村のしきたりはいつから始まったのだろう
50歳を超えると人は死ぬと伝えられてきた村人たち。 「あの世」だからと山を越えてはならぬの掟。 元気なのに死ななければならないって、しきたりでも逃げ出す人はいなかったのだろうか。 今の日本でも、村社会ってどうしてこうも陰鬱としてんだろうってところが似ています。 不思議な世界観といくつも謎がはりめぐらされていて、何が起こるかわからない展開にドキドキしました。 キャラクターも生き生きしてて◎ 最終的にどうなるのか全く分からないところ、期待しちゃいます。
まだ未読の人は絶対にネタバレなしで読んだ方が楽しいと思うので、ダマされたと思ってまずは1巻を読んでください。1巻を最後まで読んだら続きを読まずにはいられないと思います。
正直に言うと自分がちゃんと理解できているのか怪しい…。
でも一話目の冒頭が
「果たしてこの世が本当に在るのかということさえも証明されていない 私がいてあなたがいるそれしか実感として感じられない まあその実感すらも本当かどうかは分からないのだが」
という言葉から始まったけど、
最終話の結末が
「果たしてあの世が本当にないのかということも証明されていない 私が死んでもあなたが死んでもそれは実感として残らない まぁその実感すらも本物かどうかは分からないのだが」
で締めくくられていて、これが対になっていることを発見してなんとなく腑に落ちたような気がする。いい漫画を読んだなと心から思った。最初の言葉は何も知らなかった頃の杏の言葉で、最後の言葉はすべてを知った上での杏の言葉なんだなぁ。つまり「知る」ということは恐怖に立ち向かう最良の方法であるということなのだ。
~その村では人は必ず50歳で死を迎える~。村人を縛るしきたり、「あの世」と呼ばれる山の向こう。双子の姉を生け贄に捧げられた少女・杏。獣の皮をかぶった役人達が取り仕切る「この世」と呼ばれる村で神に見守られて暮らす人々。そして、不思議な山の民。杏が見つめる先には希望も絶望もある。この物語で描くのは、山下和美が抱く、日本という国への不安。
~その村では人は必ず50歳で死を迎える~。村人を縛るしきたり、「あの世」と呼ばれる山の向こう。双子の姉を生け贄に捧げられた少女・杏。獣の皮をかぶった役人達が取り仕切る「この世」と呼ばれる村で神に見守られて暮らす人々。そして、不思議な山の民。杏が見つめる先には希望も絶望もある。この物語で描くのは、山下和美が抱く、日本という国への不安。