川島・山内・ムーディがドラフト形式で選ぶ「夢の週刊少年サンデー」|川島・山内のマンガ沼web

川島・山内・ムーディがドラフト形式で選ぶ「夢の週刊少年サンデー」|川島・山内のマンガ沼web

麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』。今回は、前回放送された「夢の最強ラインナップを考えよう 週刊少年サンデー編」の模様をお送りします(放送を見逃した方はTVerもご覧ください)。

サンデーは1作品目が勝負!

川島 今回のテーマは「夢の最強ラインナップを考えよう 週刊少年サンデー編」! やってまいりました、夢の企画です。この企画ですので、今回はこの男をお呼びしております。ムーディ勝山!

ムーディ よろしくお願いします。おかげさまで、今年で16回目を迎えるマンガ大賞の選考員をやらせてもらってます。

川島山内 えええええ!

ムーディ これも「マンガ沼」のおかげでございます。

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 前回の「夢の最強ラインナップを考えよう 週刊少年マガジン編」では、ムーディさんのラインナップがマガジン編集部の評価1位でした。第3弾となる今回は『週刊少年サンデー』です。サンデーで過去に連載していた、または現在連載中の全ての作品、なんと700作品以上の中からわれわれが独断と偏見で「夢の最強少年サンデー」を作り上げたいと思います。

ムーディ 楽しみ。

川島 ルールはこのようになっております。

 

  • それぞれ選抜するのは7作品。「自分の少年サンデー」に載せたい作品を、1つずつ同時に発表。
  • 載せたい作品がかぶってしまった場合は、プロ野球のドラフトのように「くじ引き」で決定。
  • 同じ作者の作品は1作品まで。

 

川島 最後のルールが特に重要で、たとえば僕があだち充先生『タッチ』を取った場合、その後は『H2』『ラフ』など、あだち充先生の作品は全て選べなくなります。

ムーディ 少年マガジンのときはこのルールにやられました。梶原一騎先生と高森朝雄先生が同一人物と知らなくて……

川島 少年サンデーは「サンデーと言えばこの人!」という先生が多いですからね。そのへんも読み合いながら楽しんでいきましょう。ちなみにサンデー編集部に週刊少年サンデーの特徴と編集方針を伺いました。

 

  • スポーツ、ラブコメ、バトルなどさまざまなジャンルを網羅し、中高生から大人の読者まで楽しんでいただけるキャラクターの魅力が光る作品を掲載しています。
  • 人気アンケートをはじめとする読者さまの各種反応を参考に、雑誌として楽しんでいただける構成順を意識しています。

 

川島 確かに、サンデーはちょっと大人っぽいのも入ってきますね。思春期の自分にバチンとハマる作品がめっちゃ多いです。ただ、思い出の作品を全て取れるかどうか分かんないですよ(笑)。

山内 かぶってくんねん。思い出がかぶってくる。

ムーディ 同世代やから(笑)。

川島 たぶん看板は取り合いになると思います。

サンデーといえば1作品目はやっぱり!

川島 それでは、まず1作品目からまいりましょう。今回、正直ここで決まると言っても過言ではない(笑)。

ムーディ サンデーの特徴として、1人の先生が何作品も描いているから、ここでその先生を取っとかないと。

川島 もうこれ、作品というより作者ドラフト会議やん(笑)。じゃあいくか。マジで今日、ここがピークやで。それではまいります。夢の最強少年サンデー1作品目。せーの、どん!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(全員『名探偵コナン』)

全員 あーーーーー!

川島 うわー、出た! 3かぶり! だってこれだけ攻守兼ね備えた完璧な一手、ないもんね。

(かぶった場合はドラフト会議と同様、くじ引きで決定)

川島 いいですか。さあいきましょうか。せーの!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 よっしゃああああああ! ……ということで、私が1位指名したのは『名探偵コナン』。言わずと知れた名作です。累計発行部数が25,000万部。どういうこと(笑)? 劇場版アニメも大ヒットしてます。これは全マンガの中でも絶対トップ10に入ってくる作品ですね。それではお2人、 1作品目の2巡目を指名してください。とはいえ、もう一度バッティングの可能性あります。

山内 それはほんま避けたい。

川島 夢の最強少年サンデー1作品目の2巡目、どうぞ!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(山内『タッチ』)

 

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(ムーディ『らんま1/2』)

川島 きれいに分かれました! ムーディさんは高橋留美子先生を『らんま1/2』で取った。

ムーディ 『うる星やつら』の高橋留美子先生ですが、個人的に好きなのは『らんま1/2』なんです。「設定がおもろ過ぎるやろ」という。水かぶったら、らんまは男から女に変わってしまう。久能先輩という高校の先輩がいるんですけど、彼がらんまをライバルとして倒しに行くんですけども、らんまがひとたび女の子になったら、彼にとってめちゃくちゃタイプの女の子なんです。同じ人物がライバルであり好きな女の子という、この設定がむちゃくちゃ面白い。

川島 山内さんはあだち充先生の『タッチ』。

山内 もうこれはあだち先生押さえです。サンデーにおいて、スポーツマンガは絶対1つ欲しかったんで。俺、かぶるかなと思ってました。

2作品目でもまだまだヒット作が

ムーディ ここもかぶりそうやなー。

川島 ここで何を取るかがでかいよね。(事前に準備しておいた候補とは別に)ここで思い出すことあるからな。マジでハイボール飲みながらやりたい。

ムーディ 夜やりましょう、今度。

川島 ほんまやで。そんで生配信とかやったらええ。もう書きました? それではまいりましょう。夢の最強少年サンデー2作品目。せーの!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(全員『今日から俺は!!』)

全員 うわーーーーーーっ!

川島 マジか!

山内 また?

3人、くじを引いて)

山内 来い!

ムーディ ほんまに好きやから! ほんまに好きやから!

川島 それでは、せーの!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(川島、2連続当たり)

川島 わーーーーい!

山内 うそやん(笑)。

川島 これはでかい。手が付けられない。『今日から俺は!!』は川島がゲットです!1988年から1997年連載、単行本は全38巻。累計発行部数4,000万部を突破しております。少年サンデーの看板作家の一人・西森博之先生の最大のヒット作。大流行していたヤンキーマンガの中でも、珍しくコメディが軸になっていた作品です。2018年にテレビドラマ化されまして、今の若い人も全員知ってるという。ジャンプですと『ろくでなしBLUES』とか、俺らより上の世代で『ビー・バップ・ハイスクール』とかあったけど、これはちょっと独特でしたよね。コメディやけど、締めるとこは締める。

山内 カッコいいケンカのシーンとかもいいんすよ。

ムーディ 開久高校を攻めるところとか、体が熱くなりますよね。でもコメディの回は本当に声出して笑えるぐらい面白い。

川島 『今日から俺は!!』を取ったので、『天使な小生意気』も消えました。全世代に愛されてるやつをぽんぽんと取れましたね。ということで、お2人は2巡目に入ります。

山内 もうプランが変わってきた……

川島 それではまいりましょう。夢の最強少年サンデー2作品目の2巡目となります。せーの!

(山内・ムーディとも『うしおととら』)

川島 マジで? 『うしおととら』でかぶりました。

山内 これめっちゃ好きなんすよ!

(山内・ムーディでくじ引き、山内が当たり)

山内 よっしゃああああああ!

ムーディ くっそおおおおお!

山内 これはうれしい。

川島 『うしおととら』は山内さんがゲットです。

山内 僕、妖怪がまず好きなんですけど、その中でもこの『うしおととら』読んだときに、本当に初めてじゃないかな……マンガで号泣したんですよ。『うしおととら』のことをみんなが忘れて、とらだけ自分のことを覚えてくれてたときの感じとか、本当に「妖怪マンガで涙することってあるんだ」ぐらい、感情移入してしまった作品です。

川島 それではムーディさん、3巡目をどうぞ!

ムーディ 『MAJOR』です。

山内 それ来たか。

ムーディ 少年サンデー、強い。まだこんな人気作品がある。幼少期から、少年野球の頃から主人公が『MAJOR』まで行くところを長く描いた野球マンガで、その成長過程を見ていくのもめちゃくちゃ面白くて。お父さんの夢を追うというのが、また泣けるんですよね。

川島 単行本はなんと全78巻。累計発行部数は5,500万部を突破しております。もう野球大河マンガだと。現在、主人公・吾郎の息子である大吾が主人公の続編『MAJOR 2nd』を連載中です。

3作品目、ゆうきまさみをめぐる争い

川島 それではまいります。夢の最強少年サンデー3作品目。せーの、どん!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(川島『機動警察パトレイバー』/ムーディ『究極超人あ〜る』/山内『烈火の炎』)

川島ムーディ うわーーーーっ!

ムーディ ゆうきまさみ先生かぶり!

ムーディ 川島さん、どこかで『パトレイバー』を書くと思ったんですよ。でも僕は『究極超人あ~る』めっちゃ好きなんで、先に書いたんです。

川島 俺、自分の中のサンデーに『パトレイバー』載ってなかったら、もうサンデーじゃないですもん。山内さんは『烈火の炎』で掲載決定ですね。

山内 『烈火の炎』 は1995年から2002年まで連載、単行本は全33巻。累計発行部数は2,500万部。主人公・花菱烈火がヒロイン・佐古下柳を救うため、仲間たちと共に戦っていく王道の能力バトルマンガ。当時、ラブコメやスポーツマンガが多い少年サンデーの中では、異色のバトルマンガでした。いろんな能力が出てきて、最初はそんな感じの能力なかったのに、どんどん烈火が進化していって、最後すごい敵を倒していくという。バトルマンガは絶対欲しかったです。

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(川島・ムーディでくじ引き)

山内 それでは一斉にお願いします。せーの!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(川島、3連続当たり)

 

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 よっしゃあ、33勝!

山内 川島さん、『パトレイバー』ゲットです!

川島 ゆうきまさみ先生『機動警察パトレイバー』、僕が一番好きなマンガです。令和の若い人にぜひ読んでほしいということで、『機動警察パトレイバー』をプレゼンさせてもらいました。連載は1988年から1994年、単行本は全22巻。累計発行部数は1,000万部を突破しております。ゆうきまさみ先生も、少年サンデーになくてはならない看板作家でございます。ロボットSFに日常ドラマを掛け合わせた、後のさまざまな作品に影響を与えた作品なんですが、やっぱりリアルなんですよね。ガンダムも僕大好きですけど、あれはけっこう先の未来。『パトレイバー』は身近な未来の話なんです。警察の中に、パトカーみたいなものとしてパトレイバーが作られたという。1個好きなのは(主役の機体である)イングラムのデザインですね。僕は兄貴の影響でこれ読んでました。「これがないとサンデーじゃない」というぐらい。

ムーディ それが俺にとっては『あ~る』なんです!

川島 知らんやん(笑)。

ムーディ くそう……

川島 ではムーディさん、3作品目の2巡目です。

ムーディ 『め組の大吾』。大好きな作品です。これ消防士という設定のマンガで、もう最高峰におもろいやつ描いちゃったから、この後でもう消防士のマンガはたぶん描けないです。原点にして頂点!

山内 ムーディさん……3作品目なのに、すでに6つ挙げてるってことですか?

ムーディ そうです。手札、ほぼ残ってない(笑)。

 

4作品目、最新の看板作といえば……!

川島 それではまいります。夢の最強少年サンデー4作品目。せーの!

(川島・山内『葬送のフリーレン』/ムーディ『銀の匙』)

川島山内 うわーーー!

山内 もう来るんかい!

川島 ということで、ムーディさんは『銀の匙』で決定と。

ムーディ 『銀の匙荒川弘先生の作品でございます。これも大好きな作品で、2012年のマンガ大賞も取ってます。農業高校に行った男の子の話なんですけども、もともと勉強でいい大学を目指してた子が農業に行って、農業の楽しみを知ったり、友情を育んだりするのを楽しく面白く描いてます。

川島 「農業のんびりやりたいね」みたいなノリじゃないのよね。つらくて怖いこともあって、そういう裏側も全部描いてます。子供に読ませたい作品です。

(川島・山内で『葬送のフリーレン』をかけてくじ引き)

川島 いきます、せーの!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(川島、4連続当たり)

川島 うわーーーーー!

川島 止まらない!

山内 え、4連勝!?

川島 俺……ラスベガス行ったほうがええんちゃう(笑)? こんなスタジオにいる場合じゃないよ。『葬送のフリーレン2020年から連載中、単行本は現在10巻まで発売。2023年にテレビアニメ化が決定しています。魔王を倒した勇者一行のその後をリアルに描いた新しいファンタジーマンガで、マンガ大賞2021に選ばれました。現在のサンデーを引っ張る看板作品です。なんというか、「令和」という感じがすごくするんですよ。『葬送のフリーレン』以降、こういうマンガが目に付くようになったので、地味に時代を変えてるんだなと思います。今、一番イキがいいマンガは『葬送のフリーレン』です。では山内さん、4作品目の2巡目をお願いします。

山内 『天才バカボン』。

川島 ここでスーパーレジェンド!

山内 ラインナップ的にギャグ系は欲しかったんで、『バカボン』で取りました。

川島 サンデーには1年間連載されていたと(*)。いろんな雑誌に載ったということなんだ。

*もともとは週刊少年マガジンの連載であったが、サンデー赤塚不二夫に破格のページ数を用意するなどの好条件を出し、途中で掲載誌がサンデーに変更となった。のちに再びマガジンで連載をスタート。

5作品目、川島5連勝なるか?

川島 このへんから「定食」として美味しくすることを意識しないと。それではまいります。夢の最強少年サンデー5作品目。せーの!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(川島・山内『モンキーターン』/ムーディ『がんばれ元気』)

川島 はははははは!

山内 マジで(笑)?

川島 言っていいっすか? 僕、最初は『がんばれ元気』を書いてたんです。

ムーディ あぶな!

川島 でも攻めようと思って『モンキーターン』にした。

ムーディ 『がんばれ元気小山ゆう先生。単行本全28巻。『あしたのジョー』『はじめの一歩』と並ぶボクシングマンガの金字塔です。『あしたのジョー』に感銘を受けた小山先生がボクシングを題材にするに当たって、「主人公は明るく優しくまじめ」「裕福な家庭で育つ」など、あえて『あしたのジョー』と逆の物語として描いてるらしいです。

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 確かにそうだ。『あしたのジョー』と全部逆だ。

ムーディ 僕がマンガで初めて泣いたの、『がんばれ元気』がたぶん初めてです。小山ゆう先生のやり方として、最初に悲劇を持ってくるんですね。

川島 『あずみ』とかね。

ムーディ 最初に誰かが死んだりするんですよ。悲しいところから物語がスタートするという。『がんばれ元気』ではお父さんのシャーク堀口が亡くなるんです。それがもう悲しくて悲しくて。涙なしでは読めない名作です。

川島 川島のラインナップにまだスポーツものがないんですよ。だからボクシングで『がんばれ元気』を考えたけど、ボートの『モンキーターン』を選びました。柔道の『帯をギュッとね!』とも迷ったんですけど。

(川島・山内で『モンキーターン』くじ引き)

山内 せーの!

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(川島、5連続当たり)

川島 いええええええええええええい!

山内 おかしい、おかしい(笑)!

川島 怖い怖い怖い怖い! ちょ……ちょっと1回、ほんまに平和島(競艇)行かしてくれ!

山内 5連勝?

ムーディ 誰も止められない。

川島 あーうれしい、スポーツ取れた。ということで、『モンキーターン』でございます。1996年から2005年まで連載、全30巻。最初は正直、「ボートレースのマンガ?」と思いましたね。ターゲットが狭いのかなと思ったんですけど、いやいやこれはもう男女平等、超スポーツマンガです。ギャンブルじゃないんだ、これはスポーツなんだ、ドラマなんだということを、この『モンキーターン』には教えてもらいました。ということで、山内さんの5作品目の2巡目です。

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

山内 『スプリガン』。原作はたかしげ宙先生、作画が皆川亮二先生。1989年から1996年まで連載、単行本は全11巻。超古代文明の遺産が悪用されないよう、回収・封印する組織の工作員の活躍を描いたSFアクションマンガです。僕、当時読んでなくて、友達から「これめっちゃおもろいで」って勧められて読んで、バトルの感じが何か新しいと思いました。ちょっと大人っぽいバトルの感じやったんですよね。

 

6作品目、あの時期のbaseよしもとが全員読んだマンガ

川島 さあ、それではまいります。夢の最強少年サンデー6作品目。せーの。

 

 

(川島『六三四の剣』/山内『白山と三田さん』/ムーディ『サバイバル』)

川島 やっと分かれました。では私から。『六三四の剣』はめちゃくちゃ好きなマンガ、剣道マンガです。1981年から1985年まで連載、単行本は全24巻。80年代の少年サンデーを代表する王道スポ根剣道マンガです。作者の村上もとか先生は、ドラマで話題となった『JIN-』の作者としても知られております。僕、物心ついた時から『六三四の剣』がずっと家にあったんですよ。でもこれ、子供が読むには実は重たい内容なんですね。

岩手県の少年・六三四が、お父さんの影響を受けて剣道を頑張るんです。お父さんは警察官なので剣道めっちゃ強いんですよ。お父さんの対戦相手に東堂という同じ年ぐらいの男がいて、お父さんは試合中そいつに突きを打たれて事故で亡くなってしまうんです。その敵討ちのために六三四が頑張るという。でも東堂にも六三四と同世代の息子がいて、剣道で何とかあいつに勝つために……ということで頑張るんです。僕は電子書籍で常に持ち歩いてます。ただ、これは7巡目で取ろうと思ってたんですよ。ここで本当に書こうと思ってたのは『白山と三田さん』。

山内 おー、よっしゃ! 僕のラインナップは濃いほうに寄っていたので、恋愛要素あり、くすっと笑える優しいマンガとして『白山と三田さん』を持ってきました。

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 これがあると、だいぶ雑誌が柔らかくなるのよ。何か安心するし、いま現役でめちゃくちゃおもろいしね。

ムーディ 私はさいとう・たかを先生の『サバイバル』。無人島での少年のサバイバル生活を描いたマンガなんですけども、当時われわれが大阪の劇場で活動してた「baseよしもと」の大楽屋に、この『サバイバル』が1冊だけあったんですよ。

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 ずーっとあんねん、『サバイバル』が(笑)。

ムーディ 誰のやねんっていう。ワイド版みたいなのが1冊置いてあって、続きを誰も買ってない(笑)。その時期のbaseよしもとの芸人、全員読んでたんですよ。でもこれ、本当にめちゃくちゃ面白い。無人島で少年がたくましく、失敗しながら何とか脱出しようと試みる作品です。僕のラインナップにシビアな感じが足りなかったので、『サバイバル』でさいとう・たかを先生のシビアな感じを入れたいなと。

性・スポーツ・血、三者三様の7作品目

川島 それでは夢の最強少年サンデー、ラストの作品です。

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

(川島『行け!!南国アイスホッケー部』/山内『うっちゃれ五所瓦』/ムーディ『今際の国のアリス』)

川島 さあ、分かれました。ムーディ勝山さん、『うっちゃれ五所瓦』。川島明が『行け!!南国アイスホッケー部』。そして山内さん、『今際の国のアリス』。どれもいいですね。

私から説明させていただきます。これ、当初はアイスホッケー題材にしたスポーツマンガだったはずなんですよ。なのにアイスホッケーが途中からなくなって、ただのエロギャグマンガになってしまったという。これが僕の性癖を作ったんじゃないかというぐらい、好みの絵で。ちょうどいいエロさもありつつ、男子中学生・高校生が腹抱えて笑うような面白さもあるというマンガです。短命かなと思っていたんですけど、実は1991年から1996年まで連載されまして、単行本はなんと23巻まで出ました。累計発行部数は800万部を突破。

ムーディ すごい!

川島 「エロギャグマンガ」と言いましたけど、それだけでは800万部もいかないと思うんですよ。久米田康治先生、今も奇才と言われてますが、デビュー作として堂々たる貫録を放ったという作品です。これのいいところというのは……高校生ってちょっとエッチなマンガは買えないじゃない?

山内 買えないです。

川島 これはスポーツマンガを買ってる顔して買えます(笑)。でも中を見ると、すごくエロいわけではないけど、ちょっといやらしいぐらいの絵なんですよ。非常にお世話していただいたなというマンガです。

ムーディ 私はなかいま強先生の『うっちゃれ五所瓦』。高校相撲を舞台に個性的なライバルたちとの戦いを描いた青春スポーツマンガです。なかいま強先生っていろんな作品出されてるんですよ。ゴルフマンガも出されてるし、最近だとカーリングのマンガとかも出されてます。有名どころだと野球マンガの『わたるがぴゅん!』とかね。これだけ面白い作品を描かれるのに、メディアで「なかいま先生の作品面白い」と言うマンガ好きが少ない気がするんですよ。もっと言ってほしい。で、『うっちゃれ五所瓦』は、地区大会のみを全12巻を使って描いてるんです。

川島 全国に行かない?

ムーディ 全国まで行かないんですけど、1試合1試合が面白い。しかも、なかいま先生はギャグも面白いんですよ。それぞれのキャラのギャグも面白いんですけども、試合の観客が発声するガヤが面白いんですよ。どのマンガでも観客が何か言うてるんですけど、観客のガヤで笑えるという。

山内 僕は『今際の国のアリス』。2010年から2016年まで連載、全18巻。Netflixでドラマ化もされています。ご存じのように、僕はバイオレンス系が好きなんですけど、ちょっと異世界に行ってそこでゲームをクリアしないと悲惨な死に方をしていく。そしてグロ過ぎない、程良い血加減。血液が苦手な人でも楽しめる感じが、今風なマンガだなと。バランス的にもこれはありかなと思って入れさせてもらいました。

 

 

 

その後、それぞれグラビアアイドルを選出、掲載順も考えた結果、3人の最強の週刊少年サンデーはこのようになりました。

 

▼川島サンデー

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

▼ムーディサンデー

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

▼山内サンデー

撮影/池ノ谷侑花(ゆかい)

 

川島 さて、この3人のラインナップをなんと『週刊少年サンデー』で掲載していただけるということでございます。

ムーディ めちゃくちゃうれしい!

山内 全部希望通りのラインナップになった川島さん倒したいっすね……

次回放送は「クイズ!置きマン」をお送りします。

 

(構成:前田隆弘

 


【放送情報】
マンガ沼 公式サイト
次回放送
読売テレビ●4月8日(土)深1:28~1:58
日本テレビ●4月13日(木)深2:29〜2:59
「クイズ!置きマン」を放送。
TVerでも配信中!)
公式HP公式Twitter

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