ちなみにこれが我が家の萩尾望都棚(全部嫁が購入)
アンティークのような作品
ドイツの男子校寄宿舎のなかでの人間関係を非常に細やかに丁寧に描かれたストーリーです。そこで暮らす彼らの精神的基盤にはキリストの教えが常にあり、とても新鮮で少年らしい純粋さが読んでいる者にも安らかさを与えてくれます。コマ割りが細かいですが、背景も手を抜かず描かれており、まるでアンティークを見ているようです。
私は、自分では漫画オタクのつもりなのですが、結構読んでない作品はあります。特に萩尾望都作品。
大学の漫研で萩尾望都を知って、いろいろ人に勧められましたし、私の嫁も萩尾望都が大好きですし、以前在籍していた職場の上司も萩尾望都が好きでしたし、その他にも、業界での圧倒的な評価とか、「漫勉」のときのTwitterの盛り上がりとか、そういういろいろがあって、知識としては、凄いというのは分かってました。
でも、ほとんど触れてこなかった。
以前、「ポーの一族」を少しだけ、あと「半神」を読んで、良いには良いのだけど、それほどのものかな…?と感じて、それっきりでした。
「百億の昼と千億の夜」は好きでしたが、でもこれはどちらかというと光瀬龍作品でしょうか。
ところで、最近、「トーマの心臓」のプレミアムエディションが発売されました。
「トーマの心臓 プレミアムエディション 」の公式コミックス情報をチェック! 「トーマの心臓」ついにプレミアム版発売! 第1弾「ポーの一族」に続き、ついに「トーマの心臓」のプレミアムエディション登場。当時の印刷ではつぶれてしまった細い線やト…
そのうえで、感想ですが…
凄かった。これは凄かったです。まごうことなき名作でした。
まずストーリー展開やキャラクター造形が上手い。単純に面白い。
しかしそれ以上に、「愛される資格」とか、「愛に殉ずること」とか、重すぎるけど一方で青臭くもあるテーマを、
ギムナジウムという世界観を中心に据えることで繊細に描ききるという手腕が衝撃でした。
今読んでもこんなに衝撃なのだから、直撃世代がどれほどの衝撃を受けたのかがわかります。
やはり萩尾望都作品はいろいろ読まなけばならないと思い知らされました…。読みます!とりあえず一度ポーの一族を読みます!
読んだことない方もこれを機に是非…!
でも幾つか注意点があります。
1 絵は大変綺麗ですが、さすがに古いです。最初は面食らうかもしれません。
2 この時代の少女漫画はみんなそうだと思うのですが、少年愛(BL)は「当然のもの」として描かれます。
これはもう、そういうもんだと思ってください。
3 プレミアムエディションはとても良い本ですが…これでもかというくらい、でかくて重いです。百科事典みたいです(それでも一気に読み切ってしまうほど面白かったのですが。)。
正直、コレクション用です。最初に読むなら、電子版とか文庫版をおすすめまします。
ちなみにこれが我が家の萩尾望都棚(全部嫁が購入)
これも
嫁は、「紙の本はこの先きっと手に入りにくくなる(または値段が上がる)ので、今のうちに買っておくべき!」と言ってました!
確かに...!
買わずに後悔するよりは、買っておきます!
問題は置く場所だけであって、
そう言えば買って後悔したことはないかも(笑)。
背中を押してくださってありがとうございます。
奥様にもよろしくお伝えくださいませ〜。
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。
冬の終わりのその朝、1人の少年が死んだ。トーマ・ヴェルナー。そして、ユーリに残された1通の手紙。「これがぼくの愛、これがぼくの心臓の音」。信仰の暗い淵でもがくユーリ、父とユーリへの想いを秘めるオスカー、トーマに生き写しの転入生エーリク……。透明な季節を過ごすギムナジウムの少年たちに投げかけられた愛と試練と恩籠。今もなお光彩を放ち続ける萩尾望都初期の大傑作。