アメトーーク! のマンガ大好き芸人たちが信頼する真のマンガ大好き芸人・ムーディ勝山が選ぶムーディ大賞

写真:津田宏樹

みなさん覚えてます? けっこう前に放送された「アメトーーク!」の「本屋でマンガ大好き芸人」の回。あの放送で、複数の芸人が「ムーディ勝山のおすすめマンガは間違いない」と言っていたのがずーっと頭に残っていたのです。マンガ大好き芸人たちに影響を与えるマンガ大好き芸人って、「ミュージシャンズミュージシャン」みたいで達人感あるなと。そこで、マンガ大好き芸人の中のマンガ大好き芸人・ムーディ勝山さんに、最近の面白いマンガ(ムーディセレクト)と、昨年で読んだ中でもっとも面白かったマンガ(ムーディ大賞)をお聞きしてきました。ムーディさんのマンガ生活もふくめてお楽しみください。

実家はマンガ一家だった

──「アメトーーク!」の「本屋でマンガ大好き芸人」の中で、麒麟・川島さんから「時間あるやつのマンガ情報はハズレがないから、ムーディ勝山のすすめるマンガは絶対読む」という発言が出てきてましたけど、ムーディさんはいま、どれくらいマンガ雑誌を読んでるんですか?

前はけっこう読んでて、ビッグコミックオリジナルとか、モーニング、ヤンマガ、ヤンジャンも読んでたんですけど、いまは経済的状況もあるので、ジャンプとビッグコミックスピリッツの2誌に絞ってますね。

──その2誌になった理由は?

「ジャンプは王道やから買っとかなあかん」というのもありますし、基本は連載されてる作品が好きやったんですよ。あとスピリッツは、僕の中で一番好きなマンガ雑誌なので。『アフロ田中』のシリーズもずっと好きですし、『あさひなぐ』も面白いですよね。女子高生が主人公の『恋は雨上がりのように』も、キュンキュンして好きな作品ですね。

──ジャンプは王道であるとはいえ、基本は少年マンガ誌ですよね。まだ内容やノリについていけてるんですか?

正直な話をいうと、全部を読むわけじゃないんですよ。飛ばす作品もけっこうあります。読みたいやつだけ読んでますね。あと新連載は最初だけは必ず読むようにしてます。

──いまジャンプで読んでる作品は?

『ワンピース』はもちろん読んでますし、あとは『約束のネバーランド』とか、あと『火の丸相撲』『ハイキュー』『僕のヒーローアカデミア』『鬼滅の刃』も好きですね。掲載されているときは『HUNTER×HUNTER』も読みます。僕はわりと絵をメインで読む方なので、文字の説明が長いときは読み飛ばしたりもするんですけど。あと、ムラムラしているときはエッチ系も読みます。

──ジャンプのエッチ系、現役でいけるんですね!

まあ、ムラムラしてるときは。最近のジャンプのエッチなやつって、けっこう本格的になってきてるじゃないですか。読みながら「これを少年が読むんか、大丈夫かな?」とか思ったりもしますね。ホンマにすごいですからね、乳首が出てないだけで。

──ジャンプって昔からエッチ系の作品が載ってますけど、最初に読んだジャンプのエッチ系って何でしたか?

『究極!!変態仮面』も読んでましたけど、たぶん最初に読んだのは『BASTARD!! 暗黒の破壊神』だと思います。あれはエロかったですよね。なぜか姉貴があれを揃えてたんですよ。たしか3巻あたり(*たぶん2巻の終盤)にやらしいことするシーンがあるんですけど、姉の目を盗んでそれを読んでましたね。

萩原一至「BASTARD!! 暗黒の破壊神」2巻より

──少年時代はどんなマンガを読んで育ってきたんですか?

僕の家はマンガ好きが多かったんですよ。たぶん親父もマンガ好きやったと思うんですけど、兄貴と姉貴もすごい好きで。物心ついたときには、藤子不二雄の古い作品とか、『巨人の星』とか、『うる星やつら』とか、『のたり松太郎』とかが揃ってました。大きな本棚にマンガがズラーッと並んでて。

──マンガ一家みたいな。

姉貴は一時期、本気でマンガ家目指してたんですよ。マンガ雑誌に作品を応募したりしてて。姉貴が僕をマンガ家にしようとしてたこともありましたね。でも僕はそれにはハマらなかったんですけど。あと、家に『ドカベン』が置いてあったんですけど、あれはたぶん親父が持ってたやつなんですよ。でも親父は離婚してしまったので、今度は兄貴がそれを引き継いで、『大甲子園』を買い集めたりしてましたね(笑)。

──家にそれだけたくさんマンガがあったということは、読み始めた時期も早かった?

早かったですね。小学生になる前から読んでたと思いますね。

──どんなのを読んでた記憶があります?

かなり記憶がおぼろげではあるんですけど、永井豪のマンガは読んでましたね。エロいシーンもあったので、おかんが捨てようとしてヒモでくくってベランダに置いていたんですけど、それをほどいてまた読んだりしてました(笑)。タイトルは思い出せないですけど、『デビルマン』とかではなくて、もっとギャグっぽいやつ。すごく覚えてるのが、男が吊るされていて、煮えたぎった油の中に落とされるんですよ。で、自分の体がフライになってしまって、ワーッと泣くんです。でも自分の腕を食べてみたら、ホクホクのフライだから「自分の腕うめーっ!」みたいな(笑)。それでどんどん食べちゃうんですけど、そのシーンはめちゃくちゃ強烈に覚えてますね。子供心にすごい衝撃的だったんで。

*追記:調べたところ、永井豪「あばしり一家」6巻にそのシーンがありました。クラス対抗で殺し合いをする学校行事「けんか祭り」の競技の一つに、体にウドン粉を塗った二人が巨大な天ぷら鍋の上で戦い、落ちた者が天ぷらになってしまうという「天プラデスマッチ」がそれ。ちなみにこの人は自分で自分を食べましたが、そのほか天ぷらになった人は、見学に来たPTAのみなさんがお昼ごはんとして食べてました。

永井豪「あばしり一家」6巻より

「キングダム芸人」の火種となったのは…

──ところで、読んでるマンガ雑誌は2誌とおっしゃってましたけど、新しいマンガ情報はどうやって仕入れてるんですか?

いちばん多いのはTSUTAYAですね。最近、TSUTAYAでコミックのレンタルやってるじゃないですか。それで「気になった新作の1巻を借りる」というのをやるんです。気になった1巻を片っ端から借りて読んで、それでハマったらそのまま次も読み進めて、ハマらなかったら読まないという。

──なるほど。それで新作や話題作を幅広くチェックしてると。

「アメトーーク!」で、キングダム芸人ってありましたよね。ケンコバさんがいちばん手前(その回のトークリーダーが座る席)に座って。でもケンコバさんに『キングダム』をおすすめしたのは僕なんですよ。番組の影響で『キングダム』がめっちゃ売れたと聞きましたけど、もとをたどると僕のおかげです。言い過ぎですか(笑)。でもあの企画につながる最初の火種は僕だった、というのは言っておきたいですね。

──ちなみにジャンル的な好みって何かあるんですか?

グルメ系が好きなんですよ。土山しげるさんの『荒野のグルメ』は特に好きですね。サラリーマンが会社帰りに、行きつけの小料理屋で一杯やるというだけのマンガなんですけど。別に「面白い!」って感じの作品ではないんですよ。でもそういう感じがいいんです。「あーしまった! 1品目のチョイス、こっちじゃなかったーー!」みたいな(笑)。原作が(『孤独のグルメ』の)久住昌之さんで、細部がしっかりしてるんですよね。ビールを頼むのにも「最初は中生だと重いから、いつもアサヒの小瓶を頼む」みたいなこだわりがあって。そのこだわり方がリアルでいいんですよね。他に『ダンジョン飯』や『山賊ダイアリー』なんかも大好きです。

久住昌之・土山しげる「荒野のグルメ」1巻より

──グルメというくくりなら、わりと何でもいける。

そうですね。『ゴールデンカムイ』も、ストーリーはちゃんとあるんですけど、グルメの部分がけっこうあって、これもいいんですよね。『ドラゴンボール』も全巻持ってるんですけど、覚えてるのって結局メシを食うシーンだったりするんですよね。

──どんなのがありましたっけ?

いろいろあるんですよ。ヤジロベーが焼いてたでっかい魚とか。天下一武道会終わったあとにみんなでご飯食べるとか。ベジータがどこかの惑星で宇宙人の腕食ってるのもありましたね。スルメ食べるみたいにクチャクチャ食ってるんですよ。あの宇宙人の腕が本当にうまそうでね。やっぱグルメ系が好きだから、ドラゴンボールでもそういうシーンのほうが残っちゃうんですよね。

鳥山明「DRAGON BALL」12巻より
鳥山明「DRAGON BALL」17巻より

ムーディセレクト、そしてムーディ大賞

──さて、ここからが本題なのですが、ムーディさんの最近のおすすめマンガを教えていただきたいです。

キリエ『4分間のマリーゴールド』

キリエ「4分間のマリーゴールド」1巻より

いまスピリッツの連載マンガで実写ドラマ化してほしいと思っているのが、『4分間のマリーゴールド』ですね。画家の姉と、救命士の弟のお話です。青年マンガっぽくない、細いタッチの絵柄なんですけど、ラブストーリーであり、感動系でもある作品なんですよ。マンガも面白いし、内容的にドラマにしてもいけるんじゃないかと思ってます。

武蔵野創『灼熱カバディ』

武蔵野創「灼熱カバディ」1巻より

さっき話した「1巻レンタル」で知った作品です。「裏サンデー」というウェブマンガのサイトで連載されているんですけど、「どこが裏なんだ」と言いたくなるくらい、すごいクオリティのマンガです。カバディというスポーツは普通の人はまったく知らないと思うし、テレビに出てくるときもちょっとイロモノみたいな扱いをされがちですけど、でもそのカバディという素材で本格的なスポーツマンガを描いています。

原作・伏瀬/漫画・川上泰樹『転生したらスライムだった件』

原作・伏瀬/漫画・川上泰樹「転生したらスライムだった件」1巻より

タイトルがすごくオタク向けっぽい感じだったんで、食わず嫌いのまま読んでなかったんですけど……試しに読んでみたら面白かったんですよ。もともとは小説の原作があるらしいんですけど。ストーリーとしては、主人公が通り魔に刺されて死ぬんです。それで目が覚めたら自分がスライムになっていて、そこからスライムとして、RPGみたいな世界で生きていくという内容です。前の僕と同じく、タイトルの雰囲気で自分と合わないと思ってる人もけっこういそうだから、一回読んでみてほしいですね。

木多康昭『喧嘩稼業』

 

木多康昭「喧嘩稼業」1巻より

この木多康昭も、冨樫義博みたいによく休載する人なんですけど、バトルマンガとしてめちゃくちゃ面白い作品なんですよ。『喧嘩商売』というマンガの続編なんですけど、世界中いろんな格闘技がある中で、「どの格闘技がいちばん強いか」というのを決めるために、16人でトーナメント戦をやるんです。で、ここで描かれるバトルというのが、格闘技なんだけど、すごく頭を使った戦いなんですよ。僕、頭脳戦みたいなバトルが好きで、『ナルト』でもシカマルの試合が大好きだったんですよ。何手先まで読んで勝つ、みたいな。これもそういうやつですね。たぶん作家がすごく頭のいい人なんだろうと思います。

小林有吾『アオアシ』

小林有吾「アオアシ」1巻より

スピリッツで連載中のサッカーマンガです。サッカーって、スポーツとしてはメジャーですけど、マンガとして描くのは意外と難しい作品だと思うんですよ。ジャンプでもいろいろサッカーマンガの連載やってましたけど、なかなか続かなかったですし。でも『アオアシ』はおすすめできるサッカーマンガですね。面白さを説明するのは難しいんですけど、主人公がいろんなヒントをもらいながら成長していく感じがいいんですよね。たぶんサッカー詳しくない人でも楽しめるんじゃないかと思います。

原作・萩原天晴/漫画・上原求、新井和也/協力・福本伸行『1日外出録ハンチョウ』

原作・萩原天晴/漫画・上原求、新井和也/協力・福本伸行「1日外出録ハンチョウ」1巻より

『賭博破戒録カイジ』のスピンオフ作品です。同じ『カイジ』のスピンオフものとして、『中間管理録 トネガワ』というのも出てますね。僕、グルメマンガが好きなんで、カイジが地下労働施設に行ったあたりの話が好きなんですよ。スーパードライの小さい缶を飲み干すシーン、すごくうまそうじゃないですか。焼き鳥を「はぐ… はぐ…」と言いながら食べるシーンも最高にいい。だから「カイジのグルメマンガがあったらいいのにな」って前々から思ってたんですよ。で、この『ハンチョウ』はけっこうその路線なんですよね。あとギャグが面白い。久々にマンガで声出して笑ったと思います。他の芸人も「ハンチョウ見て笑った」という人いましたから。芸人も笑えるレベルのマンガですね。

作・稲垣理一郎/作画・Boichi『Dr.STONE』

作・稲垣理一郎/作画・Boichi「Dr.STONE」1巻より

ジャンプで連載中のマンガです。全人類が石になるというところから始まるんですけど。主人公がいい意味でジャンプらしくないというか、頭を使って、科学の力で難題を乗り越えていくんです。始まりがすごく派手で、新連載のときにすごく話題になった作品ですけど、今も勢いは衰えてないと思います。

原作・白井カイウ/作画・出水ぽすか『約束のネバーランド』

原作・白井カイウ/作画・出水ぽすか「約束のネバーランド」1巻より

これもジャンプ作品です。「このマンガがすごい!」の2018年の1位(オトコ編)にも選ばれてましたね。『ワンピース』のように、大きな謎を抱えたままストーリーが進んでいくのがいいですね。連載が始まったときから面白くて、リアルタイムでずっと読んでいたんですけど、こないだ単行本で読み返したら、やっぱり面白かった。むしろ単行本でガーッと一気に読んだほうが面白いと思います。

なきぼくろ『バトルスタディーズ』

なきぼくろ「バトルスタディーズ」1巻より

野球マンガなんですけど、元PL学園の野球部の人が描いてるんです。経験者だから描ける、PLの寮生活の実態がすごく面白いんですよ。試合のシーンもけっこうあるんですけど、僕的には寮生活のシーンをもっと描いてほしいと思うくらい。1年生がほとんど奴隷で、「はい」か「いいえ」しか言ったらあかんという。でも先輩から何か言われて「いいえ」というわけにはいかないんで、結局「はい」の一択らしいんですけど。いろいろな意味で、「やっぱりPL学園ってすごかったんやな」と思わされるマンガですね。

──ムーディセレクト、ありがとうございました。どのマンガにも思い入れがあると思いますが、この中で1つだけ「ムーディ大賞2017」を挙げるなら?

『ハンチョウ』です。いま、いろんなところで面白いマンガのランキングや大賞が発表されてますけど、『ハンチョウ』が全然上位に食い込んできてないのが、僕は納得いかないですね。『トネガワ』のほうは「このマンガがすごい!」2017年の1位(オトコ編)に選ばれてましたけど、僕は『トネガワ』よりも『ハンチョウ』のほうが面白いと思ってるので。

ムーディ大賞2017「1日外出録ハンチョウ」

──『ハンチョウ』で特に好きな場面ってありますか?

「肉の神」みたいなのが出てくるんです。大槻班長の中にいる「肉欲を司る邪神」みたいなのがいて、牛の形したやつなんですけど、そいつが「もっと肉を食わせろ、肉を食わせろ」とけしかけてくるという。その回はひっくり返って笑いましたね。『ハンチョウ』はいま一番読みたいマンガですね。3巻が待ち遠しい。グルメマンガでもあり、ギャグマンガでもある『ハンチョウ』、おすすめです!


祝ムーディ大賞2017!『1日外出録ハンチョウ』の感想やレビューはマンバにてどうぞ

1日外出録ハンチョウのマンガ情報・クチコミ一覧

1日外出録ハンチョウ 福本伸行 萩原天晴のマンガ情報・クチコミはマンバでチェック!みなさまからの投稿もお待ちしています。

コメントする

話題に出た作品のクチコミ

t2
t2
2020/05/19
生まれて初めてジャンプを買った話
私は、幼い頃から漫画が好きだった。定かな記憶ではないが、初めて読んだ漫画は星のカービィとポケモンの四コマ劇場だったと思う。その後も、週刊少年ジャンプの漫画を中心に数々の作品に読み触れていった。 私は週刊少年ジャンプを買ったことがなかった。読み始めた小学生の頃から、読むのをやめた高校生の頃までずっと、隣に住む従兄弟のお兄さんに貰って読んでいたのだ。読み始めた頃には、アイシールド21でまだデスマーチが行われていたし、愛染もまだ良い人だと思っていた。テコンドーを題材にした漫画がすぐに打ち切りになってしまったり、リボーンやムヒョ、銀魂、SKET DANCE、ToLOVEる等等の作品が輝きを放っていたりと、沢山の漫画に囲まれていたあの頃を懐かしく思う。成人した今でも漫画は好きで、継続して読んでいる作品も少なくないが、週刊少年ジャンプの世界はもう私の知るところにはなくなってしまっていた。 鬼滅の刃を読もうと思ったのは別に奇跡でも必然でも数奇な巡り合わせでも何でもない。私がこの作品を読み始めた時には既に19巻まで刊行され、TVでは社会現象的な人気と報道されるほどの一大ムーブメントな作品として周知されていた。情けない話だが、私という人間は天邪鬼で人気で話題の作品ほど読むことを躊躇い、敬遠する。いつからこんな厄介な人間性になったのか…… 連休を迎える前、職場の後輩くんが「もうすぐ完結するかも」と、教えてくれたことで今が丁度良い頃合いかもしらんと思い、この度鬼滅の刃を読むに至ったのだ。 私が漫画を読んで泣いたのはこれが二回目だった。 この作品は、鬼狩りと呼ばれる鬼殺隊の青少年たちが、家族や友人の仇となる鬼を殲滅するまでのお話で、各登場人物が信念を胸に文字通り命懸けで鬼に立ち向かっていく。 3巻ほど読み終えた時の印象は、「サンデー作品っぽい」というところだった。想起したのは犬夜叉とうしおととら(こちらは未読)で、"妖怪奇譚"モノという印象を受けた。心地よいコメディ調、可愛らしいデフォルメ顔、インフレを起こさない"考える戦い方"に惹き込まれていった。 少年漫画から暫く距離が空いていた私がこの作品で感じたのは、"敵が強すぎる"ということ。ONE PIECEのアラバスタ編のように味方陣営、敵陣営ともに一人ずつが各人を相手に戦っていくスタイルに馴染みが深かった私は、「上限の鬼強すぎるぞ……」と、登場人物同様に絶望した。鬼滅の刃の戦いは基本的に鬼の首を斬り落とすことに注力して進んでいく。ただ、鬼が強すぎてまぁ斬れない斬れない。そこで現れるのが心強い味方。それも一人じゃなく二人。場合によっては何人でも味方が駆けつけて共闘してくれるのだ。まさに物量作戦!と思ったが、そんな糞みたいな冗談では片せないほどにこの作品のキャラクター達は生命力に溢れていて、強く優しい。どんなにボロボロになっても折れることなく進み続ける。弱きを助け悪しきを挫く彼らのその姿は、私がかつて憧れたジャンプヒーローそのものだった。 主人公・炭治郎は真っ直ぐでクソ真面目でとにかく優しい心の綺麗な少年。共に闘う仲間たちは勿論、命のやり取りをした鬼でさえも、炭治郎の温かな優しさに触れてしまえば、忘れていた大切なことを思い出してしまうのだ。その優しい炭治郎もまた、様々な人の優しさに助けられ、自らを奮い立たせ、どんな窮地でも諦めることを選ばなかった。誰かに守って貰ったように、自分も誰かを守る。優しさの連鎖は絶ち切れることなく繋がっていく。数珠繋ぎになり循環し、滅ぶことはない。 ONE PIECEのチョッパーの出自の話で泣いたのは小学生の頃のこと。齢二十五にもなった自分が漫画を読んで何度も泣いてしまうとは思わなかった。そのことに気恥ずかしさもあるが、少し嬉しくも感じた。素晴らしい少年漫画は、次話を渇望させる。コミックスで読み始めた私が、ジャンプ+のアプリで本誌を購入してまで続きを読んだように。サラリーマンの自分が月曜日を待ち遠しく感じるなんて有り得なかった。人生で最初で最後になるかもしれないが、私は週刊少年ジャンプを買いに行った。 ありがとう鬼滅の刃。 心を燃やせ。赫い刃を。折れない心を。 (204話で完結と思ったら205話で完結だったので結局二回買うことになりました)
user_private
名無し
2019/05/11
主人公は相手を、作者は読者を、振り回しまくる漫画
camera喧嘩にあけくれてばかりの男・佐藤十兵衛。 暴力以上に精力も持て余しているが、 そっちのほうはただのエロ孔明。 ※クラスに一人はいる童貞のくせに  知識だけは豊富なヤツ 宇都宮の高校に転校したら女子ウケして、 あんなこともこんなこともしたい、そう思っていた。 なので十兵衛を恨んで襲ってきたヤンキー達を返り討ちにし、 ついでにカッコよくて可愛さもアピールする転校挨拶の 練習につき合わせた。 しかし当然、更なる恨みを買い、転校初日の教室に ヤクザ同伴で殴りこまれる。 抑えきれない暴力性と性衝動から 二階の窓からヤクザを投げ落とし、 女子生徒に対してはセクハラの極致な行動を とってしまう十兵衛。 結局、転校先でも悪魔のような男と (正しく)認知されてしまった、 翌日には初対面の超高校生空手家・高野をも、もてあそび、 その日のうちに高野をハーフなのにドブスな残念女子高生と くっつけて彼の人生を狂わせる。 怒りの高野に決闘を申し込まれた十兵衛。 だが実は十兵衛は高野とは初対面ではなかった。 5年前から高野との戦いを切望していたのだった。 「自分を取り戻すため」に。 天才的な頭脳と喧嘩センスで、技術・体力以外にも 知略・謀略をも駆使して喧嘩の道を進んでいく十兵衛。 ときに血反吐を吐き涙も流す壮絶な激闘もしながら、 激辛カレーを食わせる戦いもし、 ときに女子高生妊娠冤罪託卵との戦いもする。 シリアスな戦いとシュールすぎる戦いという 幅の広い戦いを繰り替えす。 そんな十兵衛が行き着く先には 「世界最強の格闘技は何か」という問いにに対して 答えを出す戦いの場が待っていた。 大爆笑ギャグと熱い激闘、さらに泣ける展開もある。 笑いと闘いが混在して両立して 入れ替わり立ち代りストーリーが進み (しかも作者都合の休載も頻発) 次の展開が読めず、読者もついて行くのに精一杯。 二重の意味で驚異的なミックス・マッチ漫画。