妻に先立たれた男、参平に遺された一冊のノート。それは妻・おつうが記した生活レシピ満載の『奥田家の記録』だった。主夫として第二の人生をスタートさせた、さんさんの未来は少しおっちょこちょいで賑やか。『夕凪の街 桜の国』『この世界の片隅に』のこうの史代が描く、残された者たちのコミカルでほのぼのとした毎日。
「100%除霊する」と噂の除霊師・霊媒匠(れいばい・たくみ)。安価な料金で依頼を引き受けるこの男、特殊な方法で除霊するというのだが……?『コミケ童話全集』のおのでらさんが満を持して放つ、最新“即オチ”ホラーギャグ!
今もなお、多くの野球ファンの心に深く刻み込まれている、元ヤクルトスワローズ伝説の投手・伊藤智仁。その半生を綴った書籍『幸運な男――伊藤智仁 悲運のエースの幸福な人生』(長谷川晶一著)を原案として、三度の飯より野球好き、むしろ三度の飯も球場で食べたい!という野球愛あふれるマンガ家・渡辺保裕氏が作画を担当したWeb連載が、ついにコミックになって登場!伊藤智仁の半生を全10話でリアルに描くほか、コミック限定のオリジナルストーリーや、「伊藤智仁×渡辺保裕×長谷川晶一」の豪華鼎談も掲載!
ここはシェルターの中だから大丈夫――『人間仮免中』著者、二十代の原点。精神科長期入院生活の裏側。生と死と愛と笑いの軌跡。「こんな凄い作品のタイトルに自分の曲名を使ってもらえた事に胸熱、嬉ション。ロックに生き様込めて もがいてエレキギターを鳴らすように、まるで自分の生き血のインクで描いたようにペンが叫んだエピソード・ゼロ。ここから逆ギレの長生きという復讐劇の幕開け」――マキシマムザ亮君(マキシマム ザ ホルモン)
村田くんのことが ずっと大好きだったのに。この気持ちは、恋じゃないの? ――別クラスの佐藤さんに告白された、オメガの村田くん。けれど、そんな佐藤さんが村田くんに迫っていく様子は、完全にアルファのもので…。「今までにないオメガバースに衝撃」「オメガバースは知らなかったけど面白かった」「村田くんかっこいい!」…と早くも大反響の「男女の切実な恋心と欲情」をご堪能ください。 ※『夏の魔物 分冊版 : 1~2』を収録
「人はまだ どこかで起きている」静かな夜を旅するような、青が沁みるSFファンタジーコミックある宇宙、人は「トビアスの木」の毒によって「覚めない眠り」につきはじめていた。そして、ほとんどの住民が眠ってしまった星は「まどろみの星」と呼ばれた。これは、「まどろみの星」を訪ね、残された文化を記録・保存する、プラネタリウム・ゴースト・トラベル社(通称PGT社) 星旅人・登録ナンバー303の物語。訪れた星々でPGT社で、303が交流する人やモノ、出会いと別れ、そして「トビアスの木」と自身の謎……。単行本化にあたり「episode.04 まどろみホテル」は、WEB連載時から大幅に加筆修正を行いボリュームアップしました。パイ コミックスWEB連載初の単行本にして、好評既刊本『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』のシリーズ作品となるコミック『星旅少年』 第1巻にご期待ください!『星旅少年』 第2巻は2022年9月発売予定です。※電子版限定特典付き 描きおろし漫画1ページ カバーイラスト ノートリミングVer.episode.01 星を旅するepisode.02 シガリスepisode.03 夜天図書館episode.04 まどろみホテルepisode.05 アビス城跡特典 描きおろし漫画1ページ カバーイラスト ノートリミングVer.著者:坂月さかな著者プロフィール:イラストレーター・漫画家。「ある宇宙の旅の記憶」をテーマに、孤独で静謐な世界を優しい筆致で描く。『令和元年のゲーム・キッズ』(星海社)装画、『水の聖歌隊』(書肆侃侃房)装画、『少女終末旅行 公式アンソロジーコミック 2』(KADOKAWA)寄稿。2021年4月商業初作品集『坂月さかな作品集 プラネタリウム・ゴースト・トラベル』(パイ インターナショナル)を刊行。Twitter:@sakatsuki_fish Instagram:sakanasakatsuki
老夫婦、女子高生、主婦、男子小学生、バイト青年、子ねこ…ふとしたきっかけでつながっていく小さな街の小さな幸せ。SNSで人気沸騰の話題作を連作短編化して全ページ加筆修正!どのエピソードも、やさしくて、せつなくて、いとおしい。特別じゃない日、なんでもないはずの日に起きる無数のきらめきが、ここにすくいとられていました。――宮下奈都(作家)推薦文より
舞踏会の最中に、第二王子カイルからいきなり婚約破棄を告げられたスカーレット。さらには、あらぬ罪を着せられて“悪役令嬢”呼ばわりされ、大勢の貴族達から糾弾される羽目に。今までずっと我慢してきたけれど、おバカなカイルに付き合うのは、もう限界! アタマに来たスカーレットは、あるお願いを口にする。――『最後に、貴方達をブッ飛ばしてもよろしいですか?』
ステゴロ系悪役令嬢スカッと爆誕!!
38歳会社員・小柳翔平と17歳高校生・水島康夫は、仲が悪い訳ではないけれど、どこか距離のある「義兄弟」。そんな彼らが外食チェーンストア『吉野家』を舞台に、美味しいものを囲みながら、彼らなりのペースで歩み寄り…絆を紡いでゆく家族の物語──。
虐待、妊娠、逃亡、潜伏……。その内容が衝撃的すぎたことから、出版されるもフィクションと誤認された19世紀の奴隷少女の手記。実話だったと証明されたのは、執筆から120年以上も後のことだった――。全米で大反響を呼んだノンフィクションノベルが、ついにコミカライズ!
SNSで「こんなふうになりたい!」の声、続出。夜更けの花札、お気に入りを持ち寄ってパジャマパーティー、おうちで喫茶店ごっこetc…マダムたちのルームシェアライフは今日も楽しいことでいっぱい。描きおろしも充実の40p超え。3人でルームシェアを始めた頃が描かれます。
韓国で「いまの私たちの漫画賞」を受賞した異色のグラフィックノベルを完訳! 漫画家を目指すパダは、物流倉庫でのバイトで生計を立てている。トラックで運ばれてくる積み荷をおろす作業を業界では「カデギ」と呼び、「地獄のバイト」として知られる。ケミカルな甘さが特徴のミックスコーヒーはそんな過酷労働に必須のポーション(霊薬)だ。6年間の「底辺労働」から見えてきた社会を「壁にあたる」「壁をくずす」のふたつの章で描きだす。 『大邱の夜、ソウルの夜』に続くKGBシリーズの第二冊!
僕の怪異(ストーカー)彼女は、100人の怪異(ストーカー)から、僕を喰らうために、護ってくれます――。男子高校生・櫻井には誰にも言えない秘密がある。それは幼少期の頃からストーカーの被害に合っていることだ。そんなある日、同級生・植田が突如化け物へと豹変。自分をストーカーしていた一人だったのだ。櫻井をずっと付け回していた美女・ミヤコの登場で事なきを得たが、日本中に存在する都市伝説上の怪異たちが自分を愛するために、ストーカーをしているという。数百体の美女という名の怪異に愛される櫻井の運命は――。SNSで話題沸騰!!!怪異の少女たちに魅入た男の愛と欲と病みの純愛ストーリー、開幕――。★単行本カバー下画像収録★
ずっと、僕のそばにいて。 時は1945年。美しきチベットの僧院で少年たちは出会った…。苛烈な運命に翻弄されることを知らずに…。父と共に「シャングリラ」を目指し、旅を続けていたダワ。しかし、とある僧院で父親はダワを残し去って行ってしまう。1人残されたダワは、僧院で出会った少年僧ドルジェらと共に、沙弥(見習い僧)として生きていくことに――。動乱前のチベットを舞台に描く、はかなくも清らかな愛の物語。 <登場人物紹介>ダワ……名前は「月」を意味する。父親と2人で巡礼の旅をしていた。男の子だが、女の子の格好をさせられていた。ドルジェ……名前は「金剛」を意味する。僧院でダワと父親に出会い、その後置いていかれたダワを友人として気にかけている。 【目次】第1話/第2話/第3話/第4話/第5話/第6話/第7話/僕たちの部屋へようこそ
「銃と魔法」の時代。「平和な」美しいエルフの国で白エルフからの虐殺にあったダークエルフ族氏族長、ディネルース。逃亡の果てに斃(たお)れそうになった彼女を助けたのは…「野蛮な」オーク族を筆頭に多数の魔種族を擁する連合国家オルクセンの王・グスタフ。復讐を果たした暁には「私は貴方に我が命を捧げよう」ーーディネルースの苛烈な決意にグスタフは…。ーーふたりの運命の出逢いが大きく歴史を動かしていく!
「ハーーーッ!!」怪奇組、待望の書籍化! 人間を脅かす幽霊や妖怪の元締め「怪奇組」組長メチャ子と、無類の怖がり男子が繰り広げる怪異コメディがついに単行本に! 「オモコロ」連載エピソードを著者監修のもと再構成。「ゲッサン」に出張掲載された幻の“番外編”と、この本でしか読めない描き下ろし新作も特別収録します。“恐怖”に対し相反する感情をもつ2人を待ち受けるのは「十三階段」「呪いの人形」「口裂け女」そして「ドッペルゲンガー」!!
ぬいぐるみのボイルとともにN街に住むリリーは、怪奇現象についてまとめたWEBサイト「リリースレッド」の更新が趣味だ。日々更新されるも、なかなかアクセスできない「リリースレッド」。しかし、アクセスしたN街の住人たちを中心に、街では奇妙な出来事が広がっていく……。予測不能、想定外の結末にSNSでハマる人続出!短い話の中で散りばめられる伏線、いくつも考えられる物語の意味に推測が止まらない!何度も読み返したくなる、珠玉のショートホラー。
黒い雨が降る世界で少女・ピエタはなんでもない日常を送っていた。いつもどおり雨が降っていて、いつもどおりの道を歩いて学校に向かい、友人・駄苗との会話を楽しむ。そんな『いつもどおり』を過ごすピエタは、そんな『いつもどおり』に幸せを感じていた。その日もまた駄苗との会話を楽しむ――はずだった。「でもどうして! どうしてピエタは昨日の今日のことを覚えてるの!!?」少しだけ暗い、廻る日常コメディ、開幕。
孤高の古本戦士・真吾は、今日も新古書店「ブックエフ」の均一棚で目当ての本を探す。 長年探した本を100円棚で見つけて喜び、新古書店で仕入れた本を転売し利幅で儲ける「せどり」と攻防し、数分の間に目をつけていた本が買われて絶望し……新古書店でのライトな古本探しの楽しさと可笑しさを描く「古本あるある」バトル漫画、いよいよ開幕!! 著者の古本探しの日々を綴ったエッセイや、夏葉社・島田潤一郎さんの特別寄稿「友人のような本」も掲載。
珠玉の短編で綴る日本漫画の表現の歴史! 選者にいしかわじゅん、江口寿史、呉智英、中野晴行、村上知彦、山上たつひこ(五十音順)の6氏を迎え、日本の漫画を彩った幾多の短編の中より選び抜いたアンソロジーを編年体でお送りします。
人生は…、何度だってやり直せる クラブの友達との諍いが原因で高校に行けなくなってしまった七海。とある工場でアルバイトをしていたが、自分の先行きに不安を感じ、21歳で定時制高校に入学することに。最初は怖々と授業を受けていたが、・32歳のシングルマザー、・いじめで不登校になった男の子 ・中卒を後悔する元社会人男性 ・志望校に落ちて自暴自棄になっている女の子 などなど、様々な年齢や境遇の同級生たちとのふれあいを経て、色々な悩みや辛さや新しい価値観に気づいていく…。「いくつからでも、何度でも、ほんの一歩前に踏み出せば、再チャレンジはできる!」を テーマに、定時制高校の青春を描きます。丸々1話分の単行本用描き下ろしもあります。【目次】 第1話 第2話 第3話 第4話 第5話 第6話 第7話 第8話 第9話 第10話 第11話 あとがき
一九三〇年、日本統治時代の台湾に生まれた蔡焜霖(さいこんりん)は、読書が好きな少年で、教育者になることを夢見て育った。戦争の色濃い時代は日本の敗戦で終わったが、戦後は国民党政権による新たな支配が始まり、ある日、町役場で働く焜霖のもとへ憲兵が訪ねてきて……。白色テロの深い傷を描いた台湾の傑作歴史コミック、第一巻。
西荻窪、この街で飲むお酒は人との距離を近づける。この街で出会う本はあなたの人生を豊かにする。バー「栞(ページ)」はちょっと変わったお店。お酒と読書を楽しむための空間であり、気になった本を選んだ客に、相応しいカクテルを作ってくれる。バーテンダーの芽絵と姉であり作家の樫子は、訪れた人に寄り添いそれぞれの物語に耳を傾ける。収録作品:『真珠母の匣』『異邦人』『プレイバック』『怪談』『悪童日記』『高野聖』『ノンちゃん雲に乗る』『八十日間世界一周』『塩一トンの読書』
春のような気持ちになれる本は、冬に読むものである。春になったらあんなことをしよう、こんなんことをしようと読みつつ考えている間に、いつのまにか春になってしまい、そうなるとすっかり何を考えていたのか忘れてしまう(そして、なにもしない)。 今年は珍しく、冬の間に読んでいた『さんさん録』のことを春になっても覚えていた。大体、なぜ冬に『さんさん録』を読んだのかと言えば、“だるい”“寒い”“何もしたくない”と、心身ともに省エネ(だから体重は増える)になってしまった自分を少しでも前向きな気持ちにしたかったからだ。『さんさん録』には憧れの春が描かれているのだ。 『さんさん録』の主人公・奥田参平は爺とよばれる年代の男だ。長年連れ添った妻が突然亡くなり、何もする気がなくなっていたところを息子夫婦に呼ばれ、彼らと同居することになる。 勝手のわからない家で、まだ少しだけ距離のある息子夫婦と一緒で、長い一日を持て余してしまっている参平は、亡き妻・鶴子=おつうが書いた家族の記録ノートを見つける。生活の知恵から料理のレシピ、それに家族のあれこれが書かれたノートの中には、参平が気付かなかったおつうと、家族たちがいることに参平は気づく。そして参平は、ノートに書かれたおつうと二人で、少しずつ歩んでいくのだ。 ノートに書かれたとおりに、ボタン付をし、肉じゃがやおかゆを作っていると、おつうがどんな気持ちで家族といたのかを、参平は考え始める。自分が気づいていなかったおつうの姿を参平は改めて知っていく。それは、もっとゆっくりとするはずだったふたりのお別れを、参平はひとりでしていくということだ。 そして、四季の移り変わりをみながら、少し変わった孫の乃菜の成長をみながら、参平はゆっくりと自分が変わっていくことに気づき、やがておつうのノートからも離れ、新しい人生を歩んでいく。 『さんさん録』は、とてもゆったりとした時間の流れる物語だ。大きな出来事もないけれど、日常モノと呼ばれる作品のように、楽しい時間で止まってしまっているわけでもない。少しずつだけど前に進む。 長い冬を越え、自分を変える春を迎えるのに必要なのは、熱く燃えるようななにかではなく、優しい思い出と和やかな日常だということを『さんさん録』は教えてくれる。だから私の冬には『さんさん録』は不可欠なのだ。