時間が進んでいるような。ゆがんでいるような。不思議な流れで、どこにいるか、わからなくなりそうな。

日記は5秒のことを200字で書くとよいと書かれていた方がいたけども、その漫画版のような雰囲気を感じる。
なにげないシーンが切り抜かれ、画かれている
日常なのでたんたんとしているけど、当人にはドラマチック。
そして、ときどき非日常めいている。

なぜかはわからないけど、国語の老先生のストーリーが印象に残った。
先生の何気ないセリフを、意外と生徒は覚えている。
そのことを思い出した。

読みたい
ヤンキー君と白杖ガール

目からの情報過多な世の中

ヤンキー君と白杖ガール
ゆゆゆ
ゆゆゆ

登場するヤンキーは顔の傷がなくて、服の趣味が良ければ、ものすごく人が良くて純愛している好青年。 弱視の女の子に「ポエマー」と言われるほど、大好きなユキコさんの前では好青年。 一線を越えると黒豹に戻るようだけど、ユキコさん第一なので基本は好青年。 コミュニケーションお化けのようなユキコさんも、見えないからそう変わらざるを得なかったとあって、相当な苦労の上であの人となりができていて、結果が一話冒頭の白杖ケツアタックなんだなぁと思った。 コメディになる部分は、NHKの番組バリバラでみた、障害者コントを思い出させた。 障害は触れるのを避けるべきことでもなく、彼女たちには当たり前なことで、その中でのからかいや日常の楽しみ、苦労が興味深く描かれている。 もちろんコメディ要素だけでなく、しれっとヤングケアラーとなっているきょうだい児の話や、人は年を取ればいずれ見えなくなることが描かれていて、でも重たい話のはずがドロドロしておらず、あっという間に読み終えてしまった。 視力がオレサマはなるほどなと思ってしまった。 かき氷シロップはオレサマを感じさせてくれる食べ物。食品に絞ると、嗅覚が2番手のオレサマ。 ちなみに登場キャラクターのなかでは、高校生男子らしくムラムラ大好きな青野くんがとても好きだ。

ワタシってサバサバしてるから

広告で見たことがあるやつだ

ワタシってサバサバしてるから
ゆゆゆ
ゆゆゆ

主人公が「私ってサバサバしてるから〜」っていうタイプの人間でした。 「みんな私のこと「かわいい」って言ってくれるけど本命にはしてくれないね?」で知ったのですが、主人公を「うわー何こいつ」って言いたくなるキャラクター(悪役)にして、当人が落ちていくさまを眺めるジャンルっていうのがあるんですね。 身近にいたら、さりげなくフェードアウトしたくなるタイプの性格ですが、「女の敵は女」というあたりはリアルです。 そして、男の中で生きようとしているわけでなく、同性と仲良くするわけでなく、人がいっぱいいるところに飛び込んでいるのに、孤高です。 読んでいて、どうしてそういう考えに?と思ってしまい、主人公なのについていけません。 本編を悪役サイドで見ている気持ちです。 とはいえ、ライバル視されている本田さんが主人公だと、「私ってメンタル強めだから〜」と、メンタルの強さを過剰に見せつけてくるキャラクターに改変されてしまいそうで、そんな本田さんは見たくないなと思ってしまいます。 よくよく考えれば、周囲がこれほどひいた反応を取っていてもへこたれず、ゴーイングマイウェイでいられる主人公の網浜奈美は非常にメンタルが強いです。 ビジュアルが本田さんと主人公が入れ替わっていたら、どんな感想になっていたんでしょう。

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか

殴るためのお肉

最後にひとつだけお願いしてもよろしいでしょうか
ゆゆゆ
ゆゆゆ

このタイトルで、この絵柄で、いわば北斗の拳。 いや、くにおくんかもしれません。 陰湿なイジメが繰り広げられる恋愛モノかと思えば、メリケンサックが出てくるタイプの恋愛モノでした。 メリケンサックと恋愛モノって、同時に存在しうるんですね。 「パワー・アントワネット」と違い、ムキムキでもなく、筋肉でもなく。 公爵令嬢として腐った世の中を正すため、いや殴りたいから主人公は暴力をふるいます。 ストッパーが無くなった彼女は強いです。 ターゲットの名前がいつの間にか「肉」呼ばわりになっていて、こうやって人でないから殴ってよしと正当化するのかなとチラと思えば、その肉がことごとく、言い訳できないレベルの悪役たちで、世直しのためには、殴っとこうかという気持ちを読者に湧き立てさせます。 そして、時の女神の力を借りて、倍速やらなんやらブーストさせて、「ボンボコボンボコ」殴って蹴って。 暴力シーン(連続)もこのきれいな絵柄のママ繰り広げられ、「創竜伝」の龍堂兄弟のようなめちゃくちゃな振る舞いも、このきれいな絵柄のママ繰り広げられます。 とりあえず公爵令嬢なので、一線は越えていないそうです。不殺です。 すべて峰打ちなので大丈夫らしいです。さすがです。 暴力で解決はよくないけれど、早いんだということはよくわかります。

幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい

こうふくはあいすくりーむみたいにとけやすい
著者:黒谷知也
ジャンル:社会
最新刊:
2015/04/03
こうふくはあいすくりーむみたいにとけやすい
幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
書店員 波山個間子 番外編

書店員 波山個間子 番外編

青ひげブックスのブックアドバイザー波山個間子(はやまこまこ)が本を紹介したり、お探ししたりします。 「ブックアドバイザー 波山個間子」(サンデーGX掲載)24ページ、「書店員 波山個間子」(まんがライフオリジナル掲載)6ページ、収録。更新情報マイクロノベル20本と短い小説を追加収録しました。価格は据え置きです。「マイクロノベル」「手の写真」「ページの船」「月の読書」「グドュグドュ」「壁の都市」「朗読匠」

幻想集

幻想集

本をテーマの中心とした幻想漫画集不思議なドリップコーヒーは、「ありがとう」や「さようなら」などパッケージに書かれた言葉の感情を喚起する。--「言葉の珈琲」叔父は読書をしに月へ旅行するらしい。--「月の読書」グドュグドュという得たいの知れないものがいる。真っ黒で服は着ておらず、その黒色を見ると、数字がオーバーフローしている印象を受ける。--「グドュグドュ」模写したページを川に流す行事があり、頁流転と呼ばれている。--「ページの船」海の方から本の匂いがする。砥生海町の住人たちは万が一に備え避難を始める--「書雨」他収録作「五本の絵筆」「文字菜」「白千布」「鰐の起立」「高速道路」「オレンジの本」「リビングの本」「文字の涙」

朗読匠 黒谷知也作品集

朗読匠 黒谷知也作品集

本をテーマの中心とした幻想的な短篇集。頭から髪ではなく本のページが生えてくる人。ーー「ページの人」超構造体の屋上の居住区。バックパックブックを背負い、下宿先の大家に頼まれお使いをする。ーー「三角系」生ける書物〈グールワーナ〉を朗読する職業〈朗読匠〉。依頼者が愛書の死を訴え激怒している。朗読匠である主人公は、自分に落ち度があるはずはないと思いながら駆けつける。ーー「朗読匠」自分の身長より大きな書物を寝台にしている。眠ると、その日の経験が本に吸い取られていき、また他者の記憶が流れ込んで来る。ーー「本の寝台」

本の棺 黒谷知也作品集

本の棺 黒谷知也作品集

本をテーマの中心とした幻想短篇集喪服の人が本の形をした棺を運んでいく。この地方では昔から木の棺の代わりに本の棺が使われてきた――「本の棺」ページをめくるたびに際限なく大きくなっていく書物――「二乗の本」物質を書物に変える不思議な雲――「軍艦雲」他収録作「アキエ・ルイト」「完璧な犬」「明球」「背上の本」「文字儀」・小説「マイクロノベル」

アキエ・ルイト

アキエ・ルイト

(漫画本文/計40p) アキエ・ルイトの投げた石には波紋が広がらなかった。水面が波打つことなく、石は水中に吸い込まれた。超自然や不条理という言葉を長じてから知るにしても、感覚や感情をもってそれがあってはならない現象であると捉えた者もいたはずだ。そして私はそのひとりだった。――「アキエ・ルイト」(20p) ある動物(?)がいると聞き実物を見てみたいと考えた。一匹の猫が背に乗った。そしてまた一匹。――「背上の本」(10p) 私の周囲には半透明の文字が回っている。私と文字との関係は太陽と惑星を思わせる。――「文字儀」(10p)

軍艦雲

軍艦雲

(漫画本文48ページ・演出の黒塗り3ページ含む) 仕事が一段落して本を片付け資料を整理しノートに纏めていると、窓の向こうに軍艦雲が見えた。雲はゆっくりと山に降りていく。私はおそらく何年もこのときを待ち望んでいた。ペンを置き車を走らせて雲を追う。 地球上のどこかの場所に、年間およそ10回から30回くらいの頻度で軍艦雲は発生する。この雲の名称は国や言語によって様々である。私の国ではクジラのような形に見えるので「鯨雲」とも呼ばれている。「パンの雲」という国もあるし、「本の雲」という国もあるし、また変わったところでは「形而上の雲」という国もある。私は子どもの頃カリフォルニアで遭遇したときに祖父が言った「軍艦雲」という言葉を使っている。

本の棺 他2篇

本の棺 他2篇

(漫画本文/計37ページ) ・喪服を着た人たちが大きな本を運んでいる。葬列を抜け本を下ろすと、参列者がそれを取り囲む。本を運んだ者のうちひとり(故人の娘である)が合掌したあと、厳かにページを開いた。――「本の棺」(20ページ) ・双子の犬たちを引き取ることになった。完璧な犬である。”完璧”というのは私の主観で、血統がいいとか逞しく大きいとか毛並みが特別に美しいとかいうわけではない。とにかく出会った瞬間の印象が”完璧”だったのだ。――「完璧な犬」(10ページ)・就寝しようと、ペンダントライトの紐を引っぱると、するりと伸びた。いつもはカチッと音がして明かりが消えるので、壊れたのかもしれない。引くと、紐はさらに伸びた。――「明球」(7ページ)

本の寝台

本の寝台

(漫画本文29ページ) Chapter01 自分の身長より大きな書物を寝台にしている。眠ると、その日の経験が本に吸い取られていき、また他者の記憶が流れ込んで来る。 Chapter02 おそらく類書が複数存在し、私と境遇を同じくする者たちがいるのだろう。直接会ったことはないが、本の内容が部分的に並列化されており、現在や過去の情報を共有している。 Chapter03 彼等を友人のように思うことはあるが、むしろ、自分自身だと感じる方が多いだろう。方々の見知らぬ土地で、私と同じ顔をした、私ではない私たちが暮らしている。

言葉の珈琲 他4篇

言葉の珈琲 他4篇

(漫画本文/計37p)(マイクロノベル20本)(小説)最近、油絵をはじめたという友人の頭には、五本の絵筆が突き刺さっていた。――「五本の絵筆」(6p)友人からプレゼントしてもらった「言葉のドリップコーヒー」が届いた――「言葉の珈琲」(8p)彼人がテーブルの上の本に、コップの水をこぼしている。――「文字菜」(10p)何もない宙から、一本の白く美しい布が現れる。――「白千布」(5p)タクシーで高速道路を走っている。――「高速道路」(8p)小説(画像による固定レイアウト)マイクロノベル・20本掌篇・短篇小説 計約20p「尻尾」「猫・鼠・人間」「テレビと動画」「ダブルウォールグラス」「大きな心臓」「大きな宇宙人」「オレンジの本」「普通のケーキ」

猫の耳の文学 他3篇

猫の耳の文学 他3篇

(漫画本文/計35ページ) ・まどろんでいた。午睡をしていた。かつ、又寝をしていた。見知らぬ猫がいた。野良だろう。開け放した窓、すやすやと猫も寝ていた。おや、耳から何かが出ている。紙のようだ、文字が書かれている。――「猫の耳の文学」(10ページ) ・私が彼の”本を探す本”を初めて見たのは、付き合って最初の旅行の直前のことだった。当時、私は新宿にある看護学校に通っており、彼は工学部の学生で西国分寺に住んでいた。――「本を探す本」(4ページ) ・「本の蚊」(15ページ) ・「Nの時間」(6ページ)

不思議な時間の流れを感じる短編集。にコメントする
※ご自身のコメントに返信しようとしていますが、よろしいですか?最近、自作自演行為に関する報告が増えておりますため、訂正や補足コメントを除き、そのような行為はお控えいただくようお願いしております。
※コミュニティ運営およびシステム負荷の制限のため、1日の投稿数を制限しております。ご理解とご協力をお願いいたします。また、複数の環境からの制限以上の投稿も禁止しており、確認次第ブロック対応を行いますので、ご了承ください。