の95話分を追加収録し再編集した合冊版です。料亭・藤乃家の板長が亡くなって三か月…今日、新しい板長、つまり花板がやって来たのだが、旦那さんが連れてきたのはなんと女の板長だった!! その名は清水虹子。見た目は何とも冴えないメガネの小娘という感じ…。「板場ちゅうのは男のもんだ!」「あんな小娘にアゴでこき使われるなんてごめんだ!」「女に気の利いた料理などできっこねぇ!」板場の料理人達は、女が板長になるという事実に猛反発。特に次期板長と言われていた桜井は板場をボイコット。不穏な日々が続く中、室井が虹子にフグのおろしで勝負を挑んできた。しかも室井が勝ったら、虹子は板場を出ていくというルールで…!!

人気クチコミ

(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し
2020/04/23
「熱狂」とはなにか
梶原一騎の凄さを、今の読者にどう伝えたら良いのか…って、前にも同じような文章をクチコミで書いたような気がするが、こっちはそんなに悩まない。 梶原一騎は、もう要するに「フィクション=嘘」のとんでもないパワーが、その真髄であるに決まっている。 言い換えれば、ホラ話の面白さだ。 日本漫画史で、これほど胸躍るキワキワのホラを騙り続けた作家はいない。 昔、『巨人の星』の消える魔球の秘密で、「魔送球の縦の変化」という説明を読んで、少年だった私は「え、そんな、重力あるじゃん! じゃあドロップを横に変化させたらカクっと真横に「落ちる」って言うの!? 変化球を縦やら横に投げ分けられないでしょ!」と、とても釈然としなかったことがあった。 しかし、そんなガキのクソ生意気でクソ正論なションベン臭い小理屈と、漫画の「面白さ」はまったく関係がないのである。 『巨人の星』は、本当に素晴らしく陶酔的な魅力に溢れた大傑作で、私も大好きなのだから。 そういう点では、なんと言っても『ジャイアント台風』である。 このマンバの「あらすじ」からしてメチャクチャで、「(馬場選手の言葉、作中より一部抜粋)」って、こんなことを馬場が絶対言うはずがない。 トレーニングで足に鉄アレイをくくり付けられて、力道山から蜂の巣を投げつけられ、「このままでは死あるのみ」と苦悶した……そんな「汗と涙の苦しい経験」、馬場がしてるわけないでしょう! だが、既に馬場も梶原も物故し、それから長い時が過ぎた今も、この「騙り」はインターネットという新しいメディアの中で、ギラギラと我々を挑発してくる。 だって、「馬場選手の言葉」って書いてあるんですよ。 「ノンフィクションコミック」って堂々と言い切っちゃってるんですよ。 そんで漫画読んだら、そりゃあ今も信じちゃう人、いるでしょ! (……いや、いないかな。 つまんない時代だな。 ホント、リテラシーなんていう薄気味悪い言葉使うヤツ、梶原兄弟の霊にボコられちゃえばいいのに) 同系列の『プロレススーパースター列伝』に出てくるもろもろも、ほぼほぼ嘘ですよね。 とんでもなく面白いですけど! エリックのアイアン・クローとか、ブッチャーの地獄突き体得のエピソードとか、最高。 まあ、プロレス自体が、そうした虚実の皮膜を豪快に利用するジャンルではあるので、そのケミストリーが最大限に発揮された、というのはあるかもしれない。 それにしても、あまりと言えばあまりではある。 今の人は呆れるだろうが、当時の子供は皆、梶原原作の「実録」物を、ホントに信じて熱狂していたのであった。 思えば、とても幸福だった。 あの頃は、漫画を読む純粋な喜びに満ち溢れていた。 とにかく、『ジャイアント台風』は、あの中島らもが、笑い過ぎて痙攣を起こし「このままでは死あるのみ」となった生涯最高の漫画である、と賞賛を惜しまなかった本当に面白い傑作なのですよ。
sogor25
sogor25
2019/12/22
この作品、埋もれさせるわけにはいかない
姉の美羽と弟の蒼介は、両親の再婚で家族になった義理の姉弟。美羽には蒼介の紹介で知り合った西条くんというカレシがいて、蒼介は蒼介でお隣に住んでいる百華から好意を寄せられている。遠目から見るとお似合いない2組。ただ1点、蒼介が美羽に対して"異性としての好意"を抱いていることを除いては…。 この作品はいわゆる義理の姉弟の関係を含めた三角関係、四角関係の物語ですが、それだけに留まらない複雑な人間関係とその心情描写がこの作品の特徴です。 美羽は西条のことを彼氏として大事な存在として思っていつつ、蒼介に対しても姉弟以上の感情を抱えているというアンビバレンツな思いを内面に抱えていて、その感情の上にさらに「家族の関係を守りたい」という別の感情が蓋をすることで体裁を保っているという状態。なので蒼介から明らかに姉弟以上の関係を思わせるアプローチを受けても"姉としての振る舞い"に徹しています。一方、蒼介と西条はそれぞれ美羽のことを一途に想っているのですが、蒼介が西条のことを紹介したということからも分かるとおり、元々蒼介と西条は親友同士。そして西条と百華は美羽と蒼介が"義理"の姉弟であることを知らない。という、それぞれが内なる思いを隠したり、蓋をしたり、もしくは堂々と相手に伝えたりしながらどんどん複雑な方向へ進んでいくというのがこの作品です。それを神寺さんの繊細な絵柄とモノローグ多めの心情描写で丁寧に表現しているため、関係性の複雑さに比べてドロドロな感じはあまり受けず、純粋に登場人物に感情移入して読める作品です。 この作品、少女マンガ好きには是非オススメしたい作品なのですが、このクチコミをご覧の方で作品のことをご存じだった方はほとんどいらっしゃらないのでは無いでしょうか。 実はこの作品、松文館という出版社のガールズポップコレクションというティーンズラブレーベルから出版されている作品です。しかも、松文館から紙書籍で発売されている単行本はこの4年間でこの作品のみという状態で、そのため書店でこの作品に出会うことは非常に困難な作品となってしまっています。ティーンズラブのレーベルではありますが過激な描写はほとんどなく、少女マンガを読まれる方であれば広く楽しんでもらえる作品だと思うので、もしこのクチコミを見て興味を持って頂いた方は是非、まずは電子書籍からでも良いのでお買い求め頂ければ幸いです。 ちなみに先日、異例のフルカラー版単行本が電子書籍で発売されました。そちらももしよろしければチェックしてみてください。 5巻まで読了。
ぺそ
ぺそ
2020/09/11
可愛くて胸が締め付けられる妖怪人情物語
cameraこのあいだ新刊ページで見つけた作品。まずタイトルで「おっ」と気になりました。「先ず隗より始めよ」って高校で習ったやつじゃんと。それから表紙をよく見たら、手前のおじさんの表情とデフォルメがなんかすごく良くて。Amazonへ行ったら1冊110円だったので取りあえず買って読んでみたら…すっごく可愛いくてちょっと切ない人情話でした。 主人公の亜紀彦は、窓口に来るクソガキにも笑顔を絶やさず横暴な上司にも怒らず、ホームに落ちた人を間一髪助けて名乗らず去るような、健気なまでに真面目な市役所職員。一方、亜紀彦が「あんちゃん」と呼ぶ兄・波留彦は、真面目な亜紀彦とは対照的に大雑把で適当で喧嘩っ早い。そんな凸凹兄弟2人の目標は「人間になる」こと。 夜の街から闇が消えた妖怪にとっては暮らしにくい現代。妖怪たちは不死の妖怪であることを辞め、人間となって死ぬことを選んだ。 2人で善行を5回連続で重ねると、晴れて人間になれるのだが、この兄弟は兄・波留彦のせいで3259回リセットされている…というところからお話は始まります。 ちなみにこの2人は午前0時から日の出までは妖怪の姿に戻ってしまうのですが、その妖怪姿がも〜〜〜すんごく可愛い…! LINEスタンプがほしい。 亜紀彦の方はTHE・カッパという見た目で、気が弱そうというか大人しそうな見た目にキュンとくる。というか人間の姿で胸ポケットからキュウリを出してポリポリするところ好き。波留彦の方は昔の特撮怪獣のソフビ人形みたいな見た目でシンプルに可愛い。 この2人がドタバタしながら色んな人に出会い善行を重ねようとする話なんだけど、2人は妖怪ゆえにかなり純粋なため、途中人間に手ひどく裏切られる話ではかなり胸に来ます。(ちなみに亜紀彦は昔も人間に裏切られたことがあり、その切ないお話は郷土の昔話にもなっている) この兄弟の過去とか、亜紀彦と姫様の生まれ変わりとの恋の話とか…もっと掘り下げて描いてほしいところがたくさんあるんだけど、残念ながら8話で完結してしまっています。 しかも最終怪はかなり悲しいお話で、最初はなんでこんな話で最後なのか納得がいかなかった。けど、この話は「人間となり死を望む妖怪」の話だから、最後に兄弟2人に人間の死を見せる必要があったのかなと今は思います。 人間よりピュアな妖怪の生き様にホッとする作品でした。
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