あとがきで言及されている読者からの感想にもある通り、読み終わった後すこし放心状態になるくらい重厚な作品。

設定が複雑で説明するのは難しいのだけど、ストーリーを追う分には混乱しない。「目に見える神々」と「目に見えぬ神々」がいるのがすごく面白いし、重要な意味を持っている。

性別も種も善悪も超越したキャラクター達が出てくるので、今読んでも全く問題ない。というか今こそリアリティを持って響く描写が沢山ある。多様性とはこういうことだと思う。

消したい過去が消せて、不安もない生活は本当に幸せなのか。何故この世界から争いがなくならないのか。宗教的な世界観に科学の視点を取り込みつつ整合的にまとめあげているのが素晴らしい。また時間をおいて再読したい。

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イティハーサ

イティハーサ

1万2千年前の古代の日本。この頃はまだ人は神と接する事が出来た。目にはみえない神々を信仰する村の少年の鷹野はある日捨て子を拾う。その子はトオコと名付けられ、鷹野の妹として育てられた。それから7年後。鷹野たちが暮らす村が目に見える邪神 威神の徒党に襲われる。生き残った鷹野とトオコ、そして彼らの兄のような存在の青比古は目に見える神 亞神の信徒に助けられる。3人は威神と対峙する彼らと共に行動する事となる…。神々と神、その信徒の戦いを描くSF大河ロマン。

樹魔・伝説

樹魔・伝説

西暦2500年。地球は大規模な巨大流星群に襲われた。地球の各国は地球連邦を設立し大気圏突入前の隕石をミサイルで迎撃した。それでも、地上には大小1000万個にも及ぶ隕石が降り注いだ…。それから5年後。南極にて大規模な熱反応が観測される。南極の植物の急速進化。これは隕石による影響なのか? 南極へ調査に降り立った学者たちが目にした光景とは…!?

月虹

月虹

重度の大気汚染により2/3が砂漠化してしまった2072年の地球。ソ連からの亡命者の少女ソミューはある日、自動車事故に巻き込まれ通りがかりの男に助けられる。その男に「セレスの記憶を開放してくれ」と頼まれたソミューだが、彼女には何の事か解らない。あの男はソミューの名前を知っていた…。優秀な学者の姉に負い目を感じる盲目の妹。科学文明の進歩により人類の倦怠と逸楽による衰退。世界が破滅への道を辿る人類に警鐘を鳴らすSF作品。

エリオットひとりあそび

エリオットひとりあそび

おとうさんがベトナムの戦争で亡くなって3年。エリオットはこの日をずっと心待ちにしていた。映画館が2件、スーパーが2件、本屋に薬局にコインランドリーに町はずれの学校と花屋。海岸へ至る道を右に折れるとエリオットだけの一軒家。叔母さんに預けられ、ずっと“いい子”を演じていたエリオットにようやく訪れた夢の一人暮らし。思春期の少年の世界を独特のタッチで描く作品。

樹魔・伝説

樹魔・伝説

すべては七年前のあの事件からはじまった……。医師だった父に連れられて天志は金星での研究に携わるため、はじめての移民家族として金星へと降り立った。あの事件、火災現場で子どもを死なせてしまった父、母はそれ以来心を閉ざしてしまっていたが……。金星で咲いた悲しくも美しい花の物語「ケシの咲く惑星」、「月子の不思議」の2作品を収録。

月虹―セレス還元―

月虹―セレス還元―

西暦2072年、アメリカ。ソ連からの亡命者である盲目の少女ソミューはある日自動車事故に巻き込まれそうになり、通りがかりの男に助けられた。その男はこう言った、「セレスの記憶を開放してくれ」と。その時からソミューの周りで奇妙なことが起こり始める。この時代、人々は過剰な科学文明を享受し、社会は倦怠と逸楽と破壊が蔓延する末期的な混乱を見せていた。世界が破滅への道を急速にたどっていた時、少女の記憶に封じこめられていたセレスの秘密が覚醒し始める!!

エリオットひとりあそび

エリオットひとりあそび

1969年10月1日、エリオット・ブルーの独立記念日。ベトナム戦争で最愛の父を失った少年、エリオットは叔母の家を離れて一人暮らしを始めることになった。新しい町での生活のなかで、ベトナムに行ったまま帰らない恋人を待ち続けているエレーンとの出会いに運命的なものを感じるエリオットだったが……。

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