ネタバレ

タイトルの「すべての読者に捧ぐ救済の物語」は帯に書いてある担当編集の方のお言葉です。

半自伝的な作品で、強い気持ちがあるから描いているんだろうけど思い出したくないことも多々あるだろうから描くのしんどいだろうな…。

誰にでも大なり小なり酒鬼薔薇的な「呪い」はあると思うんです。自分や世の中に絶望して消えてしまいたいみんな消えてしまえと思うこと、正直に言えば私は今もあるかもしれませんね。

巻末で作者のふみふみこさんもおっしゃってましたが、主人公の愛子ちゃんはこの「呪い」を克服してくれるらしいです。これから先どんなに絶望的な展開があろうが読む覚悟をしておかなければ!

読みたい

2巻読んだ。

自殺者にも殺人鬼にもなれなかった私は
つまり特別な何かではなかったのだ

こんなに正直に描ける人っていないと思う。やっぱりこの作品は読むのに覚悟がいるけど、最後まで見届けないとダメだと改めて感じた。

最後のページで愛子ちゃんがゴミに埋もれたベッドで眠ってたけど、作者のふみふみこ先生がエッセイマンガで描いてた過去の体験談と同じだ。本当に半自伝的作品なんだ。

ふみふみこ×押見修造の対談(前編)

ニュース| 「物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件…時代は終末の予感に満ちてもいた」。ふみふみこ氏によるコミック『愛と呪い』(新潮社)は、阪神淡路大震災...

ふみふみこ×押見修造の対談(後編)

ニュース| 「物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件…時代は終末の予感に満ちてもいた」。ふみふみこ氏によるコミック『愛と呪い』(新潮社)は、阪神淡路大震災...

この世界の片隅に

漫画と映画を久しぶりに見返した!

この世界の片隅に
かしこ
かしこ

2025年のお正月にNHK広島放送で映画「この世界の片隅に」が放送されたのは、今年で原爆投下から80年が経つからだそうです。この機会に私も久しぶりに漫画と映画をどちらも見返してみました。 やはり漫画と映画の一番の違いはリンさんの描き方ですよね。漫画では夫である周作さんとリンさんの関係について触れられていますが、映画ではありません。とくに時限爆弾によって晴美さんと右手を失ったすずさんが初めて周作さんと再会した時に、漫画ではリンさんの安否を気にしますが、映画ではそれがないので、いきなり「広島に帰りたい」という言葉を言い出したような印象になっていました。映画は子供のまま縁もゆかりもない土地にお嫁に来たすずさんが大人になる話に重点を置いているような気がします。それに比べると戦時下無月経症なので子供が出来ないとはっきり描いてある漫画はもっとリアルな女性の話ですよね。だから漫画の方が幼なじみの海兵さんと2人きりにさせた周作さんに対して、あんなに腹を立てたすずさんの気持ちがすんなり理解することが出来ました。個人的には男性達に対してだけではなく、当時の価値観で大事とされていた後継ぎを残せない自分に対しての悔しさもあるのかもしれないと思いました。けれどもこの選択をしたのは原作である漫画を十分に理解してるからこそなのは映画を見れば明らかです。 久しぶりに漫画と映画を見返してどちらも戦争が普通の人の生活も脅かすことを伝えているのはもちろん、すべてを一瞬で無いものにしてしまう核兵器の恐ろしさは動きのある映画だから強く感じた喪失がありました。そして漫画には「間違っていたら教えて下さい 今のうちに」と巻末に記載されていることに初めて気づきました。戦争を知らない私達が80年前の出来事を想像するのは難しいですが、だからこそ「この世界の片隅に」という物語があります。どんなに素晴らしい漫画でもより多くの人に長く読み続けてもらうのは大変なので映像化ほどの後押しはないです。これからも漫画と映画どちらも折に触れて見返したいと思います。

野球で話せ

漫画で話せ

野球で話せ
かしこ
かしこ

何を隠そう私も自分の描いた漫画を第11回青年漫画賞に応募していたのです。とはいえ私は記念受験のようなものなので箸にも棒にもかからないのですが…それでも言わせて下さい、私のライバルって中原とほるだったのかよ!!と。いや〜でもこれは完敗です。だって全編を通して「漫画を描くのが楽しい」って感じだったじゃないですか。働きながら漫画を描くのは大変です。やりたいことがあるのは幸せだけど、休みの日なんかに一人で引きこもってコツコツ描いてると「誰にも求められてないものをこんなに一生懸命やって何になる?」と虚しくなります。それよりも情けないのは描きたいから描くのではなく「漫画家になりたいから描いている」という気持ちのブレが起きてしまうことです。それでは本末転倒なのです。だからこそ作中で叔父さんが言っていた『表現を続けなさい』というセリフに胸を打たれて勇気づけられました。それは連載デビューを経験された後も医師として働きながら投稿を続けられたご自身に対しての言葉なのかもしれませんが、私もこんな風に漫画と向き合いたいと思わされる姿でした。いつか私の漫画を中原さんに読んでもらいたい。漫画で話したいです!

ダイヤモンドの功罪

最新話で綾瀬川が覚醒したぞ!!

ダイヤモンドの功罪
かしこ
かしこ

最新話でついに!綾が覚醒をしましたね!エヴァで言うところの覚醒と同じ意味なので心配ではありますが、これから益々タイトル通りの「功罪」っぷりを発揮してくれることでしょう。 ということで単行本を読み返してみました。運動神経だけではなく、身体能力、そして頭脳と、スポーツをする為の全てに恵まれた小学5年生の綾瀬川。U12の日本代表でもエースに選ばれ、他の代表選手からも「俺の世代にはずっとコイツがいるんだ…」と恐れられる程の逸材っぷり。しかし綾瀬川の本心は只々みんなと楽しく野球がしたいだけ。そう、綾本人も自分の才能に傷ついているのです。でも誰もそれを知らない。いてもイガくらいかな? 私は野球に関して全くの無知なんですがそれでもハマるのは、これが「才能」の話だから。やはり圧倒的な才能は人を翻弄するんですよ!!恐ろしやです。 日本代表の並木監督があのまま綾の面倒を見てくれたらよかったけど、このまま足立フェニックスで限界まで投げ続けたらプロになる前に選手生命が絶たれそうで心配ですね。ストーリーの冒頭で何回か高校球児になった綾が出てくるけど「この試合で壊れてもいい…!」と言ってたのが気になる。それがどういう意味なのか。やけっぱちなんだろうか。今のところ理解者になりそうな人が大和しかいないけど、東京と大阪で距離もあるし、大和もプレイヤーになりたそうだし、どうなっちゃうんだろう…。 将来は大谷さんのようになってくれたらいいのにな〜と思うのも綾にとっては大きなお世話なんだよね。とにかくハッピーエンドであってくれ!!と願いながら読んでます。

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楽園をめざして

楽園をめざして

芸人の弟が死んだ。まだ1歳にもならない娘と、妻・今日子を残して。兄・昇司は二人を支えるために一つ屋根の下で共同生活を試みる。しかし彼には「躁」と「鬱」という、二つの極端に異なる側面があり……。ご飯を食べ、働いて、寝て、起きる。当たり前の生活もままならない中で、彼らは生きる希望に手を伸ばす。双極性障害当事者の著者が贈る、ステップファミリー・ストーリー。

棲くう鬼

棲くう鬼

昨年、性犯罪の規定の大幅見直しにより改正刑法などが施行された。「旧ジャニーズ性加害問題」などに代表される《未成年性被害》とは何か?『愛と呪い(新潮社)』『ふつうのおんなのこにもどりたい(徳間書店)』などを描いているふみふみこさんが《幼少期の性被害》を描く。※この作品はフィクションです。実在の人物、団体名等は関係ありません。

僕たちのリアリティショー

僕たちのリアリティショー

彼女は、なぜ死ななければならなかったのか。『ぼくらのへんたい』『愛と呪い』のふみふみこが贈るラブ・サスペンス最新作。彼女は、僕のあこがれ、まぶしすぎるほどの光。製菓工場での坦々とした作業に、至福を感じるタイプの若者である柳(やなぎ )は、女優の卵で幼なじみのいちかと再会する。いちかは人気番組、恋愛リアリティショー「ミーツシェア」に出演中だった。昔に戻ったように思い出話に花を咲かせる二人。しかし、いちかの胸中は穏やかではなかった。

ふつうのおんなのこにもどりたい

ふつうのおんなのこにもどりたい

成瀬七海はアイドルグループ【青春純情乙女ガールズ】の元メンバー。卒業して戻った超田舎の実家で、イケメン高校生・日下直人に出会う。クールだけど包容力のある直人は、超童顔の七海を年下の中学生と誤解しているようで… ふみふみこ『ぼくらのへんたい』以来、5年ぶりのCOMICリュウでの新作! ■成瀬 七海(なるせ ななみ)アイドルグループ【青春純情乙女ガールズ】の元メンバー。童顔。メンバーカラーはライトイエロー。卒業して実家に帰るが… ■日下 直人(くさか なおと)クールそうで包容力のある高校生男子。七海を年下と誤解し、なにかと面倒を見てくれる…

愛と呪い 全3巻合本版

愛と呪い 全3巻合本版

物心ついた頃には始まっていた父親からの性的虐待、宗教にのめり込む家族たち。愛子は自分も、自分が生きるこの世界も、誰かに殺して欲しかった。阪神淡路大震災、オウム真理教、酒鬼薔薇事件……時代は終末の予感に満ちてもいた。暴力的な生きにくさと向き合う90年代から東日本大震災後の現在へ、絶対孤独を生きた「キレる17歳」世代のクロニクル。全3巻合本版。【合本版特典】特別対談3編を収録!(浅野いにお×ふみふみこ/押見修造×ふみふみこ/渡辺ペコ×ふみふみこ)

ぼくらのへんたい

ぼくらのへんたい

主人公は女装癖のある3人の中学生男子。純粋に女の子として生きていきたいためだったり、死んだ姉の身代わりとして母親を慰めるためだったり、理由と事情は様々。それぞれに傷ついたり、悩んだり、胸ときめかしたりしながら、思春期の日々を懸命に生きている。そんな3人が出会ってしまったとき、物語は動き始める――。

女の穴

女の穴

『女の穴』:自分は宇宙人で、地球人の子どもを作るよう命じられているので自分と寝てほしい…と担任教師に迫る女子高生の虚無。『女の頭』:禁断の想いが抑えきれず、死んだ兄を人面疽として後頭部に寄生させ続ける妹の純愛。『女の豚』:ハゲでチビでデブで同性愛者の中年男性教師を、豚扱いしていたぶり続ける女子高生の倒錯した愛。……女は不思議で、怖ろしくて、いやらしくて、そして愛おしい……。「コミックリュウ」誌上での掲載時から、独特の感性を持った女流新鋭として各方面より絶賛されたふみふみこ、記念すべきファーストコミックス。前記3作品に加えて、『女の豚』を別視点で描いた意欲作『女の鬼』40pを描き下ろし。

恋につきもの

恋につきもの

恋人・コウタロウへの想いを残したまま命を絶ったコハルは死後、コウタロウの想い人であるハルオミに憑依してしまい――。表題作『恋につきもの』を始め、感情が高ぶると身体から薔薇の棘が飛び出してしまう体質の女子高生を描いた『いばらのばら』、不安定な夫婦の抱える秘密が胸に迫る『豆腐の家』、コミックス『女の穴』収録の傑作『女の豚』のその後を描いた『村田克己54歳』、苦く淡く切ない百合エピソードを綴った『君ならで誰にか見せむ』など…ふみふみこ本領発揮の全9作品を網羅した傑作集。

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