有名書店の名物マンガ担当が推す『2022年、絶対にくるマンガ』|川島・山内のマンガ沼web

有名書店の名物マンガ担当が推す『2022年、絶対にくるマンガ』|川島・山内のマンガ沼web

麒麟・川島とかまいたち・山内が「面白いマンガ」に沼のようにハマって楽しむマンガバラエティ『川島・山内のマンガ沼』。今回は、今回は、前回まで2回にわたって放送された「有名書店のマンガ担当に『2022年絶対にくるマンガ』を聞いてみた!」を前後編まとめて紹介していきます(放送を見逃した方はTVerもご覧ください)。

POP1つで売り上げが何十倍に! SHIBUYA TSUTAYAの仕掛け番長

川島 今回のテーマは、「有名書店のマンガ担当に『2022年絶対にくるマンガ』を聞いてみた!」。本屋さんでおすすめされて、そこから新しくマンガを知ることってあるじゃない?

山内 ありますね。

川島 だから「有名書店のマンガ担当の方は売れるマンガを絶対知ってるんじゃないか?」ということで、聞いてみました。最初にお聞きしたのはこちらの方です。

 

年間読むマンガは3000冊以上、自宅にはマンガが10000冊以上、POP1つでマンガの売り上げを何十倍にもするSHIBUYA TSUTAYAの仕掛け番長・栗俣力也さん

 

  • 過去にどんなPOPを作りましたか?

「初期の頃にやらせていただいた仕掛けなんですけども、ナカタニD.『リバーシブルマン』というマンガがあって、読んだだけで吐き気を催すほどのリアル感なんです。血がすごくて、トラウマになるくらいの記憶を植え付けられる作品で。それで【『このマンガがすごい!』に絶対選ばれない、本当にすごいマンガはこれだ!】というPOPを作ったら、あれよあれよと売れて、初版は1万部くらいと聞いたんですけども、20万部をこえるヒットにまでなって。そのPOPを使ったところはどこの店舗でも売れました」

 

  • 仕掛け番長に聞くSHIBUYA TSUTAYA 2021年の売り上げNo.1は?

「和久井健『東京卍リベンジャーズ』です。2021年を代表する大ヒット作となりました。アニメをやる前とやった後で女性比率が大幅に変わったというくらい、アニメでさらに人気が広がった作品です」

 

  • 2022年、絶対にくるマンガは?

「赤坂アカ×横槍メンゴ『【推しの子】』です。『次にくるマンガ大賞2021』でも1位を取りまして、いま非常に注目されている作品です。この作品、赤坂先生と横槍先生のお二人で書かれているんですが、『かぐや様は告らせたい』の赤坂先生は、実はマンガ家ではなく、小説家になりたかったという過去をお持ちなんです。その赤坂先生がストーリーに集中して描かれた、という作品です。そして作画の横槍先生は、神作画と呼ばれる、すごいレベルの作画をされています。このおもしろいストーリーと作画とがリンクすることによって、とんでもないレベルのマンガへと成長しています」

 

  • POP作成のこだわりは?

「まず見た瞬間に2秒間足を止めてもらう。そのときに2秒で読めるメッセージを考えているので、一番伝えたいことを一言で言うようにしています。(『【推しの子】』のPOPの)『1巻に全ての伏線が詰まっている』という一言で、へえーと思って1巻を手に取ってもらったらもう勝ちなんですよ」

 

  • 2022年絶対にくるマンガ、2つ目は?

「金城宗幸×ノ村優介『ブルーロック』です。簡単に言うと、サッカーでバトルロワイヤルをやっちゃったみたいなマンガなんです。実際に人が死ぬわけではない。でも全員がサッカーに人生を賭けている。そのサッカーに人生を賭けているメンバーから(脱落すると)サッカーが奪われる、そういう危機感の中でそれぞれが戦っていく。今のマンガ界って、『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『東京卍リベンジャーズ』と、どんどんヒット作が生まれているんですが、それらと同じ要素を持っていて、さらにめちゃくちゃ面白いというのがこの『ブルーロック』です」

 

川島 2021年にSHIBUYA TSUTAYA で一番売れたマンガは、やっぱり『東京卍リベンジャーズ』だったと。

山内 ふだんマンガ読まない人まで巻き込んだ感がありますね。

川島 ヤンキーとタイムリープの要素が入っているという。さんまさんもハマってたもんね。1番組で1回は『東京卍リベンジャーズ』たとえをしてくるから(笑)。

 

2021年のSHIBUYA TSUTAYA 売り上げベスト3
1位 『東京卍リベンジャーズ』
2位 『呪術廻戦』
3位 『怪獣8号』

 

川島 『東京卍リベンジャーズ』、『呪術廻戦』にも勝ってるんだ。

山内 『怪獣8号』、この位置に入ってくるんですね。すごいですね。

川島 そして栗俣さんが「2022年、絶対にくるマンガ」としておすすめしてくれたのが、『【推しの子】』『ブルーロック』の2作でございます。山内くん、本番前に『【推しの子】』を読んだんですよね?

山内 全然思ってたのと違ったマンガでした。

 

『【推しの子】』について語るかまいたち・山内
撮影/ただ(ゆかい)

 

『【推しの子】』あらすじ
アイドルオタクの産婦人科医・ゴローは偶然世間に秘密で妊娠が発覚した推しのアイドル・アイの担当医に。しかし出産直前、アイの妊娠を知る謎の男にゴローは殺されてしまう…。そして気がつくとゴローはアイの子供に転生していた…。

 

川島 キャピキャピかわいいだけのやつと思ってたでしょ?

山内 それではなかったんですよね。ちょっと復讐劇が絡んでくるというか。「え、そんな展開のマンガなん!?」というすごい裏切られ方をしました。

川島 とんでもないですよ、これ。マジの芸能界の闇も描いてますから。「そんなわけないやろ」を散りばめつつ、ホンマのやつを一発ボディで入れてくる感じ。「やっぱり売れるには事務所の力が必要や」みたいなことも入ってます。山内さん、これは絶対最新刊まで買ったほうがいいと思います。

山内 買うべきですね。電子書籍で買います。

 

川島 で、僕も『ブルーロック』を楽屋で読ませていただきました。めっちゃおもろかった。サッカーマンガって、キャプテン翼もそうですけど、「青春駆け上がっていくぞ」みたいな感じやけど、『ブルーロック』の表紙の選手は首輪されてますから(笑)。『東京卍リベンジャーズ』について「ヤンキーとタイムリープ」と言いましたけど、『ブルーロック』は「サッカーとイカゲーム」みたいなマンガです。

 

『ブルーロック』について語る麒麟・川島
撮影/ただ(ゆかい)

 

山内 ええええ、そうなんですか!

川島 非常に今のトレンドにマッチしてる。

 

『ブルーロック』あらすじ
日本がW杯優勝するために必要なのは最強のFW。300人の将来有望な高校生のFWを集めてサバイバル形式で競わせていく。最後に残った1人が最強のFW。スポ根×デスゲームというニュータイプのサッカーマンガ。

 

山内 ただのサッカーマンガじゃないんですね。

川島 でもホンマに日本がW杯で優勝するなら、これが必要なんだろうなっていうのがめっちゃ描いてある。やっぱり日本の代表は、エゴが足りひんのじゃないのかと。ゴール前でキーパーと1対1になる、近くに味方がいる、それで確実に1点を取るために味方にパスをする……それがあかんのやと。1対1になったら絶対自分が決めるくらいのエゴがないとダメなんだと。なので、300人を1人に絞るためのゲームが始まりますという。この感覚は初めてです。実写化しても良さそうですね。ちょっと『僕のヒーローアカデミア』的な要素もあるし、1巻でつかまれました。というわけで、SHIBUYA TSUTAYAの栗俣さんありがとうございました。

他店とはひと味違う、ヴィレヴァン下北沢店の推し作品

川島 「有名書店のマンガ担当に『2022年絶対にくるマンガ』を聞いてみた!」、続いてはこちらに聞いてみました。

 

全国におよそ330店舗をかまえるヴィレッジヴァンガードの中で、コミックエリアが一番広いという下北沢店。幅広いジャンルのマンガを取りそろえていて、超メジャー作品はもちろん、いま注目の最新作や普通の書店では見かけないレアな作品も。その下北沢店のコミック担当・鈴木さん

 

  • コミック担当とは?

「店舗にコミック担当が一人一人いまして、完全にコミック担当の独断で仕入れています。下北沢店でだいたい1万冊は置いています。完全に私の趣味で、『これはもっと売れるだろう、輝けるだろう』というタイトルを選んでます」

 

  • マンガの並べ方のこだわりは?

「通常の書店では、出版社や作者別で並べられていることが多いのですが、ヴィレッジヴァンガードでは独自のジャンルごとに作品が分けられています。私の一押しのジャンルは『青春童貞』です。まだ女の子に慣れてない雰囲気の。ちょっと男性がドキドキしてしまうようなジャンルです」

 

  • BL作品の中で鈴木さんのおすすめは?

「春泥 『ガンバレ!中村くん!!』です。ちょっと昔のような、『らんま1/2』のようなタッチで、BLというよりもラブコメディみたいな感じの作品です」

 

  • POPへのこだわりは?

「基本、あらすじは書かないようにしています。読んだあとの、思ったことをパッと書いて、立ち止まって2、3度見てしまうようなPOPを書くのが特徴になります」

 

  • 一般の書店とはひと味違ったこだわりを持つヴィレッジヴァンガード下北沢店で、2021年に売り上げNo.1だった作品は?

「松本大洋『東京ヒゴロ』です。30年続けた出版社をやめ、自分で新しいマンガ誌を作るために、いろんなマンガ家さんに執筆をお願いするというマンガ界のドラマになります。いろんなマンガ家さんと、『あのころ輝いてたマンガをまた描いてほしい』という主人公の、マンガ愛が描かれています」

 

  • 2022年、絶対に来るマンガは?

「高野ひと深『ジーンブライド』です。女性の主人公の前に、15年前のお礼をしたくて現れた男性と、ギスギスな関係なんですけど、のちのち仲が深まっていくという話です。恋愛マンガだと思ったら1巻のラスト3ページで突然SFのような終わり方をして、続きが気になってしょうがないマンガです」

 

川島 ヴィレッジヴァンガード下北沢店で、2021年一番売れたマンガが『東京ヒゴロ』。これ読んだことなかったです。松本先生の作品、大好きなのに。

 

松本大洋『東京ヒゴロ』について語る麒麟・川島
撮影/ただ(ゆかい)

 

山内 内容、ちょっと説明されただけで面白そうでした。

 

2021年のヴィレッジヴァンガード下北沢店 売り上げベスト3
1位 『東京ヒゴロ』
2位 『ひらやすみ』
3位 『EVOL』

 

山内 全然知らない作品ですね……。

川島 『ひらやすみ』は平屋に住むから、このタイトルなのか。

山内 『EVOL』は、かなりアメコミタッチですね。めっちゃおもしろそう。というか冒頭からめちゃめちゃ死んでます。これが3位って下北すぎるでしょ。

 

 

『EVOL』について語るかまいたち・山内
撮影/ただ(ゆかい)

 

川島 ヴィランの側がヒーローになってるマンガみたいですね。でもジャンル別という棚の構成もすごいね。棚を見てると、鈴木さんがマンガ好きというのがわかります。本当に「鈴木さんの家」にお邪魔してる感じ。そんな鈴木さんがおすすめしてくれたのが『ジーンブライド』。こちらにPOPの実物があります。この番組のために書いてくれました。

 

ヴィレッジヴァンガード下北沢店のコミック担当・鈴木さんがマンガ沼のために作成した『ジーンブライド』のPOP
撮影/ただ(ゆかい)

 

川島 SHIBUYA TSUTAYAと共通しているのは、「2秒で読める」というところですね。

山内 シンプルですよね。

川島 『ジーンブライド』、本番前に読ませていただきましたけど、山内さんどうでしたか?

山内 最後たしかに急展開が起きるんですけど、ちょっと僕のレベルだと1回読んだだけじゃ情報を整理しきれないですね。いろんな要素が入ってて、読みこむことで面白さが増す感じがします。

川島 最近は「女性が差別を受けていることを男性は知らないでしょ」ということを描くマンガがどんどん出てきてますよね。それは正しいバージョンアップやと思いますけど、『ジーンブライド』はその要素もありつつ、男性とのラブコメディもあって、その2本柱でいくんだと思いきや、最後3ページで味変しちゃうという。作者変わったん?というくらいの(笑)。このマンガ、たぶんここからが本番ですよね。

山内 ここからですね。鈴木さんが推すってことは、ここからがすごくいいんだと思います。

川島 このマンガ、テレビで紹介するの初めてじゃない?

山内 すごい早さだと思います(笑)。

 

「ニーチェのソーダ割り」、そのココロは?

川島 そしてなんと、ヴィレッジヴァンガード下北沢店さんが、我々の書いたおすすめマンガのPOPを、マンガと一緒に置いてくれます!

山内 マジで!?

川島 ということで、我々もヴィレッジヴァンガードっぽいPOPを書いてみましょう。僕がPOPに書くのに選んだおすすめマンガは、『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』です。

 

『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』について語る麒麟・川島
撮影/ただ(ゆかい)

 

山内 これはなんですか?

川島 現代にニーチェがイケメン男性の姿を借りて、困っている女子高生の前に現れるというマンガです。最初は「なんじゃこれ?」という感じだったんですけど、ちょっときっかけがあって読み始めて。もともとは原作の小説があって、それのマンガ化です。世の全ての悩みって実はすべて答えが出てる。それが哲学やと思うんですよ。でも哲学の文章ってキザで難しすぎるから、なかなか自分では呑み込めない。それをマンガという媒体がだいぶ吸収しやすくしてくれます。これ、たとえがすごいんですよ。

山内 たとえ?

川島 女子高生が悩んでるときにニーチェが「カレーを私に作ってください」と言うんです。ただし、ネットで調べずに本を見て作る。なおかつルーを使わず、スパイスを一から調合して作ってくださいと。で、女の子は一生懸命作る。完成して、どうだった?と聞くと、初めてインド料理の本を買ったし、輸入品のスパイスも今まで見たことなかった。けっこう楽しかった、みたいなことを言うんです。で、ニーチェは「それこそがゴール地点から遠い場所にいる人間しか見えない風景なんだ」と教えてくれるんです。レトルト使ったらいきなりゴールだし、ルーを使ったら近道になる。手作りが一番遠い道のり。スタートとゴールが近いほうが楽だし得をしているように感じるけれども、ゴールへの道のりが遠いときにしか見られない風景もあるんだみたいな。

山内 へえー、すごく勉強になりますね。

川島 「自分は恵まれてないな」と思っても、いま置かれてるポジションからしか見えない景色もあるんだと。いま自分がいる場所、スタートラインをすべて愛するんだ。それが「運命愛」だ、みたいな。そういうたとえが秀逸なんです。で、終わってみたら自分の悩みもけっこうこれに当てはまってるという。ニーチェ読んだことないけど、このマンガで勉強してます。さあ私がこのマンガにつけたいPOP、こちらでございます。

 

麒麟・川島が書いた『ニーチェが京都にやってきて17歳の私に哲学のこと教えてくれた。』のヴィレヴァン風POP
撮影/ただ(ゆかい)

 

川島 「ニーチェのソーダ割り!」。まあ「哲学のマンガ割り」といいますか。ニーチェだけだったら濃すぎて手を伸ばさない。ウイスキーもそのままは濃いけど、炭酸で割ることによって、若い人に呑みやすくなっている。それになぞらえると、「哲学をマンガで割る」というのは、「ニーチェをソーダで割る」ようなもんだと。ニーチェが体内に吸収しやすい状態になっています。しかも2秒で読めるでしょ?

山内 ちょっと興味そそられますね。

 

川島 さて、山内君のおすすめマンガは?

山内 僕がこれを紹介するのは意外かもしれませんが……『終の退魔師』(*番組で幾度となくプッシュしている)。どんなマンガかというと、エクソシストが日本に……。

 

『終の退魔師 ―エンダーガイスター』について語るかまいたち・山内
撮影/ただ(ゆかい)

 

川島 それはもう聞いたって(笑)。

山内 2巻の帯、僕が書いてます。

川島 今回はPOPやからね。帯とは違うから。さあどんなPOPを書きましたか?

山内 こんな言い方、今までしたことないですけど……。

 

かまいたち・山内が書いた『終の退魔師 ―エンダーガイスター』のヴィレヴァン風POP
撮影/ただ(ゆかい)

 

山内 「ネクスト呪術廻戦はこれだった!!!」

川島 ずっとそれ言うてるやん(笑)。新しいのくださいよ。

山内 一応、新しいのも考えました。こちらです。

 

かまいたち・山内が書いた『終の退魔師 ―エンダーガイスター』のヴィレヴァン風POP
撮影/ただ(ゆかい)

 

山内 「あのかまいたち山内さんも大絶賛!!!」。POPを2個置いたら、間違いなく売れます。このまま売れてくれーー!

 

川島 ヴィレッジヴァンガード下北沢店さん、我々のPOPをぜひよろしくお願いします!

 

自分たちが書いたヴィレヴァン風POPを持って記念撮影する麒麟・川島、かまいたち・山内
撮影/ただ(ゆかい)

 

次回放送は「マンガ家仕事部屋SP」をお届けします。

 

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(構成:前田隆弘

 


【放送情報】
マンガ沼 公式サイト
次回放送
読売テレビ●2月5日(土)深1:28~1:58
日本テレビ●2月10日(木)深2:45~3:15
「マンガ家仕事部屋SP」を放送。
Tverでも配信中!)
公式HP公式Twitter

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裏サンデーの「日本三國」が最高です。 ザックリ言うと、近未来で文明が退廃した日本が三つに分かれ、国盗り物語(再日本統一)で青年が策士として立ち上がる。 物語が続いてほしいから色んなところでアピールしてます。 https://urasunday.com/title/1924/181669
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@名無し

日本三國はそのうちマンガ沼でやりそう

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