何か大きなきっかけがあったわけでもないのに、離れてしまった友達がいる。恋愛なら自然消滅なんて既存の言葉に当てはめられるけど、友達と他人の境目ってよくわからない。
やり直せたら、傷つけないのに。大切に丁寧に間違えないようにするのに。
そういう甘くてほろ苦い高校時代の思い出を描いた作品。

とある出来事がきっかけで仲良くなった要とはるか。
進路や家族の悩みを話したり、学校の裏の川をお散歩したり、何気ないことが幸せだった。
やがてはるかはお洒落や恋愛に夢中になって、クールな要との間に少しずつ隔たりができていく。
一瞬だけ心がつながったけれど、結局それっきりになってしまった。

はるかは子どもだったし、要は言葉が足りなかった。ただそれだけのこと。
過ぎ去ってしまえば見えてくるものもあるけれど、取り戻すことはできない。
戻れない日々を懐かしむような、素敵な作品だった。

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45歳の線香花火

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