すてぃるしっく
Still Sick
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あらすじ

私の秘密が彼女の過去を解き明かしていく―。 周囲に隠れて同人活動に勤しむ隠れオタク系OL・清水真琴は、ある日偶然にも同僚の前川茜にオタク趣味がバレてしまう…! 全然オタクに見えない前川を訝しむ清水だったが、実は前川が過去に漫画家として活動していたことを知る。同じ趣味を持つことに喜ぶ清水、しかし前川には何やら秘密があるようで…? pixivで好評を博した新本格社会人ガールズストーリー、第1巻!

漫画で繋がる、拗らせた二人。

秘めた同性愛を同人誌にぶつける清水真琴。父を見返すために漫画を描き、見失って描けなくなった前川茜。創作の動機も愛情の形も歪んだ二人の、繋がるような繋がらないような、絆の物語。 —— 拗らせながらも前向きに生きてきた清水の前に現れた前川は、拗らせ方が尋常ではない。清水は翻弄されるが、それでも前川を気にかける。 一方、清水を試すように距離を縮めたり、突き放したりする前川。 小悪魔女子の前川が抱く「病み」と、どうしようもない寂しさが、捻じ曲がって清水に向かうのが息苦しい。 彼女達を繋ぎ止めるのは「漫画創作」。過去に間違ったモチベーションで失敗した前川には、真っ直ぐに創作の楽しさを語る清水は苦しい存在。それでいて、自分の中にもあった創作の喜びを、思い出させてくれる存在でもある。 前川が自分の創作意欲を見出そうとするのを、清水は応援する。そして寄り添いながら、二人は思う。 「色恋で壊れるような関係など、いらない」 この想いは、例えば過去に、友情に恋愛を持ち込んで失敗したことのある人なら、分かるかもしれない。 大切な事との距離の取り方を致命的に間違えてきた、「未だ病み」の中にいる二人。それでも少しずつ時間を共有し、気持ちをぶつけ合ってきた彼女達は、今後、どのような絆を繋ぐのか。切ない気持ちを共有しながら、見守りたい。 (2巻までの感想) (創作の動機が歪んでいることを否定する意図はありません。本質的に創作の動機は属人的で歪んだものであり、だからこそ愛おしいものだと考えます)

あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ
ぐんじょう
羣青
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あらすじ

殺した女、殺させた女。傷つけ合い求め合う魂の物語。日常的に夫から暴力を受けていた女と、その女を慕い、請われるままに彼女の夫を殺したレズビアンの友人。殺害現場に証拠を残したまま二人の女はともに逃亡を謀る。明日をも知れぬ逃走生活の先に二人は果たして何を見るのか、それぞれどう落とし前をつけるのか――? 極限状況下で震える魂の物語、開幕! ●主な登場人物/殺させた女 (自分の夫を殺すよう友人のレズビアンに頼んだ女。レズビアンの自分に向けた好意を知っていた)、殺した女 (学生時代からひそかに「殺させた女」を慕っていたレズビアン。生家はかなり裕福な“お嬢様”)●本巻の特徴/連載開始時は 弱冠22歳だった著者が放つ、渾身の460ページ! 第1話~第10話に、番外編も収録。

ねこでにんぎょをつるはなし
猫で人魚を釣る話
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あらすじ

医者と患者の恋を繋いだのは、一匹の猫。猫(キミ)がいなきゃ、秘めるだけだった恋。「“病人”を診ずに“病気”を診よ」がモットーの医師、四月一日正直。そして病名を告知されたばかりの患者・吉祥てら。制限のある恋を繋いだのは、一匹の猫だった―― ちょっと切なくて、きっと愛しくて、かなり不器用な…… モフモフ・ラヴ・ストーリィ。

てんちょうだめぜったい
てんちょう、ダメ、絶対
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あらすじ

この恋、限界ハ──ドモ──ド!! 七森結は、阿部寛のようなダンディなおじ様が大好き。 ある寒い冬の日、七森は、スマホと財布とスカートを失い、半裸で凍えていたところ、とびきりダンディなおじ様に救われてひと目惚れするが、彼にはある事情があって…!? 【同時収録】てんちょう、ダメ、絶対 番外編

やさしいヒカリ
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あらすじ

例えば、どこか遠くで暮らすとしたら――。息つく暇のない生活を送るサラリーマン・三宅が再就職で行き着いたのは、穏やかに時間が流れる月輪島。女子高生が案内人の、新たな暮らしが始まる! 潮風薫るリラックス・ドラマ開幕!!

ヨリシロトランク
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あらすじ

構想10年ーー『なるたる』『ぼくらの』の鬼頭莫宏が描く絶望と希望、そして切実な「祈り」の新・異世界物語。 ある日、世界は「改変者」と自らを名乗る少女によって新ルールに書き換えられた。殺した人間を殺せば、殺された人間が蘇る因果応報の世の中に。娘を生き返らせたい父親、身重の婚約者を救うために死ぬ男、罪を償いたいヤクザ…。死者への想いを抱えながら生きる者たちの暗闇と光の物語。

くうでんのいずのひめぎみ
空電ノイズの姫君
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あらすじ

ミュージシャンの父と二人暮らしの女子高生・磨音。一人でいることが好きな磨音は、父の影響もあってかギター演奏が大好き。ある日、朝早く登校すると、教室からは美しい歌声が。見ると、美少女が歌を歌っていた。その美少女、転校生の夜祈子と次第に仲良くなる磨音。ある日、磨音はプロのバンドをめざし、ギターを探している大学生・高瀬たちと出会うが!?

マエストロ
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あらすじ

不況で日本屈指の交響楽団が解散!食い詰めた連中が謎のジジイ、天道のもとに再結集。これは、身も心も音楽に捧げた者たちが、極上の「運命」と「未完成」を奏でる物語である。手塚治虫文化賞に輝いた傑作『神童』につづく、感動の音楽漫画です。

映画と見比べて再認識した漫画「マエストロ」の凄さ

交響楽団が舞台の漫画「マエストロ」を読み終えた後に すでに映画化されていると知り、 映画も観てみようと思った。 「マエストロ」という凄い漫画を、 どんな風に映画化したのかという興味が沸いて。 漫画は視覚で静止画を見ることで楽しむもの。 映画は視覚にも聴覚にも、静止画でも動画でも訴えるもの。 「マエストロ」は音楽を漫画で表現した素晴らしい作品だが、 音楽そのものを扱える映画ならば、もっと素晴らしい作品に なっているのではないか? 音楽を無音でしか表現出来ない漫画と、 動きや音で表現できる映画とでは、 どういう違いが出てくるのか? その辺を見てみたいなと思いながら映画をDVDで鑑賞した。 映画も素晴らしかったが、あらためて漫画「マエストロ」が 素晴らしいものだと再認識した。 音楽そのものを音で表現出来ないことがハンデになっていない。 むしろ、そこから生み出しているものが多い。 映画は音楽を流す。 効果音的な瞬間的な「音」ならともかく、 「曲」を流すのであれば、 簡単に音を切り崩してつぎはぎしたり改変できない。 曲が壊れてしまうし、演奏家の動きとズレも生じる。 いまは映像や音楽の編集技術も高度になっているだろうから、 実際には切り張り的な編集はしているのだろうし、 それで観客には違和感を感じさせないレベルには 仕上がっているのだろう。 恐らく、プロの音楽家がみてもわからないくらいに。 だが脚色的な演出は控えざるをえない。 リアルを追求しているのに、虚飾を交えることになる。 例えば単純に、スローモーションやストップモーション、 早送りなどの動画編集的な手法は多様できないだろう。 やれば非現実感が生じてしまう。違和感を感じてしまう。 漫画は自由自在だ。 大きなコマで大迫力の絵を見せようが、 細かいコマで矢継ぎ早にシーンを変えようが、 静止画のような絵であろうが、 スローモーション的だったり倍速的な動きを表現していようが、 キャラのセリフやモノローグがかぶさろうが、 読者の頭の中に流れる音楽は破綻しない。 途切れない。自由闊達に流れ続ける。 それは実際に音が聞こえないからこそ味わえる音楽だ。 映画と比較してみて、そのことを改めて感じた。 また、映画のクライマックスの演奏シーンでも 一箇所だけスローモーションになるシーンがあって、 それは良いシーンに感じた。 漫画も映画もどちらも色々と面白いです。

名無し

マンガを読んでいる時間にしかマンガは存在しない

『神童』とそれに続く『マエストロ』で、文字通り音楽漫画のマエストロになったさそうあきらですが、長年に渡り疑問に思っていたことがあります。さそうあきらを筆頭に『のだめカンタービレ』の二ノ宮知子や『BECK』のハロルド作石らの描く音楽漫画はどうしてここまでひとの心を打つのか、ということについてです、肝心の音楽は実際には耳に聴こえないのにもかかわらず。 この謎をひとつ解き明かしてみようではないか、ということで、数年ぶりに『マエストロ』を読み返してはみたものの、まあ、最後のコンサートではボロボロに泣いてしまったんですけど、謎は謎のまま残ってしまいました。 ただ、ちょっとヒントになりそうな台詞が作中にありました。 「音楽って切ないね」 「今確かに美しいものがあったって思っても、次の瞬間には消えてしまうんだ」 「川の、流れのように―――」 「だからこそ、愛おしい―――」 「大切に思うんだ」 つまり、音楽は音楽を聴いている時間にしか存在しないけれども、マンガもマンガを読んでいる時間にしか存在しないということ。この不可逆性、このマンガというコマのうねりと連なりをひとつびとつ読んでゆくことの幸せを今日も逃すことなく噛み締めようと思う次第なのでありました。

影絵が趣味
影絵が趣味
はないざわちょうこうみんかんだより
花井沢町公民館便り
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あらすじ

2055年。わたしたちの町・花井沢町は、あるシェルター技術の開発事故に巻き込まれ、外界から隔離されてしまいました。どこにも行けず、誰もやってこない。遠くない未来、いずれ滅びることが約束された町で、わたしたちは今日も普通に生きています。『BUTTER!!!』『HER』『ドントクライ、ガール』など多彩な作風で知られるヤマシタトモコの最新作!

もしもしカメさん~チンピラ、JKのパパになる~ 単行本版
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夏葉は生まれた頃からパパがいなくて母子家庭で育った。ある日、ママが再婚相手を家に連れて来る。その人は出所して来たヤクザのような風貌で…!? 一方、付き合いたての夏葉の彼氏は初Hのことで頭がいっぱい…! 色んな変化に戸惑いつつ夏葉は…!?

なぎさにて
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あらすじ

人類は滅亡するために生まれてきたのか――――!? 主人公・杉浦渚はどこにでもいる普通の女子高校生。杉浦一家もどこにでもいる普通の家族。ただし、取り巻く世界は確実におかしくなっていた。2011年に人類発祥の地・ケープタウンに不思議な木が生えたときから… 突如として世界各地に生え始める不思議な木… 強制的に「世界の終わり」を意識させられる人類… 刹那的な享楽にふける人… 全てを諦め投げやりな生き方を選ぶ人… 全てが急速に変わり始めた世界の中で、変わらないことを選び絶望に挑む、家族の物語がここに開幕!!

世界は終わる。未来はない。そこで人が持ちうる希望とは?『なぎさにて』

**新井英樹作品の文脈** 『なぎさにて』を語る前にまずはこれまでの新井英樹作品を振り返らねばなりません。 最初期の作品を別にすると、『愛しのアイリーン』、『宮本から君へ』、『ザ・ワールド・イズ・マイン』、『キーチ!!』、『SCATTER』などには共通した感情が見て取れます。長きにわたって現代社会の歪みに徹底抗戦し、鉄槌を下し続けて来た新井英樹先生。その筆致たるや、血も汗も涙も涎も精液も身体中のありとあらゆる体液を迸らせながら、言語にならない魂の咆哮と共に殴りつけて来るような凄まじさでした。近年までの新井英樹作品の基底は人間や社会への悲哀と憤怒と、絶望でした。 しかし、『空也上人がいた』でふっと次元が変わった感がありました。そのことは、『空也上人がいた』の単行本冒頭にてご本人がマンガで綴っています。それが更に加速したのは、「みらい!!-岡啓輔の200年-」でした。絵柄も刷新され、女の子が驚くほど可愛くなりました(それが新井英樹先生ご自身として描かれるのも最高)。『空也上人がいた』以降では、これまでと変わって人間への慈愛が満ちているかのように感じられます。未来への希望に溢れた、明るく暖かい人間賛歌となっていました。 『空也上人がいた』マンガHONZ超新作大賞2014 受賞記念対談 http://honz.jp/articles/-/41243 こちらの記事でも、「みらい!!」や『なぎさにて』を描くに至る心境の変化が克明に綴られています。この記事があったからこそ、新生・新井英樹先生の新作がより一層楽しみだったというのもあります。 これは、ただ単純に希望を語るだけとは訳が違います。『アイリーン』を、『TWIM』を、『キーチ』を描いてきた新井英樹先生が描くからこその、とてつもなく眩い光。とうとうこんな境地にまで達してしまったのか、と思わずにはいられませんでした。 悪いことは言わないので、スペリオール2015年2月13日号はどこかで見掛けたら手元に置いておくべきです。『なぎさにて』にも収録されなかった以上、「みらい」はいつ単行本化されるか分かりませんから。 その「みらい」を経ての、『なぎさにて』。これは、言うなれば『アイリーン』から『SCATTER』までの深淵の暗黒と、『空也上人がいた』や「みらい」の極限の光が同居した、まごうことなき最新最高の新井英樹作品です。風が語りかける……すごい、すごすぎる! **『渚にて』と『なぎさにて』** > 「世界の終わりというわけじゃありません。ただ<人類の終わり>というだけで。世界はこのまま残っていくでしょう、そこにわれわれがいなくなってもね。人間など抜きにして、この世界は永久につづいていくんです」 これは、ネビル・シュート著『渚にて』の一節です。 半世紀以上前に書かれた、終末の世界で日常を生きる人々を描く小説。2000年には舞台となったオーストラリアでドラマ化され、2009年には日本でも新訳版が出るなど、不朽の名作として世に残り受け入れられ続けている作品です。その新訳版の後書きでは、こんなことが書かれています。「この物語のテーマは破滅以外の側面。破滅に直面したとき我々はどうするか。乱暴狼藉、無秩序状態を描くことになるだろう。が、『渚にて』ではそのような光景はほぼ描かれない。人はいかに死を迎えるか、いかに生きるか。ネビル・シュートが語りたかったのは、破滅に直面してなお人には守るべきものがあるということ。人は気高い存在であるべきなのだ」と。 『なぎさにて』は、明らかに『渚にて』を意識して、オマージュとして描かれている部分があります。それはタイトルだけでなく、映画版の主題歌である「THE END OF THE WORLD」が第一話で歌われていることからも解ります(ちなみに、村上春樹著『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』にもこの歌詞は引用されています)。何よりも、人類が緩やかな終末に瀕していながらも、それぞれの想いの下でこれまでと同じ日常を送ろうとするその人間としての在り方を問う姿が、正にそのものであると言えます。 余談ですが、個人的に渚という名前はどうしても「渚カヲル」を思い出させます。渚はシ者であり、「カヲル」という名は「オワリ」の一文字ずつ先にある文字。それを含めて、渚という言葉は強く終わりを連想させます。 **終わり行く世界での人間の在り方を描いた物語** 2011年の6月にケープタウンに生えた「ニョロニョロ」。日本では「豆の木」とも通称されるそれは、世界に災厄を齎すものでした。アフリカで発祥したホモ・サピエンスと同じように、ユーラシア大陸、日本、アメリカ大陸、北極、南極と世界中に次々と生えていった豆の木。 ケープタウンに生えた豆の木は、ある時膨らみ破裂して、甚大な被害をもたらしました。半径二十kmで樹液を浴びた者は即死。即死を免れた者も、その撒き散らされた毒による影響で病死。累計五十万人が死亡。そんな、いつ破裂するとも判らない死の豆の木が、日本だけでも千本以上生えてしまった世界。しかし、最初のケープタウンが破裂して以降、世界中で破裂した豆の木はなく、四年が経過。「世界は終わるんだから」と今までとは違った生き方を選ぶ人々もいる一方、辛うじて秩序が保たれている社会。 その中で、日本で初めての豆の木が生える瞬間を目撃してしまった杉浦一家を中心に、『なぎさにて』の物語は綴られていきます。 ヒロインの女子高校生・杉浦渚は、四年前に突然閉ざされてしまった未来を前に自分がしたいことを探し求めて生きる少女。多くの人々と同じように、世界の終わりに直面したことでこれまでの自分とは違う自分として生きようとし、毎日を悔いなく過ごそうと渚は試みます(それにしても、新井英樹作品とは思えないほどかわいい)。こんなに動くヒロインはなかなかいない、と思わせられる、動的さが印象的です。 一方で、キーパーソンとなっているのが渚の父親・宙哉。彼は、ギリギリの所で世界が終わるということを受け入れず、その絶望に抗おうとします。改めて、毎朝7時に家族全員で朝食を取ることを決まりとしたり、子供たちとジョギングをしたり、これまで通りの日常をより大切にしようとします。「日常から未来と希望が見えなくなったのなら日常で絶望を消すこともできるはずだ」と。それも、確固たる意思ではなく、世界や家族の状況を見て惑いつつ、娘に訝しげに思われつつも、人間らしく悩みながら希望に向かおうとする姿に、好感と共感を覚えます。 度々電波障害(パショー)が起こるようになった世界でも、インターネット上で「滅坊」「終息厨」といったカテゴライズをして煽り合いを続ける、どうしようもなく愚かしい人間の描写を欠かさないのも、新井英樹先生らしい所です。 **全てが無に帰す世界の果てで** 私たちも現実に四年前、3.11と原発事故を経験をしています。今まで築き上げてきた常識が覆され、理が一瞬にして全て粉々にされてしまったような、世界の関節が外れたようなあの感覚。それが、この『なぎさにて』では豆の木という形でありありと再現されています。恐ろしいのは、作中では豆の木の惨劇によって3.11が些事として描かれていること。あれほどの事件であっても、時の経過や他の事件の上書きによって人々の中からは驚く程に影が薄くなってしまうというリアリティ。背筋が震えました。 我が子に「他人も自分も思いやれる子になって欲しい」と願い、一所懸命に働いてきた宙哉。そもそも、人の歴史、現在の社会で幸福に暮らせるありとあらゆるシステムは、次代に何かを残そうと粉骨砕身してきた人々の功績。両親や祖先が受け継いで来た賜物。しかし、そんな想いや未来が一瞬で無に帰されてしまう瞬間。圧倒的な虚無と絶望が襲い掛かります。それは、SFでもファンタジーでもなく、現実に真っ当に起こりうる、あるいは違う形で現に起きていることです。 私たちが生きるために教えられてきたことのほとんどは、この人類社会の末永い繁栄のため、人類社会に与するために必要なことです。その未来が全否定された時、社会の機構の一部ではなく完全なる一個人に回帰せざるを得なくなった時、私たちは何をするべきでしょうか。あるいは何をしたいと思うでしょうか。明日か数年後か解らないけれど、人間が絶滅する。そんな状況に置かれた時の自分の行動を想像せずにはいられません。圧倒的な問い掛けを突き付けてくる物語です。 豆の木や大災害などなくとも、今を生きる人々の多くは明るい未来が見出だせないで生きています。未曾有の少子高齢化社会で、衰退を免れないことは明白な日本。安い給料で、一生を添い遂げるパートナーもおらず、年金を貰える宛もなく、老後など想像もできず、その前に野垂れ死ぬか自殺している姿の方が余程リアルに思い描ける。いっそ世界なんて滅びてくれ……そんな風に考える人も決して少なくないであろう今の時代。そんな、世界に息衝く人間が必死に押し殺しながらも抑え切れない絶望感。閉塞感。そういった物を、『なぎさにて』の世界からは感じずにはいられません。終わる世界に生きるが如く未来を見据えて生きることができない人にとっては、全くもって、他人事ではない物語なのです。 しかし、この物語は、上述のインタビューでも描かれている通り、圧倒的な絶望を前にした人間の希望を描いた物語であるはずです。第一巻の最後では、正に圧倒的な絶望が人類に襲い掛かります。『火の鳥』未来編のあるシーンを髣髴とさせるようでした。それでも、驚くほどにビビッドな色使いで、あたかもまっすぐな青春物語であるかのように描かれた単行本の表紙に象徴されるように、渚たちはきっと絶望の中で希望を提示してくれるはずです。 倫理も、道徳も、規範も、あらゆるものが無価値になったとしても、それでも信じられる何かしらを『なぎさにて』は見せてくれる。そう確信しています。もしかしたら、それは愛と呼ばれるものかもしれません。『渚にて』では高潔な愛が一つ大きな希望でしたが、『なぎさにて』ではそうではないかもしれません。確かなことは、極限の世界で必死に生きる人々の姿は私たちに人間にとって本当に大切なことを切に伝えようとしている、ということです。 『なぎさにて』の、新井英樹先生の出す答を、襟を正して見守りましょう。

兎来栄寿
兎来栄寿
おるちゅばんえびちゅちゅー
おるちゅばんエビちゅ ちゅ~
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12年の時を経て、あのハムスターが復活! ご主人ちゃまと「かいしょなち」がめでたく結婚し、娘が誕生! そして月日は流れ、ご主人ちゃま夫婦にはある危機が訪れ、小学生になった娘は耳年増なお年頃……。エビちゅ、また忙しくなりそうでちゅ!!

ちぇりーてぃーちゃーさくらなおき
CHERRY TEACHER 佐倉直生
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新米熱血教師・佐倉直生が女子高の乙姫高校に着任!! 1年生の担任になるが、クラスの女子達はラッキースケベ・ガールを筆頭に個性派ぞろい。そんな彼女達に佐倉は「お前らと愛し合いたい」宣言!? 彼は生徒達と目標である真の教師と生徒の関係を築けるのか…!?

『CHERRY TEACHER 佐倉直生』が卒業するまで

『卒業までにお前ら全員と愛し合うことだ!』 と生徒に名言する熱血教師と、女子高生3人娘を中心に繰り広げられるエロコメディ。 まず、この作品 佐倉先生のキャラ設定が絶妙です。 コイツは基本熱血で生徒思いの教師ですが人並みにエロい。部屋にはジャンル偏ったエロ本もあるし。 でも、生徒に欲情なんてしたらアカンのや!って倫理観ももってる。 ヘタに聖人度100%だったりエロ脳100%だったりしない丁度良い人間らしさです。 あとはメインの女子高生キャラは3人 ・パンチラ担当 ・人妻のオーラを持つ魔王系百合 ・慎ましやかな胸部装甲の元気系空手娘 ストーリーは日常系の基本1話完結構成です。 画力の高さがあり、ギャグ調の絵柄とリアル寄りの絵柄を使い分け、要所要所でシッカリと画力の無駄遣いをしていくスタイル!良いゾもっとやれっと思えました。 『愛すべきバカ』とか『もっと評価されるべき』タグつけたい漫画でした。 女子高生 + ブリーフ 人妻女教師 + 鹿の剥製 新任教師 + 特注エロエロメイドビキニ このあたりのワードに可能性を感じる紳士にもオススメの漫画です! 以下、最終回についてのあさ~~いネタバレ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 最終回のタイトルは『卒業』です! しかしながら『○年後~』のような展開ではなく、生徒達が3年生になっていたりしない CHERRY TEACHERは 変わらず1年の担任である ではナニからの卒業なのか? それは実際に読んで確かめて欲しい

みや
みや
せかいははんぶんになった
世界は半分になった
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スタジオジブリ・鈴木敏夫氏、激賞!!! 赤坂時生の妻は3年前に村から失踪した。光と音という可愛い双子を残したままに。時生は何を見落としたのか? この村がおかしいのか? 誰を信用したらいいのか? この村に建つ巨大で無口な観音様だけが総てを知っている―― この異様で、理不尽な世界で、家族の愛だけは確かなんだ。

がくせいしまこうさくしゅうかつへん
学生 島耕作 就活編
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早稲田大学4年生の島耕作。大学生活も残すところ1年となり、ついに「就職活動」のシーズンが到来!目指すは大手電機メーカー「初芝電産」の内定ゲット。さっそく同級生の樫村とともに初芝の一次選考に挑むが、耕作の身にまさかの緊急事態発生! 就活は波乱の幕開けに……。のちに大企業のトップに立つ男の「原点」となる波乱万丈の青春譚、「就活編」がいよいよ開幕!

きりしまらんじ
霧島嵐児
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時代を超え、男が“今”を生きる…!!絶対的存在だった兄貴を亡くし、生きる希望を失った…。嵐児は復讐を誓い、仇である黒咲の元へ一人乗り込んでいくが事故に遭って――。目覚めると目の前にあったのは!?一度は死を覚悟した男が、時空を越えて大暴れ!!

ジェットコースター気分が味わえる傑作

この漫画、まず読んでいて非常に振り回される。先が読めない物語進行でありながら、短期的ゴールや障害が次々と現れる。そして倫理観の欠如を蛮勇と脊髄反射的情動で補填した主人公の嵐児はそれらを痛快に乗り越えていく。 その展開の体感速度も尋常ではない。読者が劇中で起こっている事態を飲み込みきる前に嵐児と物語は先へ進んでいく。あまりの超展開に思考が停止しそうになってもおかまいなしである。 しかも「ようやく飲み込めてきた。一息つけそうだな」と思ったあたりで読者を強烈に振り回してくる。つまりこの漫画で読者に心休まる時はない。恐らく作者はこの点に関してだけ注意を払っている。 そのうえで漫画から拒絶されるような置いてけぼりは喰らわないのがこの漫画の妙味である。 むしろこの漫画は、その無駄に迫力ある絵と直球165km/hどストレート頭部死球的人物描写の魅力で読者をガッチリとホールドし、落伍者を生み出さない心地よくも恐るべき魅力で満ち溢れている。(脱落する人は、この漫画に愛想を尽かして自発的に逃げ出すか、読んでて体力が持たないかのどちらかだろう) こんな漫画と出会った時、人はどうなるのか。笑うしかない。 細かいことはどうでもいいから、ただ読んで感じた面白さをストレートに笑いに変換するしかなくなる。 絶叫マシンに乗り込んでその速度とGから強制的に脳内麻薬を分泌され、展開に身を任せつつも冷静になるのを惜しむように自ずから楽しむような感覚が近い。読後感もジェットコースターと同じだ。 こんな感覚、他の漫画では到底味わえない。少しでも興味をお持ちなら是非読んで欲しい漫画だ。

完兀
完兀
よどがわべるとこんべあがーる
淀川ベルトコンベア・ガール
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「ともだちが、ほしい!!」………家庭の事情で高校にも進学せず、大阪・淀川べりの小さなあげ工場で働く瀬川かよ、16歳。大人たちに囲まれ、黙々と仕事するかよの職場にある日、那子という美少女がパートタイマーとして働くことになり…?ひとりぼっちのかよの小さな願い……同世代の親友を作ることはかなうのか?思春期の少女たちが抱える痛みと、喜び。一生に一度、かけがえのない16歳の青春が今、始まる!!

これからも必要とされる物語

2020年11月、マンバ通信の新連載「壊れやすい卵のための21世紀マンガレビュー」の第1回「淀川ベルトコンベアガール」は、これまで読んできたマンガ系レビューの中で最も記憶に残る記事の一つとなりました。なぜなら、取り上げた作品のレビューが素晴らしいだけでなく、自分の中で、漫画とはどういう存在であったかを、改めて考えるきっかけを与えてくれたからです。 https://manba.co.jp/manba_magazines/11638 書き手の可児洋介さんは、文芸誌ユリイカなどで漫画評論を執筆されている方で、文章からも真面目で誠実な雰囲気が伝わってきて、個人的に好きなライターさんです。 まず、記事の序文で村上春樹のエルサレム賞受賞スピーチになぞらえて、拡大を続ける物語世界の現状と、漫画というものの文化の立ち位置を示されています。 「壊れやすい卵を無慈悲なシステムの壁から守るものが物語である」とするならば、これは絶対に読まなければ、という思いに駆られまして、気付いたら全3巻を読み終わっていました。それ以降も、二度三度と繰り返し読み直してますが、レビューの通り、本当に素晴らしい漫画でした。作品の見所についてはマンバ通信の記事中で、余すところなく紹介されていますので、そちらを読むことをおすすめします。 個人的に感じた事としては、10年前に完結した漫画ながら、2021年の今読んでもそこまで古さを感じさせないテーマである、という部分にあります。今の日本社会を取り巻く状況があまりにも変わってないせいなのか、この作品が孕む幾つものテーマが、今後も間違いなく必要とされる物語であり続けるであろうと感じました。 何一つ不自由なく幸福な人生を送っていたとすれば、その人にとって、もしかして必要のない物語かもしれません。ただ、生まれ育ちによってそれぞれの置かれた状況があり、価値観も何もかも異なる他人がいるということを知るということ、立場の異なる他人の人生にどれだけ思いを馳せることができるかということを、この作品からは投げかけられているような気がします。 変更された最終回について。 東日本大震災を契機に、村上かつら先生が表現したものは、うまく言葉にはできませんが「他人のために祈るという行為そのもの」であったのではないかと感じました。かよちゃんが祈る対象が、自己から他者へと次第に移り変わり、他人のために心の底から祈る姿に、私は心を打たれ感動したのだと思います。もはや宗教や神様なんてものは何でもよくて、真に他人を思いやる気持ちこそが、すべての始まりなのだと。そう受け取りました。 最後に、マンバ通信の記事でも触れられていますが、各巻のあとがきにて作品の生まれた経緯や時代背景、作品に込められたメッセージが記されています。それと、CUE3巻に本作の元となった読切作品「純粋あげ工場」が収録されていますので、余裕があればそちらも読んでみると良いです。本編で前作と繋がりがあるコマの存在に気付けます。 https://manba.co.jp/boards/16324/books/3 さらに完全に蛇足ですが、あとがきネタでもう一つ。 取材先の食品工場というのが、「日の出食品」「太子食品工業」と書いてあります。いずれもスーパーでよく買う油揚げを作ってるメーカーさんだったことに気付きました。日常的に食卓でお世話になってる人も多いのではないでしょうか。特に太子さんのは他より美味しいので、おすすめです。🦊 http://www.taishi-food.co.jp/?pg=143530690610828

ひさぴよ
ひさぴよ
はなおとこ
花男
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あらすじ

ク-ルで常識的、成績優秀な小学3年生の茂雄は母親とふたり暮らし。夏休みを迎え、さあ、これから塾だ、がんばるぞ!というその時、母の花織から、夏休みの間、父のもとに行って暮らすようにと言われたからびっくり。何といっても父は、プロ野球の選手になるといって家を飛びだし、30歳となった今もその夢を追い続けている「夢追い人」なのだった。

親父
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あらすじ

親父が帰ってきた。家族が待つ家に。だが、親父が不在だった16年の間に、娘・久美子はヤクザの妻となり、息子・洋介は根性のないヘタレヤンキーになり、母親はオロオロするばかりで…。帰ってくるなり早々、久美子につきまとうヤクザを一撃で倒した親父。驚く久美子と洋介に、母から驚愕の過去が語られる。16年前、親父は一家を守るためヤクザと闘っていた!!

家族が命(すべて)。帰ってきた親父が示した愛と男の生き様。 #完結応援

ものすごいものを読んでしまった…。あまりに良すぎて感想なんて絶対書けないという気持ちになりましたが、世にもっと広めるため書いておこうと思います。 (これから読む方にまっさらな状態で楽しんでほしいので核心に触れるネタバレは避けてあります) https://i.imgur.com/EQuo64z.jpg この漫画を知ったきっかけは、マイページの「おすすめ」にこの『親父』(著: もりやまつる)が表示されていたこと。 強烈な表紙に惹かれ、あらすじにサッと目を通してとりあえず1巻だけ買って読んだんだけど…もう全てが自分の好みの最高の漫画だった。今まで読んだ全ての漫画の中でも一番かもしれない。(読み終わった直後なので興奮冷めやらない) ヤクザ者をボコボコに返り討ちにする桁外れの暴力。 実母と愛娘・愛息子への家族愛と、離れていてもお互いに想い続けた夫婦の純愛。 男らしさが極まりすぎてるがゆえのシンプルな下ネタ。 「暴力・愛・笑い」という、私がエンターテイメントに必須だと思っている要素が全て入っている完璧な物語。 しかも絵もが力強く、それでいて描き込みが細かいから見応え抜群…! 暴力に興奮し、下ネタで笑って、最後には愛の深さに涙が出てて…と、たった3巻の中で感情が目まぐるしく掻き立てられました。 何よりテストステロンが爆発してる親父の見た目と生き様が本っっっ当に途轍もなくかっこいいので、死ぬ前にぜひ一度読んでみてください。 たぶんゴールデンカムイ好きな人は好きだと思います…!

たか
たか
まんしんそうい
漫身創痍
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あらすじ

「組もう。俺ら。あいつらの見る目がないって、思い知らせてやりたい」西風時生は芽の出ない新人漫画家としてくすぶった日々を過ごしていたが、ある日〈消えた天才漫画家〉星衛明日馬と出会う。星衛もまた、漫画業界から干され、表舞台に立てずにいた。スタンスも信念もまるで真逆なふたりが、ぶつかり合い、殴り合い、魂を削って漫画を描く――!負け犬どもの漫画家漫画!!

わたしはかべになりたい
わたしは壁になりたい
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あらすじ

「人を好きになれない、なったことがない」Aセクシャルのゆりこは親の圧力によりお見合いをすることに。その相手は幼馴染に片想い中のゲイ・岳朗太だった。「人の恋愛を壁になって見守りたい」派のゆりこ(腐女子)と「幼馴染(♂)が好きで好きでしょうがない、けど家庭の事情で結婚しなくてはいけない」岳朗太。「ずっと一人で生きていくと思っていた」そんな二人の需要と供給が合致した結婚生活。

恋愛感情はないけど"夫婦愛"はそこにある結婚生活 #1巻応援

親の紹介によるお見合いで出会い、結婚することになった花園岳郎太と園田ゆり子。 傍から見ると仲睦まじい新婚に見える2人ですが、実はこの夫婦にはそれぞれに秘密がありました。 夫の岳郎太は幼馴染にずっと片思いをしているゲイの男性、そして妻のゆり子は、BLを嗜んではいますが自身の中には恋愛感情を持たないアセクシャルの女性。 そんな二人の"偽装結婚"の様子を描いた作品です。 タイトルを見るとゲイである夫の岳郎太のことを腐女子の目線で見るゆり子の物語のように見えますが、実際にはそうではありません ゆり子はBL好きではありますが、岳郎太のことを BLの登場人物と同一視はしておらず、共に生きていくパートナーとして相手のことを知ろうと努めます。 また夫の岳郎太のほうも、ゆり子が恋愛感情を持たないとはどういうことなのか、興味本位ではなく、ゆり子のことを理解するために対話をしていきます。 それぞれがセクシャルマイノリティと呼ばれる存在であり、自分のことを理解してもらえないという悩みを抱えながら生きてきた2人。 そんな2人だからこそ相手をゲイやアセクシャルと言う言葉でくくらずに相手を個人として理解しようとする、その結果、間に恋愛感情はないのですが2人は文字通り"夫婦"になっていく、そんな様子を描こうとしている作品ではないかと思います。 もちろん、岳郎太とゆり子、それぞれのバックグラウンドについても丁寧に描かれていて、どちらか1人を主人公として見ても十分に面白い作品になっています。 特にアセクシャルの女性のメインに描いている作品というのはこれまでほとんどないように思うので、アセクシャルという存在に触れたことがないかにとってはそれだけで新鮮に読める作品なのではないかと思います。 1巻まで読了

sogor25
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空日屋
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あらすじ

その未来を「確定」するか「確定」しないかは、あなた次第――。20年以内の“未来の1日”に行って帰ってこれるお店「空日屋(うつろひや)」。その不思議な店を訪れ、未来を垣間見、決断を迫られることになった人々の、様々な人間模様と選択を描くオムニバス・タイムリープ・ストーリー。

グッバイ、ノーベル!
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あらすじ

ノーベル文学賞候補作家、天才・龍平ナヲキの身に起きる突然の不幸。“ある未練”を抱え、幽霊となった 彼を見ることができるのは… 唯一サトリ世代JK・すずのみ!? 「若者言葉」を連発し、ナヲキの小説がさっぱり理解できない彼女を頼りに繰り広げられる… 前代未聞の文学コメディー!!!? あなたの心に書き記す“問題作”… いざ執筆開始―――!!!!

ばーじょん
VERSION
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あらすじ

近未来を舞台に、超高性能バイオチップ「我素」(がそ)をめぐって巻き起こる人類の攻防を描くSFアクション。「学習」「記憶」を繰り返し「自己増殖」、そして「自我」を持ち「変態」までをも始めた新型バイオチップ「我素」。しかし増殖過程で人間に有害な物質を放射することが分かり、政府から永久凍結を命じられる。ところがプロジェクトメンバーの日暮月光博士が「我素」を持ち出し行方をくらましてしまった。その後、世界各地ではデータバンクがハッキングされ、「VERSION」というメッセージが残される事件が相次ぐ。日暮博士を尊敬する元研究員の大沢木四郎は私立探偵・八方塞(はっぽうみつる)に博士の捜索を依頼するのだが……!?