大人になってから定時制高校に通うということ
とあるきっかけで高校に通えなくなり、中卒のまま社会人となった21才の女性が主人公の物語。工場で働き続ける中、転職したくとも中卒では難しいということで、周囲のアドバイスでしぶしぶ定時制高校に通い出すところから始まります。10代の生徒たちに混ざりながら学校に通い、学生時代を思い出しては暗い気持ちに陥るという…。不安が募るような絵柄に、鬱々としたモノローグが続きますが、内面と作品世界の一体化した見せ方の表現が素晴らしくて、単なる「イイ話」におさまらない生々しさを常に感じます。全体的にこの人の描く線と波長が合うというか、まぁ好きですね。自分も、色々な事情を持つ人が集まる学校に通ってたので、似たような事あったな〜とか、こういう人いた!とか、思い出したりしながら読みました。