ゴールデンカムイ
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あらすじ

『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!

一生、ナコルルに支配されるはずだった僕のアイヌ知識を更新してくれた

僕と同世代でゲームに夢中だった人間は、少しだけアイヌ語を知っているものです。「アムベヤトロ」とか「アンヌムツベ」とか、意味は全くわからなくてもなんとなく言えてしまうのは、格闘ゲーム『サムライスピリッツ』の美少女・ナコルルのおかげなのです。このままでは一生、ナコルルに支配されるはずだった僕のアイヌ知識を更新してくれたのが『ゴールデンカムイ』です。  『ゴールデンカムイ』の舞台は日露戦争直後の北海道。主人公である杉元は、一攫千金を狙って砂金掘りをしています。戦争中、鬼神のような戦いぶりから「不死身の杉元」と呼ばれた杉元が、なぜそのようなことをしているかというと、戦死した親友の妻の病気を直すため、どうしても大金が必要になったのです。  そんな杉元に、酔っ払った男が北の大地のどこかに隠された「金塊」の話をします。そして、大金の隠し場所を示した暗号が、網走監獄から脱走した死刑囚の身体に刺青として掘られていることも…。酔が覚めた男は「しゃべりすぎた」と杉元を殺そうとします。そこで杉元はこの話が与太話ではなく真実であると確信し、謎を追うことになります。  杉元の相棒となるのがアイヌの少女アシリパ。彼女の父は「金塊」のために殺されていて、その仇を探しています。アシリパのアイヌ猟師としての知恵と知識と、杉元の不屈の精神で、彼らは北の大地を巡っていくのです  それにしても『ゴールデンカムイ』の良い所は次から次に話が展開していくところですね。3巻の時点で杉元が戦った相手は熊→熊→囚人→屯田兵→集団屯田兵→熊→ベテラン猟師…大自然の脅威から新撰組まで次々と二人に襲いかかり、それを知恵と勇気で乗り越えていくのです。  『ゴールデンカムイ』にはサスペンスとド派手なアクション、異文化の知識と、面白い要素がたくさん詰まっています。中でも料理漫画としての要素を見逃してはいけません。戦い、追い、逃げる二人はとにかくよく食べます。鹿や熊はもちろん、兎やカワウソまで、捌き方から料理法まで詳しく書かれていて、なんだかとても美味しそうなのです。  脳みそから目玉までおいしく頂くアイヌの料理に戸惑う杉元や、味噌がうんこにしか見えないと拒否するアシリパさんの異文化交流ぶりも楽しく、料理が『ゴールデンカムイ』という作品の壮大さにもつながっているのです。  厳しい自然との戦いや、骨太のサスペンス、それていて生活感があるという『ゴールデンカムイ』不思議なエンターテイメント巨編なのです。

名無し

電子版は見開きで読めるデバイスを!

ストーリーはいろいろな方が書かれているので、私が気づいた読む環境についての感想。 電子版が無料公開されたときに初めて読んだ。 でも絵柄が嫌いなわけでもないのに何故か読みづらく、第一話を読み切ることなく挫折した。 自分でも何が起きたか理解できなかった。アニメはおもしろいし、趣味が合う友達は絶賛している。おかしい。 しばらくして気づいた理由が、スマホから1ページずつ読んでいたこと。 「ゴールデンカムイ」は、本誌連載時に近い環境のほうがたのしく読めるマンガなのだと思う。 見開きでバババン! めくってドドン!! しばしば、のびのびと、かつ迫力がある描き方をされているので、1ページずつ読む場合は見開き展開の魅力も、付随するストーリーも、いろいろとパワーダウンしてしまうようだ。 タブレットを使い、2ページ見開きにして読める環境にしてみたら、今度は読み止まらなくなった。 今はくつろげる時間とはいえ、他にもやりたいことはあるのだよと無理やり、きりは良くないけど、きりが良いところと思い込んで、読み止まることができた。 ゴールデンカムイ、恐ろしいマンガ! まだ未読の方は、できれば紙版を。 難しければ、電子版は2ページ見開きで、余裕を持って読めるデバイスから読むことをおすすめします。 話がブツ切れにならないうえ、迫力が増します。

ゆゆゆ
ゆゆゆ
ザ・ファブル
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あらすじ

“寓話”と呼ばれし、風変わりな“殺しの天才”が、この町の片隅にひっそりと棲んでいる──。殺しのプロとして“一般人”になりきれ! 野蛮で、滑稽な、大阪DAYS。『ナニワトモアレ』&『なにわ友あれ』の南勝久、銃撃最新作!!!

薦められて絶対に損しないマンガ

裏社会ですら都市伝説と言われている伝説級の殺し屋「ファブル」が、1年間の休養を大阪で命じられ、「一般人」として一般社会に紛れるが・・。 裏社会のごたごたに巻き込まれてしまうシリアス部分と、日常の肩の力が抜けきったコメディ部分のアンバランスさがたまらなくいい塩梅。 緊張と緩和でそれぞれのシーンがいい振り幅になっていて、より楽しめる。 ファブルが常人離れして強いとはいえ、描かれる強さはバキなどのような誇張された過剰なものではなく、壮絶な訓練の末に人間が辿り着けるであろう極致。 単純に強いというか、一つ一つの所作から技術、意識、感覚まで練度MAXにしている感じ。 なので、スーパーマンとまではいかないが、普通の殺し屋程度では赤子の腕を捻るレベルで強いので、見ていて爽快感がある。 策を弄してファブルを追い詰めようとするも、簡単に破られてしまうという快感は、振って振ってワンパンで倒してしまう『ワンパンマン』にも近いものがある。 そんな凄いファブルも、一般社会に入ると一転して「一般常識を知らないちょっと変わったお兄さん」扱いで、その世間知らず具合が程良くてプププっと笑けてくる。 これが絶妙でたまらない。 話のテンポ感や、どこかあり得るかもと思わせる妙なリアリティ、生き生きした登場キャラの人間味など、どこを取っても素晴らしい作品。 最初に、台詞のあの伸ばし棒部分「―――」を語尾が伸びてると認識して読んでしまっていたのが痛恨のミス。 ただの間として表現されていたものなのでそう遠くはないのだけれども、今から読み人はご注意を! これはこれでみんな、だら~っと話しているみたいで味わい深くていいんだけどね…、もう戻れないよ・・。

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

映画パート2公開 間近!

何回読んでも面白い。 小難しい内容・展開もなく、テンポも良いのでサクサク読めるのが特徴。 主人公は、強すぎて伝説と化した殺し屋「ファブル」(もしくは組織の総称)が、1年間休業して一般人として日常生活を送ることからはじまる。 ただ、裏社会にいた人間がそう簡単に一般人と同じ生活ができるわけもなく、生活の支援を受けているのが大阪のヤクザ「真黒組」ということからも、色んなゴタゴタに巻き込まれていくという流れ。 ファブル・・・一般人としての名は佐藤明の、殺し屋としては天才的だが、常識的なことに関しては所々欠如しているため、少し変わった性格が素朴な人柄を生み出し、バトルの時とのギャップがたまらなくいいです。 特に、どんな相手も「瞬殺」という超強い設定が、みていて爽快なんですよね。 俺TUEEEとも言える設定ですが、力を誇示するわけではなく、 時にプロとして、時に大切なものを守るため、ただ淡々と処理していく感じが、変に飾らなくてまた格好いいんです。 プレゼンのうまい営業マンというよりは、職人っぽい感じ。 強すぎるゆえに相手を、自然に威嚇する感じも、またよき。 (添付のコマ画像参照。一生に一度は言ってみたいセリフ!) 映画がパート2公開間近ということで、再度読み直しましたが、やっぱり面白いです。 明、カッコよすぎです。

六文銭
六文銭
だんじょんめし
ダンジョン飯
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あらすじ

九井諒子、初の長編連載。待望の電子化!ダンジョンの奥深くでドラゴンに襲われ、金と食料を失ってしまった冒険者・ライオス一行。再びダンジョンに挑もうにも、このまま行けば、途中で飢え死にしてしまう……。そこでライオスは決意する「そうだ、モンスターを食べよう!」スライム、バジリスク、ミミック、そしてドラゴン!!襲い来る凶暴なモンスターを食べながら、ダンジョンの踏破を目指せ!冒険者よ!!

ダンジョンに潜る彼らは一体何を食べているのかという疑問に真正面から取り組んだマンガ

いわゆるゲーム世代の私ですから、ゲームの約束事にいちいち目くじらをたてたりすることはありません(アニメキャラの弓の構え方にはうるさいが)。とはいえ、長時間RPGをプレイしてハイになってくると、いろいろと野暮な疑問がでてきます。その中でも一番は、やはり「女戦士の鎧がなんであんなに露出度が高いのか」なのは間違いないとして、「あいつら一体何を食べていやがるのか?」もかなりランクが高い問ですね。何日も何日も草原を歩き、ダンジョンに潜る彼らは一体何を食べているのか(そのあたりを少しリアルにしたゲームをプレイすると、必然的に餓死が増えるのでとても陰惨な気持ちになります)。  そんな疑問に真正面から取り組んだのが『ダンジョン飯』。作者は「竜の学校は山の上」などファンタジーとリアルの心地よく融合した作品を数多くかかれている九井諒子。この『ダンジョン飯』も例外ではなく、良い塩梅にリアリティがあるのです。  ストーリーは、主人公・ライオスのパーティーがドラゴン相手に全滅しかかるところから始まります。間一髪で脱出魔法で逃げれたかとおもいきや、しかし、妹のファリンがみあたらない。どうやらドラゴンに丸呑みにされてしまったようです。この世界では死んでしまっても、死体があれば生き返ることはできるのですが、ドラゴンの胃の中で溶かされてしまっては難しいかもしれません。  消化が終るまでに助けに向かわなければいけないのですが、荷物は全て迷宮に置いて脱出してしまい一文無し。満足に食糧を買うこともできません。しかし、金策をしている間にも消化されてしまうかも…。  そんなジレンマを抜け出すライオスのアイデアが自給自足です。ダンジョンにモンスターがいるのなら、それを食べればいいじゃない。スライムだろうが、さまようよろいだろうが。  現実社会の我々でも「それはどうか」思いますが、この世界の住人にとってもモンスターを食べるというのは一般的ではありません。  しかし、妙に熱心なライオスに動かされるまま、キノコ型モンスターと大サソリを食べようとしますが、うまくいかない。そこに、モンスター食を実践してきたドワーフが現れ、現実的な料理法をライオスに教えくれるのですが…。  実際に調理シーンになると、完全にグルメマンガのノリです。サソリは切れ込みを入れると出汁が出やすい、キノコ型モンスターの足は特にうまい、スライムは天日干しにすると高級食材になる……そんな食材豆知識とともに、モンスターがおいしく調理されていくのです。第一話の料理は「大サソリと歩き茸の水炊き」。  ファンタジーの世界に寄り添ったリアリティが、雰囲気を壊すことなく新たな面白さを教えてくれる…そんな摩訶不思議なファンタジーグルメ漫画なのです。

名無し

初めて読んだ時の衝撃

大好きな作品の1つです。 九井諒子先生自体 「九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子」 で初めて知ったのですが、オチが予想できないというか、童話のようなハッとする発見があって、めちゃくちゃ感動したんですよね。 今まであまり読んだことないタイプの衝撃でした。 その後も「ひきだしにテラリウム」など短編をあさってましたが、いかんせん作品数が少なくて悶絶していた中で、 この「ダンジョン飯」が連載開始! ということで、1巻から小躍りしながら楽しんで読んでおります。 上記短編同様、独特の発想力が本作でも健在。 「ダンジョンで何を食べているのか?」 というゲームやっている人間なら誰しもがもつ疑問を 「モンスターを食べている」 という斜め横の展開を見せつけてくれました。 しかも、誰が参考にできるのか?と言いたくなるようなレシピまで載っている丁寧さに感服しました。 ここまで非現実的なことやっておいて、例えば、クラーケンについた寄生虫を蒲焼きにして食べて、その寄生虫に食あたりおこすといった、ごく普通に食中毒を起こす描写もあるので(モンスター食べたらどれも食中毒起こしそうだし)、謎のリアリティも出してくるから、より面白くなるんですよね。 神は細部に宿る と言いますが、細かい設定を丁寧に描いているから全体がまとまっている感じがします。 思い残すことといえば、 笑い飯がM1決勝までいって何度も優勝逃したように、ダンジョン飯もマンガ大賞に何度もノミネートされて結局とれなかったのが、個人的に残念でした。 それくらい斬新で面白かったのですけどね。 11巻で、物語も最終章?に突入とのことですが、最後まで目が離せない展開なのと、結局何が一番美味しかったのかライオスが総括してほしいなぁと思いました。

六文銭
六文銭
ぶるーじゃいあんと
BLUE GIANT
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あらすじ

ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。

BLUE GIANTシリーズの第1弾

なんかメディア化があるらしく、コンビニでもプッシュされていたので手に取りました。 あまり期待してはいなかったのですが、面白いですねこれ!!! 最初ちょっとなんでバスケ部のやつがサックス頑張ってるのかよくわからず、お前まずバスケがんばれよと思いましたが、途中からあまり気にならなくなりました。 音楽マンガというとシオリエクスペリエンスが好きで読んでいて、あちらは皆のがんばりを応援して感動して泣ける、という感じですが、こちらはなんか燃えてきて自分もやりたい!!!と思わせるマンガです。違った魅力がありますね!!主人公の大が、少し編集王のカンパチっぽい感じがあり、そこも好きです!! 特に良かったシーン3選 ・音楽の先生と文化祭に出たシーン ・オリジナル曲のファーストノートが完成したシーン(細かい音符で作っていたのを捨ててロングトーンに変えた) ・「玉田、お前を必死で支えてたぞ」(雪祈) けっこう音楽ものは音が出ない分、マンガにはしやすいと思うのですが、メディア化(ドラマでしたっけ??アニメ??)は音が出る分、かなり絶望的に大変なチャレンジだと思いますが、すごく面白い原作なので、制作の方はがんばってほしいです。 いずれにしましても、もっとみんなに読んでほしい作品です!!

酒チャビン
酒チャビン

音が聞こえる漫画と話題だそうです

ゆゆゆ
ゆゆゆ

読むと体が熱くなってきて上着を脱いでしまう漫画

吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
すきっぷとろーふぁー
スキップとローファー
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岩倉美津未、今日から東京の高校生! 入学を機に地方から上京した彼女は、勉強こそできるものの、過疎地育ちゆえに同世代コミュ経験がとぼしい。そのうえちょっと天然で、慣れない都会の高校はなかなかムズカシイ! だけど、そんな「みつみちゃん」のまっすぐでまっしろな存在感が、本人も気づかないうちにクラスメイトたちをハッピーにしていくのです!

ブルーピリオド
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あらすじ

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!

ワンパンマン
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あらすじ

一撃必殺! 強くなりすぎて、どんな凶悪な怪人もワンパンチで倒してしまうヒーロー“サイタマ”。平熱系最強ヒーローの伝説開幕!! WEB界のカリスマと超絶絵師タッグが贈る、日常ノックアウトコミック!!

にがつのしょうしゃぜったいごうかくのきょうしつ
二月の勝者 ー絶対合格の教室ー
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中学受験界に現れた最強最悪の絶対合格講師 2020年の大学受験改革を目前に、激変する中学受験界に現れたのは生徒を第一志望校に絶対合格させる最強最悪の塾講師・黒木蔵人! 受験の神様か、拝金の悪魔か? 早期受験が一般化する昨今、もっとも熱い中学受験の隠された裏側、合格への戦略を圧倒的なリアリティーでえぐりだす衝撃の問題作!

元塾講師が読んでも唸る実録受験マンガ

小生、学生時代に塾講師をしており、そこは本作と同様「中学受験」を中心にした塾でした。 そんな自分がこれを読んで思ったのは、 中学受験、マジでこんな感じです (太字で、最大フォント数にしたい) ということ。 もちろん、マンガなので多少の脚色はあるのですが、ますます加熱している中学受験業界なので、これくらい盛ってもほとんど一致していると言っていいのではないでしょうか? 「中学受験は親の狂気」 と本作で表現してますが、本当にそうなんです。 年端もいかない子供が、自ら勉強なんてやりますか? 絶対やらないですよ。 親が、それこそヒステリックに子供にやらせるんです。 親が全く関与しないパターンもありますが、 自分が見てきたなかで、その場合の生徒の特質は大きく2つ。 超天才か超バカ。(言葉汚くてすいません) 超天才は、勉強自体が好き過ぎて、ほっといてもずっとやるから、親も何も言わないんです。体調の心配くらいしかしない。 逆に、超バカは、塾を時間つぶしか遊び場にしているだけなので、親も勉強が目的ではないから放置なんです。 ただ、これは上位と下位の5%くらい。 残り90%の生徒(ってかほぼ全て)は親の干渉が、ものすっっっっっっっっっごいのです。 というか、親の受験といっていいくらい中学受験は親が主体なんです。 親が子供を徹底的に管理し導いていかないと、12歳くらいの子供は何も判断できないんですよ。 塾の費用も半端ないから(年間100万以上?)、親も気狂ったように子供と塾に圧をかけてくるのです。 それを称して、親の狂気 とはよく言ったものです。 今思うと、ホントにそうでした。 うなりました。 さらに、この作品がすごいのは、親と生徒のパターンが全網羅されていること。 自分も読んでて、つい昔の生徒思い出しましたもの。 このキャラは彼に似ているな、とか、フラッシュバックしましたよ。 ・教育に熱心な親/無関心な親 ・塾に従う親子/従わない親子 ・偏差値や学校のブランドしか興味ない親子 ・なにかのきっかけで成績が伸びる子・落ちる子 ・天才肌の子/努力家の子 ・兄弟で優秀な子と劣等生という差がある子 ・答えをみてズルする子 ・他人の脚を引っ張る子 ・周囲のせいにする子 などなど。 抱えている問題も性格も色々と異なる生徒に塾講師として相対する姿は、純粋に面白いです。 手を変え品を変え相手を説き伏せたり対策していく感じは「こういうやり方で対応するのね」と感服します。 また、主人公黒木は「塾は営利目的」「子供の将来を売る場所」と言いきっていますが、「教育」の名のもとに変に高尚化していないのも良いです。 なんとも、裏表ない感じが好感もてますし、悪態ついてますが、なんだかんだで生徒をよく見ているんですよね。ツンデレですよ。 それにしても、 島津くんは親父に負けず頑張ってほしい! がんばり屋の加藤匠くんと柴田まるみちゃんは、第1志望受かってほしい! カイくんは弟に負けずというか、弟と一緒に頑張ってほしい! と思わず、読んでいて自分も力が入ってしまいました。 生徒の頑張る姿は、いいものです。 受験とはドラマですね。 まだまだ受験は先ですが、これから本番まで生徒たちがどう成長しどんな結果になるのか楽しみです。

六文銭
六文銭
ドリフターズ
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あらすじ

紀元1600年、天下分け目の関ヶ原……敵陣突破の撤退戦「島津の退き口」「捨てがまり」で敵将の首を狙うは島津豊久!!生死の狭間で開いた異世界への扉……現在では無い何時か、現実では無い何処かへ、戦国最強のサムライは、新たな戦世界へ招かれる!!異才・平野耕太が描く新世界が今、拡がる……

ほうせきのくに
宝石の国
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あらすじ

今から遠い未来、宝石のカラダを持つ28人は、彼らを装飾品にしようと襲い掛かる月人に備えるべく、戦闘や医療などそれぞれの持ち場についていた。月人と戦うことを望みながら、何も役割を与えられていなかったフォスは、宝石たちを束ねる金剛先生から博物誌を編むように頼まれる。

重さと軽さが同居する、命の話

大好きな漫画です。 学生の頃、この漫画に狂っていた時期がありました。 友人全員にこれを読めとしつこく勧めて、 読んだ人に対してはお前はこの漫画の何もわかってない!と浅い考察を語る最悪のオタクでした。黒歴史です。 つまり、人を狂わせるほど魅力ある漫画ということとも言えます。言えますね。 とはいえ、こちらは既に多方面で紹介され尽くした人気作でもあります。 今さら自分の稚拙な語彙でレビューしても読むに耐えませんので、 ネットの海に散乱した情報に少しだけ補足をして、読むことを迷っている方の壁を取り払えればと思います。 この漫画が話に上がる時についてくるのが、とんでもない鬱漫画だという話題。 これが読み手の1つのハードルになってしまっていると思います。もったいない! 大丈夫。救いはあります。怖くないです。 確かに取り扱うテーマは重く、展開に心が締め付けられることはありますが、この作品の魅力はそこだけではないです。 素晴らしいのは重厚な世界観の中に、ポップさのエッセンスを忘れず組み込んでいること。 (ここで言うポップさとは、いわゆる大衆に寄り添う心のこと) 会話のテンポ、 キャラの関わり、 かわいらしいジョークのセンス。 そういう要素の節々に、作者である市川春子氏の人柄を感じられます。 そしてその人柄から読み取れるのは、 この人は読者の心をズタズタにしたい訳ではないよ〜。 ということ。 きっと最後まで読み切った方なら共感してくれると思います。 苦しさの先に希望がある。 これは人間の話。命の話。生と死の話。愛の話。宇宙の話。 火の鳥超えてます。ガチ。

アフリカ象とインド象
アフリカ象とインド象
アオアシ
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あらすじ

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに――― そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」の ユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!? 将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!

アニメみてめっちゃハマった

アニメから興味をもって、改めて読んだらめっちゃ面白い。 スポーツ漫画で今一番好きな作品です。 個人的な話をして申し訳ないんですが、サッカーってあんま好きじゃなかったんですよね。 なんか「自己中の塊」みたいなスポーツという認識でいました。 だって、野球のように、攻めと守りのタイミングが明確にきまっているわけでもなく、下手したらボールもった瞬間、ずっとドリブルで突破したり、シュートしてもいいわけで。 それらを、誰の許しをもらうわけでもなく自己判断でできるわけですよ。 すっごい、自己中じゃありません? (別にサッカー部に彼女を奪われたとか、親を殺されたわけではありませんのであしからず。) ・・・と、思っていた時期がワタシにもありました。 上記の理由であまりサッカー漫画を読んでこなかったのですが、本作は自分のサッカー感を覆してくれるかの如く、目からウロコ的に面白かった。 『アオアシ』というタイトル、もちろんの主人公の名前でもあるとは思うのですが、それ以上に 「人間は考える葦である」 からきていると思えるくらい、登場人物全員が戦術、戦略を考えに考えぬいて、その時に最適解を導き出し動いている感じ。 上述した「自己中」とはかけ離れたスポーツ、それがサッカーなんだと自分は再認識しました。 相手の特徴からそれに合わせて動きを瞬時に変える、そしてそれを個人単位だけではなく組織(チーム)単位でやる。 誰かからの明確な指示があるわけでもなく、メンバーの動きを察知して、自分の動きも変えていく。 どこにいて何をすべきか、どう進めるべきかを常に考えている。 すごいスポーツだぜ、サッカー!!と本作を読んで、痛感しました。 自己中とか言っていた自分がはずかしい。 むしろ、どのスポーツよりも戦略的というか戦略が重要な戦争に近いと思う。 王道スポーツ漫画的な要素(努力・友情・勝利的なの)ももちろんあって、そのアツイ展開も魅力なのですが、個人的にはサッカーに対する考え方、見方を変えてくれた、そんな作品でした。 展開もはやいのでグイグイひきこまれて、そして特に直近の26~27巻が、もう・・めっちゃやばいっ!

六文銭
六文銭
そのびすくどーるはこいをする
その着せ替え人形は恋をする
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あらすじ

いつも友人の輪の中心にいるギャル系美少女、喜多川海夢。クラスメートの五条新菜は、彼女を“別世界の人間”だと思っていた。雛人形の頭師を目指す新菜が、放課後被服実習室で作業していると、そこに現れたのは…まさかの…!? 二人のドキドキ山盛り☆コスプレ・スクールライフが始まる!! ※こちらの商品には、巻末にデジタル版限定特典イラストが収録されています。※

ガンニバル
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あらすじ

山間の村「供花村」に赴任してきた駐在・阿川大悟。村の人々は大悟一家を暖かく受け入れるが、一人の老婆が遺体で見つかり、大悟は村の異常性に徐々に気付き、ある疑念に囚われる…。 「この村の人間は人を喰ってる」──。 次々と起きる事件、村に充満する排除の空気、一息も尽かせぬ緊迫感で放つ、驚愕・戦慄の“村八分”サスペンス堂々開幕!!

衝撃のラストからの続編希望

巻数もそこまで多くない(13巻)なので一気読みにふさわしい作品でした。 まるで一本の映画をみているような充実感がありました。 人を食べていると噂されている村。 そこに赴任した駐在が主人公。 村には後藤家という権力者が君臨していて・・・ というだけで、なんとも物語に期待値が高まりますよね。 こういう限界集落の村意識、外部から断絶していることで、社会の非常識が常識になってしまう感じゾクゾクします。 物語としては、主人公は人食いの謎・村の秘密をおいつつ、その過程で村といざござが起きたり、家族が狙われたり、最終的には娘が人食いの生贄にされ・・・という流れ。 この村の背景、なぜこんな因習が起きたのか?後藤家とは? そういったことも、少しづつ明らかになっていて、続きが気になり先へ先へとすすめてくれます。 個人的にグッときたのは、こうした古い慣習を終わらせるのが若い力、新しい命という点。 暴力による破壊も、根底には次代に残さないという強い意志と愛によるものだと感じ、こうして悲しみの連鎖は断ち切られていくんだなと思いました。 キレイに終わって、村も人間関係も少しづつ立ち直っていくかと思ったら、まさかのラストです。 (これはぜひ読んで欲しい。ヒエーってなりました。) まだ続きそうな雰囲気?だったし、個人的にはぜひ続いてほしいなと思いました。 数年後、主人公の娘や後藤家の子孫が主人公になったら胸アツです。

六文銭
六文銭
ぼうきょうたろう
望郷太郎
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あらすじ

大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から500年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトのと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ。

"なにもない"ところから…

まず『望郷太郎』というタイトルからは望月峯太郎の名前を思い起こさせずにはいられない。いまでは望月ミネタロウとして活動している、あの望月峯太郎である。彼はやはり『ドラゴンヘッド』を境に名前をあらためたのだと思う。次の連載作の『万祝』は望月峯太郎名義ではあるが、内実は峯太郎→ミネタロウへの過渡期、もしくはミネタロウ名義の作品と位置づけられると思われる。というのは『ドラゴンヘッド』を境にして、動的で黒いコマ作りが、静的で白いコマ作りに変貌しているからである。これはマンガ家としての作家性を追求するための"閉じた"姿勢であると思う。逆にいえば、それ以前の望月峯太郎は"開いて"いた。開いて世間の荒波に揉まれる方向から、閉じて自らの作家性を研磨する方向へシフトしたともいえるかもしれない。 ところで『ドラゴンヘッド』をはじめ、あるいは岡崎京子の『リバーズ・エッジ』や『ヘルタースケルター』、新井英樹の『ザ・ワールド・イズ・マイン』など、90年代~2000年代初頭のある種のマンガには、いわゆる世紀末感というか、何かが崩壊してゆく感覚、良くも悪くもそういうような時代的なスペクタクルがあった。あの時代からもうすぐ20年が経ち、来年には、なんとも荒唐無稽なことに、大友克洋の霊感まったくその通りに東京オリンピックが開催されることとなったが、辺りを見渡せば、大友が描いた雑多でゴタゴタしたサイバーパンク感あふれる近未来はどこにもなく、奇妙なまでに画一的でのっぺりとした嘘明るい光景は、本来のミニマリズムが追求する引き算的な美学における完成度の高さとはまるで無縁の心身共の貧しさからくる単なる経費削減であるし、おもてなしの心を履き違えてボランティアでオリンピックを運営しようなどと寝言をいう。ようするに世界の崩壊などは起こらずに、ただずるずると地盤だけが沈下してゆき、見てくれだけはどうにかそれっぽく体裁をととのえながらも、ただ確実に豊かさは随所から消え去っている。いっそのこと世紀末に世界を崩壊させて仕切り直したほうが良かったのではと思うほど、当時からすでに黄昏といわれていたのが、いつまでも沈みきらない夏の夕日のようにいまだ延命を続けている。あの時代には崩壊させるに足る世界がまだあった。しかし、いまではそんな舞台さえ、なにもなくなってしまった。無駄を省いていたら、無駄を省いていたら、無駄を省いていたら、ほんとうになにもなくなってしまったのである。いまや望月ミネタロウのように独自の作家性を発揮する高踏派のマンガ家も安心とはいえないのではないだろうか、何しろ地盤の沈下がいちじるしい。マンガも所詮はいち産業なので、地盤がどこまでも沈下してゆけば、独自の作家性もいつしか個人の趣味と見分けがつかなくなろう。 いま、山田芳裕の『望郷太郎』は、この"なにもない"ところから新たな一歩を踏み出そうとしている稀有なマンガであると思う。キャリアを重ねて閉じてゆく作家が多いなかであえて開いてみせた山田芳裕の冒険者的な勇気に敬礼を捧げたい。マンガ表現の限界を探求する閉じた作家が重要ないっぽうで、また彼らは開いた作家によってもその地盤を支えられているのである。

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あんだーにんじゃ
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あらすじ

かつて栄華を誇った日本の忍者たちは、戦後GHQによって組織を解体させられ消滅した。しかし、実は今でも忍者は秘密裏に存在しており、その数は20万人とも言われている。そして一部の精鋭忍者は国家レベルの争いごとの裏で暗躍していた。一方で、末端の忍者は仕事にありつけないことも多く、その一人・雲隠九郎もニート同然の暮らしをしていた。しかし、そんな九郎のもとについに重大な「忍務」が‥‥!

むちゅうさきみに
夢中さ、きみに。
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あらすじ

気になる君はうしろの席に――。WEBなどで噂の作品たちが待望のコミックス化。話題の作品「うしろの二階堂」は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。

2019年一番待ち望んでた1冊

ワヤマ先生のTwitterにて、商業単行本が発売決定がアナウンスされてからずっとワクワクしながら発売を楽しみにしていた作品。発売日に即読みましたが、**満足度が半端じゃない…!** https://twitter.com/wymaaa/status/1121737385413230592?s=20 **いやもう…期待通りの面白さが想像以上に最高で、もう読んで一片の悔い無し…はあ〜最高だった…最高🙏** 6編のうち前半4編は、林というちょっと変わった少年をめぐる群像劇で、そのうちの1編がTwitterで公開されています。 「変な女が変な男と出会う話 (1/6)」 https://twitter.com/wymaaa/status/1160203058262921216?s=20   **ね?最高でしょ??** そして後半の2編は、2年前に投稿されて話題となった「うしろの二階堂」と続編「おまけの二階堂」で、さらに描き下ろしエピソードがが2話収録されています。 https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=64908838 https://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=65931199 「創作BL」として公開された二階堂シリーズであるものの、先生自身もキャプションで**「1ミリもBLしていない」**とおっしゃっていて、**どうか先入観なく「変な少年2人の話」くらいの認識で読んでほしいです**…ほんと最高なので…。 ちなみにワヤマ先生は「佐々木倫子先生っぽい」と言われることが多いそうなので(※私自身は全くそう思いませんでしたが、言われてみれば確かに似ているかも)、佐々木先生ファンの方はぜひチェックしてみてください。 https://twitter.com/wymaaa/status/1160694386469924864?s=20

たか
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テセウスの船
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あらすじ

1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童含む21人が毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。

どちらかというと『テセウスの船』というより『動的平衡』じゃない?

時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。

mampuku
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ミステリーとしてもヒューマンドラマとしても楽しめる

小生、僕だけがいない街とか、タイムスリップ✕ミステリー・サスペンスが好きなんすよね。 事件を理解しているから修正していく要素も、結果として現代に影響を及ぼしてしまうのも、ほんのりロジカルな感じがいいんです。 本作も1巻読んで、これ超好き!と思っていたので、完結まで待ってました。 「待っている」理由は、至極単純で、ミステリー・サスペンスものは読み始めたら最後まで一気に読みたいんですよね。 じゃないと、毎回先が気になって発狂してしまう恐れがあるので。 (こういう方、多いと思います) テセウスの船も同様に、寝かせて楽しみの熟成をしていました。 まさか完結して速攻ドラマ放映とはね、やられました。 そんなの両方気になってみてしまいますよ。 そして、そのドラマの出来のいいこと。 (あんまりドラマ見ない勢だから、目が肥えてないだけかもですが。) 原作と犯人をかえるとかいう噂もあって、 結局、先が気になって発狂してしまう運命は避けられなかったです。 両方みているものとして、違いとしては原作のほうが犯人わかりやすかったなと感じました。 ドラマよりも怪しい雰囲気の人物が他にいなかったし、真犯人に関しても想像ができてしまいました。 そういう意味での驚きは少なかったのですが、とはいえ、最後にどういう終わり方するのかは予想もできなかったし、結末に関してはある種のカタルシスを得られました。 爽快感とは違うのですが、納得感というか満足感というか。 テセウスの船というパラドックスを使う意味も、最終話で再度納得した始末。(彼が、違う人になったのかどうかの疑問も含めて示唆してますね。) また、ミステリー要素だけでなく、本作は家族の描き方もいいですね。 こちらもドラマの影響が大きいのですが、家族が思い支え合っている姿に何度も心救われました。 犯人を追い詰めるハラハラする面も、家族の絆を描いたヒューマンドラマでほっこりする面も、両面で十分に楽しめる内容だったなと思います。 メディアミックスで相乗効果を得られた好例の作品ですね。

六文銭
六文銭
しゅうまつのわるきゅーれ
終末のワルキューレ
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あらすじ

全世界の神VS偉人、武人、傑人!!!! 地上で横暴を極める人類に対し、神々は人類の滅亡を決定する。その決定を覆すべく選ばれたのは人類史上最強、13人の戦士たち。神々とのタイマン13番勝負に勝ち、人類を存続させることは出来るのか!? 第一回戦は北欧神話最強「トール神」VS三国志最強「呂布奉先」! 人類存亡を賭けた戦いが、今始まる!!

モンキーピーク
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社員の結束を高める為の、登山レクリエーション。雄大な自然を感じる爽やかな山は、夜と共に惨劇の舞台と化す!藤谷製薬36名が体験した、未体験の悪意とは…!?凍牌の志名坂高次が初の原作を手がけ、俊英・粂田晃宏が入魂の筆致で迫る。戦慄と衝撃の山岳パニックホラー開幕!!

とんがりぼうしのあとりえ
とんがり帽子のアトリエ
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あらすじ

小さな村の少女・ココは、昔から魔法使いにあこがれを抱いていた。だが、生まれた時から魔法を使えない人は魔法使いになれないし、魔法をかける瞬間を見てはならない……。そのため、魔法使いになる夢は諦めていた。だが、ある日、村を訪れた魔法使い・キーフリーが魔法を使うところを見てしまい……。これは少女に訪れた、絶望と希望の物語。

これは割と"完璧"な作品

美しい世界、魅力的なキャラ、奥が知れない物語と展開。 そして幻想的な「魔法」のエフェクトに加えてそのエグいほどの恐ろしさが、表紙からは想像もつかないギャップとも言える世界観を作っています。 ジャンルとしてはダークファンタジーと言ってもいいと思う。 壮大で人を惹きつけ魅了する世界観がありつつもゾッとする恐ろしさが両立しているため、こう表現すると陳腐かもしれないけどジブリ映画のような完成度の高さが垣間見えている作品。 以前どこかで見たんですが、白浜先生が絵を描いている動画があって「そこ直接書いてるの!?」とビックリした憶えがあります。 扉絵か何かで魔法使いの子供たちが家でご飯の準備か何かをしているシーンだったかと思いますが、画力というのはこういうのを言うんだなーと勝手にこれまでの努力も凄かろうと想像して感心させられました。 服のシワの書き方とか模様とかもすごかったなぁ。。。 もちろんストーリーも面白いし、怖いし、先が気になる素晴らしい展開。 編集部からも大事にされてるんじゃないかと思いますが、ゆっくりでいいので最後までクオリティを保っていただければこれ幸い。 追記:白浜先生の画力の高さはこの序章を担当されてるところでよくわかります http://www.moae.jp/comic/kugutsusenki/1

さいろく
さいろく
ひゃくまんじょうらびりんす
百万畳ラビリンス
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あらすじ

人と関わるのが苦手な礼香はゲーム会社でバグ探しのアルバイトをしていたが、ルームメイトの庸子と共に木造迷路に迷い込んでしまい!? ミステリーファンタジー!

2013年、多くの人の"想像"が拡がった頃

連載開始からもう11年も経ったんだなーと驚いたりショックだったりもするけれど、思い返すと10年代前半は漫画もアニメも「なろう」の波に押し流されないように必死だった時期でもあったと思う。 なんでか、なろう系に限らずだけどオタク文化は未だギリギリ悪いものとして扱われがちだった時代な気がする。ラノベも一部インフルエンサーにTwitterで酷評され続けていたり。多様性を受け入れられていない社会だったんだきっと。 今思えば慣れたよね、受け入れられないのカッコ悪いみたいな空気ができて。でもって今はまた本流に戻そうとしていたりする風潮も一部ようだけど、それはずっと一部なのだろう。 脱線しまくったけど、2013年に連載が始まったこのJDが迷宮に迷い込んでなんとかしていくマンガ「百万畳ラビリンス」はそこそこ異彩を放つ存在だった。 ファンタジー要素ナシで(異世界じゃない)、流行ってた俺つえーでもなくて。 かつ絵が上手い。 登場人物が可愛い(人外も含む)。 ゲーム大好きデバッガー(自分の世代だとその頃デバッガーバイトでやってたやつが珍しくなかった)な女子大生が主人公。 なにより、話がショートショートっぽくてとてもいい具合にキュッとまとまっていて、かつ壮大だったので当時一度読んだだけだったけどお気に入りだった。 #2巻で完結したマンガ としてマンバでまとめられているところで超久しぶりに出会えてすごく嬉しかったので改めて電子購入。

さいろく
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ぱられるぱらだいす
パラレルパラダイス
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あらすじ

『極黒のブリュンヒルデ』『君は淫らな僕の女王』の鬼才・岡本倫が放つ!美少女てんこ盛り異色SEXYファンタジー!!異世界に迷い込んだ男子高生・太多陽太は、森の中で美少女騎士・ルーミと出会う。そこは少女だけが存在する世界。神の化身からルーミとの交尾を命じられる陽太。触れられただけで極限まで発情したルーミは‥‥!? 待望の第1巻、通常版&特装版同時発売!

空挺ドラゴンズ
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あらすじ

龍を追って、世界の空を往く捕龍船『クィン・ザザ号』。大物を捕まえれば一獲千金、獲りたての肉も食べ放題。でも、失敗したらもちろんお陀仏。空と龍に魅せられた乗組員たちの大冒険の旅&世界グルメ紀行!

こだいせんしはにわっと
古代戦士ハニワット
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あらすじ

長野県長野善光寺市に、なんの前触れもなく突如現れた巨大土偶。街を破壊し、阻もうとする人間を排除しながら漸進する土偶を阻止できるのは、そうハニワットしかいない! 『鈴木先生』の武富健治が渾身の筆致で描き出す、超古代伝奇ヒーロー譚!!

冬季五輪ばりのスルメ的面白さで気づくとズブズブにハマってるスゲー漫画

周囲の漫画好きに勧められて読んだけど、全くとんでもねぇもん読ませてくれたなと思う。この漫画を読む楽しさというのは、冬季オリンピック期間中に日本が善戦しているマイナー競技にハマる現象に似てるかもしれない。カーリングとか。 最初は何やってんだか全然わからなくて、「いったい何を見せられているんだ」って感じなんだけど、見てるうちにだんだんルールが理解できてきて、お茶の間で「いや〜あそこはあっちでダブルテイクアウト狙うべきだったよ」って、覚えたての専門用語使って語っちゃう感じ。 それと同じでこの漫画もわかるとスゲー楽しい。メチャクチャ楽しい…!! ということは逆もまた然りで、「埴輪土」について右も左もわからぬ状態で読む1巻はメチャクチャ大変。 それでも登場人物たちがガンガン使いまくる専門用語を1つずつ覚えて、埴輪土について自分の力で読み解いていくのが本っっっ当に楽しいので、これから読む人は1話で挫折しそうになっても最初の大きな戦いが終わる第1部(4巻)まで読みつづけてほしい…! 絶対ハマるから。 https://i.imgur.com/XxUQMWP.jpg (△『古代戦士ハニワット』武富健治 1巻1話より)     とりあえず1話は 「長野に光撃型か剣技型か不明の謎のドグーンが現れ、仮具土の埴輪徒である主人公・仁は、幼馴染の主巫女・クマリとともに蚩尤収めに臨む」 っていう感じなんだけど、わかるように説明すると 「長野に突然ちょっと大きい人間くらい(2m大)の土偶が現れて怪力や超能力で街を破壊したり人を殺し始めた。それを止めるには巫女の舞や祈り、そして戦いでおもてなしをして土偶の魂を鎮めて帰っていただくしかない。巨大土偶と戦うため、霊力の高い青年は巫女とシンクロすることで土でできた鎧にその魂を憑依させ、遠隔操作型の仮面ライダー的な戦士となる」 という感じ。 >【用語解説】 「蚩尤(しゆう)」…2m大の土偶のこと。一般にはドグーンとして知られている。 「特殊祭祀」…土偶に帰ってもらうための儀式。蚩尤収め、魂鎮めとも言う。 「埴輪徒(はにわと)」…埴輪土を操る強い霊力を持った男性。 「主巫女(あちめ)」…埴輪徒が埴輪土に憑依する際、ともにシンクロして力を貸す霊力の高い女性のこと。 第1部(4巻)を読み終わるころには、あのさっきのわけわからんあらすじが全部問題なく理解できるようになっているので安心してください。 (もはや完全に理解しきった今となっては、序盤のわけのわからぬまま置いてけぼりにされる感じがある意味心地よかったなとすら思う) ちなみに自分が作中で一番好きシーンは、3巻で真具土の埴輪徒である凛の戦いを警官隊が警備しているとこ。 >「神主も…正面のドグーンに向かって祈っている…!」 >「前のときと違うぞ…!!」 という警官のセリフに「だよな〜〜!?!!!」 と激しく共感してしまう。 気持ちメチャメチャわかる。だって昨日の人たちはドグーン(敵)じゃなくて味方側に向いてお祈りしてたし。「えっ!? 前のときと違う…!」ってなりました。 https://i.imgur.com/QmX2WPa.jpg (△『古代戦士ハニワット』武富健治 3巻22話より)     いきなりわけわからん状況に放り込まれた警官そして読者が、現場でただじーっと儀式を見守り続けた結果、いつの間にか「埴輪土」について学習して理解し始めている…っていうこの感じが最高に冬季五輪観戦で好き。 ここまで専門用語が難しい的なことを散々書いてきたけど、もちろんただ難解なだけでなく     ・変身ヒーロー×神道の面白さ ・シン・ゴジラを始めとする様々な特撮映像作品からの影響 ・緊急事態なんだけど神事なので準備にやたら時間がかかるシュールさ ・車社会の地方都市を自家用車で移動しまくる実家のような安心感 (「あっ 鶴ちゃんとこのリーフだ!!」って子供が当たり前のように知り合いの車種把握してるとこ最高に実家)     という感じで、マジで魅力にあふれている作品なので漫画好きなら絶対一度は読むべき…そしてこの感覚を味わうべき! 2021年、鬼滅と呪術のあとに古代戦士ハニワットブーム来てほしい…!

たか
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