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2024/03/30
「トーマの心臓」初読感想
私は、自分では漫画オタクのつもりなのですが、結構読んでない作品はあります。特に萩尾望都作品。 大学の漫研で萩尾望都を知って、いろいろ人に勧められましたし、私の嫁も萩尾望都が大好きですし、以前在籍していた職場の上司も萩尾望都が好きでしたし、その他にも、業界での圧倒的な評価とか、「漫勉」のときのTwitterの盛り上がりとか、そういういろいろがあって、知識としては、凄いというのは分かってました。 でも、ほとんど触れてこなかった。 以前、「ポーの一族」を少しだけ、あと「半神」を読んで、良いには良いのだけど、それほどのものかな…?と感じて、それっきりでした。 「百億の昼と千億の夜」は好きでしたが、でもこれはどちらかというと光瀬龍作品でしょうか。 ところで、最近、「トーマの心臓」のプレミアムエディションが発売されました。 https://shogakukan-comic.jp/book?isbn=9784091793799 雑誌サイズでカラーも完全収録の凄いやつですが、これを嫁が買ってきたんですよね。 ということで、いい機会だから、遂に「トーマの心臓」を読んでみた、という話です。 そのうえで、感想ですが… 凄かった。これは凄かったです。まごうことなき名作でした。 まずストーリー展開やキャラクター造形が上手い。単純に面白い。 しかしそれ以上に、「愛される資格」とか、「愛に殉ずること」とか、重すぎるけど一方で青臭くもあるテーマを、 ギムナジウムという世界観を中心に据えることで繊細に描ききるという手腕が衝撃でした。 今読んでもこんなに衝撃なのだから、直撃世代がどれほどの衝撃を受けたのかがわかります。 やはり萩尾望都作品はいろいろ読まなけばならないと思い知らされました…。読みます!とりあえず一度ポーの一族を読みます! 読んだことない方もこれを機に是非…! でも幾つか注意点があります。 1 絵は大変綺麗ですが、さすがに古いです。最初は面食らうかもしれません。 2 この時代の少女漫画はみんなそうだと思うのですが、少年愛(BL)は「当然のもの」として描かれます。 これはもう、そういうもんだと思ってください。 3 プレミアムエディションはとても良い本ですが…これでもかというくらい、でかくて重いです。百科事典みたいです(それでも一気に読み切ってしまうほど面白かったのですが。)。 正直、コレクション用です。最初に読むなら、電子版とか文庫版をおすすめまします。
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2024/01/24
ネタバレ
完結によせて(ネタバレ雑文)
よふかしのうたが完結したので、最終回の感想を書きます(ネタバレ) ついでにフリクリのネタバレも含みます なお、フリクリを見たことがない人は今すぐ見たほうがいいよ!ガイナックスの名作アニメですよ!(OVA・全6話) * * * * * * * さて、私は、「よふかしのうた」は「フリクリ」で、「ナズナちゃん」は「ハル子」だと信じているのですが、この両作品は、特に、「おとなのおねえさんへのあこがれ」という要素で強い共通点を持っています ただ、フリクリでは、これは結局、「あこがれ」で終わりました 「たっくんは」「まだ子どもだから」と言い残し、ハル子は宇宙の彼方へ帰ってしまい、両者の間には「広大なる宇宙」というあまりにも大きな障害が立ち塞がり、たっくんはハル子を追いかける手段を持ちませんでした これは、ハル子なりの、責任ある大人としての振る舞いだったのでしょう でも、その終わり方はあまりも切ない それでは、よふかしのうたでは? コウとナズナには年齢差がありますが、それはあまり大きな問題ではなく、しかしその代わりに、吸血鬼と恋についての、あまりにも過酷すぎるルール、あまりにも重すぎる障害が立ち塞がります だから、ナズナは、コウのもとを去った でもそれでいいのか? これに対して、よふかしのうたという物語は、「コウが追いかける」という答えを示しました ルールがある以上、ずっと一緒にはいられない でも、だからこそ、追いかける、しかも、「ずっと追いかけ続ける」 これは、幾つになってもハル子の幻影を追いかけ続けている、私のようなオッサンのオタクには、とても響く答えでした 追いかけ続けるのが大事ですよね! それに、やっぱり、そうじゃきゃ寂しいですもの! 物語は何のためにあるのか? 読者のためでもあるし、作者のためでもあるけど、やっぱり登場人物のためなんじゃないか、と思います シン・エヴァンゲリオンは、庵野監督が(旧劇場版のキャラクターも含めて)登場人物たちに救いを与えたという点で最高に感動的な物語だったと思うのですが、そのように、やはり、私たちは、登場人物に幸せになってほしいと願うのです 「物語の基本は笑顔とハッピーエンド」なのです!(by和月伸宏) つまり何が言いたいかというと、コトヤマ先生に、いい最終回をありがとう、ハッピーエンドをありがとうと伝えたいと、そういうことです なお、記憶が朧げなのですが、漫画版のフリクリはアニメとは終わり方が違って「追いかける」という選択肢が提示される物語だったように思います。はやく電子化してほしいものです
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2023/11/28
根本尚先生の話
根本尚先生は、秋田書店系の雑誌にギャグマンガを執筆している漫画家です。 週刊少年チャンピオンを長年読んでいた方でしたら、「現代怪奇絵巻」は印象に残っていることと思います。 なお現代怪奇絵巻は単行本化未了でしたが(厳密には、一部の話のみ、シーモア限定で読めます。ただし携帯電話用のものなので、パソコンからは読めない。)、連載終了後の書下ろし部分は、最近kindleにまとまりました。 https://manba.co.jp/boards/196294 長らく不遇の時代が続いていたのですが、趣味で描いてコミティアで売っていた本格ミステリの「怪奇探偵・写楽炎」シリーズが、ミステリマニアとミステリ作家にウケて、非常に高く評価されたことから(具体的には、芦辺拓・有栖川有栖・二階堂黎人)、文春デジタル漫画館のラインナップに加わることとなりました。 https://manba.co.jp/boards/102998 …が、私が語りたいのは、「それ以外の作品」の話です。 まず私が好きなのは、「札幌の六畳一間」シリーズ。 https://manba.co.jp/boards/177553 エッセイ漫画です。具体的には、貧乏漫画家である主人公(根本先生)が苦労する様を赤裸々に描くコメディエッセイです。 皆さん好きでしょう、漫画家が貧乏生活を送るエッセイ! 「札幌の六畳一間」「続・札幌の六畳一間」「札幌の六畳一間 無料編」などがありますが、アンリミ又は無料で全部読めます。 ここから派生して、「競売物語」もあります。これはツイッターでそこそこバズってました。 https://note.com/nemotosho/n/nd6099a76df12 根本先生のエッセイ漫画は非常に面白く、「90年代ミステリ漫画講座」も良くできています。私はこれを読んで「監察医SAYOKO」を買いました(でもまだ読んでない。)。 https://note.com/nemotosho/n/n576e649d2598 https://note.com/nemotosho/n/nd98daacdbcd6 次に、「タイムスリップ・コレクター」。 https://manba.co.jp/boards/196295 初出はコミティアらしいのですが、最近電子化されて普通に読めるようになりました(これもアンリミで読めます。)。 根本先生は古書が趣味らしいのですが、「過去にタイムスリップして、現在ではプレミアがついている本を入手できたら…」という着想から生まれたと思われる作品です。 アイデアそのものはそれほど革新的というわけではないのですが、「実際にそうなった場合に直面するであろう苦労」が様々に描かれていて、楽しい作品です。 そして最後に、今回何より紹介したかったのが、「人形紳士」です! https://manba.co.jp/boards/196296 もともとは、今年の3月ころ、根本先生が272頁を一気に書き下ろして(ただしサインペン一発書きでネーム状態)、noteに発表した作品なのですが、私は存在自体を知りませんでした。 知るきっかけとなったのは、以下のツイートです。 https://twitter.com/mysteryEQ/status/1725849354626613601 ミステリ好きが選ぶ年間ランキングで、この作品が1位(ただし非小説作品内での1位)に選ばれた、という内容です。 へーそうなんだあ、しかも無料なんだ読んでみるか、と手を出してみたのですが…いやあ… 傑作でしたよ!! 根本先生の「怪奇探偵・写楽炎」シリーズはですね、マジで「本格」なんですよね。 つまり、トリック重視で、ある意味で、ドラマ部分はそれほど重視されない。まぁ変な犯人はいますが、主人公側のキャラクターは弱い。 これに対して、「人形紳士」は、トリックも良いのですが、それよりもとにかくドラマ部分、特に、主人公たちの関係性が良いんですよ。まさかの青春ミステリ!エモい! 根本先生がこういう作品を描けるというのは本当に新鮮な喜びなんですが、贔屓目なしでも名作であり、是非もっとたくさんの人に読まれてほしい作品です。 noteでも、kindleでも無料で読めますので、皆さんガンガン読んでください! なお、発表当時のツイッターでの反応が以下にまとまっています。 https://togetter.com/li/2099294 ぜひまたこういう方向性の作品を発表してほしい(なおそのときには普通にお金を払わせてほしい。)。 なお、サインペン一発書きで、ちょっと読みづらいところもありますので、ぜひ別の人の作画で読んでみたい作品でもあります。 どこかの編集部の方、よろしくお願いします!
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2023/08/16
最高の魔球漫画
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「砂漠の野球部」は、コージィ城倉先生が、週刊少年サンデーで連載していた野球漫画です 超強豪校の落ちこぼれ野球部員たちが、鳥取の高校に転校して甲子園出場を目指す、というのがストーリーの骨格で(日本でもっとも地区予選出場校が少ないのが鳥取だそうです)、初期はわりとコメディ&お色気色が強い漫画でした(1巻の表紙参照) ある意味サンデーらしい漫画ですね しかしストーリーが進むに連れシリアス度が増し、ド根性熱血野球漫画になっていきます そのうえで、このマンガ一番の見どころは、やはり恐るべき魔球「サイレントカーブ」でしょう!(コミック8巻~) 魔球には、謎と、(屁)理屈が必要で、それが魔球の魅力を基礎づけます この点、「サイレントカーブ」は、一見地味なのに、実は恐るべき謎が隠されていて、しかもそれを裏付ける理屈が、なんというかサイコーに無茶で、それでいながらカッコよいのです。私は大好きです さらに、物語最終盤には、サイレントカーブとは異なる、最終最後の大魔球が登場します 「サイレントカーブ」と、最後の魔球! この二つの魔球が存在することで、「砂漠の野球部」は、(私の中で)最高の「魔球漫画」となったのでした 癖のある野球漫画が好きな方、昔のコージィ(又は森高夕次)の漫画が読みたい方にオススメです
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2023/02/05
ネタバレ
最新話(55話)があまりにも衝撃的すぎた件について
最終回間近のハイパーインフレーションですが、 最新話(55話)があまりにも良すぎてもう我慢できないので ネタバレ全開で感想を書きます 未読の方はまず全話読もう! 2月17日まではジャンププラスで全話無料で読めるよ! さて、55話の良さはいろいろあるんですが、 とにかく正々堂々鮮やかに勝利条件が書き換わって ルークとレジャットの立ち位置が反転したという展開があまりにも見事だったので、 その点について書きます もともと、ハイパーインフレーションというのは、 「ルークの生み出す贋札をどう活用するか?」という漫画でした つまり、全く本物と見分けがつかないほど精巧でありながら、 番号が全て同じという致命的な弱点を持った贋札を どのように活用するか?というお話です 当初は、見せ金に使ったり、 物理的に紙の束として使ったりしましたが、 その真価が明かされたのは12話でした 大量に作った贋札を全て同時に「帝国に巣くう魑魅魍魎」どもに卸売りして 大儲けするというやり方が示されたわけです しかしこの方法には、「世界経済 壊れちゃうッ!」という欠点がありました 大量の贋札が見つかってしまうと、通貨の価値そのものが失墜し、 インフレーションが起き、世界的な大恐慌が起きる可能性がありました レジャットはこれを防ぐため、流通前に贋札の番号を公表すべく、 贋札の番号を知ろうと動き出します まぁ厳密にはルーク自身は本当に贋札を売りたいわけではなくて、 大量の贋札を売る準備を整えたうえで、 政府と「商談」しようとしていたのですが… しかしいずれにしても、ここで、 「絶対に贋札の番号を知られたくないルーク」VS 「絶対に贋札の番号を知りたいレジャット」という構図が成立したわけです ただ、最終的にはこの勝負にはレジャットが勝ちました レジャットは贋札の番号を遂に突き止め、 ルークは敗北しました(49話) だけどここからルークの大逆転が始まります 再起したルークは、番号だけを変えた大量の贋札(真・ハイパーノート)の生産に成功し、 これをもって政府との「商談」に挑みます そしてここからが55話 まず驚いたのは、ルークは既に、贋札を売却してしまっていたという点です 読者としては、ルークは贋札を売りたいわけではなく、 脅しの道具として商談しに来たものだと思っていたのに、 もう売ってしまっているという点で度肝を抜かれます それじゃあ交渉にならないじゃないか 次に驚いたのは、ルークが贋札を売却した結果、帝国経済が回復したという点です これまでさんざん、 「世界経済 壊れちゃうッ!」とか 「世界経済をォォ ぶっ壊ァァ~す!!」とか言ってたので、 贋札を売却すれば世の中メチャクチャになると思うじゃないですか でも、実際には景気が回復した もともと、「大量の贋札が見つかってしまうと、通貨の価値そのものが失墜し、 (悪性の)インフレーションが起きる」ことが懸念されていました でも、真・ハイパーノートは、もはや真札と見分けがつかず、 贋札だと見破られることすらなかったので、 単純に貨幣流通量が増えて、 その結果、景気が回復してしまったということですね 説明されればそのとおりなのですが、これも非常に驚いた点でした そして最後に何より驚いたのが、ルークの商談の内容が、 「要求を実現できなければ贋札の判別方法を公表する」というものだったこと!! これまでずーっと、 レジャットは贋札の番号を知ろうとしていました これは、その番号をあらかじめ公表することで、贋札の流通を防ぐためでした つまり、贋札の判別方法を公表することこそが、レジャットの目的でした 逆に、ルークにとっては、判別方法が公表されてしまっては、 贋札が使えなくなってしまうので、それだけは絶対に避けたいはずでした ところが、 ルークが真・ハイパーノートを既に流通させてしまっていて、 しかも、それが真札と見分けがつかないがため、 景気が回復してしまっているという状況下では、 贋札の判別方法の公表は、 かえって、経済に大混乱をもたらしてしまう いつの間にか、勝利条件そのものが書き換わっていて、 ルークが「贋札の判別方法を公表すること」を脅しとして使うことになるという、 この立場の逆転の見事さ、これこそが、55話の最大の驚き、興奮でした さらに素晴らしいのは、作者の展開の上手さです 実は、55話で語られた内容というのは、 もともと、正々堂々、作中で全て言及されていました 贋札がばらまかれることで世界経済が壊れちゃう仕組は13話で説明されていましたし、 大量の貨幣が流通することで景気が回復するということも36話で言及されてました なお、金本位制の話も、23話や36話で触れられてました つまり、「偽札だとわからないほど精巧な偽札が大量に流通すれば経済は回復するし、 その場合、偽札の判別方法を公表することが脅しとして機能するようになる」という論理展開については、 全て材料が与えられていたうえ、 ごく常識的な推論として、本来、予想可能だったのです でも、予測できなかった!(…予測していた人っているんですかね) これはおそらくハイパーインフレーションという漫画の構造自体に秘密があって、 この漫画は、頭脳バトルが多いんですが、 その頭脳バトルの内容をかなりわかりやすく説明してくれますし、、 結構頻繁に「勝利条件を整理しよう」みたいなモノローグが入るんですよね そうすると読者として、「ははぁよくわからんけどとにかく 今の勝利条件はそうなってんのか」で読み進めることができるわけです ところが、今回は、何の説明もなく、 気づいたら勝利条件が書き換わっていた!! そうすると何となく読み進めていた読者としては、 それはもう新鮮に驚くことになるわけで、 しかも前述のとおり、言われてみればごく常識的な論理展開でもあるわけで、 いやぁすっかりやられたなあという気持ちでいっぱいになるわけですよ! 上質なミステリのような見事などんでん返しで、本当に良い読書体験でした 終わるのは寂しいですが、残りの展開にも大いに期待です!!
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2023/01/29
ネタバレ
「残響」についての考察
読切「残響」の感想なのですが、これは書評とか紹介ではなく考察なので、読んでない人はまず本編をお読みください 本作は、主人公であるマコの心の動き、それをどう捉えるのかによって、印象が変わってくる作品のように思います マコは、カスミについて、笑い声以外は「全部嫌い」「消えてほしい」と言い切っています これを言葉通りに捉えると、「嫌いなら嫌いなままでいい」という、ダイチのコメントに繋がります マコが死んでしまったからといって、好きになる必要なんて無くて、罪悪感を感じる必要もなくて、それをそのままに肯定する、という作品です ただ、それ以外の読み方もできます そもそも、「全部嫌い」「消えてほしい」というのが、本心なのか、という部分が問題です だって、マコは、これまで、カスミとずっと仲良くしていたわけですし、その死を受けて、学校にも行かなくなるほどショックを受けています(ダイチは普通に学校に行ってるのに) それに何より、その人のことは嫌いだけど、「笑い声だけ」好きなんてこと、ありえないのでは? 実は、マコは、カスミのことが大好きで、そのことを恐らく自分の中ですら受け入れることができてなくて、「消えてほしい」と思っているのでは…とも読めます だからこそ、本当にカスミが消えてしまって、カスミの声だけが残ったのに、そのことをマコは受け入れることができない その上で、マコは、白髪を染めることを決意します マコがこれまで白髪染めをしなかったのは、カスミにいじってもらうためだったわけで、白髪染めは、カスミとの決別を意味します だけど、マコは、白髪染めをしたあと、聞こえてきた近所の子どもたちの笑い声に、カスミの声の「残響」を聞き取り、作中一番の笑顔を浮かべます カスミは、マコが白髪染めをしたら、それはそれで、そのことをいじるようなキャラクターです。マコは、そのことを思い出してしまったのでしょう さらに、マコは、同時に、自分の、カスミに対する気持ちにもはっきり気づいてしまい、一方で、もうカスミはいないんだということも再認識して、おそらく、カスミのいるところに向かって走り出す…という終わり方なのかと思います(最終コマの「キャーッ」は悲鳴でしょう) つまり超鬱百合漫画だったわけですね 全体を通して、「変わる」「変わらない」がキーワードになっているように思います カスミは小さな頃から変わってない女の子 マコはカスミとの決別のために見た目(白髪)を変えようとする ダイチはマコに気持ち(嫌いという気持ち)は変わらないままでいいと伝える マコは髪を染めたのに、カスミとの決別どころか、カスミを好きという気持ちを再確認して、それは変わらないままでいいのだと認識する …という解釈が可能だと思います。どうなんでしょうね 「カスミのいるところに向かって走り出す」までいくとちょっと読み込みすぎなのでは…?という気もしてます 実際には、残響を通してカスミが好きという気持ちを再確認して、勝手に少し前向きになって微笑んだだけという、エゴの固まりのような女の話だったのかもしれません!
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2023/01/22
贖罪の物語
ヴィンランド・サガは、ずーっと昔に最初のあたりを読んだきりだったんですが、機会があったので最新刊(26巻)まで一気読みしました いい作品でした…。本当に真摯な作品です 描かれているのは、主人公トルフィンの成長と、そして贖罪の姿 父の仇への仇討ちのためとはいえ、罪なき人々を殺し続けたトルフィンが、平和な国の建国を目指す物語です 本来であれば、多数を殺した人間は、死をもって償うしかありません しかし、逆にいえば、死をもって償えば、それで終わりです 本作は、トルフィンに対し、そんな安易な贖罪は許さず、もっとも困難な償いの道を選択させます これは、トルフィンにとっても困難な道ですが、作者自身にとっても本当に困難な道のはずです それなのに、作者の幸村誠先生は、その困難な道を、説得力をもって描き続けている それがひとつ結実するのが、26巻の最後に収録されている話で(191話「その日」)、いやぁもうたまらないですねコレ 敵を殺すという選択肢を排し、可能な限り敵対以外の選択肢を選び取って困難を乗り越えていくトルフィンは、本当に立派で、応援したくなります もちろん、物語は終わっておらず、贖罪も終わってはいませんし、トルフィンの贖罪は、どこかで終わりが来るという性質のものでもありません また、なんだかんだ描きましたが、結局、最終的にはトルフィンの死をもって全てを清算することになるのかもしれません しかし、だからといって、トルフィンのしてきたことが無駄というわけではありません 贖罪の本質というのは、結果ではなく、そこを目指す道筋そのものです トルフィンの生き方は、周囲の人々の生き方にも大きな影響を与えていますし、メタ的には、読者の生き方にすら、影響を与えているのかもしれません 本当に、素晴らしい作品です
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2022/11/17
これはひょっとして相原先生の最高傑作なのでは…?#1巻応援
「かってにシロクマ」「コージ苑」「サルまん」「真・異種格闘大戦」「ムジナ」などの名作・怪作を作り続けてきた相原コージ先生による実録エッセイ漫画です。 タイトルのとおり、自身がうつ病にかかった様子を描きます。 アイデアが出なくなり、マンガが描けなくなったので、あったことをそのままマンガに描いている…らしいのですが、その結果生まれた本作は、相原先生の最高傑作になりそうな予感のする作品です。 これまでの相原先生の作品は、良くも悪くもクセが強くて、フィクション感も強いものでした。 しかし本作は違います。 ものすごく、リアルなのです。 何しろ事実をそのまま描いてるのだから。 しかも相原先生は、うつ病のときの思考や感情を、おそらく本当にそのまま描いているようで、読者はそれをそのまま追体験できてしまいます。その破壊力たるや。 また、これは、キャリアの長い現役漫画家である相原先生だからこそ生み出せた作品でもあります。 うつ病を扱ったエッセイ漫画作品は数多く存在します。 しかし本作は、その中でも、漫画としての完成度が圧倒的に高い。ストーリーがあって、起伏があって、感情がこもっている。 こういう表現が適切かはわかりませんが、「面白い」のです! 実験漫画ばかり描いているイメージの強い相原先生ですが、こんなにも漫画力が高かったのかと、改めて実感させられます。 オマケにクセが弱くて読みやすい! これも、これまでの相原作品とは異なる点です。 つまり本作は、相原先生の漫画力が存分に発揮されながらも、読みやすくリアルなうつ病エッセイ漫画でして、これは…きっかけがあれば大いに売れますよ! 未読の方はとりあえず無料公開分だけでも読んでみることをオススメします。 https://comic-action.com/episode/3269632237294896715 #マンバ読書会
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2022/10/05
下ネタ漫画の極北でございます
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ベスケ・デス・ケベスは、ルノアール兄弟が別冊少年チャンピオンに連載している下ネタだらけのお下品ギャグ漫画です。 ものすごいエッチな女子の前にしか現れない「ケベス」という悪魔。 それを呼び出してしまったムッツリスケベの女の子(主人公)が、ケベスの力で裸になった男を見てハァハァしたり、ほかのケベス使いと戦ったり…というのが初期の展開でした。 だけどちょっとパッとしなくて、しばらく迷走。 コミックも、2巻までは紙で出たものの、3巻からは電子のみになってしまいました。 しかし開き直ったのか、そのへんから一気に面白くなります! というか、このへんから、ただひたすらチンコネタだけに特化したチンコ漫画と化して、ものすごい破壊力を持つようになったのです。 何のことだかわかりませんね? 読めばわかりますが、いきなり読むのは勇気が要るかもしれませんので、以下では、3巻以降で扱ったチンコネタを整理してみました。 まずはこちらをご覧ください。 3巻 ・ 箱の中身はなんでしょう?(チンコ)(25話) 4巻 ・ちんこクイズ対決(28話) ・ちんこの森(30話) ・巨大キンタマ(35話) 5巻 ・仮想股間(41話) ・下町ロシュツレー(42話) ・ちんぽ今和歌集(43話) ・ちんこっくりさん(44話) 6巻 ・男性型スマートスピーカー(47話) ・チンデルセン(48話) ・チンコハンター(49話) ・ダヴィンチンコ・ペニスクリュー(51話) ・クチンコミ(53話) ・残留チンコ念(54話) 7巻 ・特別展ちんぽこ(55話) ・チンポランド王国(56話) ・チンペイ(59話) ・オペニ座の怪人(60話) ・チンポ月食(61話) ・オチンシュタイン(62話) ・うるちんこ米(63話) 8巻 ・チンポフィットアドベンチャー(64話) ・ちんポリスくん 創作秘話(65話) ・ちんポエムくん 誕生秘話(66話) ・チンポーカー(67話) ・イルミナティルポ(69話) ・ちんぽ甲子園(70話) ・チ利休(71話) いやぁ改めてまとめてみると本当にどうしようもないですね!! さらに最新巻(9巻)はオールチンポです 目次を見ればわかります(添付) どうしようもない下ネタが読みたい方はぜひご一読を!
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2022/08/06
「響」とは異なる魅力
「龍と苺」は、「響」を描いた柳本光晴先生が週刊少年サンデーで連載している将棋漫画です。 …が、私自身は、初期にちょっと読んで、その後は追ってませんでした。 何故かというと、悪い意味で「響」に似ていたから。「龍と苺」の初期のエピソードは、「性格のキツい天才少女が主人公で、その才能で無双する話」で、まぁ、将棋版「響」でしか無く、しかも主人公は「響」よりさらにトゲトゲしている狂犬だし、敵キャラも嫌な奴ばかりだし、これはちょっとどうかな…と追わなかったんですよね。 ところで、現在、「龍と苺」はサンデーうぇぶりで8月17日(水)まで全話無料公開中。 おや久しぶりに読んでみるかと手を出したところ、みごとドはまりして、コミック全巻一気買いしました。 面白くなりましたね!!! 「性格のキツい天才少女が主人公で、その才能で無双する話」という基本線は変わらないのですが、主人公の苺の性格がだんだんやわらかくなって、可愛くなってきますし、敵キャラも、「嫌な奴」ではなくて「変な奴」「変態」が増えていき、しかもキャラクターとしても魅力的な人物が増えていきます。 また、主人公は「天才」ではありますが「無敵」ではないので、大苦戦もしますし、何なら負けるので、きちんとドラマがあります。 今は、(おそらく作中最大の)トーナメントの渦中ですが、このトーナメントに入ってからはもう本当にずっと面白くてビックリしました。見事にまっとうな「少年漫画」でした。 これまでサンデーは買ってなかったのですが、この作品のためにサンデーを買ってもいいのではないかと悩むレベルです。 ということでこれまで読んだことなかった人は是非ご一読を。 8月17日まで全話無料公開中です! https://www.sunday-webry.com/episode/3269754496548997931
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2022/06/06
尾玉なみえ絶頂期の作品
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尾玉なみえ先生は、赤塚賞準入選をとりながら、打ち切りの山を築いたギャグ漫画家です。 週刊少年ジャンプで「純情パイン」や「少年エスパーねじめ」を連載したあと(ともに打切り)、 ビジネスジャンプに移籍して「アイドル地獄変」「スバル・たかし」を連載し(ともに打切り)、 講談社(シリウス)に移籍したあとは、「マコちゃんのリップクリーム」を長期連載しました。 初期作品(「純情パイン」や「少年エスパーねじめ」)は、ギャグがキレキレではあるものの、癖が強すぎて、かなり読者を選ぶ作風でした。よくこれをジャンプに載せたなと思います。 講談社移籍後の作品(「マコちゃんのリップクリーム」など)は、かなりポップになって読みやすくはなったものの、その分ややインパクトに欠けます。 これに対し、「アイドル地獄変」は、ギャグのキレとポップさを両立している、尾玉なみえ絶頂期の作品です。 読んだことのない方は、ぜひチェックしてみてください。全1巻で読みやすいよ! なお、ストーリーは、主人公がアイドルを目指して頑張るお話ですが、本筋には全然関係ない話が抜群に面白かったりします(添付)。 ちなみに、同時期の「スバル・たかし」も同程度に面白いのですが、こちらはなぜか電子化されていないので、古本屋などで見つけたら保護しましょう。
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2022/05/22
近未来SF将棋ドラマ!
「神」とまで呼ばれた最強の名人がソフトに敗北したことで将棋人気が急落、大きな制度改革が行われ、将棋の対戦は、「人間+ソフト」のチーム戦に移行した…。 そんな、ありえたかもしれない近未来が舞台となる将棋SFです。 そんな本作の何よりの魅力は人間ドラマ! かつて「神」と呼ばれた元名人の羽内、 そんな「神」をも倒すソフトを作り上げてしまった天才プログラマー、 ソフトに頼らず戦いを続ける現名人増山、 そしてその娘の翔子。 それぞれの思いが交錯しながら物語は進み、感動のクライマックスを迎えることになります。 面白いし上下巻で綺麗にまとまっている名作なのですが、どうもあまり売れなかったようですし、諸々のランキングにも絡まなかったので、改めて紹介するものです。 発表時期がソフト不正疑惑の時期と重なってたというタイミングの悪さも一因でしょうかね…。 ちなみに、原作の伊藤智義先生は、大学教授でありつつ(現在は千葉大学)、「栄光なき天才たち」(の一部エピソード)の原作者でもあります。 週刊少年チャンピオン編集長(当時)の沢考史さんからの熱烈なラブコールのおかげで https://yayoi-2011.hatenablog.com/entry/20170609/1496962629 本作は週刊少年チャンピオンに連載されました。その関係で、栄光なき天才たち(電子版)のうち伊藤智義先生が原作をつとめている部分は、秋田書店から出版されています こっちも最高に面白いですよ!(私はロケット関連の一連のエピソード〔6巻〕が大好き)
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2022/05/06
鬼才・たばよう先生が生み出した残酷絵本 #1巻応援
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たばよう先生は、主としてチャンピオン系列の媒体に作品を発表している漫画家です。 デビュー作は、「TOILETPAPER MAN」。新人漫画賞で圧倒的な高評価を得た傑作です。 https://pyuupa.flop.jp/img/sm79_01.jpg たばよう先生は、その後の短期連載「くろすぶりーど」でもその鬼才ぶりを如何なく発揮し、2ちゃんねるのチャンピオンスレでは特殊な性癖に目覚める者が続出しました。 (なおこれらのデータは週チャンマニアクスから引用しました) https://pyuupa.flop.jp/index.html ところが残念なことに、これらの作品は単行本化されていません。 単行本化された唯一の作品は、宇宙怪人みずきちゃん(全2巻)。この作品も面白かったのですが、残念ながら(おそらく)打ち切りにて終了しています。 たばよう先生は、その後、コミックめづなどでマニアックな作品を発表したりしていたのですが http://www.comic-medu.com/wk/nunonechan 昨年(2021年)、久しぶりにチャンピオン系列の媒体で連載したのが、本作「おなかがへったらきみをたべよう」でした。 マンガクロスで連載された本作は、「今からぴったり10万年前!」を舞台にした、原始人の男の子と、こどもマンモスのお話。 一族が全滅し、一人ぼっちになった男の子と、親に捨てられたこどもマンモスの、一人と一匹の友情が描かれます。 しかし、10万年前の過酷な環境は、男の子に対して、生きるための残酷な選択を迫ります。 一人と一匹は、どのような結末に辿り着くのか…?というお話。 絵柄も素敵です。 もともと、たばよう先生は、ある意味で癖のある絵柄でしたが、今回は、全体的に絵本風に仕上がっており、一枚絵としても非常に美しいコマが多いです(添付)。 ただ、連載時はフルカラーだったものが、単行本化にあたってモノクロになったのは残念でした。電子版だけでもフルカラーにしてほしかった…。 本作は、生きることの過酷さと、我々現代人の傲慢さについて、深く考えさせられる残酷絵本です。全1巻で綺麗に完結しておりますので、興味を持った方は、ぜひ読んでみてください! なお、1~3話はマンガクロスで読めます。 https://mangacross.jp/comics/kimitabe/
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2022/04/29
嫁姑漫画を少年漫画の文法で描く!
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「嫁姑漫画」なるジャンルがあります。嫁と姑の確執は永遠のテーマですからですね。コンビニなどでよく見かけます。 そして本作「かんかん橋をわたって」は、嫁姑漫画の極北に位置する漫画です。 初期は、まぁ、わりと普通の(?)嫁姑漫画です。嫁ぎ先の姑がイジワルで、いろいろな嫌がらせをしてきます。 主人公の嫁ぎ先である「川東」(かわっと)では、イジワルのことを「おこんじょう」と呼ぶのですが、主人公の姑はなんと「川東(かわっと)一のおこんじょう」と呼ばれている凄い姑! 主人公は、そんなおこんじょうに耐えて一生懸命頑張る!というお話でした。 まぁ3話で「嫁姑番付」という「嫁いびり番付」の話が出てきたりとか(主人公は4位)、やや特殊な設定が見え隠れしますが、このへんはまだ普通でした。 ところが4巻くらいからだんだん風向きが変わります。 主人公の姑は、ただの「おこんじょう」ではなく、恐るべき策士であることが明らかになっていきます。 主人公は、その様子を見て、「お義母さんにはすべて見えているんだわ」「なんて…なんてすごい人なんだろう!」とか言い出します。 そして、憧れの姑に負けないように、自らも恐るべき「おこんじょう」を発揮するようになっていきます。 具体的には、姑の着物ダンスから防虫剤を全部抜き取って着物を虫食いだらけにしたりするんですが…(なお、姑はそれを見て大変喜び、とびきりの笑顔で虫食いだらけの着物をきて歩き回ります。)。 さらに、主人公は、その他の嫁姑番付ランカーにも働きかけ、嫁姑の仲違いを解消したり、問題を解決するなどして、どんどん力をつけていきます。 それを見た姑が「なんて上手なおこんじょう」と評すシーンなどは、作中屈指の名シーンですね!(添付)。 そして物語はクライマックスに向けて動き出します。 地域支配者たる「ご新造さま」があらわれ、嫁姑番付ランカーが次々と登場します。 恐るべき「ご新造さま」に対し、主人公と姑は共闘し、最終決戦に挑むことになります。 もう何のこっちゃか全然わからないかもしれませんが、とにかく最終的にはそういうお話です。 このように、本来は、嫁姑漫画のはずなのですが、「嫁姑ランキング」とか「成長する主人公」とか「力を合わせての最終決戦」とか「ラスボス」とかの少年漫画的要素を盛り込みまくって完成されたのが本作です。 「嫁姑漫画を少年漫画の文法で描いた」ともいえます。 怪作ですが、個人的には大好きです! なおコミックは全10巻(ただし電子版のみ)。現在は全巻アンリミで読めます!
toyoneko
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2022/04/22
徳光先生のオタク心が激しく炸裂!
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濃爆おたく先生は、ガンダムオタクの教師が主人公である、オタクによるオタクのためのオタク漫画です。 作者は徳光康之先生。 内容は…滅茶苦茶です! 何しろ主人公の「暴尾亜空(あばおあくう)」は、登場早々、生徒たちに「どのモビルスーツが一番好き?」と質問したと思ったら、延々とドムに関する妄想を語り出すような奴です。やることなすこと滅茶苦茶! ライバルが出てきたと思ったら、二人でガンダム妄想対決を始めたりするし、 「叫ぶジオンの会」なる仲間たちが出てきたと思ったら、聴衆を巻き込んで道端で「ジークジオン」とか叫び出すし、 「ドムを創った男たち」とかいうとんでもない話がいきなり始まるし、 ヒロインと思われる女の子は「ア・バオア・クー・レディ」とかやりだすし、 同士がたくさん集まって「ジオンファイト」とか始めるし、 とにかくもうやりたい放題! しかも熱血! キャラクターのほとんどは常に叫んでるし、絵も濃いし、名言も多いです 「知識を語るな」「愛を語れ」!(添付)は、 オタクとして心に刻むべき名言です なお、勢いだけの漫画ではなく、普通に面白いですし、読みやすいです。 ちなみに、ネタのほとんどがガンダムですが、未視聴でも楽しめるので大丈夫(というか私も未視聴です…)。 オタクによるオタクのためのオタク漫画! オタク必読です!! なおアンリミで読めます。 ところで、徳光先生は、これ以外にも「おたく」シリーズを描いてます。 一つは、「濃爆おたく大統領」。 6話まではちょっと微妙ですが、7話でサクラ大戦の話を急に始めてからは圧倒的に面白くなります。 16話で突然始まる「衝撃コピー誌90部」も最高ですし(いきなり戦場まんがシリーズのパロディを始めるな!)、そこからさらに勢いは加速します。 具体的には、17話からは、徳光先生自身が作中に出てくるようになるのですが、徳光先生自身がネタ満載なので、実際にあったエピソードを描くだけで滅茶苦茶面白いのです(徳光先生が永井豪先生のご自宅の本棚にシャンパンをこぼした話とか衝撃です)。 ということでこちらもおススメ! もう一つは、「妹ガンダム」。 徳光先生ががんばってカワイイ幼女を主人公にしてみた漫画ですが、主人公が「ジオン好き幼女」なので、テンション的には「おたく先生」と大差ありません。 私、この作品はちょっと読まず嫌いしてたのですが、最近になって読んでみたらしっかり面白かったですし、 「おたく先生」ときちんと繋がりますので、こちらもぜひ一緒に読んでみてください!
toyoneko
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2022/04/05
マニア向けの怪作ギャグマンガ
森繁ダイナミックは,桃吐マキル先生と福耳ノアル先生がヤンサンに連載した怪作ギャグマンガです。 表紙をみればわかりますね。 マニア向けです! 不条理と意味不明のハイテンションギャグが延々と続くので相当に読み手を選びますが,読んでいると次第に楽しくなってきます。 …楽しくなってこないかもしれませんが,そのときはまぁ相性が悪かったということで。 下巻の巻末には,いろいろな漫画家が寄稿してます。具体的には,非メジャーな作風だったころの押切蓮介先生とか清野とおる先生などが寄稿しており,何となくこの作品のディープさが伝わるかと思います。 上下巻ともアンリミで読めますので,興味ある方は是非ご一読を。 ところで,作者の一人である福耳ノアル(福耳ノボル)先生は,かつて週刊少年チャンピオンに連載された伝説の作品「フリオチ」の作画(三三先生)と同一人物なのではないかと噂されています。 フリオチは…正直歴史に残るレベルでヤバい漫画だったのですが,今となっては,改めてまた読んでみたい漫画の一つではありますね(コミック未刊行)。 フリオチの連載第1回が載ったチャンピオン https://akitashoten.co.jp/w-champion/2005/19 「福耳ノアル(福耳ノボル)」=「三三」であるという噂 https://etc4.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1120975143/356 https://etc4.5ch.net/test/read.cgi/wcomic/1120975143/358 http://kuzure.but.jp/f/b/756832697/756832697.html