第一回トーチ漫画賞受賞『牛乳配達DIARY』のINA最新作! 買い出しメモ、ヒヤヒヤの通帳記入、義妹の宿題、妻が寝るまで待つ時間、卒業式、バンドで行ったアメリカツアー、妻からの手紙コレクション、事故、深夜徘徊、海、パリ新婚旅行、失くしたピアス、旅の出会い、旅の終わり、告白――― 優しく鮮やかな筆致が照らし出す、暮らしの中の、なんてことなくて美しい瞬間の数々。若き著者[二十代・新婚・自営業・パンクス]が描く、現代ニッポンを他者と共に生きる暮らしの記録。
「へうげ」の世=桃山時代から約二百年。「江戸」は居よいか住みよいか。複雑怪奇な人間模様、闇で「仕掛」ける裏稼業。元締・音羽屋半右衛門、嫌な渡世だ。「仕掛人・梅安」シリーズの原点『殺しの掟』(講談社文庫)より三篇を厳選。山田芳裕が池波正太郎に捧ぐ極乙のオマージュにて候
イタリア帰りの若きシェフ・望月ケンが、父のパスタを超えるため、パスタ修行へ──。パスタとは?スパゲッティーとは?蘊蓄満載のグルメコミック!
▼第1話/彼方への扉▼第2話/14歳▼第3話/ふたたびの春▼第4話/軽いめまい▼第5話/時の空▼第6話/父の領分▼第7話/心の風景▼第8話/見知らぬ位牌▼第9話/父と母▼第10話/恋のゆくえ▼第11話/美しき女(ひと)▼第12話/幸せな家族▼第13話/夏の情景▼第14話/父を待つ▼第15話/それぞれの心象▼第16話/時の旅人●主な登場人物/中原博史(48歳のサラリーマン。34年前の中学生時代にタイムスリップしてしまう)●あらすじ/48歳の会社員・中原博史が、京都出張の帰路にふらっと乗った列車。それは自宅のある東京へ向かう新幹線ではなく、故郷・倉吉へ向かう特急列車だった。だが、なんとなく途中で戻る気にもなれず、結局故郷にたどり着いた彼は、死んだ母の菩提寺へと足を運ぶ。母の墓前で突如激しい目まいに襲われた博史が気がつくと、なんと中学生の姿に戻っていて…(第1話)。●本巻の特徴/34年の時を越え、中学生時代の故郷・倉吉にタイムスリップした博史。最初の戸惑いにも徐々に慣れ、かつて憧れていた少女と二度目の青春時代を楽しみ始める。だが、まもなく父が家族を捨て、失踪してしまう「事実」を思い出した博史は、これを思いとどまらせようと決意するのだが…。谷口ジローの名作シリーズが、リニューアル版全1巻で再刊行!●その他の登場人物/中原和江(博史の母。34年前に夫に失踪され、22年前に48歳で他界)、中原京子(博史の3歳違いの妹。20歳のとき結婚している)、永瀬智子(中学生時代の博史の級友。男子の憧れ的存在)、島田大介(中学生時代の博史の悪友)
ココロに効く! 純愛淫魔コメディ! 精を吸い、糧とする恐ろしい悪魔「サキュバス」が出会ったのは、日々の過酷な労働に心身を消耗し性欲さえも失った「鬱」状態の青年。だがこのサキュバス、幸か不幸か非常に前向きだった! 青年を支え、性欲を取り戻させるための居候生活はやがて純愛を育んでいく…! 「ウチにもサキュバスさんに来てほしい!」と大反響のWEBコミック第1巻!
高校生の宇高ユリは、ある日の帰り道、空を覆い尽くすほどの巨大な飛行体と遭遇する。破壊される街、次々に殺されていく人間──気を失ったユリが意識を取り戻したのは、日常とかけ離れた異世界だった。そこで唯一出会った人間は、北沢千宙という男性。他に人間はいないのか、あれから友だちや家族はどうなったのか──帰りたい場所はまだ残っているのか。ふたりぼっちのサヴァイヴァルが始まる!
世紀を越えた傑作、初単行本化!!トップスターにのぼりつめたりりこ。しかし、彼女の美は全身整形でつくられたものだった―――いつも一人の女の子のことを書こうと思っている。いつも。たった一人の。一人ぼっちの。一人の女の子の落ちかたというものを。(岡崎京子)第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作品。
「女」という不思議な存在のさまざまな愛のカタチを、静かに深く鮮やかに描いた珠玉の連作集。オトコには解らない、故に愛しい女達の人間模様5篇。
ダ・ヴィンチ・恐山(品田遊)氏推薦!!!――「自分」という暴れ馬に振り落とされそうな人たちへ。ここに仲間がいます。――「発達障害って何ですか?」「何に困ってるんですか?」大人の発達障害当事者へのインタビューで紐解くコミックエッセイ!軽度のADHD(注意欠如・多動性障害)と診断された漫画家と担当編集者が、大人の発達障害について当事者たちへインタビュー!漫画家・カメントツ先生や、女性当事者に聞くASD(自閉症スペクトラム)のお話も。【困りごとの一例】・片付けができない・ケアレスミスや物忘れが多い・対人関係が苦手・特定の手順を繰り返すことにこだわる … etc.どこか心当たりがある人にはもちろん、ない人にこそ読んでほしい「大人の発達障害」の入門書。『マキとマミ ~上司が衰退ジャンルのオタ仲間だった話~』、『吉祥寺少年歌劇』の町田粥による、初めてのコミックエッセイ!
これぞエンターテイメント!!2003年最高傑作読切と評された「美食王の到着」、記念すべき初の青年誌作品、ヤングサンデーで掲載の「衝撃の虚空」など全4編。読み応え十分の短編集第2弾!!
高校生の南くんの恋人・ちなみが、ある日突然小さくなってしまった! 南くんは自分の部屋でちよみと一緒に住みはじめるのだが……。南くんとちよみが繰り広げる、少し甘く、ちょっぴり切ないラブ・ストーリー。3度ドラマ化された、漫画史上燦然と輝き続ける青春恋愛ドラマ。
表題作を含む初期短編集に、単行本未収録だった幻の短編『アウトロー・マン』を補完。15年ぶりに描かれたアイリンの美麗ピンナップも特別収録! 荒木飛呂彦初期作品の魅力の全てがここにッ!! 【同時収録】魔少年ビーティー/バージニアによろしく/武装ポーカー/アウトロー・マン
入手困難の傑作短編集、待望の新装版! 白い天使にあこがれる黒い天使、夢の中でつながる少年と少女、朝起きたら手がパンに変わっていた青年、悲しい話ばかり聞きたがる少女の魂...まるで寓話のように紡がれる、幻想的でせつない藤原薫の美麗世界。
槙子は2年ぶりに康彦と再会……。あなたは変わった。以前よりもひとまわりもふたまわりも大きくなったみたい、ますます自信に満ち満ちて……。連絡してきたって会いになんか行くもんですか。何から何まで思い通りになると思ったら大間違い!!と思っていたんだけど――。揺れる女心を描く「彼…」。ほかに「輪舞曲」「プロフェッショナル」「誘惑されて」「鬼門ヶ淵」「夢の虐殺」の全6編を収録。
田舎町の中学生ユキヒロの前に現れた、東京からの転校生・椎名ハルコ。かわいくて、どこか淋しげな椎名のことが、ユキヒロはどんどん気になっていく……。初恋のもどかしさを描いた、しおやてるこの初期作品が新装版として登場。単行本未収録だった短編作品や描き下ろしも収録!●収録内容●[チョコレート](2004~2006年/まんがタイムラブリー連載)[ぼくのせんぱい](2011年/コスチューム・フェローズ掲載)[ぼくのおねえちゃん](2002年/まんがタイムきらら掲載)[だいすき](2003年/まんがライフ掲載)、ほか。
五十嵐真姫は大学二年生。母の死をきっかけに昔から憧れていたニューヨークに行き、モデルとして生きていこうと心に決めたのだが、モデル事務所から断られてしまった。そんな真姫を意外な人物が救う。カリスマモデルのペトロの推薦を受け、モデル事務所に所属することができたのだ。しかし、ペトロにはある重要な秘密があった。【救世主】他に、【堕天使】【香港遊戯】【アポロン】の全4編。
20世紀初頭のフランス。父の世話に忙しく、気づいたら行き遅れ寸前のフローラ。弟や周りの心配をよそに、本人は自覚も焦りもなし。そんな彼女に気になる男性が現れて…!? ちょっと昔のフランスで綴られるアラサー独身女性の恋活コメディ!?
「私は今作を初めて読んだ時、ポロポロと涙を流した。醗酵臭が目にしみたからである」呉智英(解説より) 漫画に青春を懸け、苦しみ悶え這いずる者たちの、耳を塞ぎたくなるような、あえぎを聴け! 『まんが極道』(第16回文化庁メディア芸術祭 推薦作品)『まんが家総進撃』と、漫画「業」を、活写し続ける著者の原典が、描き下ろし作品を加えて奇跡の復活!※本書は小学館にて2005年に発行された「漫画家超残酷物語」に描き下ろし作品を加えた増補版となります。
幕末のテロリスト、恐怖の暗殺剣!──動乱の幕末期、開国派と対立する攘夷派から出現した凄腕の暗殺者。「人斬り」と呼ばれ、味方からも恐れられた鏡心明智流の使い手、岡田以蔵伝!
バスケ大好き少年・生田明は、偶然出会った京子の素敵な笑顔にひと目ボレ!切ない胸の内を伝えようと、京子を訪ねたのですが、肝心のラブ・レターを落としてしまい…!?収録作品:ラブ・レター/サマーナイト/夢色オルゴール/ある夏の日の出来事/風船嫌いのマドモアゼル
結婚9年目。響子は不妊症に悩まされていた。夫の征冶はそれを受け入れ、やさしくしてくれる。しかし、そのやさしさが逆に響子を追い詰めていた…。結婚してもなお揺れる女心を描く、せつないオトナのラブストーリー
長崎・五島列島で生まれ育った、岩谷テンホーが自身の幼い頃を振り返り、心に残る懐かしい想い出を描いた回顧録! 家族との忘れられない出来事、初めての体験、秘密の探検などなど、笑いあり、哀愁ありの味わいあるエピソードの数々をお楽しみください!
北川浩次の周りで不可解な出来事が起こっていた。人がビルから落ちても「なかったこと」にされていたり、彼女がさらわれても警察に届けようとしない男がいたり。どうもそれは3億円を奪い合う秘密のゲームと関わりがありそうだった。一方、霞が関では官僚たちがある「計画」の最終段階を見守っていた。生き別れの兄・海堂慶一郎が主導するそれは人間の行動を追跡、予測するシステムで、そのゲームを通じて実証し、「実用化」を目指すものだった。そしてついに浩次のもとにも――。
【一途な年下×素直になれない寂しがり屋の、一夜から始まる本気の恋。】カフェで働いている唯人は、好きな人に尽くしがちな恋愛体質。「重い」という理由で何度もフラれ、もう本気の恋はしないと誓った矢先、大学生・新汰と出会う。人恋しい唯人は、好きになってしまわないようあえて好みのタイプではない彼を部屋に誘う。しかし激しく求めてくる彼に心も体も蕩けさせられ、さらに「また会いたい」と言われて――…。 ※本編は、「恋じゃないと目を見て言って 1~6話」を含む内容です。【紙書籍特典ペーパーの漫画付き!!】(※紙書籍の特典と同内容ですが、電子書店ではebookjapanのみに付いている特典です。)
前作の『牛乳配達DIARY』の時から、INAさんはまるで清少納言のように何気ない日常の一コマを巧みに面白くマンガとして切り出す方だなあとしみじみ感じます。 本作『つつがない生活』も、前作に続いて筆者の実体験を基に描かれています。中盤以降にはバンドでアメリカツアーに行った話や妻とのヨーロッパでの新婚旅行など日常の中の非日常もあって、そこでは刺激的なエピソードもあります。一方で、前半はありふれた日々の中の何気ない情景が描かれます。 20代新婚でありながら先月仕事を辞めたばかり、フリーランスでコミュ力の高い妻の仕事を手伝いながら家事をこなし、中学生になる手前の義妹の面倒を見るという生活。 こたつでみかんを食べて寝落ちたり、コンビニにアイスを買いに行ったり……本当にミニマムな日常。でも、それらはもし人生の終わりに振り返ることがあるならばどこまでも掛け替えのない価値のある時間なんですよね。 仕事でピリピリする妻と時には喧嘩もしながらも愛情に触れ心を救われる瞬間や、義妹の成長に感じ入る時。つつがない生活の中で訪れる大いなる幸せこそ、人間が真にこれ以上なく大切にすべきものであろうと思います。 しかし、人生は幸せなことばかりではありません。時には辛いことも起きてしまいます。コロナ禍のように、個人だけではなく人類全体に訪れる試練も襲い掛かります。でも、それこそが人生でもあります。 最終回の素晴らしいモノローグは、『自虐の詩』の至高の名言である「幸や不幸はもういい。どちらにも等しく価値がある。人生には明らかに意味がある」を髣髴とさせ、この作品の読後感を非常に豊かにしてくれるものでした。 この本を彩る「優しく鮮やかな筆致が照らし出す、暮らしの中の、なんてことなくて美しい瞬間」といった帯文も、作品に対する慈愛に溢れていて大好きです。こういうマンガが絶えずに生み出される世界は何と美しいことでしょう。 余談ですが、現代っ子で『天空の城ラピュタ』よりYouTubeの方が楽しい義妹にジェネレーションギャップを感じるシーンは、幼少期に無限にラピュタをループしていた身としては筆者同様に切なくなりました。