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ポーの一族(1)
1880年ごろ、とある海辺の街をポーツネル男爵一家が訪れた。ロンドンから来たという彼らのことはすぐに市内で評判になった。男爵夫妻とその子供たち、エドガーとメリーベル兄妹の4人は田舎町には似つかわしくない気品をただよわせていたのだ。彼らを見たものはまるで一枚の完璧な絵を見るような感慨にとらわれた。実は、その美しさは時の流れから外れた魔性の美。彼らは人の生血を吸うバンパネラ「ポーの一族」であった。市の外れに家を借りた一家は、人間のふりをしながら一族に迎え入れるべき者を探し始めた。そして、エドガーが興味をひかれたのが、市で一番の貿易商の子息であるアラン・トワイライトだった…。
ポーの一族(2)
霧の深い夜、幼いエドガーと乳飲み子のメリーベル兄妹は森の中に置き去りにされた。そんなふたりを見つけたのはスコッティの村を望む高台の館に住む老ハンナ・ポーだった。館に引き取られたふたりはハンナに育てられ、7年がすぎた。ある日11歳のエドガーは村の子供たちと、村人が死体の胸に木の杭を打ち込むのを目撃する。村にはバンパネラの伝説があり、迷信深い村人たちがバンパネラ退治を行っていたのだ。おびえるエドガーにハンナはバンパネラなどいないとなだめる。しばらくしてハンナの館をフランク・ポーツネル男爵が訪ねてきた。彼は恋人のシーラを妻として一族に加えるためにやって来たのだった…。
ポーの一族(3)
1959年、スイスのガブリエルスイスギムナジウム(高等中学)にふたりの転入生があった。イギリスからやってきた彼らはエドガーとアラン。川の中洲に建てられた学校の中で寄宿生活を送る生徒たちにとって、ふたりはその印象的な容姿を抜きにしても興味をそそられる存在だった。中でも正義感が強くおせっかいなキリアンは、遠方からの転入生の面倒をみるのは当然の義務と考えていた。しかし、正体が露見すれば人々からバンパネラとして狩られることになるふたりにとって、たとえ好意からとはいえ、彼は危険な存在であった。それはふたりがここに来た目的を果たすためにも妨げとなりかねず…。
ポーの一族(4)
1820年、エドガーは馬車の事故により瀕死の重傷を負う。彼を救ったのはその地方の領主、ヘンリー・エヴァンズ伯爵だった。手当てを受け、命を取り留めたエドガー。だが彼は、名前以外の記憶を全て失っていた。エドガーに亡き妻の面影を重ねた伯爵は、彼を館で養生させることにした。伯爵にはエドガーに興味を持つもうひとつの理由があった。先々代の伯爵オズワルドが、「エドガー及びメリーベルと名のるものがエヴァンズ家の子孫の前に現れた場合は彼らの身分・国籍・年齢いっさいにかかわらずエヴァンズ家の資産すべてを付与すべし」と遺言していたのだ。そしてまもなく、エヴァンズ伯爵家をメリーベルが訪れた…。
ポーの一族(5)
ピカデリーサーカスのリージェント通りへ向かっていたエドガーとアランは、そこで殺人事件に遭遇した。訪ねて行った先のアパートで人が殺されていたのだ。そしてアパートの主ポリスター卿は行方不明になっていた。実はポリスター卿もまた、人々からバンパネラとして忌み嫌われるポーの一族の者。引き取って育てていたリリアを一族に迎え入れるために、今は場所がわからなくなったポーの村の場所と、一族の長老キングポーの行方を捜していたのだ。ポーツネル男爵夫妻を失ったためにポーの村に帰れなくなっていたエドガーは、彼からポーの村の入口を見つけたとの連絡を受けて、共に村へ帰るために訪ねてきたのだったが…。