1924年にエヴェレスト初登頂の謎を残したまま消息を絶ってしまったイギリス人の登山家マロリー。そのマロリーが登頂時に持っていたカメラを発見した羽生丈二という日本人登山家の消息を探すところから始まります。

山を登る男の無骨な物語ですが、マロリーは本当にエヴェレスト登頂に成功したのか?という謎もストーリーに絡んでいて読めば読むほど引き込まれていきました。これを全編谷口ジロー先生の美しい筆致で読めるのが神ですよね。

登山に無知な私でも単独行がどれくらい難しいかなど説明が分かりやすく、シェルパ族の人々の暮らしぶりのような細かいところにも触れられていて興味深かったです。意外と初めて読む登山マンガにも向いてるのかもしれません。

山は人間の全てをお見通しだ…というのはどの登山マンガを読んでも共通して思うことです。少しでも欲が出ると取り返しのつかないことになる…。しかしクライマックスの羽生丈二は本当にかっこよかった。

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神々の山嶺

「これしかない人生」を歩む

神々の山嶺 谷口ジロー 夢枕獏
名無し

僕の地元・長野県には、中学校集団登山という拷問のようなイベントがありました。一学年240人がみんなで3000m級の山に挑むという荒行です。しかも、登る予定の山で起きた遭難事故を描いた新田次郎の「聖職の碑」の映画版を見せられるという、嫌がらせとしか言いようのないオマケもついていました。とはいえ、このイベントで山に目覚めた人もいないわけではなく、それなりに意味のある行事な気もします。僕は下山中に便意に襲われ、6時間死ぬ思いで我慢するという、これまでの人生で一番の苦行を味わったので、二度と山には登らないと決めています。  とはいえ、山ものの作品を読むと、山もいいかもしれないと思ってしまうのです。『神々の山嶺』は数多い名作を生み出し、海外でも評価の高い谷口ジローのまさに最高峰だと思っております。   『神々の山嶺』には羽生丈二という一人のクライマーの姿が、カメラマンの深町誠の視点から描かれます。  この羽生丈二、初登場シーンから圧倒されます。「その時…むっと獣の臭いが店内にたちこめたような気がした」。この存在感がどこからくるのか、深町は彼の過去を調べていくのです。  羽生を関係してきた様々な人に取材していくうちに、彼の孤高としか言いようのない半生が明らかになっていきます。  羽生は可愛げのない、根性はあっても鈍重で無口な男でしたが、クライマーとしては抜群の才能を発揮。しかし、全てを山に集中する羽生は、普通の生活を送る人間と温度差がうまれ、山岳会でも孤立していきます。誰もが登れなかった壁を登り、山岳界の話題をさらうものの、羽生自信は不遇のまま。海外の山に挑戦することができません。  誰よりも山を想っているのに資金や人脈や名声がないだけで、挑戦できない苦しみを味わい、自分を慕う人間の死があり、やがて羽生は自分から孤立していきます。そして消息を断った羽生がなぜカトマンズにいたのか?彼がなにをしようとするのか、物語は加速していきます。  羽生の姿は、新田次郎の小説ではないですが、まさに「孤高の人」なのです。孤高の人は、人の共感は求めません。自分でも言葉にできない衝動に突き動かされるまま、「これしかない人生」を送るのです。  羽生はいいます「いいか。山屋は山に登るから山屋なんだ。だから山屋の羽生丈二は山に登るんだ!!」また、なぜ山に登るのかという問にこう答えます。「そこに山があったからじゃない。ここにおれがいるからだ」  「これしかない人生」を送る男の寂しさと美しが同時に描かれ、僕もこのような生き方に強く憧れるのです。  いや、既に僕は僕にとっての「これしかない人生」を歩んでいるかもしれない。この、マンガとゲームにあふれた人生は。

ダイヤモンドの功罪

最新話で綾瀬川が覚醒したぞ!!

ダイヤモンドの功罪
かしこ
かしこ

最新話でついに!綾が覚醒をしましたね!エヴァで言うところの覚醒と同じ意味なので心配ではありますが、これから益々タイトル通りの「功罪」っぷりを発揮してくれることでしょう。 ということで単行本を読み返してみました。運動神経だけではなく、身体能力、そして頭脳と、スポーツをする為の全てに恵まれた小学5年生の綾瀬川。U12の日本代表でもエースに選ばれ、他の代表選手からも「俺の世代にはずっとコイツがいるんだ…」と恐れられる程の逸材っぷり。しかし綾瀬川の本心は只々みんなと楽しく野球がしたいだけ。そう、綾本人も自分の才能に傷ついているのです。でも誰もそれを知らない。いてもイガくらいかな? 私は野球に関して全くの無知なんですがそれでもハマるのは、これが「才能」の話だから。やはり圧倒的な才能は人を翻弄するんですよ!!恐ろしやです。 日本代表の並木監督があのまま綾の面倒を見てくれたらよかったけど、このまま足立フェニックスで限界まで投げ続けたらプロになる前に選手生命が絶たれそうで心配ですね。ストーリーの冒頭で何回か高校球児になった綾が出てくるけど「この試合で壊れてもいい…!」と言ってたのが気になる。それがどういう意味なのか。やけっぱちなんだろうか。今のところ理解者になりそうな人が大和しかいないけど、東京と大阪で距離もあるし、大和もプレイヤーになりたそうだし、どうなっちゃうんだろう…。 将来は大谷さんのようになってくれたらいいのにな〜と思うのも綾にとっては大きなお世話なんだよね。とにかくハッピーエンドであってくれ!!と願いながら読んでます。

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ねこだのみ

ねこだのみ

東村アキコ、西炯子、波津彬子、そにしけんじといった超人気作家4人の描きおろしに21人の猫愛あふれる作家さんの珠玉の過去作品を掲載しました。泣けてくるものから、笑えるもの、じ~んと考えさせられるもの…いろんな猫が集まってきました。時代も、性別も越えた『猫愛』だけで成り立っている1冊です。猫に少しでも興味がある方はお手に取ってください。 ※デジタル版には含まれないコンテンツがあります。予めご了承ください。

神の犬(谷口ジローコレクション)

神の犬(谷口ジローコレクション)

大型選集谷口ジローコレクション第9回配本 最強の戦闘犬・ブランカの遺伝子はオオカミの中で生きていた。ブランカとオオカミの間に生まれた二匹の仔狼。彼らは父親から受け継いだ戦闘遺伝子により、驚異の動物兵器へと成長する。その存在に目を付けたR共和国の軍部は、再び捕獲作戦を開始。黒い仔狼・タイガを捕らえ、軍事訓練を施す。一方、白い仔狼・ナギは、アラスカの山地へ逃げたが、ナギにも特殊部隊の追跡が迫る…!! 果たして、二匹の運命は…!? 谷口ジローが再び最強の戦闘犬を描く迫力のアクション。最高品質の印刷技法で鮮やかに蘇るアラスカの大自然。サイズは迫力の大画面B5判。最新のスキャン技術と最高品質の製本を駆使し、谷口ジローの名作群が全く新しい姿で登場します。世界中で数々の漫画賞を受賞した谷口ジロー、初の本格選集! 第3期第4回配本『神の犬』1をご堪能ください。●各巻に購入特典として別冊小冊子『「紙」が語ること 谷口ジローの世界』を封入。今回の別冊小冊子では、いしかわじゅん氏(漫画家)、吉見健士氏(テレビプロデューサー)の評論を掲載。

センセイの鞄(谷口ジローコレクション)

センセイの鞄(谷口ジローコレクション)

世界的に高い評価を受けるマンガアーチスト谷口ジロー。好評シリーズ「谷口ジローコレクション」第二期は集英社・扶桑社との共同出版。B5判の特製本。5月より毎月刊行。集英社は「神々の山嶺」全5巻と「晴れゆく空」を刊行。扶桑社は「孤独のグルメ」全2巻。双葉社は「センセイの鞄」全2巻。他に「ふらり。」も刊行予定です。

餓狼伝(谷口ジローコレクション)

餓狼伝(谷口ジローコレクション)

大型選集「谷口ジローコレクション」第6弾 その男は、群衆の中でも奇妙に人眼を引いた。身体が大きい、背が高い男であった。だが、その大きさだけのせいではなかった。流浪の格闘家・丹波文七。どこまで行けば強くなれるのか。どこまで鍛えれば無敵になれるのか。どこまで闘えば最強と呼ばれるのか。ただひたすらに強さを追い求めた 一人の男、戦いの軌跡。夢枕獏と谷口ジローによる究極の格闘漫画が 最高品質の印刷技法で鮮やかによみがえる。サイズは迫力の大画面B5判。最新のスキャン技術と最高品質の製本を駆使し、谷口ジローの名作群が全く新しい姿で登場します。世界中で数々の漫画賞を受賞した谷口ジロー、初の本格選集! 第6弾『餓狼伝』をご堪能ください。●各巻に購入特典として別冊小冊子『「紙」が語ること 谷口ジローの世界』を封入。今回の別冊小冊子では、原作者・夢枕獏氏の評論を掲載。

谷口ジローコレクション

谷口ジローコレクション

谷口ジローの著書を発行してきた各出版社が共同で編集する「谷口ジローコレクション」。第2期は、世界各国で数々の漫画賞を受賞している作品群を刊行してきた集英社、双葉社、扶桑社の合同企画として出版します。扶桑社からは、食漫画の金字塔として愛され、松重豊主演のドラマシリーズも大人気の『孤独のグルメ』第1巻が発売決定! 第1巻の特別小冊子には、漫画家・ヤマザキマリ、演出家・中島諒人が寄稿!「焦るんじゃない 俺は腹が減っているだけなんだ」「うおォン 俺はまるで人間火力発電所だ」「ここでは青空がおかずだ」「ソースの味って男のコだよな」etc. 数々の名言と食描写をご堪能ください!

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青の戦士(谷口ジローコレクション)

青の戦士(谷口ジローコレクション)

大型選集「谷口ジローコレクション」第5弾 絶対的な破壊力を持ちながらも、酒に溺れてリングにあがるハードパンチャー・礼桂(れげ)。この東洋の無名ボクサーに世界的なプロモーター・ダンジェロが目をつけた。ミステリアスな礼桂に魅せられたダンジェロは、彼をこう呼んだ。ブルー・ファイター、青の戦士と。海のように神秘的な深みを持つ男を世界チャンピオン戦へと導く、激動の世界が今、動き出す!! 谷口ジローと狩撫麻礼、若き二人の天才による幻の名作が最高品質の印刷技法で鮮やかによみがえる。サイズは迫力の大画面B5判。最新のスキャン技術と最高品質の製本を駆使し、谷口ジローの名作群が全く新しい姿で登場します。世界中で数々の漫画賞を受賞した谷口ジロー、初の本格選集! 第5弾『青の戦士』をご堪能ください。●各巻に購入特典として別冊小冊子『「紙」が語ること谷口ジローの世界』を封入。今回の別冊小冊子では、関川夏央氏の連載「谷口ジローとの歳月」第5回を掲載。

ふらり。

ふらり。

隠居をした男が歩く、歩く。江戸の町を。 目的もなく、ただただ、ふらり、ゆらりと。 ゆらり、ふらり、と江戸歩き。それはきっとあなたの記憶につながる原風景。

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谷口ジローコレクション

谷口ジローコレクション

【谷口ジローコレクションについて】谷口ジローの作品は海外での評価が非常に高く、主要作は軒並み20万部近い実売を記録、現在も毎月のように新刊が出版されています。この選集は、2021年以降の谷口作品の新たな盛り上がりを見越して、読者の要望に応えられるような質の高い作品集として準備しつつ、その国際的な評価を改めて日本国内で広め伝えていくものとして企画されました。本企画は、谷口ジロー作品を多数刊行している小学館と双葉社が合同で実施。2021年10月以降、小学館・双葉社から毎月1冊ずつ、全5巻(計10冊)を毎月同日刊行。装丁を揃えるなど、合同で取り組みを行って読者への訴求を図り、名作が将来にわたって読み継がれることを目指します。【本書の内容】<明治>という時間軸に交錯する群像を、関川夏央の気鋭の原作を得て、名手・谷口ジローが渾身の力で描いた話題作。歴史上の人物たちの同時代的邂逅が意表を突く!!明治三十八年。現代人たる我々が想像するより明治は、はるかに多忙であった。漱石 夏目金之助、数え年三十九歳。見通せぬ未来を見ようと身もだえていた──近代日本の青年期を、散り散りに疾駆する群像をいきいきと描く、関川夏央・谷口ジローの黄金コンビが放つ一大傑作。第二回手塚治虫文化賞を受賞。

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荒野に獣 慟哭す

荒野に獣 慟哭す

『キマイラ』『サイコダイバー』『餓狼伝』『陰陽師』など数多くのヒットシリーズを生み出した夢枕獏が放つ、サイバー伝奇アクション小説を実力派・伊藤勢がコミカライズ化。ジャングルの奥深くに伝わる奇病・独覚ウイルスを植えつけられ、人間の持つ能力を遙かに凌駕する近代兵器として生まれ変わった12人の独覚兵。12神将になぞられた能力を駆使し、互いに命を削る戦いを繰り広げる。

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サイコダイバー 毒島獣太

サイコダイバー 毒島獣太

サイコダイバーとは――。他人の脳内(精神)に潜入し記憶操作や精神治療を行う特殊能力者である。潜入した相手からの侵食、攻撃、そして帰還不能など無限に広がる精神世界のありとあらゆる危険にさらされながら、難題をクリアしてゆく。ダイバーには潜る深度の差によりランク分けがされており、最高レベルがA級となる。その中でも、ずば抜けた能力を持つ超A級ダイバーが毒島獣太である。彼に不可能はない。

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闇狩り師 キマイラ天龍変

闇狩り師 キマイラ天龍変

身長二メートル、体重一四五キロ。猫叉シャモンをひきつれて、妖魔封じを稼業とする現代の陰陽師、九十九乱蔵。ある日乱蔵は、小田原で巨大な獣に襲われた!その獣の正体は――――キマイラ? 夢枕獏の人気作、『キマイラ』と『闇狩り師』の両シリーズが、コミックで合体!同じく夢枕獏原作の『荒野に獣 慟哭す』を完結させたばかりの伊藤勢が贈る、痛快アクションコミック!

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KUROZUKA―黒塚―

KUROZUKA―黒塚―

鎌倉の兄・頼朝より逃げおおす源九郎 義経と弁慶。二人が山中を放浪する最中、黒蜜と名乗る美しい女が一人棲む家に辿りついた。いつしか九郎と黒蜜は男女の関係に。その黒蜜には恐るべき秘密が隠されていた!! 情念の作家・夢枕獏と鬼才・野口賢が織りなす、有為転変の壮大なる伝奇ロマン、威風堂々スタート。

ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―

ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―

「小説現代」に連載中、夢枕獏氏『真伝・寛永御前試合』のコミカライズ!! この漫画は、強さを求め続ける武術家たちの、命の削り合い。各地のつわものたちが江戸城に結集し、将軍の目前で果たし合いをするまでのドラマである。謎に包まれた寛永御前試合を題材に、登場する武術家全員を悪党として描く夢枕獏。さらにコミカライズの際には雨依新空の手によって、夢枕作品の外道キャラがオンナに!!

アーモンサーガ 月の御子

アーモンサーガ 月の御子

夢枕獏の著書『月の王』を原作に、独自の世界観で物語を大きく飛翔させた石川賢の名編。武勇神インドラの化身にして、子供の頃から象をも倒す怪力と魔物をもおそれぬ精気と勇気を持つアーモン。不吉な月の夜、いつものたいくつの蟲が鳴き始めたアーモンは、従者・ヴァシッタを伴いナーガの森を訪ねる。森の入口にさらされていた首が旅人を惑わしていることを知ったアーモンは、それをいさめようとするが、その首は身体中を魔物でまといアーモン達に牙をむいてきたのだった。苛烈な戦いはナーガの森を外れ、平安時代の羅生門へと舞台を移す。妖魔は“月の王”の意志にそってこの世界にアーモンを連れてきたのだと話し果てるが……。はたしてアーモンを狙う者の正体とは!?

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