ちんもくのかんたい
あらすじ
日米は、世界でも類をみない高性能な原子力潜水艦「シーバット」を、極秘裡に造り上げる。日本によって資金、技術提供をされた日本初の原潜であったが、米第7艦隊所属という、数奇の宿命を背負った落とし子でもあった。艦長には、海上自衛隊一の操艦と慎重さを誇る海江田四郎が任命された。しかし、海江田は試験航海中に指揮下を離れ、深海へと潜行、突如反乱逃亡をする!原潜、核兵器、国家、戦争、そして…真の平和とは!?激動の20世紀末、人類最大のテーマに挑む最高傑作!
漫画家・かわぐちかいじの名声を高めた代表作であり、今読んでも無茶苦茶面白くて熱い名作である。
まだ読んでない人は、すぐ読んだ方がいい。このレビューを読み終わる前に読破する方がいい。海面下の武骨な”てつのくじら”とそれを取り巻く人々が織りなす、全地球スケールに広がる風呂敷のファンタスティックな面白さに痺れること間違いなしだ。
そして、だからこそ、この漫画は要注意なのだ。
この漫画はファンタスティックを通り越すぶっ飛んだファンタジー作品であり、「いやいやそれはおかしい」と逐一ツッコむぐらいの冷静さが最終的には必要な、あぶない漫画である。
これは戦闘描写に限った話ではなく、軍人描写・政治描写でも同様の話だ。
というか、素人目にもわかりやすい戦闘描写の範囲だけでこの漫画のファンタジー成分を看破した気になりかねない点が余計にあぶない。このことに関しては、交渉を優位に進めるための心理的トリックに通じるものを感じる。あるいは(いい譬えではないが)巧妙なプロパガンダと似ている。
要するに、面白さに痺れたまま、作品に感化されたまま、染まり切ったままは危険だということだ。
本作はその面白さと現実世界に即した設定故に、なぜ現実はこの作品のようになれないのかと憤って、現実から離れたところに行ってしまって戻ってこれなくなってしまう恐れがある。これは最高の読書体験でもあるが、現実に生きる私たちはいつまでもそのままではいられないだろう。デビルマンを読んで「地獄へ落ちろ人間ども!」に共感しっぱなしでいてはいられないのと大差ない。
なお、私は本作を読んでしばらくはかなり感化されていた。最高の読書体験の一つであった。こんな気持ちいい体験、味わえるなら味わった方がいいに決まっている。
故に、本作が提供してくれるかもしれない最高の読書体験に水を差すようなものは、あらかじめ見ないよう注意(※読者の冷静さを取り戻す激うまギャグ)するのがよいだろう。
こんな長文駄文レビューを読む前に、最も面白く読めるうちに面白い漫画は面白く読むべきなのだ。
ふううんじたち
あらすじ
歴史大河ギャグ漫画の傑作が登場!!幕末に大活躍する維新の志士たち、そこにいたるまでの日本には「なが~い」歴史がある!!話はさかのぼって、四百年前の関ヶ原では…。ギャグマンガ初の試み、著者懇親の「ギャグ注」付き!!新しい歴史観が話題を呼んだ、第8回手塚治虫文化賞特別賞受賞作品!!
名無し
ぼっちゃんのじだいたんこうぼんばん
あらすじ
<明治>という時間軸に交錯する群像を、関川夏央の気鋭の原作を得て、名手・谷口ジローが渾身の力で描いた話題作。歴史上の人物たちの同時代的邂逅が意表を突く!!
おーいりょうま
あらすじ
弱虫な竜馬は、近所でもいじめっ子の的で、姉の乙女に助けられる毎日。そんな竜馬も7つになり学問は楠山塾、剣道は日根野道場にはいるが、塾でも道場でも落ちこぼれ。とうとう塾を退塾となる。しかし母、幸は病の床でも竜馬を優しく見守ってくれる。そんな幸と花見に出かけた竜馬を見つけたいじめっ子達だが、幸の親切心に心を打たれた彼らは、幸のために捨てられた傘で日傘を作ってくれた。そこに通りかかった上士。土佐では禁止されている郷土の日傘を目撃された竜馬達は…。激動の幕末に一陣の風を送りこみ、炎のように生きた男・坂本竜馬。その英雄の若かりし時代を描く、幕末風雲大作!!
あどるふにつぐてづかおさむぶんこぜんしゅう
あらすじ
神戸に住むドイツ領事の息子のアドルフは、パン屋の息子でユダヤ人のアドルフを通じて、アドルフ・ヒットラーのある秘密を知る。第二次世界大戦を背景に、その秘密をめぐり交錯する三人のアドルフの運命は? 初の一般週刊誌連載作品にして、第10回講談社漫画賞を受賞した著者後期の代表作、ついに登場! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT372~373『アドルフに告ぐ』第1・2巻収録
さざんあいず
あらすじ
藤井八雲の元へある日現れた少女・パイ。チベットから来た彼女は伝説の妖怪「三只眼」の唯一の生き残りだった。「人間になりたい」と言う彼女の話を、最初は信じなかった八雲だが、パイの力で命を助けられ、不死身の身体となる。不老不死となった八雲は、額に第3の眼を持つパイと共に、人間になる方法を探して旅立つ――!!壮大なスケールで描く冒険伝奇ロマン大作!
あどるふにつぐ
あらすじ
神戸に住むドイツ領事の息子のアドルフは、パン屋の息子でユダヤ人のアドルフを通じて、アドルフ・ヒットラーの秘密を知る。その秘密とは…!?第二次世界大戦を背景に、三人のアドルフの運命を描く著者の代表作・第一弾。
ばらんさー
あらすじ
本名を隠し、傭兵として生きる男がいる。暗号名は“J”。世界のいたるところにある闇の戦闘において、奴は常に生き残ってきた。中央アフリカ、スペイン、あらゆる地域が仕事場となる。しかし、その“J”を狙う刺客が現れて、運命の輪が動き始める!!その刺客の正体は、忍びの者黒羽衆だった……。
てんちをくらう
あらすじ
中国後漢の末。王朝は失政を重ね、地の人々は貧困にあえいでいた。盗みを働き、百姓たちに袋叩きにされるその男、名は劉備玄徳。妻にしようと手を取った女の正体は、天上神・竜王の娘であった。諸葛孔明とともに天上界へ昇った玄徳は人間界一の剛胆男となるべく、呑邪鬼が住まう火炎城へと向かう。そこでいつ果てるとも知らぬ幻覚地獄に苦しめられた玄徳は……!?本宮節が炸裂する豪快三国志!!
はっぴゃくやちょうひょうりのけわいしいしのもりしょうたろうでじたるたいぜん
あらすじ
薬屋・式亭正舗で扱う化粧品は、大店の女将から町娘まで、江戸の女性たちに大人気。若旦那の式亭小三馬は、江戸で一番の腕利きの化粧師(けわいし)だ。化粧で女性を美しく飾るだけでなく、江戸文化の表も裏も艶やかに華やかに演出する!しかしその手法はなんと、現代の広告業界にも通じる斬新なものだった!?1983年から1984年に「ビッグコミック」で連載された、石ノ森章太郎らしさ満載の大江戸ビジネス時代劇!
ひだまりのきてづかおさむぶんこぜんしゅう
あらすじ
蘭学医・手塚良仙(てづか・りょうせん)の息子良庵(りょうあん)と府中藩士の伊武谷万二郎(いぶや・まんじろう)は、美女・おせきを巡り犬猿の仲だった。そんな最中、良庵は適塾で蘭学を学ぶため、大坂へ旅立った。万二郎は、江戸を襲った大地震で、民衆を安全な場所へ誘導するという大手柄を立てる。一方、良仙は奥医師たちの激しい妨害の中、娘婿の大槻俊斎(おおつき・しゅんさい)らとともに種痘所の江戸設立に向け頑張っていた。幕末に実在した著者の曽祖父をモデルにする長編時代作品。 <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT326~327『陽だまりの樹』第1~2巻収録 <初出掲載>1981年4月25日号~1986年12月25日号 ビッグコミック連載
ひだまりのき
あらすじ
蘭学医・手塚良仙の息子の良庵と、府中藩士の伊武谷万二郎は、美女・おせきをめぐって犬猿の仲。そんな最中、良庵は適塾で蘭学を学ぶため、大坂へ旅立つ。幕末に実在した著者の曽祖父をモデルにする長編歴史作品・第一弾。
かみのとりで
あらすじ
太平洋戦争の末期、戦火にさらされた大阪の町で、すきっ腹をかかえながら好きな漫画の道にうちこむ一人の少年がいた……。表題作「紙の砦」他、巨匠手塚治虫が青春時代の思い出を綴った6編を収録して贈る自伝的作品集!
めふぃすと
あらすじ
次々と幼児を殺害し、降魔の儀式で生けにえに捧げる男流動玲二。彼の目的は悪魔の知恵を借りて全能の力を得ることにあった。流動はついに妊娠中のフィアンセを殺し、腹から胎児を取り出してその血を捧げた。「魔王サタンよ、我が願いを聞き届けさせたまえ!」。一方、中世末期のヨーロッパ。慈愛に満ちた魔女アルマはその力で貧しい村人たちのために尽くしていたが、魔女裁判にかけられはりつけに処せられた。アルマは肉体の死とともに永遠の生を得る。そして流動の降魔術に感応して現代に蘇った!
おちこぼれにんぽうちょう
あらすじ
時は戦国、嵐の時代。とある山奥で猟をする若者が、露天風呂で湯浴みする若い女に出会う。女の名は朧(おぼろ)、忍者の頭領の娘だ。男は没落武家の五男坊・謝丸(あやまる)。朧に一目惚れした謝丸は、忍者の里へ同行する。人手不足の折、頭領は朧と謝丸に密命を下す。だが途中、大地震に遭遇して!?
えいこうなきてんさいたちいち
あらすじ
「父上様、母上様、三日とろろ美味しゆうございました。干し柿、餅も美味しゆうございました…」かつて日本中に衝撃を与えた、オリンピックメダリスト・円谷幸吉の突然の自殺。彼を自殺に追い込んだもの、それは「国家」であり、「私たち」であった…。後世に残る輝かしい功績や能力を持ちながらも、不遇の人生を強いられた「栄光なき天才たち」。彼らの壮絶な生涯を追った偉人伝シリーズ。円谷幸吉、泣けます。
名無し
るーどうぃひびーてづかおさむぶんこぜんしゅう
あらすじ
耳にハンデをもちながらも、音楽の才能を開花させるルードウィヒ・ヴァン・ベートーヴェン。不幸な生い立ちからルードウィヒを憎む貴族、フランツ・フォン・クロイツシュタイン。2人の交錯する運命とは!? 手塚治虫が死の直前まで描き続けた絶筆作品、ついに刊行! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT337~338『ルードウィヒ・B』第1~2巻収録 <初出掲載>1987年6月号~1989年2月号 コミックトム連載(未完)
くろださんじゅうろっけい
あらすじ
応仁の乱の以後、黒田家は乞食同然で流れ者となっていた。しかし、誰にも恨みを抱かせずに多くの人々を喜ばせながら、流浪の身からついに豪邸を手に入れる。下剋上の乱世を「三十六計」の策を用い生き抜く、智将・黒田官兵衛!!その生涯を描く、大河時代劇巨編!!
いてぃはーさ
あらすじ
人はなぜ神を求めるのか。約一万二千年前、人が神と接することのできた古代の日本。ある村に暮らす少年・鷹野(たかや)は、捨てられた赤子を拾った。赤子はとおこと名づけられ鷹野の妹として育てられた。とおこが七歳になったある日、村は邪悪な威神(いしん)の徒党に襲われる。生き残ったのは鷹野ととおこ、そして青年・青比古の3人。彼らは威神と対立する、亞神(あしん)の信奉者たちと出会い…――SF大河ロマン堂々開幕!!
じゅうけんでんせつ
あらすじ
明治初期、北海道の大地で繰りひろげられる、巨大なヒグマと武士の血をひく若き狩人・真之助との息づまる死闘!剣を手にすれば鬼神のように強かった父を殺した、巨大なヒグマに復しゅうを誓った真之助は、10年の歳月をかけてヒグマを追い詰めていく!「獣剣伝説」他、ヒマラヤに墜落してひとり生き残った少年を描いた「神の娘」を収録。
びゃっこたい
あらすじ
1860年3月3日江戸・桜田門外…薩摩藩士を含む水戸浪士17名が大老井伊直弼を暗殺。この暗殺が後に会津藩にとって悲劇の始まりになろうとは誰一人考えもしなかったであろう…。――会津藩士七百石・井上丘隅(六十才)無役ながら、子供たちに論語・会津の歴史を教え、その人柄に重役から農民まで誰もが慕っていた。そしてその中には後に飯盛山で壮烈な最期を遂げる…白虎隊二番隊の少年たちがいた…。白虎隊の壮絶な生き様を描いた作品!
むめんもくたいこうぼうでん
あらすじ
比翼鳥が飛ぶ高山の頂で碁を打つ、神仙・南極老人と東方朔。宇宙の始まりについて疑問を抱く朔は、昔、天が崩れかけた時、女かが五色の石を練って天の裂け目を塞いだことを老人に聞くが、遠い昔のことなので、天窮山の無面目、またの名を混沌という古い神に教えを乞いに出かける。だが、天地開闢以来動いたことのない無面目は、二人の話を聞くと下界に興味を持ち、仙廊を通って地上へ向かってしまい…。