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名無し
2021/01/02
割れ鍋に綴じ蓋ならぬ作りすぎに完食系
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題名でほぼ完ぺきに話の中身が予想できてしまう 面白くて美味しいコメディ。 ほのぼの系というか癒し系というか。 しかし日常系ではないな。 だって、 ・綺麗な可愛い妙齢の女性が ・アパートの隣の部屋に一人暮らしをしていて ・美味しい料理を作れて ・必ずつくりすぎてしまう というのは、日常ではかなりありえなさそう。 特に最後の「必ずつくりすぎる」が(笑) 現実にありえそうなのは上記の4条件のうちの 2つくらいなんじゃないかな。 そういう意味では結構ありえない話なんだけれども、 食事はだれかと一緒に食べるほうが美味しいし、 自分の作った料理を美味しそうに食べる人の顔をみたり 美味しい料理をふるまってくれる人の顔をみれば なにより幸せな気分になるのは間違いない。 実は色々とありえない設定ではあるが、 その点をついていることで 確実にこの漫画は読者の心をとらえる。 共感できる、そう思う。 自己紹介より先に料理を渡しあったり、 最初は隣の部屋から同じ料理の匂いがすることだけで 嬉しかったり、それが互いの顔を見ながら食べる仲になったりと ちょっとじれったい速度で距離感が縮まっていくのも ほのぼのしつつ面白い。 まだ2巻までしか読んでいないが、読みながら 「これ、男女のキャラが逆でも面白かったのでは?」 とか 「お酒が絡んできても面白いんじゃないか?」 と思ったりしたのだが、すでにちゃんと? 「自炊男子に不器用な恋してます。」 「ハッピーアワーガールズ」 とかの作品もあるんですね。 これら、絶対にそういう方向の漫画だろ(笑) そっちも読んでみたいと思います。
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
2020/12/31
柔らかく刺をくるむ白の短編集
紺野キタ先生のこちらの短編集は、一冊通して驚きの白さ。画面もそうなのだが、描かれる心も、刺々しい感情を受け止めたり、誰かを思う心を届けたり、苦しみから解き放たれたりといった、優しさと繊細さの白。 柔らかさ・吸収力・伸縮性で、溢れる心を受け止める。そんな感性に包まれた一冊だ。 ●『cotton』…気難しい義妹の女子高生に懐かれ、彼女と向き合う事になる女性。もどかしい子供の心、反抗心と傲慢さ、それと向き合う困難と真摯さ。共に笑い、喧嘩して時に泣き、寄り添う二人の信頼関係が胸に染みる。 ●『生物I』…弱くて群れの中で迫害される少年は、優しい。彼の側に立った少女は彼の心と触れる。 ●『朝の子ども』…結婚と仕事の狭間で悩む女性は、大人を一日休み。 ●『手紙』…引っ越した友達に手紙を出したいのに、どこに行ってもポストが無い! ●『残夏』…本家のバーサンからメールを貰うじーさん。バーサンの死と共に、真実を知る。 ●『telephone』…電話越しに悲しみを共有する子を、側から見る現実感。 ●『under the rose』…母の死と共に異母姉と暮らす。複雑な感情と共に、誰にも内緒の関係を築く。 ●『放課後』…友達を迎えに来る、彼女の声を追ってしまう。
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
2020/12/30
子供の夢には、もう留まれない。
母を亡くして心を閉ざした9歳の凛々(りり)は、叔母・のばらの元に預けられる。不思議な感覚の中に住む凛々が、周囲の理解によって心を開いていく過程を描きながら、次第に物語は、叔母・のばらの過去と内面を描き始める。 凛々の母・ゆりかは、のばらの双子の姉妹。感覚も感情も共有していた二人の幼少期の安心感・楽しさ……それを抱き続けたまま大人になったのばらの、ゆりかへの愛着は重い執着となり、痛々しい。 のばらの想念が捻じ曲がって凛々に向かう、息苦しい後半。同居人の麻耶との、まるで時間のかかる認知行動療法を一気に行うような対話。のばらの感情の起伏に、心を揺さぶられる。 童話、魔女の家、幽霊、不思議な双子語……子供の為の世界=アジールをふんだんに描きながら、いつまでもそこにはいられない、という現実を残酷に描く物語。それでも何回も読みたくなってしまうのは、そこに沢山の優しさと美しさがあるからだろう。 (本作は百合作品枠で紹介されることがありますが、のばらと麻耶の関係よりは、双子の強すぎる絆と、そこへの囚われという『双子百合』と捉えると良いと思います。甘いのはありません)