うつ病になってマンガが描けなくなりました 相原コージ
ベテランギャグ漫画家・相原コージのうつ病エッセイ
「かってにシロクマ」「コージ苑」「サルまん」「真・異種格闘大戦」「ムジナ」などの名作・怪作を作り続けてきた相原コージ先生による実録エッセイ漫画です。
タイトルのとおり、自身がうつ病にかかった様子を描きます。
アイデアが出なくなり、マンガが描けなくなったので、あったことをそのままマンガに描いている…らしいのですが、その結果生まれた本作は、相原先生の最高傑作になりそうな予感のする作品です。
これまでの相原先生の作品は、良くも悪くもクセが強くて、フィクション感も強いものでした。
しかし本作は違います。
ものすごく、リアルなのです。
何しろ事実をそのまま描いてるのだから。
しかも相原先生は、うつ病のときの思考や感情を、おそらく本当にそのまま描いているようで、読者はそれをそのまま追体験できてしまいます。その破壊力たるや。
また、これは、キャリアの長い現役漫画家である相原先生だからこそ生み出せた作品でもあります。
うつ病を扱ったエッセイ漫画作品は数多く存在します。
しかし本作は、その中でも、漫画としての完成度が圧倒的に高い。ストーリーがあって、起伏があって、感情がこもっている。
こういう表現が適切かはわかりませんが、「面白い」のです!
実験漫画ばかり描いているイメージの強い相原先生ですが、こんなにも漫画力が高かったのかと、改めて実感させられます。
オマケにクセが弱くて読みやすい!
これも、これまでの相原作品とは異なる点です。
つまり本作は、相原先生の漫画力が存分に発揮されながらも、読みやすくリアルなうつ病エッセイ漫画でして、これは…きっかけがあれば大いに売れますよ!
未読の方はとりあえず無料公開分だけでも読んでみることをオススメします。
#マンバ読書会