正平閣設立のイベントで、脚本にないのに、礼子がおじいさんと正平との会話にスポットライトを当てるところが良い。そしておじいさんの語りのシーンには泣いた。
やり手の礼子が身籠って、母の顔になるのが良い。あと、橋本さんのこと、最後まで「橋本」呼び。下の名前で呼ばないところが、橋本さんとの関係性を表わしているようで、あのような女性の幸せもあるのだなと思った。そして、生まれてくる華王と亜礼、この子どもたちが、恋をしたりする未来を考えた。そういえば、煉獄の婆様も、橋本が身籠っていたことは見抜けなかった。それだけに生まれてくる華王がとんでもない神だったりして。
ラスト、煉獄からお母さんが地上に出てきて、正平が舞で、彼女の人生を昇華してくれたらよかったなあ。あと、玉蘭も、子殺しの人生を昇華してくれていたらと、思う。最後に、餓鬼。この存在、好きです。煉獄から地上に出てきたとき、姿が変わって人の良さそうな青年にでもなっていたらよかったなあ。勝手なことを書きましたが、素晴らしい作品です。
神は我らの内にあり
故たかもちげん氏による「神とは何か」というテーマを、信仰や宗教の枠を超えて描き出そうとした意欲作。 正真正銘の「神」として生まれた主人公が成長するにつれ、神の自覚を持ち、悩みながらも人間社会への影響力を増してゆくのが前半部。後半は、核心に近づくとともに宗教的な抽象表現が多くなる。 前半は、神が生まれる瞬間を見ているようで面白く読み進められたのだが、後半については大いなる話すぎて、自分の中で意味をどれだけ理解できているのか正直なところわからない。 ただ、「全てのものに従うのが神だ」という言葉は腑に落ちたように思う。 あまり言葉で考えすぎず、とてつもないスケールの作画を見て何かを感じ取れればそれでいいかもしれない。 煉獄の狂気的な描き込みも良かったが、それ以上に序盤の主人公が踊る舞の描写が素晴らしく、あの舞にはとてつもない神々しさを感じた…。 内なる神を感じよ!