読んでまず思ったのが、1話1話本当に無駄がなく丁寧につくられている作品だなということ。
そのせいか、何度読んでも色んな発見があり、1巻完結ものでおすすめしたい作品だったりします。

内容も、熱量の低い情熱が空回りするどこにでもいる大学生を描いていて、どこか痛々しく、どこか共感してしまう内容となってます。
全能感に満ちあふれていた、昔を思い出す。

大学生ーー大人の自由と子供の自由を持っている最強のモラトリアム時代ですが、そんな時代に誰もが直面する理想と現実の乖離。

主人公はバンドでデビューを目指す「春香」と、ごく普通の後輩「入巣」という女子大生二人。
生きる目的ともいえる「目標」のある人とない人の対比なんですが、目標があっても、才能や情熱が追いつかないことはよくあること。

平凡な才能しかない自称クリエイティブな人あるあるを独特に煮詰めた表現で随所に散りばめてきて、なんとなく生きてしまっているような自分にはグサリと刺さります。

綺麗事や正論、漠然とした希望とぬるい情熱だけでは何一つ変えられないのです。
ネタバレになるので詳しくは控えますが、最後に春香のとった行動は、やりたいことをやれた人だからこその苦悩と解放を見事に描いていて胸を締め付けられました。

何をしていいかわからない8割の人間にとって、自分も本当は何かあったんじゃないか?と焚付けられます。

年食ったおっさんでも、残りの人生、心躍ることに情熱を捧げたいものです。

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だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭

小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

ネムルバカ
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天国大魔境公式コミックガイド

天国大魔境公式コミックガイド

「このマンガがすごい!2019」オトコ編第1位にランクインするなど、人気急上昇中の「天国大魔境」。「壁に囲まれた施設」で暮らすトキオと、「壁の外側の崩壊した日本」を旅する少年マル。環境の整った清潔な学園施設の実情、荒廃した近未来SFというまったく異なる2つの舞台設定や、顔が瓜二つのトキオとマルの関係、ヒルコの謎など、無数にちりばめられた謎解き要素を紐解いていきます。

もしも、東京

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20人の漫画家、20の「東京」。【収録作品】(著者あいうえお順) 浅野いにお [TP] 安倍夜郎 [我が心の新宿花園ゴールデン街] 石黒正数 [密林食堂][もしも東京] 石塚真一 [Tokyo Sound] 市川春子 [TOKYO20202 GOURMET/SPOT/HOTEL] 岩本ナオ [海が見える大井町] 太田垣康男 [the next day] 大童澄瞳 [East East] 奥 浩哉 [東京フィレンツェ化計画] 小畑友紀 [願い] 黒田硫黄 [天狗跳梁聖橋下(てんぐのあそぶはひじりばしのした)] 咲坂伊緒 [星の王子さま] 出水ぽすか [ここにいる街] 萩尾望都 [江戸~東京 300年マーチ] 昌原光一 [江戸×東京 ジオラマ合戦] 松井優征 [東京の脅威とギンギンの未来] 松本大洋 [東京の青猫] 望月ミネタロウ [丹下健三の東京計画1960] 山下和美 [世界は変わっても生活は変わらない、という夢] 吉田戦車 [好きな東京] 特別寄稿 角田光代 [私だけの東京] ジェーン・スー [これも東京2021] 鈴木敏夫 [東京物語] 松尾スズキ [出会いたい人に、すべて出会って] 向井 慧(パンサー) [東京] 山崎洋一郎 [新・東京物語] 写真 佐藤健寿

マンガ麺

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板垣巴留(「BEASTARS」)の秘密の麺、石黒正数(「天国大魔境」)の青春の麺、鳴見なる(「ラーメン大好き小泉さん」)のはしご麺、総勢22名の作家がおくる、作家と麺の、手軽で奥深い物語!! 深夜に手軽なエネルギー補給♪ 作家稼業の強い味方! 手軽で奥深い、『麺』のアンソロジーコミックス!! ★豪華執筆陣★ ※五十音順 麻日隆/石黒正数/板垣巴留/上田信舟/円藤エヌ/長田悠幸/音井れこ丸/北駒生/篠丸のどか/シモダアサミ/スエカネクミコ/たかし♂/タカダフミ子/多田基生/釣巻和/トウテムポール/鳴見なる/晴川シンタ/三月えみ/峰なゆか/米代恭/ロッキー

アイアムアヒーロー 公式アンソロジーコミック

アイアムアヒーロー 公式アンソロジーコミック

かつてない豪華な執筆陣が集まった、ZQNをテーマにしたアイアムアヒーロー公式アンソロジーコミック。それは、息をするのか。それは、何か思うのか。それは、しあわせな記憶はあるのか。それは、恋をするのか。個性が爆裂する作家陣が、それぞれの得意分野を活かしたZQNを描き出します。参加作家: 水沢悦子(『花のズボラ飯』『ヤコとポコ』) 伊藤潤二(『富江』『うずまき』) 石黒正数(『それでも町は廻っている』『木曜日のフルット』) 乃木坂太郎(『医龍』『幽霊塔』) オジロマコト(『冨士山さんは思春期』『カテキン』) 横槍メンゴ(『クズの本懐』『レトルトパウチ!』) 鳥飼茜(『先生の白い嘘』『地獄のガールフレンド』) 吉本浩二(『ブラック・ジャック創作秘話』『カツシン』)

それでも町は廻っている

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人情あふれる丸子商店街に存在するメイド喫茶(カフェではない)「シーサイド」。まさに、天真爛漫!女子高生にして名探偵に憧れる嵐山歩鳥は、地元丸子商店街のアイドル(?)兼お騒がせ娘。ありふれた町のちょっとおかしなメイド喫茶を舞台に繰り広げられるドタバタ活劇!

外天楼

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外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……?謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実……!?奇妙にねじれて、愉快に切ない――石黒正数が描く不思議系ミステリ!!

石黒正数短編集

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表題作『探偵綺譚』は、ヒット作『それでも町は廻っている』の人気キャラクター「嵐山歩鳥&紺双葉」の先輩後輩コンビが登場する、『それ町』プロトタイプと言える作品。この先輩後輩コンビの系譜は「COMICリュウ」連載中『ネムルバカ』の主人公コンビへと繋がる。全10作品収録。

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