一九三〇年、日本統治時代の台湾に生まれた蔡焜霖(さいこんりん)は、読書が好きな少年で、教育者になることを夢見て育った。戦争の色濃い時代は日本の敗戦で終わったが、戦後は国民党政権による新たな支配が始まり、ある日、町役場で働く焜霖のもとへ憲兵が訪ねてきて……。白色テロの深い傷を描いた台湾の傑作歴史コミック、第一巻。
長崎尚志氏・絶賛!「悔しいが思いつかなかった」正統派劇画家最右翼・森秀樹渾身の新作。描くは中世オリエント世界に巻き起こる嵐―― 「1258年、モンゴル帝国VSペルシャ+“インド墨家”」!! 西暦1258年、ペルシャ高原の小都市ビジャを、蒙古軍の支隊が包囲した―― 世界の半分を制圧した最強騎兵は総数2万、対するビジャの人口はわずか5千人である。陥落は誰の目にも明らかだった―― モンゴル帝国によるペルシャ侵攻、それに抗う小都市国家「ビジャ」を巡る攻城戦…… 彼らが最後の希望を託す伝説の集団「インド墨家」の正体とは!?
江戸時代、日本国中を測量してまわり、初めて科学的な根拠に基づく実測により日本地図を完成させた男・伊能忠敬。物語は、まだ三次郎と呼ばれていた幼少時代から始まる。幼いころから算術が得意だった三次郎は、佐原の二大名家のひとつ「伊能家」の者から、婿に入り伊能の家を引っ張り上げてもらいたいと言われ…
まずしい農村出身の一矢(かずや)。ある日、出された奉公先は、なんと宮廷で!? 言葉遣いから、立ち居振る舞い、全てが未知の煌びやかな世界で、次期“帝”と目される主人・春宮(はるのみや)を守り通すことは出来るのか。陰謀渦巻く宮廷で皇子を守る、影武者奮闘録!『真昼の百鬼夜行』で現代に生きる妖怪をコミカルに描いた比嘉史果。最新作は、絢爛豪華な宮中の生活を、耽美に魅せます!
フランス文学の不朽の名作を世界で初めて漫画化!! 物語が始まった時、私は十五歳半だった―― 1929年、フランス領インドシナ。現地のフランス人女学校に通う貧しい少女は、ある日メコン川のボート乗り場で華僑の青年と出会う。少女は金と快楽のためと割り切って関係を持つが…… 世界を虜にする叙情と官能の作家・高浜寛がフランス文学の“あの名作”を世界で初めて漫画化!! (オールカラー作品)★第21回文化庁メディア芸術祭「優秀賞」受賞第一作 ★「アングレーム国際漫画祭2020」公式招待
時は安政四年。後に「新選組 鬼の副長」と呼ばれる土方歳三は、喧嘩に明け暮れる日々を過ごしていた。農民の生まれである歳三は武士への強い憧れがあった。しかし、身分という壁に抗えず、ただ憧れだけが募る鬱屈とした日々を過ごしていた。そんなある日、佐絵という女性との出会いがきっかけで、命懸けの戦いに臨み初めて人を斬る。この一戦を皮切りに、歳三の人生は激動の渦に呑まれていくことになる。電子書籍版では、雑誌掲載時と同様に巻頭をカラーぺージで収録!
幕末・明治を生き抜き、日本を近代国家に導いた資本主義の父・渋沢栄一。その知られざる、若かりし姿が描かれる。現在のみずほ銀行、三井住友銀行、JR東日本、キリンビール、サッポロビール、東京証券取引所、日本赤十字、日本郵船、川崎重工、清水建設、東京ガス、帝国ホテル、そして日本銀行、これらの礎となる481社もの企業を設立し、近代日本を築いた偉人! 令和新時代の今だからこそ知っておくべき日本No.1重要人物。農民から伝説の男へ。最強成り上がり歴史伝、開幕!
13世紀初頭フランス・ブルターニュ地方、紋章官トマはおぼつかない足で戦場を駆け巡っていた。戦も終わり彼の次なる使命は怪我を負った主より言い渡された、領主ブルターニュ公の花嫁探し。花嫁を見つけるため主の旧友アンドレに会いに武芸大会へ赴くトマであったが、待ち受けていたのはアンドレの名を語る別人。しかし、そのアンドレはトマが本来探していた花嫁本人であった…! なぜか男の姿で武芸大会へ出場していた彼女に問いただすも門前払い、しかも目的は領主ブルターニュ公への復讐と分かり…。
スイス連邦の独立を描いた『狼の口』に続く、久慈光久の戦闘群像活劇、第2作目の舞台は15世紀の英国! サマーセット家に仕える騎士・ブラッドは主君を逃がすため、ひとり、橋の真ん中に残って後続を迎え討つ…!
永らく国境を閉ざしていた謎の独裁国家「サバキスタン」はある日、国境を開放した。偉大なるサバキスタンの栄華を世界に伝えるため、世界各国のジャーナリストたちが招かれた。その日、同国では全国民から敬愛を受ける国父、リーダーである「同志相棒」の葬儀のリハーサルイベントが行われようとしていた。サバキスタンの工場に努める女性・ハーモニーもその名誉あるイベントへの参加を許されたひとり。彼女は喜びと誇らしい気持ちを胸に会場となるスタジアムへと向かった。同志相棒に招かれた世界的ジャーナリストのアンリ・パスカルもまた、宮殿内で同志相棒から歓待を受けていた。すべてが豪華絢爛で見事に設えられた奇妙な空間の中、アンリ・パスカルはふと戯れに、庭にある一本の木の枝を折ってしまう。その木は若き同志相棒が植樹した神聖なものであり、それを傷つけることは大罪であった…。架空の独裁国家における不自由や弾圧、陰謀、歴史の改ざん。そして人々の真実を求める心、抵抗、愛する国への願い――。迷える大国・ロシアから届いた、自由の意義を問いかけるアンチ独裁グラフィック・ノベル!
戦争を生きた人間の苦悩を紡ぐ本格漫画。昭和最大の痛みと言えば、なんといっても第二次大戦であろう。南方で極限を味わった男たち、731部隊、憲兵に指をもがれてしまった脚本家。自分の病気と闘い戦争に行けなかった男の苦しみ。そして、ヒロシマ・ナガサキ… 等々7つの究極のドラマを掲載します。終戦記念日にぜひ読んでいただき作品です。
1934年、田中角栄は三国峠を越え東京にやってくる。まだこの時は、何ももたない少年が後に世界に誇る名宰相へとなっていく。田中角栄、生誕から1世紀。その男の知られざる素顔が、令和に描かれる!! 小卒から総理大臣まで、昭和最強“成り上がり”ストーリー開幕!!
寛永元年(一六二四年)、深河藩のあるのどかな農村に突如現れた流行病。次々と村人達に襲いかかる様は、まるで生ける屍のよう。不死の化け物から愛する者達を守るために、素性が明かされぬ謎の侍、田蕗十造が再び刀を握る――
剣の腕は立つがぐうたらな釣り好きの浪人・川瀬流悟と、父に負けぬほどの太公望でしっかり者の娘・理津を中心に、江戸の町を舞台に繰り広げられる人情時代劇。「コミック乱」の大人気作品が、待望の単行本化となります。第1巻では、余命短い妻が初めて言ったわがままを叶えてやりたいと願う蕎麦屋の主人のために川瀬親子が奔走する『五郎八の懺悔』、過去の過ちを謝りたい兄と、それを受け入れた弟の絆を描く『兄弟の鮒』、床に伏せる母のために不器用ながらも懸命に生きる少年の成長譚『清太の鰻』、釣り大会での理津の奮闘と困っている人への心意気を描いた『沙魚百匹』の5編に加え、本作の原型となった『理津の釣り』も特別収録しました。たっぷりとご堪能ください。
時は江戸中期。堤 平九郎はしがない飴屋――しかし実は、金さえ払えばどこへでも連れ去ってくれる凄腕の仕事人「くらまし屋」だった! 人生をやり直したいと願う依頼人のため、今日もくらまし屋は命を懸ける!!
時は元禄。太平の江戸。極度の人見知りで、日々被害妄想に明け暮れるひとりの侍がいた――。彼の名は鷹松左衛門尉伊綱、通称・左門。所謂“メンヘラ”な彼の唯一の趣味は茶屋の看板娘巡り。念願の最推し看板娘・お蜜ちゃんとの触れ手会=握手会に意を決して左門は出掛けるが…?ひとりの“メンヘラ”の侍が太平の江戸をかき乱す…?!なんちゃってでもない時代劇、開幕!!
山岸凉子が描く古代日本の世界! 南の島で正気を失った祖母(ばばさま)の面倒を見る少女。厄介者として虐待されていた二人だが、ある日、海の向こうから一人の男が現れて……。海の向こうの国とは? 少女とばばさまの運命は? 古代日本史最大のミステリーに挑んだ傑作歴史物語!
生誕150周年。25歳の若さで亡くなった異端の画家オーブリー・ビアズリー、その栄光と破滅の生涯を描く。19世紀末のイギリス。21歳の青年ビアズリーは小説家オスカー・ワイルドのもとを訪ねてこう言った。「是非ボクの絵を『サロメ』に使って欲しいのです」ワイルドは突然の申し出に驚いたが、彼の大胆不敵な態度、妖しい魅力、そしてたぐいまれなる才能に溺れていく。同性愛疑惑、実姉との近親相姦などスキャンダラスな噂が飛び交う一方で、肺病に苦しみながらも、ただひたすらに作品を描き、芸術にすべてを捧げた。地位も名誉も手に入れたビアズリーが、死の直前に求めたものとは――。
舞台は平安時代…。虐げられた者たちの戦いを描く、雄渾な大活劇!! 皆既日食の日に生まれた桜暁丸は、朝廷にまつろわぬ「童」と呼ばれる民とともに、自由と尊厳のために立ち上がる…。安倍晴明、源頼光、坂田金時、そして酒呑童子……史実と伝説を巧みに織り込んだ、歴史時代小説の新星による直木賞候補作を名手がコミック化。(原作:角川春樹事務所刊) 1、2巻同時発売!!
ARE YOU READY?GAME START-戦国開戦-!命が滾(たぎ)る戦国を、蒼紅の武将が駆け抜ける──!時は戦国、帝王・足利義輝によって突如として行われた「天政奉還」。それを受け、世の武将たちは決起する!伊達政宗・真田幸村が織りなす戦国“流麗”アクション、堂々開幕!衝撃的なデビューから15周年を迎えたカプコンの名作ゲーム「戦国BASARA」。本作は、一騎当千の戦国英雄が敵兵たちをなぎ倒し、敵武将の撃破を目指すという爽快で豪快な戦国アクションゲームだ。その魅力はシリーズ未体験でもすぐに馴染める操作性や、ド派手で強力な技、やり込む程に気持ち良く決められるコンボ、そして、歴史の常識を塗り替える戦国武将のキャラクター性にある。特に、伊達政宗・真田幸村を筆頭とした個性あふれる武将たちは男女を問わず高い人気を誇り、ゲームだけに留まらず、アニメや舞台など、そのファンの裾野を広げている。また、ゲーム内における各武将の戦闘スタイルは様々な個性付けがなされ、武将ごとに異なる“固有技”や“固有奥義”、そして無敵状態で周囲の敵を一掃できる“バサラ技”などは、どれもド派手で特徴的なものばかりだ。本作「戦国BASARA 双極の幻」は、そんな「戦国BASARA」シリーズの世界観をベースにしながらも、綾峰欄人×浅田有皆の強力タッグによって新たな世界を描いていく。オリジナルのキャラクターやオリジナルの展開にもぜひ注目だ。
描かれるのは、幕末の器才・吉田松陰! 幕末という狂乱の時代の中で、教育とは何か、人とはどう生きるべきなのかを説く。今まで描かれていなかった伊藤博文のやりのこした想い。高杉晋作がなぜ、狂乱のカリスマとなれたのか。そして、なぜ吉田松陰という幕府転覆の核が生まれ、その男の目に日本の未来がどう映っていたのか。全日本人必読の美麗ヒストリーコミック。時代を越えて“狂”のレクイエムが鳴る……。
天徳四年(西暦960年)春。京で「盗らずの盗人」「妊婦の連続殺人」と奇妙な事件が続く中、天文得業生・安倍晴明と友人の源博雅は、奇妙な仕事の依頼を受ける。それは後の京を揺るがす災厄の前触れだった……!
銀獅子賞受賞作品、渾身のコミカライズ!! 太平洋戦争前夜。神戸の貿易商・福原優作は物資を求めて赴いた満州で、驚愕の国家機密を知ってしまう。正義感から世界に公開しようとする優作に、妻の聡子は…… 戦火に秘された恋愛/サスペンス。第77回ヴェネチア国際映画祭・銀獅子賞受賞。黒沢清監督作品、初のコミカライズ。
「パワハラ魔王」織田信長に大敗し、都を追放されながらも将軍の旗を降ろさず、足掻き続けた生き様! 戦国最後の将軍、足利義昭!! その求め悶える流浪の生き様を追う著者渾身の戦国コミック
本作は台湾で伝説的児童雑誌『王子』を創刊した、蔡焜霖さんの人生を描いたノンフィクション。戦前の日本統治時代から白色テロ時代、そして現代の民主化した台湾までを通して描く作品は、おそらく今までにないのではないか、と『綺譚花物語』翻訳者の黒木夏兒さんはおっしゃっていました。 全四巻のうち1巻と2巻が同時発売。両方を通して読んでみると、この二冊が同時発売された意味が分かる気がします。 1巻は戦前。台湾語を喋りながら日本語を学ばされる時代を、それでも大家族の中でおっとりと優しく育つ焜霖さんの少年時代は、穏やかなタッチで描かれます。 しかし1巻末、世界は暗転します。 2巻では、謂れのない罪を着せられた、政治犯としての過酷な10年が、暗く・痛々しいタッチで描かれます。 登場する人物も皆、焜霖さんが出会った実在の人物。さまざまな出会いも、大切な人も、容易に奪われてゆく。その悲しみ……とりわけ彼らを失ったのは自分のせいかもしれない、という焜霖さんの苦しみは、巻末の一人ひとりの解説を読むと、いっそう強く伝わるのです。 失われた者や時への焜霖さんの思いが、3巻以降、どのような形になるのか……続きを待ちたいと思います。