エヴェレスト初登頂の謎を解く可能性を秘めた古いカメラ。深町誠は、その行方を追う途中、ネパールで“毒蛇(ビカール・サン)”と呼ばれる日本人男性に会う。彼がネパールに滞在する理由とは!? そして、彼の正体とは…!? 巻末に、夢枕 獏[『神々の山嶺』漫画版によせて]+谷口ジロー[もうひとつの山嶺]収録
ふと立ち寄った書店で老婦人が手にしたのは1冊のBLコミックス。75歳にしてBLを知った老婦人と書店員の女子高生が織りなすのは穏やかで優しい、しかし心がさざめく日々でした。
自分は絵がうまい。本気でうぬぼれていた林明子(高3)は竹刀を持った絵画教師・日高先生に罵られ…!?少女まんが家を夢みたあの頃を描くドラマチック・メモリーズ!
押見修造(漫画家)、驚嘆。村田沙耶香(小説家)、絶賛。高月(こうづき)カノン、23歳。高校時代からストーカー的に想いを寄せる境(さかい)先輩と、アルバイト先の喫茶店で再会を果たす。でも、いけない。先輩は世界の英雄で、そして奥さんのものだから。SF×不倫の異色の恋愛を描くのは、弱冠24歳の俊英。ストーカー気質メンヘラ女子の痛すぎる恋に、共感の嵐です!
累計555万部『神さまの言うとおり』金城宗幸×藤村緋二が再びタッグを組んだ!舞台は今日より遥か30000年前。原始時代を生きた人間(クロマニョン)を紡ぐ物語!!
部活での居場所をなくしてしまった少女・琉花が、夜の海で出会った不思議な少年・海――。港町と水族館を舞台に繰り広げられる、五感をふるわす少年少女海洋冒険譚!!
「高校演劇」との出会いが、すべてを変えた―― 仙台星見高校に入学した土暮咲良には、誰にも言えない創作活動への秘めた熱意があった。ある“きっかけ”で創作を諦めかけていた彼女だったが、「高校演劇」や仲間との出会いによって、彼女の日常は“劇的”に変化していくことに―― いま、誰もが輝く青春群像劇の幕が上がる!
19世紀末英国。貴族・ジョースター卿は恩人の息子、ディオを養子にする。しかしディオはジョースター卿の実の息子、ジョナサン(ジョジョ)を退け、財産の横取りを計画!謎の石仮面でジョジョを殺そうと画策する。
“漫画家は医者を創った。医者は漫画家を救った。”漫画史にきらめく不朽の名作「ブラック・ジャック」!!漫画の神様・手塚治虫先生の創作の現場を関係者の証言で再現するマンガ・ノンフィクション!!
『ブラック・ジャック』を連載していた時期の手塚治虫
彼方のアストラ
宇宙への往来が当たり前になった近未来。高校生のカナタ、アリエスら9名は“惑星キャンプ”に旅立つ。未体験の宇宙旅行に胸を躍らせながら惑星に降り立った彼らを待ち受ける、予想外の事態とは!? 近未来SFサバイバルストーリー、始動!!
人工知能が極度に発達した22世紀末。突如、謎の飛行体「GAYLA(ゲイラ)」によってすべてのAIが停止した。人間の兵士すら一人もいない世界で、戦争勃発の危機を予知した大企業は、兵士の養成を決意。主人公・坂本哲平は「人が人を殺す」技術を学ぶために、歴史の中の戦場に飛ばされる。ミッションは「ナポレオンとの決戦」!? 『バンデット』の河部真道が放つ、驚天動地のSFバトルアクション開幕!!
僕の地元・長野県には、中学校集団登山という拷問のようなイベントがありました。一学年240人がみんなで3000m級の山に挑むという荒行です。しかも、登る予定の山で起きた遭難事故を描いた新田次郎の「聖職の碑」の映画版を見せられるという、嫌がらせとしか言いようのないオマケもついていました。とはいえ、このイベントで山に目覚めた人もいないわけではなく、それなりに意味のある行事な気もします。僕は下山中に便意に襲われ、6時間死ぬ思いで我慢するという、これまでの人生で一番の苦行を味わったので、二度と山には登らないと決めています。 とはいえ、山ものの作品を読むと、山もいいかもしれないと思ってしまうのです。『神々の山嶺』は数多い名作を生み出し、海外でも評価の高い谷口ジローのまさに最高峰だと思っております。 『神々の山嶺』には羽生丈二という一人のクライマーの姿が、カメラマンの深町誠の視点から描かれます。 この羽生丈二、初登場シーンから圧倒されます。「その時…むっと獣の臭いが店内にたちこめたような気がした」。この存在感がどこからくるのか、深町は彼の過去を調べていくのです。 羽生を関係してきた様々な人に取材していくうちに、彼の孤高としか言いようのない半生が明らかになっていきます。 羽生は可愛げのない、根性はあっても鈍重で無口な男でしたが、クライマーとしては抜群の才能を発揮。しかし、全てを山に集中する羽生は、普通の生活を送る人間と温度差がうまれ、山岳会でも孤立していきます。誰もが登れなかった壁を登り、山岳界の話題をさらうものの、羽生自信は不遇のまま。海外の山に挑戦することができません。 誰よりも山を想っているのに資金や人脈や名声がないだけで、挑戦できない苦しみを味わい、自分を慕う人間の死があり、やがて羽生は自分から孤立していきます。そして消息を断った羽生がなぜカトマンズにいたのか?彼がなにをしようとするのか、物語は加速していきます。 羽生の姿は、新田次郎の小説ではないですが、まさに「孤高の人」なのです。孤高の人は、人の共感は求めません。自分でも言葉にできない衝動に突き動かされるまま、「これしかない人生」を送るのです。 羽生はいいます「いいか。山屋は山に登るから山屋なんだ。だから山屋の羽生丈二は山に登るんだ!!」また、なぜ山に登るのかという問にこう答えます。「そこに山があったからじゃない。ここにおれがいるからだ」 「これしかない人生」を送る男の寂しさと美しが同時に描かれ、僕もこのような生き方に強く憧れるのです。 いや、既に僕は僕にとっての「これしかない人生」を歩んでいるかもしれない。この、マンガとゲームにあふれた人生は。