1820年、エドガーは馬車の事故により瀕死の重傷を負う。彼を救ったのはその地方の領主、ヘンリー・エヴァンズ伯爵だった。手当てを受け、命を取り留めたエドガー。だが彼は、名前以外の記憶を全て失っていた。エドガーに亡き妻の面影を重ねた伯爵は、彼を館で養生させることにした。伯爵にはエドガーに興味を持つもうひとつの理由があった。先々代の伯爵オズワルドが、「エドガー及びメリーベルと名のるものがエヴァンズ家の子孫の前に現れた場合は彼らの身分・国籍・年齢いっさいにかかわらずエヴァンズ家の資産すべてを付与すべし」と遺言していたのだ。そしてまもなく、エヴァンズ伯爵家をメリーベルが訪れた…。
学生時代いろんなジャンル読んでいて、この後萩尾望都作品読み込んでいくとこになったきっかけの一冊。 「バンパネラ」の魔性の美、それでいておぞましいところのある。美しく消え入りそうな雰囲気を巧みに表現されています。 結構前の作品なので絵が古いと敬遠されそうですが、きれいな絵とほの暗く哀しいストーリーたまりませんね。 五巻しかなかったとは思えないほど、心に焼き付いた一作です。