おせん 和な女
茨城の水戸で創作ビストロのシェフをしていた荒井光治は、東京のフレンチレストランに憧れ、自信満々に上京を決意。それを聞いた常連客の河村は、【ガストロノミ―】が料理の最高峰と信じていた彼を、《とある居酒屋》へと招待する。後日、荒井が連れられて行ったのは、緑が残る武蔵野の片隅に佇む古民家だった。小さな女の子に案内され、噂にたがわぬ美人女将・おせんと対面。店の設え、立地、雰囲気に圧倒される中、最初に饗された料理は「枝豆、漬物、煮貝」……そんな居酒屋メニューに期待を削がれた感じの彼だったが、それは若きシェフが心尽くしのおもてなしと「和食」の奥深さを痛感する序章であったのだ――。電子限定カラーイラスト収録!!
おせん 真っ当を受け継ぎ繋ぐ。
おせん、新装開幕!一升庵に舞い込んだテレビ局の取材依頼――。若き料理人達との、山菜採り――。2つの難題に、おせんの五感が冴え渡る!“視聴率の神様”と称されるプロデューサーの手がけるテレビ番組、そこで紹介されるお店の候補に挙がった一升庵。出演交渉を兼ねて取材にやって来た番組スタッフから、視聴率のためにあれやこれやと注文を受けたおせんは……?現代(いま)だからこそ伝えたい、人と食を真っすぐ繋げる珠玉の物語。