はながみしゃらく
あらすじ
『茶箱広重』『裸のお百』『らんぷの下』などの名作で知られる伝説の漫画家・一ノ関圭、待望の単行本です。歌舞伎と浮世絵を題材にした『鼻紙写楽』は、2003年~2009年にビッグコミック増刊で不定期連載されました。その全8話を大幅に加筆・再構成し、三部作としてついに単行本化。多くの漫画家から、また漫画好きの読者から絶賛されるも、あまりに寡作なために幻の漫画家といわれる一ノ関圭の、代表作『茶箱広重』をこえる24年ぶりの傑作最新作です。物語は、江戸期・田沼の時代。町方役人の次男坊・勝十郎は長じて、座頭・五代目市川団十郎らの下で芝居小屋・中村座の囃子方「笛吹き勝」となって下働きをしていた。しかし、同心の兄・一馬が殺され、勝十郎は再び武士に戻り見習い同心に。時を同じくして江戸市中に連続幼女殺しが起き… (収録:「勝十郎」「卯之吉」「仲蔵」、巻末描き下ろし「初鰹」)
かんだごくらくちょうしょくにんばなし
あらすじ
「金なんざどうだっていい。心意気の話さ。わかるだろ?」 ただひたすらに、ひたむきに…… 桶職人、刀鍛冶、紺屋、畳刺し、左官。伝統の手仕事を圧倒的ディテールと珠玉のドラマとともに描く歴史的傑作。■桶職人 覚えときな。木ってのは生きてんだ──木を見つめ木と生きる桶職人の一日。■刀鍛冶 自分が打った刀で子どもが殺された。灼熱の鍛冶場ーー多くを語らぬ刀匠の胸中は… ■紺屋 友禅染が大流行する中、藍染の意匠に悩む一人の職人。先の見えない仕事に心は沈むが… ■畳刺し 明け渡った吉原が男達の仕事の場。暮れの畳の張り替えに遊女達の冷やかしは付き物で… ■左官(一、二、三) 土蔵の普請場に奇妙な男が現れる。甚三郎と名乗るこの男、上方から流れてきたようだが…
先日『今村翔吾×山崎怜奈の言って聞かせて』というラジオ番組に出演させていただいたのですが、その際にパーソナリティのお二方が共に歴史好きということで、まだ単行本は出ていないものの是非ともお薦めしたいと思っていた作品がこちらです(なお本番ではバトルマンガや知識になるマンガを求められたため紹介できず終いでした)。
2020年の末に行われたマンガプレゼン大会では、作者である坂上暁仁さんの『火消しの鳶』を紹介された方がいました。
https://note.com/manba/n/n62e97c7ae279
プレゼン者に「ボクはこの見開きに惚れて今この場に立っています」と言わしめるほど、圧倒的に精緻な絵で描かれた打ち壊される家屋の見開きが視聴者の中でも話題となりました。その描き込み力は本作でも存分に、いえますます魅力的に発揮されています。
描かれるのは、タイトル通り江戸の街で活躍する職人たちの業と、それによって生み出される品々。
出来上がった品は現代でもその辺で意識せずに見られるようなものが多いのですが、染め物をする工程の荘厳さであったり、木桶のひとつひとつの木目や刀の凍えるような美しさであったり、その製作過程や出来栄えの圧巻のヴィジュアルに呑まれ、見惚れます。職人芸の美しさを、絵で語ってくれる一冊です。
他方で、「畳刺し」の話のような人間味溢れるエピソードもまた良い味わいを醸し出しています。読んでいると、まるで賑やかな江戸の地の喧騒の中にタイムスリップするような錯覚に陥らせてくれます。
ある種、アートブックのようにも楽しみめる作品です。森薫さんのような、微細で美麗な描きこみが好きな方には強くお薦めしたい作品です。
百聞は一見に如かずで、まず1話だけでも試し読みしてみてください。余談ですが、海外に持って行ったら日本の3倍以上の値段でも喜んで買う方がたくさんいるのではないでしょうか。
あらすじ
昭和30年、ヒロシマを舞台に一人の女性の小さな魂が大きく揺れる。最もか弱き市井の人たちにとって戦争とは何だったのか、原爆とは何だったのか。こうの史代が描く渾身の問題作。
おれとあくまのぶるーず
あらすじ
十字路で悪魔と取り引きすれば、すべての願いは叶えられる――「クロスロード伝説」であまりにも有名な“伝説的ブルーズマン”の生涯をモデルに、奇才が渾身で描いた本格ストーリー漫画作品、遂に刊行!1920年代末、アメリカ南部・ミシシッピ州デルタ地帯。黒人の大半は、白人所有の農園で小作人となるしかなかった時代。ブルーズマンを夢見ながら、ろくにギターも弾けない平凡な農夫・RJを待ち受ける漆黒の運命とは!?
ぶらっどはーれーのばしゃ
あらすじ
資産家・ブラッドハーレー家の養女になることが、孤児院の少女たちの憧れだった。ブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しく活躍する…そんな期待に胸を膨らませた少女たちがたどり着いた先は、暗い暗い塀の中。恐ろしく壮絶な悪夢が始まる―――。かつてこれほど残酷な、少女の運命があっただろうか。戦慄!衝撃!圧倒!沙村広明の傑作シリーズ!
おんなのこがいるばしょは
あらすじ
「ここに描かれている遠い国の少女と私たちは一緒だ。そう、私たちは差別される側。認めるのはつらいけど、事実を知れば知るほど『ぶち破ってやるぞ!』と力が湧いてくる」山内マリコ(作家)「こんな世界が情けなくてやるせないけど知らないままの方がよっぽど恥ずかしいからページをめくる手を止めない冷笑的な態度に負けたりするもんか生まれついた性別で育った場所で奪われる夢があるなんて絶対に間違ってる」宇垣美里(フリーアナウンサー)「わたしたちは結婚しないと生きていけないの?」サウジアラビアに暮らす10歳の少女サルマ。同級生の姉は、顔も見たことのない8つも年上の男性と結婚する。外ではヴェールが必要で、大好きだったサッカーはもうできない。モロッコ、インド、アフガニスタン、そして日本……国も宗教も文化も違う少女たちに降りかかる「女の子だから」を見つめる作品集。◎ダークでファニーな怪談御伽噺『かわいそうなミーナ』も同時発売。◎やまじえびね ビームコミックス好評既刊『レッド・シンブル』全3巻『ナイト・ワーカー』『アイム・ノット・ヒア やまじえびね作品集』『女神たちと』(共著:河井克夫他)◎コミックビーム 公式ツイッター@COMIC_BEAM
あらすじ
人はかくも業深く、古都はかくも偉大なり 古都・奈良。三つの世界遺産を擁する日本を代表する観光地。売れない漫画家、マイルドヤンキー、パンクス、やる気のない野球部員、冒険のパーティーからそこはかとなくハブられている航海士、街頭で奈良の崩壊を訴える謎の男……名所旧跡で繰り広げられる若者たちの群像劇は、やがて人間の業を深々とえぐり出し、世界の虚を暴き出す衝撃の展開へ―― 「トーチweb」連載時から話題騒然! 若き無頼派が到達した「リアリズム漫画」の最前線 第1話 西大寺 第2話 東大寺 第3話 法隆寺 第4話 唐招提寺 第5話 飛鳥寺 第6話 興福寺 第7話 ドリームランド1 第8話 ドリームランド2 第9話 ドリームランド3 第10話 ドリームランド4 第11話 平城宮跡 第12話 猿沢池 ―――――――― この「奈良へ」という作品を読んでまず思ったのは、これは途轍もない傑作だ、ということで、私は読後、暫くの間、虚脱していた。(解説:町田康) ――――――――
じーのさむらい
あらすじ
/////////「このマンガがゲスい!」3年連続 第1位作品///////// イキとしイケるすべてのものたちへ…… 異端の作風で物議を醸してきた田中圭一が、マンを持して世に放つチン作! 島流しにあった侍と貴族が、絶海の孤島で死力を尽くしてイキる! マンガ史上最ゲスの島流し童貞活劇。※本作はゲスという一点において、大変上質な作品となっております。多量の放液シーンがございますことをご理解の上、ご購入くださいませ。【読者よりイキな感想届いてます。】●イカした童貞2人のイキ様に、読後イキイキとした力が芽生え、イキる希望を頂きました。(30代男性)●イカんな、イカんな、と思いながらも、最後までイッキにイッてしまいました。(40代男性)●ゲスいのにイク度でも読み直したい。(20代女性)●イクらなんでもこれは学校にもってイケませんよ!(10代男性)●これを楽しめない男はイクじなしです!(20代女性)
しんそうばんこおりのてしべりあよくりゅうき
あらすじ
小澤昌一は東洋大学予科生。東京・本郷の下宿先で銃後の暮らしの中にいた。戦況が悪化する昭和20年1月末、突然名古屋から父が上京し、直接手渡された臨時召集令状。北満州へ送られた後、上官から停戦命令の通達、すなわち終戦を知らされる。実弾を撃つことなく終わった戦争だったが、その後ソ連領の大地を北に向かわされ、ついにシベリアの荒野へ。待っていたのは粗末な収容所と、地獄のような重労働だった。 シベリア抑留の極限状況を生き抜いた著者の父親の実体験をもとに描かれた衝撃作、待望の新装版!
しかけぐらし
あらすじ
「へうげ」の世=桃山時代から約二百年。「江戸」は居よいか住みよいか。複雑怪奇な人間模様、闇で「仕掛」ける裏稼業。元締・音羽屋半右衛門、嫌な渡世だ。「仕掛人・梅安」シリーズの原点『殺しの掟』(講談社文庫)より三篇を厳選。山田芳裕が池波正太郎に捧ぐ極乙のオマージュにて候
えいはぶ
あらすじ
19世紀初頭。ある捕鯨船が巨大な白鯨に沈められた。航海士エイハブは、片足を失うも仲間を犠牲にして生き延びた。人類vs.巨鯨。復讐を誓った一人の漢の生涯を賭けた尋常ならざる闘いが幕を開ける…!
ひゅーまにたす
あらすじ
盲目の剣士・オセロット。冷戦下・旧ソ連のチェス王者・ユーリ。極北の鯨ハンター・エナ。人は何のために生まれ、死んでいくのか…!? この星の片隅で抗い続けた者たちを描く鮮烈の戦士列伝―――!!
名無し
くろはくぶつかんすぷりんがるど
あらすじ
19世紀・ヴィクトリア朝初期のロンドンで、女性ばかりを狙った連続殺人事件が発生。現場では、高笑いしながら跳び去る怪人の姿が目撃されていた。3年前、夜道で女性たちを驚かせたという「バネ足ジャック」が殺人鬼となって帰ってきたのか?事件を追うロンドン警視庁の警部は、意を決してある「貴族」の館へ馬車を飛ばす……。『うしおととら』『からくりサーカス』の藤田和日郎、新境地。熱き活劇の名手が奏でる怪奇と冒険と浪漫の協奏曲(コンチェルト)!
名無し
さくらん
あらすじ
江戸吉原は男と女、女と女がだまし合う色の街。その中の「玉菊屋」に売られてきた、ふてぶてしくて意地っ張りだけどちょっと健気な少女。彼女が、ほかの遊女たちの生き様や悲劇的な最期を目の当たりにしながら位の高い遊女である花魁へと成長していく。のちに伝説の花魁となる「きよ葉」の型破りな生き方を描く、破天荒花魁ストーリー!
ちょうのみちゆき
あらすじ
「ごめんね寂しか思いさせて……大丈夫そうそう長くは待たせんけん……」遠く響く三味線に異国の言葉が混じり合う長崎丸山。絶世の花魁と重い病を抱えた一人の男の過去が、やがて密やかな“愛と死”の物語を紡ぎ始める……“世界”がいち早く評価した孤高の俊才・高浜寛が、長崎丸山に生きる遊女の「切なすぎる純愛」を洗練を極めた筆致で描く。国内の漫画家、海外のバンド・デシネ作家、映像作家など、ジャンルや国籍を問わず多くのアーティストたちから熱い注目を集める傑作!!<世界の巨匠たちが絶賛!!>今、最も読まれるべき漫画がここにある。知っているようで知らない時代、美しき遊女のお話。なんとも気負いのない絵と語りのうまさが際立つ――心が揺れる。高浜寛の物語表現は描く度に高まってゆく。(谷口ジロー/フランス芸術文化勲章受章作家)本作『蝶のみちゆき』の少なからぬ魅力はヒロイン・几帳が湛える穏やかな悲しみにあり、読む者を幕末・明治の遊女の世界へと導く官能と情緒にある。私たちは初期作品からずっと高浜寛の繊細な仕事に注目してきたが、彼女はこの作品により世界的コミック作家の最高峰へ至る新境地を切り拓いたようだ。(ブノワ・ペータース&フランソワ・スクイテン/アングレーム国際漫画祭大賞・文化庁メディア芸術祭大賞『闇の国々』著者)
はるかぜのすねぐらちか
あらすじ
車椅子の少女と物言わぬ従者。互いの他に、信じるものなどない二人。◆極寒のロシアを舞台に沙村広明が描く、戦慄の歴史ロマン。◆1933年、ソビエト連邦カレリア自治共和国。とある別荘(ダーチャ)の管理人であるイリヤ・エヴゲーニヴィチ・ブイコフは、車椅子の少女・ビエールカと物言わぬ従者・シシェノークに出会い、奇妙な賭を申し込まれる。なぜ彼らはこの地を訪れたのか、どこからやってきたのか。そして互いだけを頼りに生きる二人が背負う、密かな宿命とは――。とある名家にまつわる、喪失と奪還の物語。
こうしあんこくでん
あらすじ
紀元前495年、赤気と共に生まれた二人の子供――赤とアスラ。中国とインドにそれぞれ生まれながらも、やがて運命のもとに出会い、仏陀の導きにより一人の人間として生まれ変わる…。彼こそが孔子の待ちわびた天子だった!
ちじょうのきおく
あらすじ
ニューウェーブ世代の旗手として、大友克洋・高寺彰彦・山本おさむらとともに活躍した白山宣之の遺作集。2012年に病没し、その才を惜しむ作家たちの発案でこの作品集「地上の記憶」が刊行された。寄稿作家にも注目。大友克洋・平田弘史・さべあのま・高野文子谷口ジローらが寄せている。カバーデザインは古くからの友人でもある大友克洋が手掛ける。収録作品:陽子のいる風景/ちひろ/Picnic/大力伝/Tropico
しにざま
あらすじ
死に様こそ生き様…! 松永久秀、足利義輝、杉谷善住坊、鳥居強右衛門、織田信孝、夏目吉信… 戦国の梟雄から名もなき烈士まで、それぞれの命を激しく燃やしたその《シニザマ》を完全描破!! 乱世に生きる者達の散り華を、圧巻の筆致で再現した戦国壮絶死列伝!!
こうふくがほう
あらすじ
少し昔、大正時代の日本。特別ではない「いつものごはんやおやつ」とともに・神経質すぎる和菓子職人に振り回されるお手伝いの少女。・風変わりな仮面を被る古書店の主人と、クラスになじめない転校生の少女。・顔も知らない他人同士だった男女の新婚生活。などなど、市井の人々の幸せな日常を描いたノスタルジックコミック!
名無し
ばとるふぃーるど
あらすじ
戦場、それは生と死が背中合わせの、命を賭けた極限の地。平和を夢見る人間たちの、哀しみと夢を描いた珠玉の叙情詩!!収録作品:Code1汝の敵/Code2愛しのテディーベア/Code3エルベの笛/Code4楽園のあちら側/Code5不死身のジャン/Code6紅はこべ団の冒険/Code7ローラン/Code8穴の中/Code9コネティカット州のアメリカの奇跡
げきがひっとらー
あらすじ
画家の夢破れ、母の遺産を食いつぶし、公園を寝床にしていた青年はついに浮浪者収容所を訪れる。アドルフ・ヒットラー24歳、当人はともかく、当時誰の目からも彼は人生の落伍者だった…。ドイツ人を熱狂させ、史上まれな独裁者となったアドルフ・ヒットラーとは、一体どんな人間だったのだろうか?水木しげるが見たアドルフ・ヒットラーの真実の顔とは!?
くらいまーれつでん
あらすじ
幼い頃から、世界一高い山・エベレストに登ることだけを目標に生きてきたロニー・ゴードン。彼は今、エベレスト南西壁厳冬期初登頂のグループの一員として、登頂安全祈願の儀式に参加している。「国(サガル)の母(マタ)なる女神」。現地語でそう呼ばれる厳寒のエベレストは、今日も冷酷で神々しい姿で目の前にそびえ立つ…。厳しくて険しくて、しかし限りなく美しい山々に魅せられた、鉄の体と心をもった岳人(クライマー)たち。ときには自らの命までも犠牲にして闘いに挑んだ彼らの壮絶な姿を描く!
てれびあにめそうさくひわ〜てづかおさむとあにめをつくったわかものたち
あらすじ
誰もが不可能と思ったことに漫画の神様と共に挑戦した若者たちがいた。TVアニメ創生期の現場の人々の想いを『ブラック・ジャック創作秘話』の宮崎克が描く話題作!