IKKIコミックスの感想・レビュー96件不干渉というテーマフリージア 松本次郎starstarstarstarstar_border線セーショナル※ネタバレを含むクチコミです。どんな親でも子供は大好きなんだなぁSunny 松本大洋かしこそれぞれ事情があって親から離れて施設で暮らす子供達の話です。大人が好き勝手に生きてるシワ寄せが子供にきている場合が多くて「大人のくせに何やってんだ!」と立腹しながら読みました。特に春男のお母さんはちょっと冷たすぎる。ニベアの青缶を大量買いするところは読んでいて辛かった。グレる春男の受け皿になろうと職員の足立さんも奮闘するけど、子供達の「お母さんに会いたい」という気持ちには負けてしまうんだなぁ。描かれている現実の厳しさに辛くなることもあるけど、子供のピュアさが眩しい作品でした。五十嵐大介は漫画を愛してはいない?海獣の子供 五十嵐大介starstarstarstarstar線セーショナル私は漫画を愛してはいない、線を信じていない作家は嫌いなのだが、五十嵐大介は唯一例外である。五十嵐大介は恐らく漫画とは別の抽象的な目に見えないもの(生命への愛やアニミズムなど)を信じている気がする。五十嵐大介の線は他の誰かから影響を受けた形跡がほとんど皆無で、油絵を描くようなタッチで線を加えていく。彼は別に自分の表現したい事がたまたま漫画が描きやすかったから漫画を描いてる感じがする。 五十嵐大介は漫画を愛してはいないが、漫画が五十嵐大介を愛しているのだろうか。不思議な時間の流れを感じる短編集。幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい 黒谷知也starstarstarstarstar_borderゆゆゆ時間が進んでいるような。ゆがんでいるような。不思議な流れで、どこにいるか、わからなくなりそうな。 日記は5秒のことを200字で書くとよいと書かれていた方がいたけども、その漫画版のような雰囲気を感じる。 なにげないシーンが切り抜かれ、画かれている 日常なのでたんたんとしているけど、当人にはドラマチック。 そして、ときどき非日常めいている。 なぜかはわからないけど、国語の老先生のストーリーが印象に残った。 先生の何気ないセリフを、意外と生徒は覚えている。 そのことを思い出した。 俺もまだ本気だしてない件俺はまだ本気出してないだけ 青野春秋六文銭この本読むと謎に元気が出る。 中年のおっさんが、急にサラリーマン辞めて一念発起して漫画家になろうとする話。 突拍子もない展開だが、プロの漫画家にすんなりなれるわけもなく、当然父親にブチぎれられたり、世間とか社会の厳しさとか、そういうのが普通にやってくる。 バイトで糊口をしのぐのだけど、バイト先でも年下にからかわれたり(例えば店長と呼ばれる。ポジションではなく年齢的な意味で)、バイト先のメンバーと合コン行っても合コン相手にディスられる。 逆に、娘だったり、友人だったり、元会社の後輩だったり、応援してくれる人もいる。 人間同士のつながりみたいなのが色濃く出て、主人公を小馬鹿にする人と、そうじゃない人の対比が良い。 最初のうちは、何の根拠のない自信をもっている主人公を薄目でみているんだけど、抜けているけど味のある人間味にだんだん応援したくなってくるから不思議。 周囲の人間に恵まれてて、これはこれで楽しそうとか思ってしまう。 ダメでもいいじゃない、人間だもの、みたいなフレーズが浮かぶ。 俺はまだ本気出してない と思いながら、その可能性の中で生きていくのも、ある意味幸せなのかもなぁ。 わずか2ページの名短編「空」ムルチ~三隅健作品集~ 三隅健starstarstarstarstarかしこページ数が少ない方が名作が生まれやすい説というのを聞いたことがありますでしょうか。しかし流石に2ページは少なすぎると思いますよね。でもそれを可能にしているのが三隅健さんの「空」という短編です。私はこの作品が好きで定期的に思い出しています。昨日ふと思い出したので調べてみたら北九州市漫画ミュージアムで原画展が開催中でした。なんとタイムリー!作者の三隅さんは新人賞を受賞後に早逝されましたが、ご家族の方が熱心に作品を広める活動をされているようです。5番目の部屋へ滞在する人たちLA QUINTA CAMERA ~5番目の部屋~ オノ・ナツメstarstarstarstarstar_borderゆゆゆ映画で見る、イタリアの明るい雰囲気が伝わってくるような、そんなオノ・ナツメ先生の漫画が好きです。 イタリアを舞台に、陽気な人とそうでない人と偏屈な人とそうでない人と他所の国の人と、いろいろな人たちで織りなされるストーリーにホンワカとします。 本作はアパートに短期滞在(下宿)するシャーロットたちと、そのアパートの住人たちの物語です。 読み終わるときは、連作短編がすべて終わってしまうのが少しさみしくなりました。 それからイラストがフル等身でなく、ちょっとデフォルメされている姿がまた、想像力かき立てられて好きです。 ちなみに、初めて読んだとき、この方はどれほどイタリアで過ごして、このような素敵な漫画がかけるようになったんだろうと調べたところ、イタリアは語学学校での短期留学のみとありました。 あのときは、作者さんの感性とイタリアという土地の2つに憧れたのを覚えています。 イタリアというか、彼らのもとへ行ってみたいなと思える漫画です。 利用されているのはどっち?羣青 中村珍starstarstarstarstarmotomi※ネタバレを含むクチコミです。初期のいましろたかし ハーツ&マインズ+ザ★ライトスタッフ+その他の感想 #推しを3行で推す初期のいましろたかし ハーツ&マインズ+ザ★ライトスタッフ+その他 いましろたかしstarstarstarstarstarマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 「僕たち私たちのナンパ」と「野生の証明」と「LIVE!ヤマギシ」は何回読んでも素晴らしい。「野生の証明」は調子悪くなって時にたまに真似するぐらい気に入ってる。 ・特に好きなところは? 「手前なんかに卑しい街を行く・・・野武士の気持ちがわかってたまるか」このセリフが素晴らしすぎるね あと「中野の友人」かな。これ読むとなんか感動する ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! むちゃくちゃ好きな人と少し読んだだけどもういいかなのどちらかになる漫画だとは思うね 「お前たちの生き様は俺が見てるぞ」と言ってやりたい初期のいましろたかし ハーツ&マインズ+ザ★ライトスタッフ+その他 いましろたかし名無し世が浮かれてたバブル期。その輪に入れない若者たちが「俺だって…」と、懸命に行動するが、全て空回り ボロアパートから電話帳片手に、片っ端に女性にイタ電し、電話口に出てきた彼氏から怒鳴り説教 一念発起してディスコへ行けば、自分の場違いさに怯えつつ「楽しまなきゃ…」と、緊張と照れと共に不器用に必死に体を動かす あと、いましろ作品を愛する著名人たちのコメントも収録されています 漫画家・新井英樹 「俺が独裁者なら、『いましろたかし』で笑えない奴、泣けない奴は全員死刑にします。」 追儺伝 SEIJIの感想 #推しを3行で推す追儺伝 SEIJI 森田信吾starstarstarstarstar_borderマンガトリツカレ男・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 多分もう何回も読んでいるんだけど毎回ラストを忘れている。今回も新鮮な気持ちで読めた。森田信吾の描く異形の怪物は独特の味があってなんか好きなんだよな。攘夷幕末世界に登場する外国人とかさ ・特に好きなところは? 星次の式神の提婆王子と赤王子がそんなに強くないところ。だいたいこういう漫画の式神はむちゃくちゃ強い感じだがそうでもない。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 森田信吾が好きであり攘夷幕末世界が好みの方にはおすすめです。栄光なき天才たちのノリや明楽と孫蔵 幕末御庭番や影風魔 ハヤセのノリがすきな方にはお勧めできないです。 IKKI掲載奥様粋奥 日本橋ヨヲコ 木内亨starstarstarstarstar_borderゆゆゆ主人公の八重子さんには演出上セリフがない。 そのおかげで、ものすごい勢いで行動しているのが伝わってくる。 八重子さんは旦那さん思いで、困っている人は見離せない、完璧超人主婦。 とっつきにくいように思える設定なのに、八重子さんの行動にはどこか愛嬌があって、親しみを感じる。 激的なことは起こらないストーリーだけど、八重子さんの勢いのまま読めてしまう、印象に残る作品。 最後の解説は漫画の描き方だけでなく、各話の裏話感もあって、おもしろい。 スーパー奥さん!粋奥 日本橋ヨヲコ 木内亨ママ子旦那様想いで、困っている人がいたら助けずにはいられないスーパーワイフ。 しゃべってないけど、噴き出しと視線だけでなんとなく何考えているかわかるところが面白い、無声映画みたい。 良い事を重ねたら情けは人のためならず、自分に返ってくる。 料理も洗濯もしっかりこなしてちゃっかりお得もしてる。 絵も好みだし一巻しか出てないの?もっと出してもいいと思う! 道徳の教科書ぼくらの 鬼頭莫宏名無し命について考えさせられます。 世界を守るために15歳の少年少女が文字通り命をかけて戦います。 ロボット系の作品は結構好きなんだけど、この漫画は斬新です。 パイロットが使い捨てという事。 救われないよな。 悲しい物語です。 なんかエヴァっぽいよね非自伝的マンガ家マンガ!!G戦場ヘヴンズドア 完全版 日本橋ヨヲコstarstarstarstarstar酒チャビンマンガ家マンガが大好きなのですが、こちらの作品は全然知りませんでした。今回、縁あってご紹介いただいて読んだのですが、めちゃくちゃ面白かったです!!! マンガ家マンガといっても、大きく分けて①自伝的な内容または特定の実在人物をモデルとしたのもの(まんが道・ブラックジャック創作秘話など)と、②マンガ家を主人公に添えつつも特定のモデルはなく、架空の物語のもの(バクマンなど)がありますが、本作品は②のパターンです!! バクマンもジャンプ連載作品だけあって、少年漫画的な熱さがありましたが、本作品もかなり熱い!!!シンプルに話が面白く、目頭が熱くなることが度々ありました!全3巻と読みやすいボリウムですが、内容はすごく濃いと思います!!! 読者への人生の教訓というか、メッセージ性も非常に強く、わたしもがんばらないといけないな、と自然と思わせられます。逃げ出したくなったときに改めて再読したい、そんな作品です!! 印象に残ったセリフは以下のとおりです! 「見ろよこの青い空 白い雲。そして楽しい学校生活。どれもこれも君の野望をゆっくりと爽やかに打ち砕いてくれることだろう。」 「君にこれから必要なのは絶望と焦燥感。何も知らずに生きていけたらこんなに楽なことはないのに。それでも来るか、君はこっちに。」 バクマンの方は少年マンガ的なピュアな情熱を持ったキャラが主人公でしたが、こちらの登場人物たちはかなり痛々しさ(あえてそういう風に描写されてるんだと思われます。)があり、そこは好き嫌い分かれるところかもしれません。オノさんの和風作品さらい屋五葉 オノ・ナツメstarstarstar_borderstar_borderstar_borderママ子肩ひじ張ったところがなく、つやっぽいところがいい。 人の心を揺さぶる物言いで気弱な浪人の政之助を口説き落とす。 弥一の死んだ魚のような目でドロリと見られたら背筋がヒヤッとしますね。 オノさんのヨーロッパ的な作品が多いですが、和風なものもいいですね。線の感じがとってもあっています。 悪行を生業にすることで苦しむ政之助、弥一は信用に値する人物か・・ 命と少年少女と巨大ロボぼくらの 鬼頭莫宏starstarstarstarstar宮っしぃ世界系ロボマンガの超名作 少年少女の葛藤や青春とロボット物が絶妙にマッチ 命をかけて地球を守るロボット物と思いきや、重いかつ悲しい物語は単純な面白さだけでなく、喪失感も非常に大きい むしろ喪失感がすごく読んでて鬱々した気持ちになる時も... ただそれを超える衝撃があるので、何度読み返しても楽してる名作になっている アニメも高クオリティで、結末がマンガと違うがどちらも最高なので合わせて楽しんで欲しい戻れない日々を思うあんずのど飴 冬川智子野愛何か大きなきっかけがあったわけでもないのに、離れてしまった友達がいる。恋愛なら自然消滅なんて既存の言葉に当てはめられるけど、友達と他人の境目ってよくわからない。 やり直せたら、傷つけないのに。大切に丁寧に間違えないようにするのに。 そういう甘くてほろ苦い高校時代の思い出を描いた作品。 とある出来事がきっかけで仲良くなった要とはるか。 進路や家族の悩みを話したり、学校の裏の川をお散歩したり、何気ないことが幸せだった。 やがてはるかはお洒落や恋愛に夢中になって、クールな要との間に少しずつ隔たりができていく。 一瞬だけ心がつながったけれど、結局それっきりになってしまった。 はるかは子どもだったし、要は言葉が足りなかった。ただそれだけのこと。 過ぎ去ってしまえば見えてくるものもあるけれど、取り戻すことはできない。 戻れない日々を懐かしむような、素敵な作品だった。名作を知る道標に金魚屋古書店 芳崎せいむナベテツタイトル通り、古書店を舞台にした作品ですが、漫画の専門店というのは恐らくこのタイトルが初めてだったのではないかと思います(寡聞なだけかもしれませんが)。 作者の芳崎せいむ先生が読んできたであろう実際のマンガ作品への愛を感じるとともに、知らないタイトルも多く、マンガというジャンルの広さと深さ、そして生涯でどれほどの作品に触れることがない出来るのだろうかなんて思ったりもします。 掲載誌の休刊から完結までだいぶかかってしまったタイトルではありますが、最後まで読めて良かったなあと思っています。名作へアクセスするガイドブックとしても良いのでらないでしょうか。前日譚にあたる出納帳もあわせておすすめです(こちらも掲載誌の休刊からの移籍でした) 私的には☆5の短編集幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい 黒谷知也かしこいつも本棚のすぐ取り出せるところに置いてるんだけど久しぶりに読んだ。喜怒哀楽の行間にあるような絶妙な感情や情景を描いてる話が多くて、こういうのって小説とか映像だと形になりやすいんだろうけど、漫画で描こうとする人は少ないですよね…。だからとても貴重に感じて、この漫画を本屋で見つけて初めて読んだ時は「出会えた!」という気持ちになりました。久しぶりに読んで一番心打たれたのは、中学生女子が国語のおじいさん先生に読書感想文の指導を受けることになる『谷後先生』という話。まだ大人になりきっていない主人公の未熟さとひたむきさに心打たれました。あんな時が私にもあったよ…。コードネームはセクシーボイスセクシーボイス アンド ロボ 黒田硫黄かしこ将来はスパイか占い師になりたい中学生のニコちゃんが七色の声を操れる特技を活かしてテレクラで金を稼ぎながら人間観察をしていたところ、その才能に惚れ込んだ裏社会の権力者であるおじいさんから大小様々な依頼を受けるようになります。 第1話の「今救えるのは宇宙で私だけ」から始まり、心掴まれる名シーンが多いんですよね〜!特に私が好きなのは三日坊主の件で落ち込んだニコちゃんがとある一人暮らしのおばあさんを訪ねる第11話です。 日頃から本棚のいつでも見える場所に置いていますが久しぶりに読み返しました。やっぱり何度読んでも面白いです!完結はしていませんがそれを望む必要がないくらい今のままで完成されている作品だと思います。河童男と最強の尻子玉を持つ女Sillyなコダマ!! 鈴菌カリオnyae鈴菌カリオ先生の傑作河童コメディ。 河童であることを隠して、尻子玉を食べずに人間になることを願っている阿童ぐりまは、不幸にも最強に美味しそうな尻子玉を持つ女子・尻井コダマに愛されてしまう。 いつでもどこにでも現れて、何度拒絶されても諦めないコダマに影響され、阿童くんは人の愛とは何かを知ってゆく。 あらゆる手を尽くして阿童くんを笑顔にさせようとしてくるコダマ、あらゆる手を尽くして阿童くんに尻子玉を食べさせようとしてくる姉・るりだ、尻子玉を食べないことで命を危険に晒しながらも人間に近づこうとする阿童くん。3人の運命は、コダマの尻子玉によってびっくり予想外の結末を迎えます。 阿童くんの河童姿は人間の姿よりも好きなのでもっと沢山出てきて欲しかった。 淡々としていて繊細なお話幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい 黒谷知也名無し衝撃的な1話目のスタートなんですが、淡々としていて作者の口からそのまま語られたようなセリフが印象的です。 「幸福はアイスクリームみたいに溶けやすい」 他の作品も日常の一部分が切り取られている感じのものが多いんですが、どの作品も落ち着いていて淡々としていて不思議と落ち着きます。 なんかいいなぁ、好きです。予測不能の人生。美咲ヶ丘ite 戸田誠二Pom 美咲ヶ丘駅に住む人達の人生を1話完結で。 どんな話かなとおもいきや、意外にじんわりと心に響く作品。 話ごとに内容も濃く、読み応えがありました。 忘れかけてる感情を引き出してくれたような、そんなお話の数々でした。 (でも、最初の話はある意味中々衝撃的)<<1234>>
※ネタバレを含むクチコミです。