『凍牌』氷のKの物語完結記念、欠損した指の本数を数えてみた

『凍牌』氷のKの物語完結記念、欠損した指の本数を数えてみた

『ヤングチャンピオン』で2006年から連載されていた麻雀漫画『凍牌』シリーズが、2021年13号(単行本の最終巻は2021年8月19日発売)にて一旦完結となりました。単行本は『凍牌』(通称『無印』)が全12巻、『凍牌~人柱篇~』が全16巻、『凍牌~ミナゴロシ篇~』が全10巻で、合計38巻。

並行してスピンオフ作品も展開しており、堂嶋を主人公とした『牌王伝説ライオン』全4巻、その続編の『牌王血戦ライオン』全5巻、高津を主人公とした『麻闘伝 ぬえ』全2巻も合わせると、全部で単行本49冊にもなります。

これは原作・作画が同じ組合せの麻雀漫画シリーズとしては、『天牌』シリーズ(全148冊)、『天~アカギ~闇麻のマミヤ』(全57冊)、『むこうぶち』(全55冊)(※いずれも2021年8月19日時点)に続く歴代4位の記録で、麻雀漫画の歴史に残る大作となっています。麻雀漫画ファンはこの4シリーズを全巻所持しているだけで、本棚に300冊以上も漫画が並ぶことになりますね……。

そんな『凍牌』シリーズですが、作品の特徴としては、他の麻雀漫画よりも麻雀勝負を成立させる背景としての「暴」の力が強めに表に出てきており、やや血なまぐさい作風となっています。ネタバレになってしまうのであまり多くは語りづらいところですが、ネームドキャラがあっさり死んでしまうことも多いですし、大金のみならず指や腕や命などが賭けの対象となることも多いです。麻雀漫画というジャンルにあまり詳しくない人に、『哲也』『アカギ』『咲-Saki-』『ムダヅモ無き改革』のような大ヒット作品由来の固有のイメージを除外してから、麻雀漫画というのがどういうものかをふんわりとイメージしてもらうと、本作が一番「イメージ通り」になるのではないでしょうか。

しかし、一言で血なまぐさいと言っても程度が分かりづらいかもしれないので、血なまぐささの具合、言うなれば血なま具合を分かりやすく数字で示すために、作中で欠損した指の本数を数えてみました。

まずは手の指から行きましょう。

手の指の欠損数は4人で合計17本という、意外と少ない結果でした。主人公のKが竜凰位戦の準決勝で5位に終わり、決勝進出の4位までに入ることが出来なかった時に、ケジメとして左手の小指を自ら切り落としたことがあるのですが、高津に「こんな貧相な指いらねえ」と突き返されてしまい、結局無事に繋がったようなので、カウントとしては0本になります。その他にも、Kがアイを相手に指を賭けの対象にして一時的に4本奪われるところまで負けていたこともあるのですが、残り6本の指を賭けた勝負で取り戻したのでセーフだったり、この勝負に入る前に、1軍の前川さんが手の指10本全部を切り落とさせられたのですが、後を継いだKが前述の通りに勝利をしたことで松本さんの指も取り戻して、『人柱篇』で再登場した時にはなんとかくっついたと話していたので、これもまた欠損数としては0本になってしまうのも残念(?)でした。「ちゃんと動くのは右は2本だけ」とのことですが、まぁ動かなくても繋がったのならセーフでしょう。この2件で11本も損をしている!

そのアイですが、旅打ちをしていた時に指を賭けて勝利していたような話をしてはいるのですが、何本の指を切り落としたなどの具体的な話は無くただの見栄・ブラフの可能性もあるため、カウント数としてはこちらも残念ながらゼロにしておきます。

『凍牌』(志名坂高次/秋田書店)7巻7ページより。「妖怪指置いてけ」アイ。

そのようなわけで、(主にアイのせいで)指を賭けたり切り落とす描写はそれなりにあるのですが、作中での具体的な欠損数としては全てアイが絡まないものになり、17本という平均すると3巻に1本程度の数量となりました。せめてアイが、格付けのために具体的に「これまでの旅打ち中におっさんの指を××本奪った」とか言ってくれてれば良かったのですが……。アイの話しぶりからすると、今まで奪ってトイレに流したりしてきた指は10本や20本では済まなさそうですし、本当に惜しい……。アイが今まで何本くらいの指を奪ってきたのか、もし可能なら裏設定を志名坂高次先生に教えていただきたいものです。

次に足の指です。

『凍牌』(志名坂高次/秋田書店)8巻70ページより。

手の指と合わせて畑山が2冠となりました! 残念なのは、手足の指が20本とも全て切り落とされてしまったその回(『無印』8巻71話)のうちに死んでしまったので、欠損した状態での描写は数コマのみということでしょうか。足の指の欠損数は合計37本です。なんと、こちらも単行本の総冊数には及ばない結果となりました。もっとも、足の方は指どころか足ごと欠損してしまうケースも多いため、足ごとは8本が欠損しているので、実質足指欠損数は37+8*5=77本になります! 

足の指の欠損数ランキングで2位に入った堂嶋ですが、『無印』11巻では両手の指も10本骨折させられており危ないところでしたし、この時に左眼も欠損させられているため、総合2位・生存者では堂々の1位という、納得のミスター欠損となりました。また、スピンオフ『牌王血戦ライオン』2巻17話で、勝利後にラスを引いた三ッ橋への罰ゲームを執行させてもらった時に、リモコン操作を誤って対戦相手3人全員の足指5本を爆破させてしまいます(正確にはすでに爆破済みの3本を除く12本)。また、27話ではライバルの黒田を殺した堂嶋(本物)(後の白翁)の側近の両眼に指を突っ込んで破壊しており、欠損させた方のスコアもポイントに加える方式だったらダントツの1位となっていましたね。

麻雀漫画は闘牌シーンなどで手がアップになることが多いため、手の指を欠損していると作画のたびに指の本数を気にしないといけないですが、足の指だったらいくら欠損していても靴の中なので気にする必要がありません。それでいて、人体の一部であることにはかわりないので、それを賭けの対象や代償にすることで覚悟の強さ・凄みなどを明確に示すことが出来ます。また、普段は描かれない部分のため、堂嶋のように「実は過去に切り落としていた」と後出しすることもできるという、時系列の前後を気にする必要すらも無いのです。麻雀漫画で賭けや罰ゲームの対象として使うのにあまりに便利過ぎるアイテムです。これは志名坂先生の大発明とも言えるのではないでしょうか。

ちなみに、『ミナゴロシ篇』2巻のオマケページに「Kと堂嶋、傷跡比べ!!」が載っているのですが、そこではKが『無印』9巻の大辻との31勝負で前歯1本を欠損したことや、堂嶋が『無印』11巻で左眼を潰された時の両手指骨折や『牌王伝説ライオン』3巻でサメに左腕を噛まれたことや『牌王血戦ライオン』5巻で左手親指の爪を切り落としたことは描かれていませんでした。つまり、『凍牌』シリーズの世界観では、抜歯や骨折や咬創や爪甲剥離くらいなら特筆するほど大きな傷跡が残っていない、回復可能な傷ということなのでしょう。一流の雀士たるもの、少しサメに噛まれたくらいで傷跡が残るような生命力ではいけません。

次に、『凍牌』シリーズと言えば麻雀漫画であると同時に、『人柱篇』『ミナゴロシ篇』などの物騒なサブタイトルが示す通りに命懸けのデスゲームものと言うこともできます。そして、デスゲームと言えばやはりロシアンルーレットです。先日、『人生逆転ゲーム』『人生奪回ゲーム』『賭博英雄伝カゲジ 人生逆転デス・ゲーム』というカイジ実写版パクリVシネ3部作を全て視聴したのですが、3作品全てでロシアンルーレットが行われていたくらいです。拳銃の引き金を引いた回数こそ血なま具合を示す絶好のバロメータですからね。

引き金が引かれた回数は全部で41回で、弾が出なかったのが33回、弾が出たのが8回(前川、優、K、アイ、高津、予選敗退モブ3人)でした。8/41ですから、1/6よりは少し高い確率です。予選敗退モブの方々がだいぶ確率を上げてしまいました。

引き金を3回引いた堂嶋と宮地は無事でしたが、Kと優はどちらも7回目に引き金を引いたところで弾丸が発射されました。ただ、Kは弾が出ると確信したアイに邪魔されたことで脳天を撃ち抜かずにこめかみをかするだけで済み、優は高津に向けて発砲した(弾は外れた)ことで脳天を撃ち抜かずに済みました。なお、Kは『無印』4巻38話で高津から普通に弾が入った銃の引き金を引かれた(たまたま不発だった)ことがあるため、2位タイながらも実質的には単独2位と言って良いでしょう。

1位は高津の10回+αとなりました。9回引いてもまだ生存していたところまでは確定しており、さらに106話で2連続、133話では3連続で引き金を引いているため、確率としては単純計算の(5/6)^9=19.38%よりもさらに低い、(5/6)^4×(1/3)×(1/2)=約8%となっています。そして「+α」部分についてですが、まず前述の通りに弾が外れはしましたが優から実際に発砲されていますし、最後も「5回連続で引き金を引くことが決まった」ことから「死亡した」という結果の間は描写されていないため、最大5回は引き金を引いている可能性があります。もし5回連続の5回目までギリギリ銃弾が出なかったのだとしたら、最大で13回は引き金を引いても生存していたということになります。なんという豪運……。ヤクザの頂点に立とうとする男たるもの、それくらいの豪運と胆力を持っていないといけないのでしょう。

そんなわけで、『凍牌~ミナゴロシ篇~』最終10巻で本作の主人公・氷のKの物語は完結となりましたが、今秋より『凍牌』新シリーズが開幕することが予告されています。この言い方からすると、別なキャラを主人公にした物語が始まるというのが自然な予想でしょうか。『凍牌』シリーズの世界観やキャラはどの程度引き継ぐのか、具体的には血なま具合はどの程度引き継がれるのか、新シリーズも楽しみにしています!

記事へのコメント
最終巻の書き下ろし画像ですが、結局ほとんどの人が死んでるという、大変感慨深い画像ですね
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最終巻の書き下ろし画像ですが、結局ほとんどの人が死んでるという、大変感慨深い画像ですね

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@toyoneko

南部の顔がじわじわくる

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