板垣家のひねくれた末っ子だったパルが、漫画家・板垣巴留になるまでーー生まれ育った家庭環境や甘酸っぱい学生時代の思い出の数々を、時に現在の作家生活のおかしな日常も交えながら綴った、くすっと笑った後にほろっと泣ける自伝的エッセイ!
浅野いにお、衝撃の新境地へ―― ある漫画家の、脇目もふらず駆け抜けてきた連載が終わった。久しぶりに立ち止まった自分に残されていたものは、残酷なまでの“空虚感”だった。大切な存在ほど信じ切れず、束の間の繋がりだけに縋り始める日々――― 漂流する魂が着地した時、男の本当の姿が現れる。浅野いにお、極限の最新作。
自身をモデルにしたかのような生々しさのあるマンガ家マンガ
勇者は孤独な里帰り、女子中学生の天使は進学に悩み、ケンタウロスは馬車馬のように働く、今日も大学の上空には竜が飛ぶ……あたりまえのように、そこにある非日常。現実(リアル)と幻想(ファンタジー)が入り混じる「九井ワールド」へご案内!ウェブや同人誌即売会で発表された7編に加筆修正を加え、描き下ろし2編もあわせて収録。ウェブや同人誌即売会で作品を発表し、広い世代から注目を集める新星、初の作品集!【収録作品】『帰郷』『魔王』『魔王城問題』『支配』『代紺山の嫁探し』『現代神話』『進学天使』『竜の学校は山の上』『くず』
宇宙大学受験会場、最終テストは外部との接触を絶たれた宇宙船白号で53日間生きのびること。1チームは10人。だが、宇宙船には11人いた!さまざまな星系からそれぞれの文化を背負ってやってきた受験生をあいつぐトラブルが襲う。疑心暗鬼のなかでの反目と友情。11人は果たして合格できるのか!?萩尾望都のSF代表作。
あれも欲しい、これも欲しい…。いつも何か物足りない気がする中2女子、ちーちゃんとナツ。少し不満で平凡な毎日は、ある事件をきっかけに揺らぎ始めて?
お盆を繰り返す町で巻き起こるエンドレスサマーストーリー! お祭り、夕立、花火、恋…いろんな夏が詰まってる。お盆に帰ってくるご先祖さまの姿が見える女の子・秋。会えないはずの人たちに、もう一度会える楽しい季節。このままずっとお盆だったらいいのに…ふと頭に浮かんだ妄想は、なぜか現実になってしまう。同じ一日を繰り返す町の中で出会った謎の青年・夏夫と、誰も知らない不思議な冒険がはじまる
全人類感動の童貞讃歌!! 江戸時代より受け継がれてきた称号、童貞の中の童貞、それが大童貞! その第12代大童貞である土毛智樹(どげともき)が街にやってきた!! 奇跡的邂逅により、土毛に魅入られた中学生三人組、錦織、東山、植草は次代の大童貞候補生にされてしまう。土毛の珍奇な指導によって、次々と騒動が!! そして本日も警察沙汰!? 愛すべき読者諸君よ!! これが青春だ!! いざ立てよ、大童貞!!
しんどい現実を生きる女たちを照らす傑作! オカヤイヅミ、デビュー10周年を飾る記念碑的な作品が誕生!! 数々の紙誌評で絶讃されたベストセラー『ものするひと』の作者が新たに描く「女と記憶と友達の話」。◎「ほんとうは料理も掃除も洗濯も好きじゃない」専業主婦のマリ ◎「自分の身を守るなんてこの歳までしたことなかった」夫と離婚調停中のサヨ ◎「お嫁に行って子供を産まなきゃだめですか」キャリアウーマンのサトエ 1963年生まれの3人は高校時代の友達。同じクラスだったヒロミが、自らが所有する「白蓮荘」の部屋で孤独死したのをきっかけに久々に集まる。ヒロミが残した遺書にはなぜか、それほど親しくもなかった3人の名前が記されていて、庭に大きな白木蓮が植えられたアパートと謎の店子のその後についてのお願いが―― どうして3人だったのか。変わらない関係、変わりゆく状況の中で、それぞれ人生を見つめていく先に待ち受けているものは。「しんどい現実」を生きる3人の女性をあたたかな眼差しで描き出した野心作。
資産家・ブラッドハーレー家の養女になることが、孤児院の少女たちの憧れだった。ブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しく活躍する…そんな期待に胸を膨らませた少女たちがたどり着いた先は、暗い暗い塀の中。恐ろしく壮絶な悪夢が始まる―――。かつてこれほど残酷な、少女の運命があっただろうか。戦慄!衝撃!圧倒!沙村広明の傑作シリーズ!
先の見えない戦時にありながら、見世物小屋の一座として糊口をしのぐ、異形の者たちの家族がいた。未来を言い当てるという怪物「くだん」を一座に加えようとする家族を待つ運命とはーー。津原泰水の傑作幻想短編を、近藤ようこが奇跡の漫画化。月刊コミックビーム2013年8月号~2014年3月号に掲載の全8話を収録。カバー、あとがき(近藤氏、津原氏)は書き下ろし。
昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやりB国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい――― そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!? 「町でうわさの天狗の子」の岩本ナオが292Pのボリュームで贈る、おとぎ嫁婿ものがたり。
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
【むかし、どこかに半分置き忘れてきたお化けの魂。ここにあったのか。 京極夏彦】WEB上で話題騒然の岡田索雲妖怪読切シリーズ、待望の単行本化!! 描き下ろしの表題作『ようきなやつら』40P収録!!怪異なのは、この物語か。それとも、我々が生きるこの世界か。
「彼女として完璧なのに、その歯だけ反抗的なんだよな」空気を読んで言いたいことを飲み込んでしまう椎葉は、彼氏からコンプレックスの歯並びを茶化されても曖昧に笑うばかり。“言えないきもち”は積み重なり、校舎裏で本音を叫ぶ椎葉。しかしタイミング悪く美術部の伸に聞かれてしまい、デッサンのために歯を触りたいと言う伸に協力することに。半ば脅されて始まった伸との関係だったものの、ありのままでてらいのない伸と過ごすうちに、彼の前だけでは素の自分を出せるようになっていき…? オリオリスープの綿貫芳子最新作! 少年少女のひと夏を描く、未熟な歪さが美しい青春群像劇。
驚愕!戦慄!興奮!工場の煙に覆われた蛍光町の片隅にある、「光クラブ」と名づけられた少年たちの秘密基地。その場所で、ある崇高なる目的のために作られた「機械(マシン)」が目を覚ました。鳴り響く笛の音、狂気をはらんだ叫び声…。熱狂する彼らの目的は!?「機械(マシン)」の正体とは―!?80年代、伝説の劇団「東京グランギニョル」の舞台を、鬼才古屋兎丸がマンガ化した衝撃作、ついに単行本化!
これは、ポルトガルの国民歌謡『ファド』の歌手をめざすどうでもよい女の子がどうでもよからざる能力を見い出されて花開く、というだけの都合のよいお話です。
「ここに描かれている遠い国の少女と私たちは一緒だ。そう、私たちは差別される側。認めるのはつらいけど、事実を知れば知るほど『ぶち破ってやるぞ!』と力が湧いてくる」山内マリコ(作家)「こんな世界が情けなくてやるせないけど知らないままの方がよっぽど恥ずかしいからページをめくる手を止めない冷笑的な態度に負けたりするもんか生まれついた性別で育った場所で奪われる夢があるなんて絶対に間違ってる」宇垣美里(フリーアナウンサー)「わたしたちは結婚しないと生きていけないの?」サウジアラビアに暮らす10歳の少女サルマ。同級生の姉は、顔も見たことのない8つも年上の男性と結婚する。外ではヴェールが必要で、大好きだったサッカーはもうできない。モロッコ、インド、アフガニスタン、そして日本……国も宗教も文化も違う少女たちに降りかかる「女の子だから」を見つめる作品集。◎ダークでファニーな怪談御伽噺『かわいそうなミーナ』も同時発売。◎やまじえびね ビームコミックス好評既刊『レッド・シンブル』全3巻『ナイト・ワーカー』『アイム・ノット・ヒア やまじえびね作品集』『女神たちと』(共著:河井克夫他)◎コミックビーム 公式ツイッター@COMIC_BEAM
『岡崎に捧ぐ』の山本さほ、衝撃最新作!! 美大受験に失敗した山本さんは、自宅に引き籠もってゲーム三昧… ある日、ふと「このままの人生で良いのだろうか?」という不安が過ぎる。そして山本さんは決意する。誰も自分のことを知らない町で、人生をリセットしようと。そこから始まる新たな人生は希望に溢れている! …そのはずだった… 二度と戻りたくはない“あの一年”の記憶を、著者が特別な想いで描く!!
「累」松浦だるま最新作! “場所の幽霊”と呼ばれるもう無い風景がみえる男・鶴見也徒。死んだ人の“音の幽霊”がきこえる少女・早淵今。不思議な霊感のようなものを持つ二人の出会いのはてに待つものは救いか、それとも。
大学の女子寮で同室のセンパイ&コウハイ。バンド活動に打ち込むセンパイは、いつも金欠ピーピー状態。これといって打ち込むもののないコウハイは、とりあえず「古本MAX」でバイト中。ぬるま湯に頭まで浸かったような、でも当人にはそれなりに切実だったりもする「大学生」という不思議な時間…。ぐるぐる廻る青春のアレやコレやを描いた大学生日常ストーリー♪
『ちびまる子ちゃん』の中でも異彩を放つキャラが多感な中学生男子となり主人公に! その名は「永沢君」! 藤木・小杉・花輪クンなど、おなじみのキャラクターも登場!
天才絵師とイマドキ女子高生が暴れ描く! 誰にでも好かれる優等生の瓦木叶。しかし彼女は自分を良く見せたい計算高い女の子。そんな彼女にあの伝説の絵師・葛飾北斎のお化けが取り憑いた! 満足がいく絵が描けるまで成仏しないと宣言した北斎お化けに、叶の平穏な日常は崩壊する!!
雷のなる深夜、森ヒロシはドンドンという音で目が覚めた。外を覗(のぞ)いてみると、隣の部屋の前に、ロングコートにロングヘアー、紙袋とバッグを提げた異様な大女が立っていた。翌日から、突如その大女に付きまとわれるようになった森。サチコと名乗る女の行動は次第に異常さを増してきた。彼女の目的は何?そして彼女は何者!?ひたひたと迫りくる恐怖に、あなたは耐えられるか?望月峯太郎の傑作ホラー!
喫茶店でアルバイトをしながら、漫画家を目指すヨシオ。出版社に持ち込みに行ったり、バイト先の美人客に心奪われたりしながら、一歩一歩、漫画道を進んでいく。これはひとりの青年の、恋と仕事と夢の物語なのです(……ウサギだけど)。●フェローズ21号掲載読切「今夜の思い出」、『うさぎのヨシオ』の前日譚となる「アクティブ2001 ~ミー子とメリーのエジプト旅行記~」も特別収録。さらに楽しい1コマ漫画も多数描き下ろし!
漫画家って破天荒なイメージなんですよね。 生活スタイルが乱れていることもそうですが、そもそも漫画を描く上で、ものの見方が「普通」ではないわけで、それを表現することで読者に新しい価値観なり考え方を与えてくれると思っております。 なので、必然的に「一般家庭とは異なる」という先入観があるのです。 だが、しかし。本作を読んで、その考えが全く変わりました。 もう公になっておりますが、『BEASTARS』の作者:板垣巴留氏は、日本男児必読の『刃牙』シリーズの作者:板垣恵介氏のご息女です。 刃牙を読んだことある人は同じように思ってくれるかもしれませんが、刃牙で表現される「父親像」(父性)がとにかくすごいので、一体、どんなふうに育ててきたのか?と気になってました。 結論いうと 破天荒なんてもんじゃない、めっちゃ良い家庭で育った ということ。 板垣家、なんという幸せ家族。その一言です。 性格の異なる二人の姉妹。 いつも褒めてくれる愛くるしい母。 イケてる祖父。 そして圧倒的な父! 本作内で父親を描く瞬間は、そう多くはないのですが、その分存在感があってすごいです。 また良き父親らしいシーン ーたえず気にかけてくれたり、子供ではなく一人の人間として扱ったりー があってほっこりします。 特に自分が印象深かったのは、巴留氏が学生時代に父親と会って別れる際に「スイカに2万円ほどチャージ」してくれるというシーン。 ここに感銘をうけた。 現金を直接渡すのではなく「スイカにチャージ」という点。 国民的大ヒットの刃牙の作者であれば、うなるほどお金があるはずなのに、子供に無尽蔵にお金を分け与えない姿勢が垣間みえて、めちゃくちゃしっかりした教育方針をもっているのだと感じました。 お金に関する親の考え方が一番教育に出て、ひいては子供の人格面に影響を与えると思うんですよね。 金持ちの親がドラ息子抱えるのは、お金に対する明確な方針がないからだと考えているので。 (作中でも出てきますが、巴留氏はバイトをしたり意外と貧乏学生もしております。) デビューも親の七光りでなんとかしようとしない姿勢も、こういうところからなのかしら? また、こんな家庭の一幕を垣間見せながらも、 基本は、作者独特の目線で描かれていてそれもまた面白いです。 スポーツ中継を見ながら、突然、TVにうつる選手と入れ替わったら?とか、ふつー考えないですよね。(その対策もまた独特で笑えます。) 『BEASTARS』は「多様な種と共存していく社会」を描くという意味で、ダイバーシティをうたう現代社会の写し鏡的な作品だと、私はとらえております。 そこには、他者に対する想像力が重要なのですが、 この『パルノグラフィティ』を読んで、作者のその能力の一旦(ないしは、育まれた過程)を見ました。 『BEASTARS』がより楽しめること請け合いです。