ぎふとぷらすまいなす
ギフト±
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あらすじ

鈴原環は女子高生にして狩りのプロ。その標的は、人…! 更正を期待出来ない犯罪者と、その肉体を必要とする患者。需要と供給が一致した時、少女の“仕事”が始まる! 鬼才・ナガテユカが渾身の筆致で問う命の価値とは!? 日本の地下社会で極秘裏に行われる“臓器売買”の闇に迫る衝撃作!!

ぶつぞうぱんく
仏像パンク
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あらすじ

仏像が人を殺め、犯し、喰らう時代……。 人の制御を離れた仏像「野良仏」を狩る 天下無双の仏像破壊屋・無道悪丸。外法と悪業をその身に宿し、立ちふさがる仏像はすべて仏壊す! 超涅槃級仏壊アクション!!!

ようかいばんちょう
妖怪番長
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あらすじ

小学生の巫子、鎖子、呱子の3人は、クラスメイトとともに平穏な学園生活を送っていた。そんなある日、先生が言った。「今から、このクラスの“番長”を決めます」そして始まった驚愕の授業とは!? 『エアマスター』『ハチワンダイバー』と漫画ジャンルの新境地を次々切り開いていった大ヒットメーカーが、満を持して贈る極上のアクション・エンターテイメント登場!!

ぶとぅーむあんだーえいてぃーん
BTOOOM! U-18
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あらすじ

『BTOOOM!』の本格続編スピンオフ始動!! NewTuberであるKANは、ここ数年で大ブームを起こしたデス・ゲーム『BTOOOM!』に自らを指名して参加。その目的は、未だ多くの視聴者がヤラセでは?と思っているゲームの真実の姿を、生配信で世に伝える為だったが――。18歳以下限定の爆殺遊戯が幕をあげる!!

ガンニバル
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あらすじ

山間の村「供花村」に赴任してきた駐在・阿川大悟。村の人々は大悟一家を暖かく受け入れるが、一人の老婆が遺体で見つかり、大悟は村の異常性に徐々に気付き、ある疑念に囚われる…。 「この村の人間は人を喰ってる」──。 次々と起きる事件、村に充満する排除の空気、一息も尽かせぬ緊迫感で放つ、驚愕・戦慄の“村八分”サスペンス堂々開幕!!

衝撃のラストからの続編希望

巻数もそこまで多くない(13巻)なので一気読みにふさわしい作品でした。 まるで一本の映画をみているような充実感がありました。 人を食べていると噂されている村。 そこに赴任した駐在が主人公。 村には後藤家という権力者が君臨していて・・・ というだけで、なんとも物語に期待値が高まりますよね。 こういう限界集落の村意識、外部から断絶していることで、社会の非常識が常識になってしまう感じゾクゾクします。 物語としては、主人公は人食いの謎・村の秘密をおいつつ、その過程で村といざござが起きたり、家族が狙われたり、最終的には娘が人食いの生贄にされ・・・という流れ。 この村の背景、なぜこんな因習が起きたのか?後藤家とは? そういったことも、少しづつ明らかになっていて、続きが気になり先へ先へとすすめてくれます。 個人的にグッときたのは、こうした古い慣習を終わらせるのが若い力、新しい命という点。 暴力による破壊も、根底には次代に残さないという強い意志と愛によるものだと感じ、こうして悲しみの連鎖は断ち切られていくんだなと思いました。 キレイに終わって、村も人間関係も少しづつ立ち直っていくかと思ったら、まさかのラストです。 (これはぜひ読んで欲しい。ヒエーってなりました。) まだ続きそうな雰囲気?だったし、個人的にはぜひ続いてほしいなと思いました。 数年後、主人公の娘や後藤家の子孫が主人公になったら胸アツです。

六文銭
六文銭
ちのわだち
血の轍
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あらすじ

「惡の華」「ハピネス」「ぼくは麻理のなか」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏が、ついに辿り着いたテーマ「毒親」! 母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。母・静子によって。狂瀾の奈落へと! 読む者の目を釘付けにせずにはおけない、渾身の最新作!!

毒親サイコホラーここに極まる

押見修造の最新作。 男子中学生の主人公に対して過保護すぎる母親(美魔女)が、彼に強く関わってくる周囲の人物(いとこや同級生女子)を「私だけいればいい」とばかりに排除し、「自分だけを頼り必要とするかわいい私の息子」を病的に保とうとする。たとえ結果的にその行動が常軌を逸していても・・。 雑誌スペリオールで連載を追ってるんですが、ほぼ毎回毎話「ひぃぃぃいいっ・・!!」って言いながら読んでます。 これが、超楽しい。はー、好き。 もうほんとヤバおもろいんですが、人間による静かな恐怖の感情をこれでもかと煽ってくる迫力ある演出は押見先生、ここにきて明らかに次の次元に突き抜けてます。 ページめくるごとに不穏さが増していってゾックゾクします。 ジャンル的にはサイコホラーにでもなるんでしょうか。 いや、でもただの毒親っちゃ毒親なだけだし・・。 『血の轍』を読んだ印象だけで言うなら顔、そして影、からの顔、さらに影、極めつけの大ゴマ顔ドアップ、唇、くちびる!です。 そして読んでいるとなぜか母親の声が実際に聴こえてくるようなんです。 吐息がかかるくらい近く耳元でささやくような、呼吸音さえも聴こえるような少し低音も混じるくらいの、いいヘッドホンで映画観たときのような立体感ある声が。 なんなんでしょう、この生々しい不思議体験。 そして母親ですが、そこに居るのは母親でありながら一人の女なんですよ。 「女」をなぜか感じさせてしまうエロティシズムみたいなものがねっとり漂っているんです。 母親なのに!悔しい!! 『クレヨンしんちゃん』のみさえに母は感じてもエロさは感じたことないのに! 息子をどうしたいんだよちくしょう! まあでもよく聞きますよね、母にとって息子も一人の男だからそれを奪う何かに嫉妬してしまうみたいな話。 この話はきっとそれが振り切ってるだけなんです。 この漫画がいいのは、母親がただの化物に成り下がっていないところ。 なにか、そうしていなければ自分自身を保てないほどの何かがおそらく過去にあったんだろう、ということが随所に垣間見える悲しきモンスターなのです。 もしかしたら止めてくれる誰かを待っているかもしれませんし、それこそが救いになるのかもしれません。 まだ3巻。 今後どうなっていくのか、ひーひー言いながら生暖かい視線で見守っていきたいところです。

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
むすめのともだち
娘の友達
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あらすじ

家庭では「父親」として、会社では「係長」として、「理想的な自分」を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である美少女・古都との出会いにより、彼の人生は180度変化する。社会的には「決して抱いてはいけない感情」に支配されながらも、古都の前では自己を開放でき、社会の中で疲弊した心は癒やされていく……。「社会」のために「自己」を殺す現代社会へ鋭く切り込む、背徳のサスペンスが幕を開ける。

悩めるリーマンに捧ぐ 全俺が泣いた

サラリーマンが娘の友達のJKと恋愛する話。 設定だけだと未成年との淫行問題で、やいのやいの言われそうだけど、この話は主人公のリーマンがいたって常識人だ。 それが悪いこととわかっているから、決して一線を越えようとしない。 まぁ、どっちがリアルなのかわからないけど(普通は、おっさんが女子高生に言い寄られたら、ノールックでいってしまうんでないの?) 主人公晃介はサラリーマンとしては優秀だが、仕事一筋で家庭を省みなかった結果、娘はひきこもりに。 その優秀な面も個人としての能力が優れているだけで、部下のコントロールがうまくない。いつも損な役回りを引き受けているという、典型的ないい人だ。 良き父として、良き上司として、理想の姿を無理してつくろっている。 仕事も家庭もいっぱいいっぱいな中、出会ったのが、娘の友達古都。 彼女といても、何一つ理想を押しつけてこない、自分が自分らしくいられることに安らぎを得て…という流れ。 全俺が泣いたのは、JKとの、この背徳な恋愛に純愛の姿を見つけたところではない。 3巻最後、添付画像にある晃介の慟哭だ。 誰かの期待に答え続けて、自分をすり減らして、すり減らして、すり減らして・・・ 絞り出した言葉 「父親でも、課長でもない俺は、いちゃいけないのか?」 もうこれね、泣きますよ。全俺が。 期待に応えられなきゃ存在しちゃダメなのかと。 エゴしかない社会で、要領悪く真面目でいい人が損をする社会。 そんな中で、安らぎを求めてはいけないのですかね? たとえそれが悪いことでも、ダメなんでしょうか? そうでなければ、誰が救ってくれるんでしょうか? 娘の友達とのイケナイ関係ばかりに焦点いきますが、本当は晃介のように疲れ切ったサラリーマンこそ共感できる作品だと思います。 今後、二人の関係が社内に暴露されてしまうような展開がおきそうで、晃介からますます目がはなせません。

六文銭
六文銭
なつめあらたのけっこん
夏目アラタの結婚
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あらすじ

これは、最も一線を越える「結婚」!! 児童相談所に勤務する夏目アラタは、結婚に夢など抱いていない30代・独身。彼はある日、担当児童・卓斗から「父を殺した犯人に代わりに会って欲しい」という依頼を受ける。犯人の名は品川真珠。【品川ピエロ】と呼ばれる有名連続殺人犯だった…!!

モンキーピーク
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あらすじ

社員の結束を高める為の、登山レクリエーション。雄大な自然を感じる爽やかな山は、夜と共に惨劇の舞台と化す!藤谷製薬36名が体験した、未体験の悪意とは…!?凍牌の志名坂高次が初の原作を手がけ、俊英・粂田晃宏が入魂の筆致で迫る。戦慄と衝撃の山岳パニックホラー開幕!!

あおのくんにさわりたいからしにたい
青野くんに触りたいから死にたい
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あらすじ

君に触れるなら、死んでもいいよ。これがわたしの愛なんだ。アフタヌーン公式サイト「モアイ」掲載の1話が300000PV突破! 話題の「青野くん」がついに単行本化! 天然少女・優里ちゃんと、その彼氏・青野くん。ごく普通のお付き合いをしていたふたりだが、ある日突然、青野くんが「いなくなって」しまう……。絶対に結ばれないし、触れ合えないふたりの、でたらめで切実すぎるラブ・ストーリー。

2017年からずっと一番好きな漫画

この作者はいわゆる天才なんだと思う。 いつも年末にその年一番良かった、好きだった漫画は何かを考える。 でも結局いつもよく分からなくなりそこから数か月経って、これかもしれないなーというのがふわっと浮かび上がってくる。 それが2017年は『青野くんに触りたいから死にたい』だった。 天然で思い込みが激しいタイプの女の子・優里に青野くんという初めての彼氏が出来るが二週間後に事故で亡くしてしまう。 優里は絶望し死のうとすると、幽霊になった青野くんが現れ…。 という始まり方で、これは一風変わったラブストーリーなのかと思った。 ところが読んでみると、とんでもない、そんなところじゃ収まっていなかった。 女の子の方のタガが外れているので何をしでかすか分からないドキドキ感と、青野くん本人も自覚していない隠された秘密が少しずつ露呈していく描き方がたまらなくゾッとする。 ピンク色イチャイチャからのゾッ、これがたまらない。 黄金比だ。 そして、異常事態を許容してしまうタガが外れた女の子優里ちゃん。 ここには人間の怖ささえある。 この漫画には、論理で捉えられない人たちの逸脱した思考・行動の怖さのようなものがずっと漂っていて、頭で理解できない本能的な部分にこそ恐怖を訴えかけてくるのだ。 なんかよく分からないけど怖いってやつ。 でもこれはホラー漫画では決してない。 1人の女子高生の繊細な恋心と仲間たちの感情の機微、つまりは青春を描いた漫画なのだ。 大好きだ。 この漫画が好きな人には是非、映画『イット・フォローズ』も観てほしいし、『イット・フォローズ』が好きな人にはこの漫画を読んでほしい。 ----------------------------- 追記 2020.07.04 話が続いていくほどに怖くなるこの漫画がなんでこんなに怖いんだろうと考えるんだけど、恐怖の根源ってそもそも理解が及ばないものということに気づいた。 昔から人間は理解できない自然現象や見えないけど確実に存在するもの、光や闇などを神とか悪魔とかの所業として畏敬や恐怖を感じていたから、それに近い気がする。 そこに厳然たる理論が横たわっているはずなのに、自分の理解ではどうにも分解できなくて考えが追いつかない感覚。 僕たちには理不尽にすら感じる霊との関わりの中で、ミオちゃんらの協力で少しずつ法則性が見えてきて恐怖が緩和されてきたようにも感じる。 恐怖に対抗する武器は理解なのかも。 自分自身の読解力のせいかもしれないけど、物語から作者さんの意図を読みきれないのが素晴らしくて、対談相手に『青野くん〜』は切り分けられずに様々な感情が付随して描かれていると言われたのに対して、 「私は、境界線を引きたくないんです。明確に境界線を引くって、何かを切り落とすってことだと思うから。そうすると、解像度が下がるので。」 と言っていて、すごく腑に落ちた。 漫画って線画のように、いかに現実の場面から情報量を減らして伝えたいものを画面に落とし込んで伝えられるかっていうメディアだと思ってたんだけど、それは線画の話であって、感情の話ではない。 一般的にデフォルメされた絵柄の漫画で語られる内容は絵柄に比例してシンプルなものが多いので、思えば『青野くん〜』の絵柄もそういう前提で読んでしまってこの感情の解像度の高さとのギャップに面食らってしまったのかもしれない。 当時テレビ放送時に『魔法少女まどか☆マギカ』にも驚いた記憶がある。 作者が感情ではなく理の人だと分かって、それ故に客観視されたような感情の言語化が果たされているのかと。 『青野くん〜』が三幕構成の話で、「キスを返して」までが一幕、『四つ首様編』までが二幕。 二人と仲間たち、どういう結末に向かっていくのか楽しみで仕方がない。

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
テセウスの船
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あらすじ

1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童含む21人が毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。

どちらかというと『テセウスの船』というより『動的平衡』じゃない?

時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。

mampuku
mampuku

ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても楽しめる

小生、僕だけがいない街とか、タイムスリップ✕ミステリー・サスペンスが好きなんすよね。 事件を理解しているから修正していく要素も、結果として現代に影響を及ぼしてしまうのも、ほんのりロジカルな感じがいいんです。 本作も1巻読んで、これ超好き!と思っていたので、完結まで待ってました。 「待っている」理由は、至極単純で、ミステリー・サスペンスものは読み始めたら最後まで一気に読みたいんですよね。 じゃないと、毎回先が気になって発狂してしまう恐れがあるので。 (こういう方、多いと思います) テセウスの船も同様に、寝かせて楽しみの熟成をしていました。 まさか完結して速攻ドラマ放映とはね、やられました。 そんなの両方気になってみてしまいますよ。 そして、そのドラマの出来のいいこと。 (あんまりドラマ見ない勢だから、目が肥えてないだけかもですが。) 原作と犯人をかえるとかいう噂もあって、 結局、先が気になって発狂してしまう運命は避けられなかったです。 両方みているものとして、違いとしては原作のほうが犯人わかりやすかったなと感じました。 ドラマよりも怪しい雰囲気の人物が他にいなかったし、真犯人に関しても想像ができてしまいました。 そういう意味での驚きは少なかったのですが、とはいえ、最後にどういう終わり方するのかは予想もできなかったし、結末に関してはある種のカタルシスを得られました。 爽快感とは違うのですが、納得感というか満足感というか。 テセウスの船というパラドックスを使う意味も、最終話で再度納得した始末。(彼が、違う人になったのかどうかの疑問も含めて示唆してますね。) また、ミステリー要素だけでなく、本作は家族の描き方もいいですね。 こちらもドラマの影響が大きいのですが、家族が思い支え合っている姿に何度も心救われました。 犯人を追い詰めるハラハラする面も、家族の絆を描いたヒューマンドラマでほっこりする面も、両面で十分に楽しめる内容だったなと思います。 メディアミックスで相乗効果を得られた好例の作品ですね。

六文銭
六文銭
ゆきおんなとかにをくう
雪女と蟹を食う
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あらすじ

金も行き場もない男・北は、自殺を図るが、どうしてもあと一歩が踏み出せずにいた。ある日、テレビのグルメ番組を観て、「人生最後の日は北海道で蟹を食べたい」と思い立ち、強盗を決意する。高級住宅に押し入り、人妻に金を要求するが、彼女の行動は、全く予期せぬものだった――。

三十路美女に転がされる楽しさと絶望のスパイスがいいバランス

例えば『からかい上手の高木さん』のアダルト版のような良さがある。 色気のあるタッチ、夏の暑さを感じさせる温度感、どこか涼し気な美女、手玉に取られてしまうちょっとダメな男性。 なんでだろう、吸い付くように読んでしまう。 余裕と少しの陰がある三十路美女にダメな自分の欲求を見透かされて気持ちよくコロコロ転がされたい男性諸君は読むべし。 主人公(男)が人生めちゃくちゃになって自殺する前に蟹食べたくなったけど金無くてセレブ妻脅したら逆にマウント取られてなぜか一緒に蟹食べに車で北海道に向かうちょっとエッチで闇が垣間見えるロードムービー的なお話。 女性が描いてそうで実は男性が描いてるのかなと思ったら、ちゃんと女性が描いているという部分になんでだか妙に興奮してしまう。 ここで出てくる美女は意識的にか、なんでも許してくれちゃう「嘘のような」母性を見せてくれるし、男性のすべてを見透かし幼稚な欲求さえも叶えてくれるミューズを演じてくれてるので、非常に性的に消費しやすい。 だからこそ、達観したような全く見えてこない本心の部分にやきもきしてしまうし、何が目的か分からないミステリアスさにもんもんとさせられるが、それも気づけば目の前の性欲にかき消されてしまう巧妙さもある。 この女の前だと男はみんな、なんだかよく分からないけど事態は進んでるし気持ちいいからいっか、みたいに思考をスポイルされてアホな感じになってしまう。 この美女は凄まじく出来た女なのだ。 果たしてこれは、上手く行ってない旦那への憂さ晴らしなのか、自分だけを見てくれる純情青年の新鮮さ、嬉しさから振り回しているのか、今後の展開で描かれていくかと思うと楽しみだ。 「幻想ですよ、三十路の女に貞操観念なんて・・」 序盤で事後に出るこのセリフのすごいのは、金の為に強盗した男が人妻と半ば無理矢理にセックスした罪悪感を(じゃあいいか、と)軽減させる謎の効果があることと、ここまで肝が座ってるこの女はなんだか普通じゃないぞ、思わせてくれてワクワクすることだ。 このあたりから毒のようにじわりじわりと効いてきて気づいたらいいように気持ちよくマウント取られて自分では舵を切れなくなってしまっている。 死ぬための旅だと忘れて読んでいてエッチなシーンでドキドキしながら感情移入していると、たまに旅の終わりの死に向き合ったときにとんでもなく気持ちが落ちるので、その感情の落差で頭がクラクラする。 しかしエッチなシーンではどうしても感情移入せざるを得ないので、引き込んで一緒に落とすというすごく上手な作り方だなーと思った。 この手法ってホラー映画でよくある、序盤で若い男女がエッチなことしてると殺人鬼に殺されるみたいなベタなあれと同じ効果なのかもしれない。 それにしても、こんだけ肉体的にも精神的にも良くしてもらったらそこらの男は簡単にコロっと好きになっちゃうわけで、でも相手には世間的に成功している立派な旦那がいるのに比べて自分は北海道にゴールして蟹食ったら自殺するわけで、そして好きになった美女は旦那のもとに帰ってしまうということを考えると、死んでも死にきれないというか、なんて残酷なんだ、と。 もう、恋と性と愛と性と嫉妬と絶望と憧憬と性がぐちゃぐちゃに混ざっていて混乱しまくりの楽しさがあります。

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
ぼくはまりのなか
ぼくは麻理のなか
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あらすじ

友達が一人もいない大学生の≪ぼく≫の唯一の楽しみは、コンビニで見かけた名も知らぬ女子高生を定期的に尾行すること。いつものようにその娘を尾行していたら突然記憶が飛び、≪ぼく≫はその娘のベッドで寝ていて、≪ぼく≫はその娘になっていた。その娘は≪麻理≫という名だった――。

とーきょーぐーるりますたーばん
東京喰種トーキョーグール リマスター版
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あらすじ

【雑誌掲載時の著者カラー原画を収録したリマスター版!】“東京”には、或るひとつの「絶望」が潜む…。群衆に紛れ、人間を狩り、その死肉を喰す怪人、人はそれを「喰種(グール)」と呼ぶ。青年が怪人に邂逅したとき、数奇な運命が廻り始める──!

ひゃくまんじょうらびりんす
百万畳ラビリンス
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あらすじ

人と関わるのが苦手な礼香はゲーム会社でバグ探しのアルバイトをしていたが、ルームメイトの庸子と共に木造迷路に迷い込んでしまい!? ミステリーファンタジー!

2013年、多くの人の"想像"が拡がった頃

連載開始からもう11年も経ったんだなーと驚いたりショックだったりもするけれど、思い返すと10年代前半は漫画もアニメも「なろう」の波に押し流されないように必死だった時期でもあったと思う。 なんでか、なろう系に限らずだけどオタク文化は未だギリギリ悪いものとして扱われがちだった時代な気がする。ラノベも一部インフルエンサーにTwitterで酷評され続けていたり。多様性を受け入れられていない社会だったんだきっと。 今思えば慣れたよね、受け入れられないのカッコ悪いみたいな空気ができて。でもって今はまた本流に戻そうとしていたりする風潮も一部ようだけど、それはずっと一部なのだろう。 脱線しまくったけど、2013年に連載が始まったこのJDが迷宮に迷い込んでなんとかしていくマンガ「百万畳ラビリンス」はそこそこ異彩を放つ存在だった。 ファンタジー要素ナシで(異世界じゃない)、流行ってた俺つえーでもなくて。 かつ絵が上手い。 登場人物が可愛い(人外も含む)。 ゲーム大好きデバッガー(自分の世代だとその頃デバッガーバイトでやってたやつが珍しくなかった)な女子大生が主人公。 なにより、話がショートショートっぽくてとてもいい具合にキュッとまとまっていて、かつ壮大だったので当時一度読んだだけだったけどお気に入りだった。 #2巻で完結したマンガ としてマンバでまとめられているところで超久しぶりに出会えてすごく嬉しかったので改めて電子購入。

さいろく
さいろく
亜人
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あらすじ

「亜人」と呼ばれるその生物は「死なない」。高校生・永井圭はある日、交通事故で死ぬが、その直後に生き返った。それは、彼が亜人であり、人間ではないことを意味する。圭をとりまく環境は一変した。彼は人間たちから逃げ惑うことになる。友人のカイは、怯える圭を助けるために駆けつけ、ふたりで人里を離れて山の中に逃げ込んだ。そんな彼に人間と敵対する亜人たちが接触してきた。――彼は何と戦い、誰と生きればいいんだろう?

いぬやしき
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あらすじ

その男には誰にも言えない秘密がある!58歳サラリーマン2児の父。希望もなければ人望もない冴えない男。しかしある日を境に男のすべては一変する――。『GANTZ』で漫画表現の極地を切り拓いた奥浩哉がおくる、全く新しい世界がここに!

みえるこちゃん
見える子ちゃん
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あらすじ

ある日突然、普通の人には見えない異形な存在が見えるようになってしまった「みこ」。彼女は彼らから逃げるでもなく、立ち向かうでもなく…精一杯シカトしつづける事に。怖いようで怖くない、新感覚ホラーコメディ!

ばすたぶにのったきょうだいちきゅうすいぼつき
バスタブに乗った兄弟~地球水没記~
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あらすじ

見渡す限りの水面! 迫りくるサメ! パニックに襲われる人々! 17歳の誕生日の朝、大嫌いな引きこもりの兄・夏生と共に、水没した街をバスタブひとつで漂流することとなった春生を待ち受ける運命とは――!? 「絶望の犯島―100人のブリーフ男vs1人の改造ギャル」で名を馳せる鬼才が満を持して放つ壮大なる叙事詩がここに開幕!!!

いとうじゅんじけっさくしゅう
伊藤潤二傑作集
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あらすじ

伊藤潤二傑作集の第1弾は、ドラマ化・映画化にもなった『富江』。デビュー作にして代表作。これを読まずして伊藤潤二を語ることなかれ。

くろはくぶつかんごーすとあんどれでぃ
黒博物館 ゴーストアンドレディ
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あらすじ

ロンドン警視庁の犯罪資料館「黒博物館」に展示された“かち合い弾”と呼ばれる謎の銃弾。ある日、それを見せてほしいという老人が訪れたとき、黒衣の学芸員は知ることになる。超有名な「お嬢様」と、「もうひとり」が歴史的大事件の裏で繰り広げた、不思議な冒険と戦いを…! 藤田和日郎の19世紀英国伝奇アクション超待望の第2弾、ここに開幕!!

ほくほくせいにくもといけ
北北西に曇と往け
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あらすじ

舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。3つ、その職業は、探偵――。あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、またあるときはひと目ぼれの相手を探し出す。愛車ジムニーを駆りながら、胸のすくような探偵活劇が、いま始まる!若き魔法使いの成長を描いた『乱と灰色の世界』から2年。入江亜季の最新作は極北の大地が舞台の“エブリデイ・ワンダー”!!

しんあいなるぼくへさついをこめて
親愛なる僕へ殺意をこめて
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あらすじ

「人生は楽しんだもん勝ち」がモットーの大学生・浦島エイジ。だが彼は、人には言えない“過酷な運命”を背負っていた。その現実と向き合った時、彼は惨劇に巻き込まれていく―――。

羊の木
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あらすじ

ギャグ漫画の巨匠2人が奏でる「不安」「願望」そして「笑い」の先にある物語!――とある日本の地方都市が、犯罪を犯し刑期を終えた元受刑者を地方都市へ移住させる政府の極秘プロジェクトの試行都市となる。市長は一般市民には何も知らせずに元受刑者の過去を隠し転入させるというこの更生促進事業を受け入れた。移住するのは、凶悪犯罪を犯した11人の元受刑者。はたして、このプロジェクトの行方は!?貴方の隣人が凶悪犯罪を犯した元受刑者だったら。罪償いし者達と罪未だ犯さざる者達の輪舞!ここに開幕!