すなのえいかん
砂の栄冠
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1千万円で甲子園を買え!『ドラゴン桜』の作者が描く、完璧に新しい高校野球ストーリー!――創立100年目での甲子園初出場を目指し地区大会決勝に挑む、埼玉の名門・県立樫野(かしの)高校。3年生の不動のエース・中村(なかむら)に圧し掛かる、とてつもなく大きな重圧。2年生のショート・七嶋(ななしま)は、中村に、かける言葉がない。涙も涸れる甲子園ロードが、今スタートする!

甲子園に受け継がれるアウトローの系譜

さて、春の選抜高校野球大会が今日から始まりましたが、アウトローを制するものが甲子園を制するという物言いを皆さんはご存知でしょうか。すなわち、各地区の代表が集う甲子園といえども、高校生レベルの打者では、外角の低めギリギリのコースにピシャリと決められると攻略は難しいということです。まさしくアウトローを制して甲子園を制覇した実在の人物に早稲田実業の斎藤佑樹選手がいます。いつもここぞの時にはいちばん練習を積み重ねてきて自信のあったアウトローの直球を放っていたといいます。甲子園の決勝で最後の打者でありライバルの田中将大を三振に切ったのもアウトローの直球だったとか。 そしてここ、三田紀房の高校野球マンガにもアウトローの直球を武器にする投手が登場します。そもそも三田紀房というひとは生粋のスーパースターを描くようなタイプのマンガ家ではなく『砂の栄冠』の七嶋のような選手を主人公に据えるのは稀であり、そうというよりはむしろ、あくまでも凡人の域は抜き出ないけれどスポーツなり、受験なり、ある定められたルール内の隙を突いて「人生では負けても、試合では勝利する」といった、ある意味では小賢しく、ある意味では賢明な、物語の展開を得意とするひとでしょう。 三田紀房には『砂の栄冠』の以前に『甲子園へ行こう!』という高校野球マンガがあり、その主人公、鎌倉西高校の四ノ宮がまさしく小賢しくも賢明なピッチャーとして描かれています。彼もまた高校生レベルの打者では外角低めの攻略は難しいとの理由からアウトローの練習に励みます。そして、やはり、『砂の栄冠』にもアウトローの系譜は受け継がれている。ノックマンに率いられた下五島高校の下手投げエースの本多がまさしくそれでしょう。 けっして素材そのものには恵まれなくても、小賢しさと賢明さをもってどうにか立ち回ることができるのが高校野球という舞台、こうした選手たちが才能溢れる屈強な選手たちの足元を掬うことができるからこそ、高校野球は面白い。イチローが引退会見で語っていた「メジャーは頭を使わなくなってきている、日本は日本の野球を貫いてほしい」という言葉が今更ながら身に染みてきます。

影絵が趣味
影絵が趣味

野球マンガが好きすぎて…

『砂の栄冠』をもう一周してしまったのですが、終始泣き腫らしもいいところ、とくに夏の甲子園からエンディングにかけては目が充血しすぎてコマを追うこともできやしません。 しかし、どちらかといえば三田紀房という漫画家は『ドラゴン桜』に代表されるように、どこかケチで現実主義的な物語を得意とするひとでしょう。夢と希望の対極にあるといいますか、ひたすら合理的で実践的な行為を選択するといいますか、こんなものに感動していいんですかと思わなくもない。 それで今回また最後まで読んで気づいたんですけども、作中人物が実践する合理性とは別に意外と演出がクサいんですね、大袈裟ともいえるかもしれません。試合でもいきなりワケのわからない毒蜘蛛がでてきたり、バイクにまたがった不良がでてきたり、神がでてきたり、ガーソが拘縛された地蔵としてでてきたり、登場人物たちは合理的で小賢しいんですけど、なんかとにかく演出に気合いが入っている。冷静に読んでみるとバカバカしいと思われても仕方ないと思えるぐらい気合いが入っているんですね。 そして極めつけには、エンディングで、亡くなったはずのトクさんがいつものベンチに座っている。そのトクさんに七嶋が言葉を発する。もうここで涙腺は崩壊、甲子園の魔者のごとく誰の手にも負えません。なにせあの合理的で実践的な七嶋がそこにはいるはずのないトクさんに声をかけるのですから。

影絵が趣味
影絵が趣味
どうせこいしてしまうんだ
どうせ、恋してしまうんだ。
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高校2年生の水帆は、最悪な17歳の誕生日を迎えていた。あこがれの先輩に近づくチャンスはなくなるし、親には誕生日をすっかり忘れられてるし……。“キラキラした青春”なんてない、そう思っていた水帆だったけど幼なじみの輝月(きづき)が、突然、“彼氏候補宣言”してきて!? さあ、きらめく恋の中を泳ぐんだ……! 「放課後、恋した。」「あたし、キスした。」の胸きゅん青春ストーリーの名手・満井春香の最新作、第1巻!!

グラゼニ~パ・リーグ編~
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先発投手としての活躍を求め、球界の盟主・文京モップスから、FA移籍で「仙台ゴールデンカップス」に入団した凡田夏之介。待ち構えるのは、対戦経験の少ない「パ」の強打者たち! 凡田夏之介(32歳)、人生初のパ・リーグ挑戦が開幕!!

エリアの騎士
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トップ選手も大絶賛!!これぞ本格サッカー漫画!“日本サッカーの至宝”“U-15の天才エース”と呼ばれる兄・逢沢傑(あいざわ・すぐる)に憧れながらも、とある過去の呪縛によって、マネージャー職に「逃げ」てしまった元FW(フォワード)の駆(かける)。人前ではボールを蹴れないそぶりを見せつつも、本当はサッカーをしたくてたまらない――。ジレンマだらけの駆だが、「お前は世界レベルのFWになれる!」という檄(げき)を浴びる。……厳しくやさしい「言葉」の主は、いつも仰ぎ見る兄だった!!

べいびーすてっぷ
ベイビーステップ
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マジメ少年+美少女×テニス=熱血スポコン!?――成績はずっとオールA!几帳面でマジメな“エーちゃん”が、ちょっぴりいい加減!?でも、テニスに懸ける情熱だけはマジメな美少女“ナツ”と出会ったことで、テニスの魅力に取りつかれて人生激変!?快感、そして悶絶のらせん……。数式じゃ表せない、衝撃的な人生の化学変化が始まった!!

新しい形のヒーロー

よく、犬に追いかけられます。犬は僕をみると何故か興奮し、どこまでも追いかけてくるのです(マルチーズに追われたこともある)。集団でいても僕を狙い撃ちするので、おそらく弱いものが直感的にわかるのでしょう。しかし、犬はどんな基準で僕を“弱い”と判断しているのでしょうか。たしかに一対一なら全く歯が立ちませんが、助けを呼んだり、道具をつかえば互角になれないこともない。要は創意工夫が大事なのです。  『ベイビーステップ』の主人公・丸尾栄一郎は、自分と相手の特性を把握し、着実な一歩を重ねることで勝つという、新しい形のヒーローです。  丸尾栄一郎は、小学校から成績はオールA。周囲の人間からはエーちゃんと呼ばれています。クソ真面目で完璧主義で学業優秀ですが、それは性分であって、まだ将来の目標を見つけられていませんでした。そんな、こなすだけの日々を変えたのがテニス(+ヒロイン・鷹崎ナツ。すげー可愛い)との出会い。テニスの面白さに夢中になった栄一郎は、数々のライバルを打ち破り、やがてプロの道を選ぼうと考えていきます……。スポーツ漫画の王道とも言える展開ですが、ほかのスポーツ漫画にはない特徴があります。  一つはとにかく理詰めで進められる漫画だということ。スポーツ漫画ですから、努力を重ねたりもしますが、その努力は常に理屈を必要とします。なんのためかもわからない、ムダな山ごもりはしません。  もう一つは、栄一郎の武器が、恵まれた身体でも特化した技術でもないことです。遅くにテニスを始めた栄一郎は、技術も体力もライバルたちに比べて劣っています。「派手な武器はひとつもないが 穴という穴もない」そんな特色のない地味な栄一郎と、華やかなライバルのギャップを埋めるのは、観察し、考え、挑戦する、という力です。  ゲームの結果を常にノートに書き込み、どのような流れになっているか、相手が好む傾向はなにかを確認します。そして、勝つために自分に足りないものは何か、それを覆すために挑戦すべきことは何かを考えるのです。今の段階で勝機が見つからないなら、状況を変えるための挑戦をする。的確な観察、考察、挑戦の繰り返しが、効率よくエーちゃんを成長させていくのです。  こんな地味にスゴイ主人公のエーちゃんと、スポーツ漫画の主人公タイプの井手義明との対決(15~16巻)は非常に盛り上がります。井手は、エーちゃんとの対戦に遅刻しますが、その理由も交通事故にあった少年を助けたものという。その少年と勝利の約束もしているという、スポーツ漫画の黄金パターンです。勢いのある井手に対して、自分のペースを守ろうとするエーちゃんですが、徐々に試合場全体が井手応援の空気になっていきます。そんな逆境のなか、エーちゃんは空気に呑まれないメンタルの作り方を考えはじめるのですが…。スポーツにおけるメンタルについての非常に重視しているのも、この漫画の特長だと思います。  自分の目標を見据え、自分と相手の能力を確かめ、今できる最善策を選び続ける――。大事なのは“意志”であるということが描かれる『ベイビーステップ』は、普段、何に悩んでいるかもわからないで鬱屈としている時に、きっと新しい道を指し示してくれるはずです。

名無し
グラゼニ
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あらすじ

グラゼニ=“グラウンドには銭が埋まっている”!!下は240万円から、上は数億まで。格付けが、年俸によって完全に決められている超格差社会・プロ野球。凡田夏之介(ぼんだ・なつのすけ)は高卒でプロ入りした8年目の中継ぎ投手。左腕でサイドスローという一風変わった武器と、全球団の1軍選手の年俸をソラで言えるという不思議な特技で、厳しい世界を必死でサバイバる!

がんむらすとおーだーにゅーえでぃしょん
銃夢Last Order NEW EDITION
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狂気の科学者・ノヴァとの戦いで意識を失ったサイボーグ少女・ガリィ。目覚めるとそこは空中都市ザレムだった。しかしテクノロジーの楽園だと思われていたザレムは荒廃し、死と暴力が充満する地獄と化していた。親友ルウを助け出すため、ガリィはザレムの中を彷徨うのだが……。日本が世界に誇るSF叙事『銃夢』、新たな戦いが今始まる!!『銃夢』に連なる木城世界の原点、傑作初期短編『飛人(ひと)』も同時収録!!

えむえふごーすと
MFゴースト
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西暦202X年。車の自動運転が普及した日本。そんな時代に、公道の自動車レースが開催されていた。世界中で人気を集めるレースの名はMFG。ポルシェ、フェラーリ、ランボルギーニなど最速を誇るマシンが次々に参戦していた。一方、イギリスのレーシングスクールを卒業したドライバー、カナタ・リヴィントンは、ある目的を果たすため日本に帰国するのであった。新公道最速伝説、ここに開幕!

老いも若きも自動車レースに熱中

車には詳しくありません。 でも、街なかで大切に乗られているんだろう、あの白い車を見るたびに「豆腐屋さん」という単語が思い浮かびます。 本作は近未来の日本が舞台。箱根あたりは噴火によって有毒ガスが蔓延し、人が住めない状況なので、車を街なかをビュンビュン飛ばしても問題ありません。 公道ものの、こういう前提条件はとても好きです。 さらに、時代はEV一択という世界観。 「この車古いなあ」という感覚はガソリン車全般になります。何がでてきても、ガソリン車であればすべからく古いのです。おもしろいですね。 作中に出てきた、若者はシミュレーターに慣れていて、車をぶつけること(ぶつけられること)に躊躇いがないという話もおもしろいなと思いました。 他のことがらでもそういう違いって、生まれてきているのかもしれません。 メインとなる公道レースは、車の重量でタイヤの大きさが決まる、ただそれだけのルール。 日本で行われるレースなのに、外国の車が強いと言われています。 そこに現れた、イギリスからやってきた何やらすごい経歴を持つ少年。 車に詳しくなくても、大変そうなルールの中、何やらすごいことをしているというのは、物語の流れや解説でわかります。 そう、説明も丁寧です。この漫画は初心者にも優しいのです。 世界線が同じ続編なので、もしかするとイニシャルDを読まれていた方には「この人がこうなったんだ」と思うシーンがあるのかもしれません。

ゆゆゆ
ゆゆゆ
神様はラケットを振らない
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主人公・りょうは将来有望視されたテニスプレーヤーであるがトラック事故にあい両親を失い、利き腕の右手の機能もほぼ失って夢を諦めた。だが、ファンを名乗る少女の応援によって左手でテニスを再開することに決めた。しかし、その少女は実はトラック事故の加害者の娘だった。衝撃の真実を知った主人公のまさかの決断とは――!?

つきにほえらんねえ
月に吠えらんねえ
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□(シカク:詩歌句)街。そこは近代日本ぽくも幻想の、詩人たちが住まう架空の街。そこには萩原朔太郎、北原白秋、三好達治、室生犀星、高村光太郎らの作品からイメージされたキャラクターたちが、創作者としての業と人間としての幸せに人生を引き裂かれながら詩作に邁進する。実在した詩人の自伝ではなく、萩原朔太郎や北原白秋らの作品から受けた印象をキャラクターとして創作された、詩人たちと近代日本の業と罪と狂気の物語。

やきゅうでせんそうするいせかいでちょうこうこうきゅうえーすがじゃくしょうこっかをすくうようです
野球で戦争する異世界で超高校級エースが弱小国家を救うようです。
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甲子園からの帰路、命を失った常夏太一。未練を残したまま死んでしまった太一が、行き帰り元の世界に戻るためには、野球で全てを決める異世界で弱小国家の人々を救う必要があった。異種族の身体能力を相手に、最新の理論に裏打ちされた技術で勝負を挑む――!

スケッチー
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レンタルショップの社員・川住憧子。仕事に彼氏、せわしないけれど、どこかぼんやりとした毎日を送る彼女は、ある日、一人のガールズスケーターに心を奪われる。ちょっとずつ見失ってきた希望、ちょっとずつ見えてきた将来。自分を変えるには今しかない。スケートボードに魅せられた女子の挫折と再生の日々。

いちにのさんしろうつー
1・2の三四郎2
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今世紀最強の闘魂プロレスラー、あの東三四郎(あずま・さんしろう)が帰ってきた! さぁ、その勇姿が拝めるぞ、と思ったら、新東京プロレスはすでに倒産。え~、ウソだろぉ、じゃあ、三四郎はいったいどうなっちゃうのぉ、とおもったら、ファミリーレストランの店長をしてるのでしたぁ!! ……あれ? 何かヘンだぞ!?

レッドカード
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川口南高校1年の佐藤由紀虎=ユキコはヘタレな自分を変えるべくサッカー部に入部した。エースストライカー高梁や、美人教師の美彩ちゃんとの出会い、はじめての試合、挫折と成功‥。大好きなサッカーと向き合う中で、ユキコはある“才能”を開花させはじめた! バカで熱いカワナンサッカー部の奇跡がはじまる!

しんこーたろーまかりとおる
新・コータローまかりとおる!
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柔(やわら)の道に挑戦状!!あの功太郎が今度は何をやらかすのォ!?痛快学園ドタバタアクションギャグ格闘技ロマン(なんじゃこりゃ?)待望の新章“柔道編”スタート!!留年してしまった、功太郎、麻由美たちにも春は来る……!新たに柔道娘の三船久三や西郷三四郎らが登場し、入学シーズンの鶴ヶ峰学園は柔道をめぐり早くも波乱のきざしでいっぱい~!?

シュート!
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憧れの「背番号10」久保嘉晴(くぼ・よしはる)とプレイするために、新設の掛川高校に入学した田仲俊彦(たなか・としひこ)=トシ。掛西中では活躍していた田仲だが、入院中の久保にも会えず、雑用ばかりやらされる毎日にうんざりしていた。が、マネージャー遠藤一美(えんどう・かずみ)の策略で、2年生と試合するはめに……。

久保建英や大谷翔平、井上尚弥の出現により、スポーツ漫画に求められる変革とは

若干18歳にしてA代表に選出され、ビッグクラブへの移籍も確実視されている日本サッカーの至宝・久保建英。いま連載されている主要なサッカー漫画に、彼と同等以上の活躍をしている高校生はいません(まぁ現実にもいないんですけど)。アオアシの栗林もBeBluesの久世も、主人公の遙か先をいく圧倒的存在として描かれていますが、久保建英はそのさらに遥か先を行っています。 かつての名作には名門バルセロナで活躍する大空翼、メジャーリーグで投打に燃えた茂野吾郎などがいました。漫画だからこそ自由に描けた夢に、現実が追いついてしまいました。それによりスポーツ漫画に求められる役割が少しずつ変わってきたような気もしています。 読者が憧れるヒーローや漫画ならではのスペクタクルといったものから、競技そのものの面白さ・奥深さ、競技を取り巻く人々のドラマなどにスポットライトが移ったような印象です。 代表的なのがサッカーなら「フットボールネーション」「アオアシ」「サポルト」「ティエンポ」、野球なら「バトルスタディーズ」「グラゼニ」「ラストイニング」など。 本カキコミのタイトルに井上尚弥の名を上げておきながら不覚にも次世代的なボクシング漫画の例が思いつきませんでした……。ティエンポみたいなボクシング漫画、読んでみたい!

mampuku
mampuku
しゅらのもん
修羅の門
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あらすじ

日本に古くから伝わり、底知れぬ破壊力をもつ幻の武術、陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)の使い手・陸奥九十九(むつつくも)が現れた!実戦空手道場・神武館(しんぶかん)をぶったおすため、九十九の荒技がさえる。段違いの迫力でせまる本格格闘技巨編、登場!!

ジャージィ・ローマンと九十九の敬意

陸奥九十九の闘い方は二通りある、と描かれる。一つは、陸奥圓明流としての効率的な殺人拳。そしてもう一つは、敢えてそれをしない闘い方だ。 陸奥九十九は、これはと思った相手……本能的に恐怖を感じる、それ故尊敬に値する相手と試合う時、わざと相手の土俵に乗る。 相手の得意分野で闘い、正面から互角以上に渡り合った末に遂に相手を凌駕する。その象徴的な闘いが第三部・ボクシング編のジャージィ・ローマン戦だ。 「神の声」を聞き完璧な読みで攻撃を封殺するローマンに対し、陸奥九十九はスピードを何段階も上げ続ける事で「神の声」を置き去りにし、無効化しようとする。 陸奥九十九は試合前も後も常に言い続ける…「ローマンが怖い」と。そこには「神が怖いのでは無く」という含意と、〈人間〉であるローマンへの敬意がある。 相手の得意分野を凌駕して見せる事で、陸奥九十九は敵の全てを折る。ローマンの「神」もそうだが、所属団体や流派のプライド、最強の称号、等々。しかし陸奥九十九は恨まれない。敗者は皆、そんな負け方に納得してしまうのである。そして負けて全てを失っても、陸奥との闘いを胸に、先へ進める。 陸奥圓明流という殺人拳を使いながら、相手の土俵で闘うという「敬意」によって陸奥九十九は、相手に爽やかな敗北感と次へ向かう力を与える。こんなに「精神的な」美しさがある格闘マンガもなかなか無い。 ジャージィ・ローマンの、身体では無く〈心〉が闘いを止める瞬間の印象的な1ページを眺めながら、そんな事を思った。 #マンバ読書会 #少年マンガの名バトル

あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

最強が決まるまでの興奮

最強の男は誰か? 最強の格闘技は何か? 格闘技をする者がなりたいと思い、 見る者が見たいと思う、 「世界最強」 だが、現役格闘家は別として、 果たして、マニアが見たいのは本当に 最強の男、格闘技が決まる瞬間だろうか。 成績とか結果とか結論を知る瞬間だろうか。 そうでは無いと思う。 その結論に至るまでの過程が重要なのだ。 それが決まるまでの経過を、ドラマを見たいのだ。 極端に言えば、最強の戦士・格闘技が決定して、 勝者の手がレフリーに掴み挙げられる瞬間より、 最強候補がリングにあがって対峙してゴングがなる瞬間、 試合が決着するまでにいたる攻防、 それらを見て興奮して味わいたいのだ。 「修羅の門」はそれが判っている。 だから、神武館のオープントーナメントや ボクシングの統一戦、ブラジルでのバーリトゥード、 それらの開催に至るまでの過程や、 各試合が始まるまでのストーリーも入念に描いているし、 その話がとても面白い。 そしてそれゆえに本番の試合がまた盛り上がる。 「最強」を決定するのに必要なのは 虚飾を排除したリアルな展開かもしれないが、 それをしすぎて単なるデータの抽出提示の過程に なってしまったのでは 「世界最強」という男のロマンが無味で色あせてしまう。 だから主人公の陸奥九十九は 無謀な連戦もしたりする。 互いに万全な体調で戦いましょう、 公正明大にどちらが強いか確認しましょう、 とか必ずしもそうではない。 だから神武館のトーナメント戦でも キックボクシング、シュートボクシング、プロレス、古武道、 それぞれの最強戦士とあえて戦う立場を自ら選ぶ。 そして大会主催者も相手の選手もそれを了承する。 その流れはリアリティに徹するならありえない流れだが、 格闘リアリティと格闘ロマンの両方を損なわず増幅させてくれた。 このシーンが描かれたとき、 「あ、この漫画、絶対に面白くなる」 と思った。

名無し
むにのいちげき
無二の一撃
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親に見放され、ヤクザから借りたお金も溶かした15歳の少年・東堂ゲンは、自殺をするために訪れた山奥で、たった一人で空手の修業に励む伊吹レンと出会う。圧倒的強さを誇るレンに魅せられたゲンは弟子入りを志願するも、山の中でレンを狙う刺客の攻撃を喰らって瀕死状態に陥る。臨死体験を経て己の限界を超えた力を発揮できる肉体へと変貌を遂げたゲンはレンに認められ、もう一人の若き弟子・烏丸テンマとともに空手道を極める日々を歩みだす!異国の殺し屋や伊吹流根絶を狙う空手組織相手の破格のバトルがここに開幕!!

ぼくはまだやきゅうをしらない
僕はまだ野球を知らない
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高校野球の監督をするのが夢だった物理教師・宇佐智己(うさともき)は、念願叶って浅草橋工業高校野球部監督に就任。チームを勝利に導くために、野球の統計学を提案する。根性でも気合でもない、データに基づいた「効率の良い努力」とは何か? 新生野球部、始動!!

野球未経験の野球馬鹿という利巧か馬鹿か良くわからない主人公

野球未経験だが統計学を駆使して頑張る 新米高校野球部監督の話。 スポーツ漫画では昔から 「センスと体力の塊」みたいな主人公に 「知能と論理が全て」みたいなライバル登場、 ってのはよくあった。 メガネをかけてパソコン持ち歩いているようなやつ。 大概は「(主人公)は計算外の大物だ」みたいになって 主人公が勝つんだけれど(笑)。 漫画キャラとしては計算高いやつより 純粋にその競技が好きなやつのほうが好まれて 論理派は嫌われるだろうし、 そういう設定と結末になるのはある意味で自然かも。 「僕はまだ~」で好感を感じたのは 主人公が統計学馬鹿なんだけれども、 統計学馬鹿が野球に口出ししてきたのではなく、 野球馬鹿が統計学を武器に頑張るということ。 そして、統計学を勝利のためだけでなく、 選手の可能性を奪わないために使うこと。 野球が好きだがやらせてもらえなかった?主人公が 野球未経験の自分がどうやったら野球に関われるか、 弱小高校のナインを勝たせてやれるのか、 そう考えて武器にしたのが統計学である、ということ。 主人公が単なる統計学馬鹿で野球を好きでもなんでもないし 勝つことだけを目的に考えるキャラなら この漫画はまったく魅力がないものになっていたはず。 それとこの手のパソコン信者とかデータ主義の キャラって理知的過ぎて人間味にかけたり、 そんな凄い処理能力のPCや そんな都合のいい正確で大量のデータなんか 用意できるわけがないだろ、という無理無理感が つきまとったりする、普通は。 そのへんを最新の機器やソフトを登場させ、 工業高校であるという強み? そして主人公の情報収集力が ストーカーレベルに上昇した、 などの小ボケネタ的エピソードを盛り込んで 話に説得力と好感を持たせている。 この漫画については僕はまだ一巻までしか知らない(笑) 多分、二巻から先では統計学の限界とかに ぶつかったりして悩んだりするんだろうな、と想像している。 そんな限界を小ボケかましたりしながら乗り越えていく(だろう) 主人公と野球部員の話を、これから読むのが楽しみだ。

名無し
ナリキンフットボール
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目立たずともチームを支え続け優勝に導いた理論派センターバックの我王。しかし契約更新時、彼を待っていたのは非情で無慈悲な大人の世界・・。「金にならん奴とは契約しない」。サッカー選手の価値とはなにか?「ゴールを生むこと」。否、ゴールだけでは語れない魅力がサッカーにはある。サッカー界に新たな価値を。これは世界一稼ぐフットボーラーを目指す男の物語。

現代的な主人公によるJ2からの立身 #1巻応援

旧来の作品においては、データや科学的アプローチを重視する頭脳派キャラというのは噛ませ犬ポジションであることが非常に多いものでした。データを過信して、データを超える強さや成長やチームワークを見せる主人公側に敗れるというのが様式美です。 しかし、今は逆にデータで戦う頭脳派キャラクターが主人公になる時代なのだなぁとこの『ナリキンフットボール』を見てもしみじみ思います。 古くから行われてきたスポーツアナリティクスが近年では現実世界でも非常にメジャーな存在となってきたことはSports Analytics Labのこちらの記事に詳しいです。 https://www.sportsanalyticslab.com/column/sports-analytics-history.html 特に、2003年に発売され2011年にブラッド・ピット主演で映画化もされ大人気となった小説『マネー・ボール 奇跡のチームをつくった男』の大ヒットもあり、一般的にもプロスポーツの世界でデータを分析し活用することを重視して戦うことはメジャーになりました。 それから更なるテクノロジーの発達によりGPSやドローンでより多角的にデータを採ることができるようになり、得られたビッグデータをAIによって解析させることも可能となりました。それによって、人間が抱く印象を超えたいくつもの真実が浮かび上がってきます。 本作の主人公は、サッカーIQが非常に高く目に見えない部分のチーム貢献度が大きいセンターバックの我王(がおう)。彼が、J2という舞台から最高の選手を目指していく物語です。我王は体力テストにおいてはJ2でも最下層で、技術的にも優れているわけでもない選手です。しかし、対戦相手や味方の分析を誰よりも深く緻密に行っており、俯瞰した視点から試合全体を見通すことのできる能力を持っています。 近年では、運動能力の66%は遺伝的な要因で決まるという研究もあるそうです。体格や骨格、柔軟な筋肉などはどうしたって天与のものです。フィジカルやスピードはいくら鍛えても先天的な才能の差で負けてしまうことも多いでしょう。しかし、たくさんの知識を得た上で他者よりも多く思考するというところに関して言えば、時間さえかければ誰にでもできる、努力の余地か大いにある部分です。 実際、近年目覚ましい活躍を見せる日本代表の三笘選手も目に見えるドリブルや決定力のすごさはもちろんのこと、それ以上に高いサッカーIQこそが特筆すべきものであると言われることもあります。 超常的な身体能力を持たなくても圧倒的なインテリジェンスがそれ以上の武器となること、それが主人公像にさえなり得ること。「頭が良いことはかっこいい」という、現代的な価値観が反映されています。 なお、我王はアナリストではなくあくまで選手としてのトップを目指します。なぜなら、アナリストではどれだけ頑張っても億単位の収入を得られないからです。サッカーが下手なままで、頭脳によって最上位のプレイヤーを狙っていく。そこに新鮮味のある面白さと熱さが詰まっている作品です。11人でやるチームスポーツだからこそ、個の能力以上に戦略やチームワークがものをいうサッカー。個性豊かなチームメイトと共に、我王がどのような戦略を打ち立ててチームを躍進させていくのかワクワクします。描かれているのはサッカーではありますが、ビジネスなどにも通じる物語でもあります。 J2のチームの予算配分などプロスポーツの経済的な部分も詳しく語られるので、『グラゼニ』のような作品が好きな方にもお薦めです。

兎来栄寿
兎来栄寿
あおばのばすけ
アオバノバスケ
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あらすじ

身長195cmの中学生・青葉太樹は、恵まれた体格のせいで、一緒に遊ぶと怪我をすると「異物」扱いされてきた。そんな「自分」を見失っていた時、バスケU16日本代表・明星レオに出会う。1on1で一瞬の動作を見抜く太樹に、本当の武器は身長ではなく「目」だと、その才能を言い切った。身長で判断しないレオとの交流の中でバスケの自由さに惹かれていった太樹は、レオを超えるという夢を胸に、都内バスケ強豪校・青蕾高校へ進学する! 『ボーイズ・ラン・ザ・ライオット』が2021年米国ハーヴェイ賞「Best Manga」部門にノミネートされ世界で話題となった新鋭・学慶人による超本格高校バスケ漫画!

戦術とチームワークがテーマかな(4巻までの感想)

バスケはやる方はちょっとだけだっものの観るのは今でもずっと好きで、バスケマンガはスラムダンクが金字塔過ぎてそれ以外はしっかり読まずなんとなく避けてきました。黒子のバスケもあひるの空もチラ見だけでした。(deep3はしっかり読んだw) 本作も気が進まなかったものの、ふとしたきっかけで読み始めたら、とても面白い! まっすぐで才能豊かな主人公とか、チームの絆とかもテーマとして感じられますが、個人的には戦術面やプレー中の思考に関する描写が充実していてすごく良いです。 野球のようにワンプレーずつセットプレーが行われるスポーツにくらべて、バスケは流れの中で進みしかも攻守の交代が激しいため、素人目には技術あるプレーヤーが目立つスポーツで戦術や判断より力よりもその場の感覚がものを言う世界のように見えがち。が、実は采配や各シチュエーションでの判断が多くの情報の上になされていることがよく理解できて、スポーツとしバスケをより楽しめます。アオバノバスケを読んだ後に実際の試合観戦したら、今まで以上に楽しめるんじゃないかと思います。その辺はスラダンにはなかった要素かなと。 Aチーム昇格に向けたチームメイトとの熾烈なライバル競争のリアリティはわからないですが、八村塁が大学でぶつかった壁や、渡邊雄太がサンズで味わった緊張感と通ずるものがありそうです。 日本バスケ盛り上がってますし、元々のバスケ好きだけでなく、ちょっと興味あるなくらいの人も、これを読めばいっそうバスケを楽しめるようになると思います。 コミックDAYSからマガポケに移ったとのことで先行き気になりますが、長く続いて欲しいです。 おすすめです。ぜひ読んでみてください。

alank
alank
グラゼニ~大リーグ編~
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あらすじ

仙台ゴールデンカップスを自由契約となった凡田夏之介に、ボストン・ブルーソックスの新監督に就任したボビー・リード氏から練習参加のオファーが届く! 2軍生活で鍛えた新魔球・ナックルボールを武器に、ともに海を渡る女房役・パーシーと、メジャー契約を勝ち取れるか!? かつては契約直前で叶わなかった大リーガーの夢をもう一度。36歳ベテラン左腕が「過去最高額のグラゼニ」に挑戦する!

しんそうばんぶりざーどあくせる
新装版 ブリザードアクセル
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あらすじ

オレ、北里吹雪、中学1年生。みんなに注目して欲しくてケンカ100連勝を達成したけど、誰もオレを見てくれねぇ…。そんな時、出会ったのがフギャー…じゃなくてフィギュアスケートだった! 思いっきりジャンプした瞬間、オレは生まれて初めて注目されたんだ!! だからオレは、始めるのが遅すぎると言われても、フィギュアをやりてえ! そして世界中のみんなに見てもらいてえんだ!!

せんりゅうしょうじょ
川柳少女
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あらすじ

言いたいことは五七五の川柳で伝える女の子・雪白七々子と、見た目は怖いけど心優しい文芸部の毒島エイジ。五七五のたった17音で紡がれる二人の日常は、いつだって幸せいっぱい!