完結記念に感想書かせていただきます。
「隠れ同人作家の清水さんが同僚の前川さんにオタバレして秘密を握られてこれからどうなっちゃうの!?」
という導入こそ軽妙ですが、ひとを愛することと、創作することに真摯に向き合っているのが本作の魅力だと感じます。
百合はもちろんのこと本格的なマンガ家マンガとしての読み応えも抜群です。
物語を描くのって過酷です。
真面目に向き合えば向き合うほど、ときには現実の人間関係や自分自身を傷つけてしまうことさえあります。
一方で、その過酷さは誰かの支えがあれば乗り切れることもあります。
物語を通じて前川さんが「誰かと一緒に描く」ようになり、清水さんが「誰かの傍にいる」ことを選ぶのが私にはとても尊いことのように思えました。
そして最終3巻のボリュームが圧巻。260ページ超えてます!
ふたりがそれぞれのゴールと言うか、あり方を決めたあとのようすがじっくりと描かれています。
こういうエピローグがたっぷり読めるのはなんだか幸せですね。
素晴らしい余韻の残る作品でした。