小生、学生時代に塾講師をしており、そこは本作と同様「中学受験」を中心にした塾でした。

そんな自分がこれを読んで思ったのは、

中学受験、マジでこんな感じです
(太字で、最大フォント数にしたい)

ということ。

もちろん、マンガなので多少の脚色はあるのですが、ますます加熱している中学受験業界なので、これくらい盛ってもほとんど一致していると言っていいのではないでしょうか?

「中学受験は親の狂気」
と本作で表現してますが、本当にそうなんです。

年端もいかない子供が、自ら勉強なんてやりますか?
絶対やらないですよ。
親が、それこそヒステリックに子供にやらせるんです。

親が全く関与しないパターンもありますが、
自分が見てきたなかで、その場合の生徒の特質は大きく2つ。

超天才か超バカ。(言葉汚くてすいません)

超天才は、勉強自体が好き過ぎて、ほっといてもずっとやるから、親も何も言わないんです。体調の心配くらいしかしない。
逆に、超バカは、塾を時間つぶしか遊び場にしているだけなので、親も勉強が目的ではないから放置なんです。

ただ、これは上位と下位の5%くらい。
残り90%の生徒(ってかほぼ全て)は親の干渉が、ものすっっっっっっっっっごいのです。

というか、親の受験といっていいくらい中学受験は親が主体なんです。
親が子供を徹底的に管理し導いていかないと、12歳くらいの子供は何も判断できないんですよ。
塾の費用も半端ないから(年間100万以上?)、親も気狂ったように子供と塾に圧をかけてくるのです。

それを称して、親の狂気 とはよく言ったものです。
今思うと、ホントにそうでした。
うなりました。

さらに、この作品がすごいのは、親と生徒のパターンが全網羅されていること。
自分も読んでて、つい昔の生徒思い出しましたもの。
このキャラは彼に似ているな、とか、フラッシュバックしましたよ。

・教育に熱心な親/無関心な親
・塾に従う親子/従わない親子
・偏差値や学校のブランドしか興味ない親子
・なにかのきっかけで成績が伸びる子・落ちる子
・天才肌の子/努力家の子
・兄弟で優秀な子と劣等生という差がある子
・答えをみてズルする子
・他人の脚を引っ張る子
・周囲のせいにする子

などなど。

抱えている問題も性格も色々と異なる生徒に塾講師として相対する姿は、純粋に面白いです。
手を変え品を変え相手を説き伏せたり対策していく感じは「こういうやり方で対応するのね」と感服します。

また、主人公黒木は「塾は営利目的」「子供の将来を売る場所」と言いきっていますが、「教育」の名のもとに変に高尚化していないのも良いです。
なんとも、裏表ない感じが好感もてますし、悪態ついてますが、なんだかんだで生徒をよく見ているんですよね。ツンデレですよ。

それにしても、

島津くんは親父に負けず頑張ってほしい!
がんばり屋の加藤匠くんと柴田まるみちゃんは、第1志望受かってほしい!
カイくんは弟に負けずというか、弟と一緒に頑張ってほしい!

と思わず、読んでいて自分も力が入ってしまいました。
生徒の頑張る姿は、いいものです。
受験とはドラマですね。

まだまだ受験は先ですが、これから本番まで生徒たちがどう成長しどんな結果になるのか楽しみです。

読みたい
小生、学生時代に塾講師をしており、そこは本作と同様「中学受験」を中心にした塾でした。 そんな自分がこれを読んで思ったのは、 中学受験、マジでこんな感じです (太字で、最大フォント数にしたい) ということ。 もちろん、マンガなので多少の脚色はあるのですが、ますます加熱している中学受験業界なので、これくらい盛ってもほとんど一致していると言っていいのではないでしょうか? 「中学受験は親の狂気」 と本作で表現してますが、本当にそうなんです。 年端もいかない子供が、自ら勉強なんてやりますか? 絶対やらないですよ。 親が、それこそヒステリックに子供にやらせるんです。 親が全く関与しないパターンもありますが、 自分が見てきたなかで、その場合の生徒の特質は大きく2つ。 超天才か超バカ。(言葉汚くてすいません) 超天才は、勉強自体が好き過ぎて、ほっといてもずっとやるから、親も何も言わないんです。体調の心配くらいしかしない。 逆に、超バカは、塾を時間つぶしか遊び場にしているだけなので、親も勉強が目的ではないから放置なんです。 ただ、これは上位と下位の5%くらい。 残り90%の生徒(ってかほぼ全て)は親の干渉が、ものすっっっっっっっっっごいのです。 というか、親の受験といっていいくらい中学受験は親が主体なんです。 親が子供を徹底的に管理し導いていかないと、12歳くらいの子供は何も判断できないんですよ。 塾の費用も半端ないから(年間100万以上?)、親も気狂ったように子供と塾に圧をかけてくるのです。 それを称して、親の狂気 とはよく言ったものです。 今思うと、ホントにそうでした。 うなりました。 さらに、この作品がすごいのは、親と生徒のパターンが全網羅されていること。 自分も読んでて、つい昔の生徒思い出しましたもの。 このキャラは彼に似ているな、とか、フラッシュバックしましたよ。 ・教育に熱心な親/無関心な親 ・塾に従う親子/従わない親子 ・偏差値や学校のブランドしか興味ない親子 ・なにかのきっかけで成績が伸びる子・落ちる子 ・天才肌の子/努力家の子 ・兄弟で優秀な子と劣等生という差がある子 ・答えをみてズルする子 ・他人の脚を引っ張る子 ・周囲のせいにする子 などなど。 抱えている問題も性格も色々と異なる生徒に塾講師として相対する姿は、純粋に面白いです。 手を変え品を変え相手を説き伏せたり対策していく感じは「こういうやり方で対応するのね」と感服します。 また、主人公黒木は「塾は営利目的」「子供の将来を売る場所」と言いきっていますが、「教育」の名のもとに変に高尚化していないのも良いです。 なんとも、裏表ない感じが好感もてますし、悪態ついてますが、なんだかんだで生徒をよく見ているんですよね。ツンデレですよ。 それにしても、 島津くんは親父に負けず頑張ってほしい! がんばり屋の加藤匠くんと柴田まるみちゃんは、第1志望受かってほしい! カイくんは弟に負けずというか、弟と一緒に頑張ってほしい! と思わず、読んでいて自分も力が入ってしまいました。 生徒の頑張る姿は、いいものです。 受験とはドラマですね。 まだまだ受験は先ですが、これから本番まで生徒たちがどう成長しどんな結果になるのか楽しみです。
@六文銭

元講師の方の感想とても気になってたので、興味深く読ませていただきました。実体験と重なるところも多いんですね…! やはりリアリティがある作品なんだなと嬉しくなりました。

二月の勝者は読んでるとホントそれぞれの子に感情移入して応援しちゃいます。
いま本誌がいいところ(黒木先生の過去)なので早く続きが読みたくてたまりません…、

だれでも抱けるキミが好き

ただのエロかと思ったら

だれでも抱けるキミが好き
六文銭
六文銭

童貞地味男のゴトウとビッチなギャル・アガワさん。 冒頭からアガワさんのビッチさ全開の姿を見せつけられ、ゴトウくんはカルチャーショックをうける。 と、いうのも普段は委員会が一緒で、ギャル特有のフランクさに童貞のゴトウくんは秒でやられて、アガワさんが気になる存在になっていただけに、生々しいビッチさにショックをうけてしまった、、という流れ。 そこで童貞特有の女性に対する幻想に、第3者的に苦しむだけかと思ったら、そんな葛藤も一瞬で、ゴトウくんもアガワさんとやることをやってしまう。 そこが、ひと味違い個人的に面白いと感じました。 ゴトウくんもアガワさんのセフレの1人に成り下がってしまったことで、どこか自分だけは他の男子と違うとか思っていただけに、その落胆さと、身の程をわきまえ始める感じが、哀愁漂います。 ピュアな気持ちなど、最初からなかったのか?と。 アガワさんも掴みどころなく、ポンポン相手を代えるから、またすごい。 そんな姿にゴトウくんが嫉妬で狂いそうになって、今後どう動くのだろうか。 そして、それにアガワさんはどう反応するのかな? アガワさんがヒキ気味だと現実味があって面白いと思ってます。

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ

嘘か真実か陰謀論

ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
六文銭
六文銭

自分が何かと恵まれていないのは、何か大きな陰謀によるものではないか?という、ネットではびこる「陰謀論」がテーマの本作。 主人公は、いわゆる社会的に弱者の部類で、それでも自分にも特別な何か(人生大逆転できるようなものが)あるんじゃないかと日夜怪しいセミナーに通いながら過ごす。 そんな中、偶然出会った大学生の女性に恋してしまう。 関係を深めていくなかで、彼女につきまとうFACTという謎の組織の存在を知り、彼女を守るために接触。 そこは、陰謀論に染まった集団で、自分の境遇の悪さも、彼女と出会ったのも全てが大きな陰謀だったと諭され、気づくと彼もまたその思想に染まりはじめてしまう・・。という展開。 社会的な問題を扱う重そうな感じもあれば、コミカルなヌケ感もある。 現実を描いた漫画だから明らかに嘘っぽくも感じつつも、これ実はファンタジー漫画なのでは?と思うと真実のように感じてしまう。 ついつい、陰謀も本当のように感じてしまう。(ちょっと調べればわかるんですけどね) そんな感じで嘘か真実かわからないながら、自分なんかは読んでいたのでめちゃくちゃ楽しめた。 特に2巻。 主人公が上述した恋心を抱いている女性に、付け焼き刃的な稚拙な持論を展開し、一瞬で論破される様は読んでいてホント痛々しく、ゾクゾクした。 共感性羞恥をこれほど感じたシーンはないと思う。 4巻で最終巻らしいけど、どうオチをつけるか気になる。

珍遊記2~夢の印税生活編~

奇跡の続編

珍遊記2~夢の印税生活編~
六文銭
六文銭

小さい頃、色んな意味でトラウマを植え付けられた珍遊記。 当時、絵を見るのも怖くて、だけどドラゴンボールは読みたいから、珍遊記のページにはいかないよう恐る恐るめくっていたのも、今となっては良い思い出です。 本作というか、著者を語る上でもはや絵柄に触れないのは無理なのですが、とにかく子供がみたら泣き出すような絵の濃さ。 特に婆さんキャラのシワがえぐい。 下品な下ネタも満載で絵柄と相まって、初見の方は気分悪くなると思うんですが、、、 著者が、現在、子供向けの絵本作家としても活躍しているというから驚きしかない。 謎に時代を感じる。 さて、本作の内容だか、前作珍遊記の続編という立ち位置だが、前作をなぞりながら、その裏で起きていたことを描きながら始まる。 もう一つの怪作、漫遊記とも繋がっているので両方知っているとより面白いのだが、正直、何も知らなくても大丈夫だと思う。 著者の作品を知ってる人ならわかると思うが、ストーリーはあってないようなもので、とにかく勢いが魅力。 そこは本作も健在で十二分にある。 映画化もした作品だが、玄人受けとか言うつもりもないが、毒にも薬にもならない作品と異なり、モノづくりに携わる人間に、何らかのインパクトを残す作品なんだろうってことは理解できる一作です。

にがつのしょうしゃぜったいごうかくのきょうしつ
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あいどる

あいどる

吉岡愛19歳は一児の母、でもワケあってチョー貧乏。賞金100万円欲しさに超人気アイドルグループの追加メンバーオーディションに参加することに…!! アイドルの使命は『愛』を売って『ドル』を稼ぐこと…そんな厳しい芸能界を舞台に乳飲み子を抱えて生活する愛は果たしてやっていけるのか…!?

おとりよせ王子 飯田好実

おとりよせ王子 飯田好実

毎日残業続きの平凡なSE、飯田くんの、誰も知らない密かな楽しみ、それは宅配便の夜間配達を受け取れるノー残業デーに、全国から取り寄せる美味しいお取り寄せをすることだった☆幸せ料理研究家こうちゃんもお薦めの、ささやかだけれど温かいお取り寄せ男子のおうちご飯の数々♪

めざせ!山カゾク♪

めざせ!山カゾク♪

アウトドア好きでアクティブな著者が、出不精な夫を外に連れ出そうと大奮闘。山に海に、スキーに田植えにと、息子と娘を含めた一家4人でアウトドアを楽しみまくる!こんなに楽しければ、きっと夫もアウトドアに目覚めるはず!「おとりよせ王子飯田好実」の著者がアウトドアの魅力をたっぷり描いた、実録エッセイコミック。

雑草魂!

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彼氏にはフられ、仕事はクビになり、彼女はここんとこ絶不調。おかげで部屋の中は胡散臭い開運グッズで溢れている。だけども花屋で強引にGETしたワイルドストロベリーの苗が、今度こそ本物の幸運を運んでくれた。…と、思っていたんだけれど…? 恋などしょせん思い込み。そんなのわかっちゃいるけれど、それでも恋におぼれたい! それが女の生きてる証!! 惚れたら命がけ。純情と欲情が入り乱れたLOVE傑作集!

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