海獣の子供

海獣の子供

部活での居場所をなくしてしまった少女・琉花が、夜の海で出会った不思議な少年・海――。港町と水族館を舞台に繰り広げられる、五感をふるわす少年少女海洋冒険譚!!
WOMBS

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▼第1話/入隊 ▼第2話/訓練開始[-3週] ▼第4話/ネスト[-2週] ▼第4話/移植[0週] ▼第5話/拒絶反応[3週] ▼第6話/座標空間[3週] ▼第7話/犬の日[6週] ▼第8話/出撃[8週] ●主な登場人物/マナ・オーガ(徴兵され特別転送隊に配属された新兵。故郷に家族と恋人を残してきた) ●あらすじ/歪な月に照らされる惑星・碧王星。漂流の末たどり着き土地を開拓してきたファースト(第一次移民)と、後からやってきて正規移民を名乗るセカンド(第二次移民)との間で激しい戦争が続いていた。ファーストの一国・ハストに暮らすマナ・オーガは、徴兵され特別転送隊に配属される。いまだその実態がつかめぬ“転送兵”として、過酷な軍隊生活が幕を開けた(第1話)。 ●本巻の特徴/碧王星の統治権を巡り、戦争を続けるファーストとセカンド。卑劣な攻撃を繰り返すセカンドに対し、ファーストたちは大いなる森の主“ニーバス”の体組織を子宮に入れた女性の“転送兵”が活躍する。碧王星の至る所に瞬間移動が出来る“転送隊”に入隊したマナ・オーガの運命は…!? 圧倒的な画力で見るものを引き込む、白井弓子渾身のSFストーリー!! ●その他の登場人物/アルメア軍曹(特別転送隊の特技一等軍曹。現役の転送兵であり、新兵の指導教官も務める)、サウラ中佐(マナとアルメア軍曹が所属している第一特別転送隊の隊長)、ニコルズ軍医(転送隊員の検査や“転送器官”の移植などを担当する)
Sunny

Sunny

星の子学園――様々な事情を持つ子供たちが、親と離れて暮らす場所。陽光が燦々と降り注ぐ園の片隅に放置されたポンコツサニー。其処は彼らの遊び場であり、彼らの教室だった。『鉄コン筋クリート』『ピンポン』『GOGOモンスター』――未来、スポーツ、異界…あらゆる世界で、その体と心を躍動させる少年たちを描き続けてきた松本大洋が、自らの少年期に思いをはせつつ、その最高峰を目指す渾身の作品。
ぼくらの

ぼくらの

夏休み、過疎地の村へ“自然学校”にやってきた少年少女15人。1週間が経ったある日、海辺の洞窟へ探検に入った一同は、その奥にコンピューターを持ち込んで住んでいた謎の男・ココペリと出会う。彼は自分が作ったゲームをやらないかと誘い、宇白可奈を除く14人の中学1年生が同意して契約を結ぶ。半信半疑で宿舎に戻った一同だったが、その日の夕刻、大きな物音と共に巨大ロボットが現れて…。
ぼくらの

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夏休み、過疎地の村へ“自然学校”にやってきた少年少女15人。1週間が経ったある日、海辺の洞窟へ探検に入った一同は、その奥にコンピューターを持ち込んで住んでいた謎の男・ココペリと出会う。彼は自分が作ったゲームをやらないかと誘い、宇白可奈を除く14人の中学1年生が同意して契約を結ぶ。半信半疑で宿舎に戻った一同だったが、その日の夕刻、大きな物音と共に巨大ロボットが現れて…。
海獣の子供

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部活での居場所をなくしてしまった少女・琉花が、夜の海で出会った不思議な少年・海――。港町と水族館を舞台に繰り広げられる、五感をふるわす少年少女海洋冒険譚!!
Sunny

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星の子学園――様々な事情を持つ子供たちが、親と離れて暮らす場所。陽光が燦々と降り注ぐ園の片隅に放置されたポンコツサニー。其処は彼らの遊び場であり、彼らの教室だった。『鉄コン筋クリート』『ピンポン』『GOGOモンスター』――未来、スポーツ、異界…あらゆる世界で、その体と心を躍動させる少年たちを描き続けてきた松本大洋が、自らの少年期に思いをはせつつ、その最高峰を目指す渾身の作品。
G戦場ヘヴンズドア

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人気マンガ家である父に反発し、ひそかに小説家を志す堺田町蔵。幼い頃から、マンガだけを心の拠り所として生きてきた長谷川鉄男。まるで正反対な性格を持つふたりの高校生。しかし、お互いの心の内に、共通する情熱があることに気づいた鉄男は、町蔵に手をさしのべた。運命的ともいえる出会い……ふたりの目的はマンガを創りあげること――!!戦友とはいったいなんなのか、その意味を探り続ける著者渾身のコミック!!

人気クチコミ

影絵が趣味
影絵が趣味
2019/12/14
あまりにも強靭な物語は物語を止めて自然に還る
物語をひとつの凝固した結晶のようなものに例えるならば、物語ならざるものは水とか空気とか流動的で不定形なものに例えられるでしょう。 『はなしっぱなし』での商業誌デビュー以来、『そらトびタマシイ』、『リトル・フォレスト』、『カボチャの冒険』など、五十嵐大介はいちおうマンガ家という身分でありながら、物語の外へ外へと行こうとする傾向、物語ならざるものを描こうとする傾向があったように思います。それはペンタッチにも如実に顕れていて、一級の物語を量産した手塚治虫のガチッとしたペンタッチとは正反対に、絵がどこかへ漂いでてゆくかのような不定形なペンタッチをしています。まるで霧みたいな絵ですよね。 そんな五十嵐大介がはじめて物語と向き合ったのが『SARU』なんだと思います。猿、すなわち『西遊記』の孫悟空。いまも形を変えながら広く世界中で読まれ続けている中国四大奇書の『西遊記』は、三蔵法師が天竺を目指して旅をする明時代に成立した長編小説ですが、いまひとつ著作者がわかっていない。つまり匿名の物語なんです。物語の匿名性については狩撫麻礼の『オールド・ボーイ』にも詳しく書いたのですが、匿名の『西遊記』はしかし、実在したといわれる唐時代の僧、玄奘三蔵が記した地誌『大唐西域記』を基にしている。『西遊記』は『大唐西域記』の史実に則りながら、玄奘三蔵が旅した各地に伝えられた三蔵や猿にまつわる逸話を無数に盛り込んで、虚実入り乱れる一大伝奇小説に発展していったものなのです。 おそらく五十嵐大介はある時に気がついた、物語の外へ外へ行こうとするばかりではダメだということに。そこで物語の内部に入り込んでみた。すると物語はマトリョーシカのような入れ子構造になっていた。『西遊記』の基に『大唐西域記』があり、『大唐西域記』の実際の旅の行程が各地に伝説を残し、その残された伝説を吸収して『西遊記』が膨れ上がるといったように。 入れ子をひとつずつ外して内部に侵入するたびに匿名性が膨れ上がる。そして、ついに究極の匿名性に至ったとき、物語は作為的に凝固するのを止め、水や空気のような流動的で不定形な自然に還る。この自然を五十嵐大介は『SARU』で実現してみたかったのではないでしょうか。さらに『SARU』での試みは『海獣の子供』にも伝承という形で受け継がれていると思います。
ふな
ふな
2020/01/22
汚れた体で、汚した体で、この世界を生きていく
camera『初恋ゾンビ』の作者である峰浪りょう先生が、IKKIで発表した読切『東京、雨、したたかに』は、自分が「あの時」をどう生きていたか、そして今をどう生きているか少し考えたくなる作品だ。 「あの時」とは震災の記憶が薄れ始めた頃。 あの日、どこか世界は変わった。日常が日常では無くなった。 少なくとも、そう思った「はず」だった。 けれど、東京に日常は訪れた。 「それっぽい」日常が帰ってきてしまった。 **汚れた世界を隠しながら。汚した世界を隠しながら。** 主人公の少女は、そう感じる世界で生きていた。 事実がどうであれ、彼女が「そう感じていた」ことが全てで、彼女にとって、世界はとても生き辛いものになってしまっていたのだ。    #少女が生きていくためには    そんな世界で少女が生きていくためにしたことを、本作は描いている。 **彼女は自分を汚した。男に汚されることで。** それは端からすると、自暴自棄に見えてしまうかもしれない。 誰もが納得するような けれど、その行為を否定しきれない自分が確かに存在する。 私達はどこか、世界を汚れたものだと思いつつも、素知らぬふりをしながら生きている。自分はキレイだと思って。キレイなままで生きたいと思って。 少女は違った。 世界にはずっと雨が降り続いていた。地面はもう泥だらけ。 彼女が綺麗に歩ける場所なんて、もうどこにも残っていなくて。 立ち止まるしかなかったのかもしれない。 だから彼女は、泥の中で生きる覚悟をするために、自らを汚しにいったのだ。 **彼女のそれは、あくまで自分が「生きるため」の行為なのだ。** もちろん、それが正解か分からない。彼女自身も、そんなことは分かっているのだろう。 ただ彼女は、自分の中の「嘘っぽい日常」を壊したかったのだ。そうすることで初めて、自分が生きる世界が見えてくると思ったのではないだろうか。    #私達はどう生きるか    彼女の選択は、世の中にとって分かりやすい「正解」とは異なるだろう。 しかし、私はそれを選べる強さを少女に感じてしまった。 相手を圧倒するような強さではなく、**世の中の色々なことを自分なりに受け止めていくような「したたかさ」。** 泥にまみれながらも、生きていくために、自分に必要なことを選択できる強さだ。 行為が終わった後、男性に向けた笑みがまさにそうだった。 彼女はそうして、汚れた体で、汚した体で、したたかに生きていくのだろう。 汚れた手で、彼女は目をこする。 **彼女の視界はもう、開けていた。** ……という凄い読切なので、読める方はぜひ。 全体的に落ち着いたテイストでありながら、読み終わった後にひどく心に刺さってくるような作品だ。 彼女は後年、自分がしたことを「バカだった」「若かった」と振り返るかもしれない。**でもそれは「その時の彼女」が感じることで、「今の彼女」には必要な行為だったのではないか……と思わされてしまった。** 雨が降るたびに、思い出して、自分のこれまでの生き方やこれからの生き方を考えたくなってしまう気がする。 **水しぶきや泥のかかった靴で、私達は歩いていくのだから。**
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