なぎさにて

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新井英樹作品の文脈

なぎさにて』を語る前にまずはこれまでの新井英樹作品を振り返らねばなりません。

最初期の作品を別にすると、『愛しのアイリーン』、『宮本から君へ』、『ザ・ワールド・イズ・マイン』、『キーチ!!』、『SCATTER』などには共通した感情が見て取れます。長きにわたって現代社会の歪みに徹底抗戦し、鉄槌を下し続けて来た新井英樹先生。その筆致たるや、血も汗も涙も涎も精液も身体中のありとあらゆる体液を迸らせながら、言語にならない魂の咆哮と共に殴りつけて来るような凄まじさでした。近年までの新井英樹作品の基底は人間や社会への悲哀と憤怒と、絶望でした。

しかし、『空也上人がいた』でふっと次元が変わった感がありました。そのことは、『空也上人がいた』の単行本冒頭にてご本人がマンガで綴っています。それが更に加速したのは、「みらい!!-岡啓輔の200年-」でした。絵柄も刷新され、女の子が驚くほど可愛くなりました(それが新井英樹先生ご自身として描かれるのも最高)。『空也上人がいた』以降では、これまでと変わって人間への慈愛が満ちているかのように感じられます。未来への希望に溢れた、明るく暖かい人間賛歌となっていました。

『空也上人がいた』マンガHONZ超新作大賞2014 受賞記念対談
http://honz.jp/articles/-/41243

こちらの記事でも、「みらい!!」や『なぎさにて』を描くに至る心境の変化が克明に綴られています。この記事があったからこそ、新生・新井英樹先生の新作がより一層楽しみだったというのもあります。

これは、ただ単純に希望を語るだけとは訳が違います。『アイリーン』を、『TWIM』を、『キーチ』を描いてきた新井英樹先生が描くからこその、とてつもなく眩い光。とうとうこんな境地にまで達してしまったのか、と思わずにはいられませんでした。

悪いことは言わないので、スペリオール2015年2月13日号はどこかで見掛けたら手元に置いておくべきです。『なぎさにて』にも収録されなかった以上、「みらい」はいつ単行本化されるか分かりませんから。

その「みらい」を経ての、『なぎさにて』。これは、言うなれば『アイリーン』から『SCATTER』までの深淵の暗黒と、『空也上人がいた』や「みらい」の極限の光が同居した、まごうことなき最新最高の新井英樹作品です。風が語りかける……すごい、すごすぎる!

『渚にて』と『なぎさにて』

「世界の終わりというわけじゃありません。ただ<人類の終わり>というだけで。世界はこのまま残っていくでしょう、そこにわれわれがいなくなってもね。人間など抜きにして、この世界は永久につづいていくんです」

これは、ネビル・シュート著『渚にて』の一節です。

半世紀以上前に書かれた、終末の世界で日常を生きる人々を描く小説。2000年には舞台となったオーストラリアでドラマ化され、2009年には日本でも新訳版が出るなど、不朽の名作として世に残り受け入れられ続けている作品です。その新訳版の後書きでは、こんなことが書かれています。「この物語のテーマは破滅以外の側面。破滅に直面したとき我々はどうするか。乱暴狼藉、無秩序状態を描くことになるだろう。が、『渚にて』ではそのような光景はほぼ描かれない。人はいかに死を迎えるか、いかに生きるか。ネビル・シュートが語りたかったのは、破滅に直面してなお人には守るべきものがあるということ。人は気高い存在であるべきなのだ」と。

『なぎさにて』は、明らかに『渚にて』を意識して、オマージュとして描かれている部分があります。それはタイトルだけでなく、映画版の主題歌である「THE END OF THE WORLD」が第一話で歌われていることからも解ります(ちなみに、村上春樹著『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』にもこの歌詞は引用されています)。何よりも、人類が緩やかな終末に瀕していながらも、それぞれの想いの下でこれまでと同じ日常を送ろうとするその人間としての在り方を問う姿が、正にそのものであると言えます。

余談ですが、個人的に渚という名前はどうしても「渚カヲル」を思い出させます。渚はシ者であり、「カヲル」という名は「オワリ」の一文字ずつ先にある文字。それを含めて、渚という言葉は強く終わりを連想させます。

終わり行く世界での人間の在り方を描いた物語

2011年の6月にケープタウンに生えた「ニョロニョロ」。日本では「豆の木」とも通称されるそれは、世界に災厄を齎すものでした。アフリカで発祥したホモ・サピエンスと同じように、ユーラシア大陸、日本、アメリカ大陸、北極、南極と世界中に次々と生えていった豆の木。

ケープタウンに生えた豆の木は、ある時膨らみ破裂して、甚大な被害をもたらしました。半径二十kmで樹液を浴びた者は即死。即死を免れた者も、その撒き散らされた毒による影響で病死。累計五十万人が死亡。そんな、いつ破裂するとも判らない死の豆の木が、日本だけでも千本以上生えてしまった世界。しかし、最初のケープタウンが破裂して以降、世界中で破裂した豆の木はなく、四年が経過。「世界は終わるんだから」と今までとは違った生き方を選ぶ人々もいる一方、辛うじて秩序が保たれている社会。

その中で、日本で初めての豆の木が生える瞬間を目撃してしまった杉浦一家を中心に、『なぎさにて』の物語は綴られていきます。

ヒロインの女子高校生・杉浦渚は、四年前に突然閉ざされてしまった未来を前に自分がしたいことを探し求めて生きる少女。多くの人々と同じように、世界の終わりに直面したことでこれまでの自分とは違う自分として生きようとし、毎日を悔いなく過ごそうと渚は試みます(それにしても、新井英樹作品とは思えないほどかわいい)。こんなに動くヒロインはなかなかいない、と思わせられる、動的さが印象的です。

一方で、キーパーソンとなっているのが渚の父親・宙哉。彼は、ギリギリの所で世界が終わるということを受け入れず、その絶望に抗おうとします。改めて、毎朝7時に家族全員で朝食を取ることを決まりとしたり、子供たちとジョギングをしたり、これまで通りの日常をより大切にしようとします。「日常から未来と希望が見えなくなったのなら日常で絶望を消すこともできるはずだ」と。それも、確固たる意思ではなく、世界や家族の状況を見て惑いつつ、娘に訝しげに思われつつも、人間らしく悩みながら希望に向かおうとする姿に、好感と共感を覚えます。

度々電波障害(パショー)が起こるようになった世界でも、インターネット上で「滅坊」「終息厨」といったカテゴライズをして煽り合いを続ける、どうしようもなく愚かしい人間の描写を欠かさないのも、新井英樹先生らしい所です。

全てが無に帰す世界の果てで

私たちも現実に四年前、3.11と原発事故を経験をしています。今まで築き上げてきた常識が覆され、理が一瞬にして全て粉々にされてしまったような、世界の関節が外れたようなあの感覚。それが、この『なぎさにて』では豆の木という形でありありと再現されています。恐ろしいのは、作中では豆の木の惨劇によって3.11が些事として描かれていること。あれほどの事件であっても、時の経過や他の事件の上書きによって人々の中からは驚く程に影が薄くなってしまうというリアリティ。背筋が震えました。

我が子に「他人も自分も思いやれる子になって欲しい」と願い、一所懸命に働いてきた宙哉。そもそも、人の歴史、現在の社会で幸福に暮らせるありとあらゆるシステムは、次代に何かを残そうと粉骨砕身してきた人々の功績。両親や祖先が受け継いで来た賜物。しかし、そんな想いや未来が一瞬で無に帰されてしまう瞬間。圧倒的な虚無と絶望が襲い掛かります。それは、SFでもファンタジーでもなく、現実に真っ当に起こりうる、あるいは違う形で現に起きていることです。

私たちが生きるために教えられてきたことのほとんどは、この人類社会の末永い繁栄のため、人類社会に与するために必要なことです。その未来が全否定された時、社会の機構の一部ではなく完全なる一個人に回帰せざるを得なくなった時、私たちは何をするべきでしょうか。あるいは何をしたいと思うでしょうか。明日か数年後か解らないけれど、人間が絶滅する。そんな状況に置かれた時の自分の行動を想像せずにはいられません。圧倒的な問い掛けを突き付けてくる物語です。

豆の木や大災害などなくとも、今を生きる人々の多くは明るい未来が見出だせないで生きています。未曾有の少子高齢化社会で、衰退を免れないことは明白な日本。安い給料で、一生を添い遂げるパートナーもおらず、年金を貰える宛もなく、老後など想像もできず、その前に野垂れ死ぬか自殺している姿の方が余程リアルに思い描ける。いっそ世界なんて滅びてくれ……そんな風に考える人も決して少なくないであろう今の時代。そんな、世界に息衝く人間が必死に押し殺しながらも抑え切れない絶望感。閉塞感。そういった物を、『なぎさにて』の世界からは感じずにはいられません。終わる世界に生きるが如く未来を見据えて生きることができない人にとっては、全くもって、他人事ではない物語なのです。

しかし、この物語は、上述のインタビューでも描かれている通り、圧倒的な絶望を前にした人間の希望を描いた物語であるはずです。第一巻の最後では、正に圧倒的な絶望が人類に襲い掛かります。『火の鳥』未来編のあるシーンを髣髴とさせるようでした。それでも、驚くほどにビビッドな色使いで、あたかもまっすぐな青春物語であるかのように描かれた単行本の表紙に象徴されるように、渚たちはきっと絶望の中で希望を提示してくれるはずです。

倫理も、道徳も、規範も、あらゆるものが無価値になったとしても、それでも信じられる何かしらを『なぎさにて』は見せてくれる。そう確信しています。もしかしたら、それは愛と呼ばれるものかもしれません。『渚にて』では高潔な愛が一つ大きな希望でしたが、『なぎさにて』ではそうではないかもしれません。確かなことは、極限の世界で必死に生きる人々の姿は私たちに人間にとって本当に大切なことを切に伝えようとしている、ということです。

『なぎさにて』の、新井英樹先生の出す答を、襟を正して見守りましょう。

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薔薇なまいにち
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兎来栄寿
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『まんまるポタジェ』や『魔女のてしごと』、『 天使にお願い』や『ビーズの指輪』のあいざわ遥さんの最新作です。 その情報と、このタイトルと少女マンガ的なかわいくファンシーな表紙や扉絵のメインヴィジュアルから一見して看破できる人はあまりいないでしょう。この物語の主人公こまちが、ギャンブル中毒の貧乏少女であるとは。 水原一平さんの事件もあり、今注目を浴びるギャンブラー。最近発売された『ヤングマガジン増刊カケヒキ』では、超人気ギャンブルマンガのシリーズ最新エピソードとなる「エスポワール前カイジ」が掲載されました。人間は根本的に、ランダムから快楽を得る瞬間が好きなんですよね。 特に2割以下の人は非常にギャンブラーに向いたリスクテイカーの遺伝子を持っていると一説には言われています。狩猟採集時代は定住していては枯渇する資源を得るべく、リスクを冒してでも新天地で獲物や食べ物を発見できた者が英雄であったためだとか。多くの人にはギャンブル中毒者のことが理解できなくても、それは生存戦略的に必要な資質であったというわけです。もしかしたら、こまちもそういう遺伝子を持っているのかもしれません。 そうして開始2ページで競馬でスり無一文で食うや食わずの生活をして家賃の支払いも滞りながらも優しい大家さんなどに助けられて何とか生きながらえていたこまちは、バラの育種農場でバイトをすることになります。 その農園にいた育種家の青年・園生は、あけっぴろげな性格のこまちとは対照的に対人スキルに乏しく、しかしバラへの情熱は揺るぎないもの。そんな不思議な凸凹コンビが、まだ見ぬ新種のバラを生み出そうと奮戦していく物語です。 まず、バラの育種というテーマが珍しくて面白いです。そもそもどうやって育てているのか、バラごとにある特徴や高く評価されるためにはどうすればいいのか、ミステリーローズとは何なのかなどなど、読んでいて楽しくなる知識が満載です。 また、主軸となるふたりのキャラクターがとても立っていて、どちらも難があるもののこのふたりの掛け合いだけでも永遠に楽しく物語を引っ張っていけそうだなと感じました。 時折ギャンブルも交えながら展開していく異色の作品となっており、バラの育種に興味がある方、ギャンブラーのヒロインに興味がある方、少し変わった少女マンガを読みたい方などにお薦めです。
大きくなったら女の子
「座席」議論に加わっている人に読んで欲しい #1巻応援
大きくなったら女の子
兎来栄寿
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数日前から、新幹線の自由席で横に乗ってきた異性の話を巡ってネット上で大激論が巻き起こっています。 「男性は〜」「女性は〜」という主語で意見を述べている人に1度この作品を読んで欲しいなと思います。 本作は、人間が皆″男性″として生まれてきて、その中の1割が14〜20歳ごろを境に性転換して″女性″になり、声が低くなり乳房が大きくなり子宮が発達し男性器が縮小し筋肉・脂肪が増加していくという世界を描いています。社会は″女性″が主導していくもので、″男性″はそれを支える存在。 ただ、少しややこしいのですがこの作中での″男性″は現実世界の女性的な外見をしており、″女性″は男性的な外見で発達した乳房を持っています。 最後にあとがきで明示されているように、単なる男女の反転ではなくマーブルな状態を描いているのが特徴です。 この作品の中で、それぞれのキャラクターが語る性別ごとの役割の話や、「″女性″は」「″男性″は」という話や異性に対する態度は、読み手に応じてさまざまな感情を引き起こしてくれるであろうと思います。現実世界に照応してある人にとっては何も引っ掛からず、ある人にとってはこの上ないもやもやが生じるであろうことをつぶさに描いています。 男性だから、女性だから、″女性″だから、″男性″だから有利なこともあれば、不都合なこともある。ときにはそれに対して、過去から長い時間大量に蓄積したものも含めた不平不満を述べたくなることもあるのは否定し得ません。 ただ、筆者の御厨さんが ″性別や属性で人の中身ややるべきことをひとくくりにするのは、個人の理解をなまけたいがための単なる省エネモードのおこないだと思っています。  何かを集団でくくって語るとき、「今の自分は省エネモードになっている」という自覚はしていたいと思います″ と述べたあとがきにあるように、より本質的には個々人に依拠するものに対して意識せずに大きい主語で語ってしまいがちな状況はあると思います。 どういったものに対して自分の心はどういった動き方をするのか。その形を改めて把捉しておくのに、この作品はとても優れています。 何も個人としての意見を表出するなという気はまったくありませんが、省エネモードで雑な結論に結びつけて誰も幸せになれない不毛なやり取りに発展する前に、今一度立ち止まって一呼吸を置いて本作を読んでから、改めて熟考した後に言葉を紡いで発しても遅くはないでしょう。
ただ大きな猫になりたい
恋愛できない猫好きふたりと保護猫2匹の新生活 #1巻応援
ただ大きな猫になりたい
兎来栄寿
兎来栄寿
恋愛関係でない男女の描き方と、愛を持って描かれる猫にまつわる諸々がとても良いなと感じさせてくれる作品です。 男性からの恋愛や性愛に応えられないという悩みを持ち、両親が残してくれた一軒家に女友達のみおと二人暮らししていたものの、そのみおも3年で彼氏ができて出ていき独りになってしまった公務員の黒木里香。 彼女が保護猫をお迎えしようとするもの、譲渡会で単身者で一緒に世話できる家族も近くにおらず、自分の仕事が大変なときや体調を崩したときに責任が持てないようでは厳しいと断られてしまうところから始まる物語です。 猫が好きだからこそ、ペットショップで買うのは嫌で不幸な子をひとりでも減らしたいという里香の気持ち、同じように保護犬を迎えた身としてとても好感が持てます。しかし、ボランティアの言うことも至極もっとも。命に対して責任を負うということはそれだけ重いものですから。しかし、その後に譲渡会で出会った男性と共に助けた猫を育てていくこととなります。 恋愛関係ではなく一緒に暮らし始める男女の関係を描いた作品としても秀逸です。 互いに異性として恋慕することはできない。でも、日常の些細なことを共にして共感したり、「おかえり」「ただいま」と言える相手がいると安心できるという気持ちは確かに存在する。何より、互いのライフスタイルによって猫のサポートを補い合える。 そうした利害の一致から始まる共同生活の様子もいいです。理想的な部分だけでなく、赤の他人と一つ屋根の下で暮らすことの大変さもしっかり描かれます。それでも、猫たちの存在が潤滑油となり新生活が少しずつ回っていく様子を見ていると、世の中にはこういう形があっても良いと思わせてくれます。 私自身、結婚はするまで微塵も考えていませんでしたが、最近骨折した際にはとても助けられて独り身のままだったら相当大変だっただろうなと思いました。保護犬を迎える際も夫婦であるからと安心された部分もありました。何だかんだで共同生活は助かる部分が多いというのは身に沁みます。 また、猫の育て方や猫との暮らし、保護猫への解像度の高さも本作の美点です。原作者の筒井テツさんは実際にボランティア活動をしているそうで、幕間では保護猫をお迎えしたいと思っている担当編集のFさんとの実録保護猫マンガも描かれます。 作中で保護される要介くんと要美ちゃんはそれぞれの個性と共にとてもかわいく描かれ、このまま何事もなく元気で成長してほしいと願うばかりです。
わたしのお母さん
残酷な現実へ手向けられた願い #1巻応援
わたしのお母さん
兎来栄寿
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世の中には、最早どうしようもなく距離を置く以外に対処のしようがない人や物事が存在します。しかし、それが実の親であり自分がまだ経済的に自立できない子供であった場合は最悪です。絶対に離れた方が良いのに、離れる術がなくその手段を考えることすら封じられたままそれが当たり前なのだと刷り込まれて心身を壊されていってしまいます。 本作の第1話はとにかく読んでいて辛いものでした。小学生の少女トワが、毒親の極みのような実母の星羅とその愛人であるみちおから最悪の虐待を恒常的に受け続ける惨状が描写されます。ゴミ屋敷でまともな暮らしもできず、学校に通う時間に酒を買いに行かされ、些細なことで当たり散らされ暴力を振るわれ、あまつさえ……。現実にも、今も同様の被害を受けて生きている子がいるのだろうと思うと居た堪れなくなります。 この物語は、そんな残酷な現実へ手向けられたひと匙の希望であり救いです。リカワリ星からやってきた異星人によって、母親の存在は乗っ取られ、体はそのままでも中身はまったくの別人になりかわりトワは新たな生活を歩み出すこととなります。 虐待だけでなく、保護者間のカーストやそれが子供たちに伝播してのいじめなど現代社会の闇の部分が多く描かれます。子供同士のやり取りや、心の移り変わりの部分にもリアリティを感じます。ただ、そうした不条理をリカワリ星人が縦横無尽に切り開いていってみせてくれる様はカタルシスがあります。 兎屋まめさんの絵も綺麗で、序盤の星羅の描き方のおぞましさの迫力、さまざまなヴィヴィッドな表情の描き分けも良いです。 余談ですが、街並みの様子からも治安の悪さで知られる東京の某所を舞台にしていると感じられるのは気のせいでしょうか。
ねずみロワイアル
かわいい恐怖の殺し合い #1巻応援
ねずみロワイアル
兎来栄寿
兎来栄寿
『ムムリン』や『オオカミの子』の佐々木順一郎さんのかわいい絵柄で描かれる、残酷なバトルロワイアル。 そう、まさに高見広春さんの『バトル・ロワイアル』と同じようなクラスメイト同士の殺し合いが描かれていきます。1999年に出てリアルタイムで読んだ小説が、四半世紀経った今でもこうして色濃く影響を与え続けてフォロワーを生んでいるのは感慨深いです。 基本的なルールも『バトル・ロワイアル』に準拠しており ・殺し合いは島で行われる ・生徒たちには全員爆発する首輪が付けられている ・島にはランダムで刃物や銃器など武器が配置されている ・1日ごとに禁止エリアが設定され行動エリアが狭まっていく といった具合です。進化しているのは、スマホのような携帯端末でさまざまな情報を得られるということ。ただそれもどこかで充電ができないとずっと使い続けることはできないという制約も面白いです。 殺し合いのゲームが進行する傍らで頻繁にエモーショナルな回想が挟まっていく構成もまた『バトル・ロワイアル』を思い出します。それぞれの同級生たちが、普段の学校生活では見られない陰の姿を持っていたり、非日常だからこそ剥き出しになる感情を表したりといった醍醐味の部分もしっかり描かれていて刺さります。本家も、もちろんゲーム的な部分の面白さもありつつ思春期の少年少女たちが織りなす人間ドラマの模様が名作を名作たらしめた部分ですからね。 同じネズミでありながらそれぞれのキャラクターがしっかり描き分けられているのもすごいです。外見は似ているにも関わらず、それぞれがちゃんと個性的に立てられています。そして、このかわいさがあればこそ本家さながらの酷薄な展開が引き立ちます。 血と裏切りに塗れた島で、彼らの運命はどうなるのか。どのような結末を見せてくれるのか。目が離せません。
れいしょくガール!
冷食グルメ×少女マンガ編集! #1巻応援
れいしょくガール!
兎来栄寿
兎来栄寿
皆さんは普段、冷凍食品は食べますでしょうか。私は10年前くらいに食べたとある逸品で完全に冷凍食品を見る目が変わってしまい、それ以来冷凍庫には常に常備してあります。忙しい時には調理の簡便さがありがたく、それでいて最近のものは味も良いものが多いです。冷凍茶豆やブロッコリー、ブルーベリーも愛食していたのですが最近はそれらも高くなってしまって物価高を感じます。 タイトルと表紙から想像される通り、冷凍食品に特化したグルメマンガです。ただ、それに加えて入社1年でまっく興味のない少女マンガ編集部に異動になってしまった青年・聖と彼の教育係である宇津木のふたりを中心とした、編集者マンガとしての側面も持ち合わせています。少女マンガのことを微塵も知らないところから、巨大な同人イベントで出会った作家さんの同人誌に心惹かれて担当し、一緒に作品作りをしていくまでに成長する姿は、胸が熱くなります。 登場する冷凍食品は、実在するものばかり。名だたるメーカーの協力のもとに描かれており、そのまま食べてももちろん美味しいのですが料理のできる聖によってアレンジを加えられるレシピも見所です。エビシューマイから作るエビチリや、チャーハンクッパなどはとても美味しそうで実際に作ってみたくなります。 また、グルメマンガといえば食べる際のリアクションがクライマックスですか本作では毎回少女マンガにありがちなシチュエーションで美味しさや味わいを例えられるのが特徴的で面白いです。 キャラクターとしては、マンガ好きでエビ好きの黒髪ロングストレートつり目美人の宇津木さんを私が推さないわけもなく。 ″ 冷凍食品は「手抜き」じゃなくて「手間抜き」なの!″ などのセリフに表れる、冷食愛の強さも良いです。彼女と聖の間に芽生える、まさに少女マンガ的な関係性にもにっこりしてしまいます。 味の素の海老大餃子、見つけたら買い込みたいです。
ボルカルス
ボードゲーム発、タイムリープ怪獣バトル #1巻応援
ボルカルス
兎来栄寿
兎来栄寿
『放課後さいころ倶楽部』の中道裕大さんがボードゲーム原作のマンガを描くと聞いたときは、特大の「むべなるかな!」という気持ちが湧き起こりました。 原作者はドロッセルマイヤーズの渡辺範明さん。原作となっているボードゲーム 『Kaiju on the Earth』シリーズは遊んだことがないですが、非常に力を入れて作られており、グッズも多数つくられ『ゴジラ』などともコラボしているようでとても面白そうですね。 どこかから現れ人類を脅かす謎の怪獣という、『ウルトラマン』などでお馴染みの王道展開。故に熱く、燃えそうです。 それをマンガとして非常に上手く盛り立てているのが本作です。 一見すれば怪獣との戦いを描くパニックホラー的なものを想像しそうですが、蓋を開けてみると読めば読むほど続きが気になってくるタイムリープサスペンスとなっています。 一度は現れた怪獣によって滅ぼされかけた39歳の主人公は、気付くと記憶を保ったまま小学生へと戻っておりそこから人類を救う道を模索するべく立ち上がっていきます。 タイムリープしてやり直しを行う作品は多いですが、そうしたタイプの作品の中ではちょっと珍しい展開がありそこに面白さを感じました。 個人的には黒髪ロングストレートのヒロイン藍田さん激推しです。藍田さんの設定も王道からは外れたところがあって、今後どのように扱われていくのか気になります。 牧歌的であった『放課後さいころ倶楽部』とはまた全然違ったテイストで大ゴマや激しいアクションシーンもしばしば登場しますが、中道さんの絵も物語にフィットしていて魅力的です。 原作好きな方だとニヤリとできる部分などもあるのかもしれませんが、原作未読でもまったく問題なく単体で面白く読めます。今後、他のシリーズもマンガ化されていくのかどうかも気になります。
ホントは出汁たい山車さん
温かいお出汁と愛情と #1巻応援
ホントは出汁たい山車さん
兎来栄寿
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『ちいかわ』で出汁編が繰り広げられているいる今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。 出汁、良いですよね。 普段は昆布や鰹節から取るような手間暇はなかなかかけられないですが、たまに旨味たっぷりの出汁を取って美味しくいただく贅沢はたまりません。イノシン酸とグルタミン酸が生み出す旨味は脳と体に刻み込まれています。 『だもんで豊橋が好きって言っとるじゃん!』や『森田さんは無口』の佐野妙さんが描くこの作品は、営業2課の佐藤類(さとうるい)と経理部の山車香織(やまぐるまかおり)のふたりを中心にした、冒頭からハッピーエンドがカットバックして始まるほんわか社内ラブコメ×出汁グルメマンガです。 会社内でも出汁を引くほどさまざまな出汁に精通している山車さんから、奥深くありながらも以外と簡単に楽しむことができる出汁のいろはを伝導されていく類。 基本の鰹節や昆布から始まり、コハク酸たっぷりのアサリやグアニル酸がたっぷりながら類が苦手な干し椎茸などさまざまな種類の出汁の産地やそれらを用いた美味しいレシピなどの蘊蓄を読みながら楽しく類と一緒に学んでいけます。 出汁というと手間暇がかかるイメージが強いと思いますが、忙しい日常でも意外と手軽にできるもの(カップ麺にひとかけらの真昆布を入れるなど)も紹介されており、自分でも実践したくなります。ハンバーグにとろろ昆布を入れるのも美味しそうです。 そして、この作品はラブコメとしてもとても上質。会社ではクールで少し怖いイメージすらあった香織が、出汁のことになると饒舌になり柔らかく温かい雰囲気を出しながら美味しい料理を提供してくれるギャップ。四字熟語を多用する黒髪セミロングストレートヒロインを私が好きでないはずはありません。類も類で、素直で明るく真面目で少しヘタレな性格が好感を持てる主人公で、彼らをはよくっつかんかい! とばかりに煽り立てるサブキャラクターたちに同調しながら応援したくなるナイスカップルです。 優しく穏やかなふたりが、少しずつ少しずつ距離を縮めていくこの感じ。社会人の恋愛としては非常に純朴なやり取りが、まさに滋養に満ちた温かい出汁をいただいているときのようなほっと安心する満足感を得られます。たまにはこういう澄んだものをいただきたい……そんな気持ちが充足します。 出汁に詳しくなりたい方、穏やかな大人の恋愛物語を楽しみたい方におすすめです。
ミカコときょーちゃん
ラブストーリーが突然に #1巻応援
ミカコときょーちゃん
兎来栄寿
兎来栄寿
映画化もされた『殺さない彼と死なない彼女』の世紀末さんが、新たに描く男女のお話です。 最初は、ひたすらゆるいカップルがいちゃいちゃしている4コマなのかな? と思いました。お互いに相手のことを無限に「かわいい」「かっこいい」と言い合う、仲睦まじいきょーちゃんとミカコさん。日常の些細なことを楽しんだり、煩わしく思うことも世界でたったひとりの相手がいれば何でもなくなってしまったり。 代え難い、ただひとりの相手。ずっと一緒にいたいと思える相手。でも、そんな最愛の人がある日突然世界からいなくなってしまったら。 誰しもいつ何が起こるかわからないものだとわかってはいても、実際にそういうことが起きてしまった時には人はどうしようもなくなります。受け入れるのにどうしたって時間はかかるし、一生受け入れられないままかもしれません。 どこにでもありふれたふたりのカップルのやり取りは、ひとつの出来事を境にまったく意味を変え見え方を変えてしまいます。ただ、少なくとも心から自分の幸せと笑顔を願ってくれた相手と他愛もない時間を過ごすことができたという事実は永遠に残ります。 どうでもいいようなこと、明日には忘れているようなことのひとつひとつの欠片が何よりも貴くてかけがけのないものであるということを、改めて示してくれているようです。 今なら当たり前にできることが、いつか当たり前にできなくなってしまう。当たり前ではなくなってしまう。そうなる前に今できることをひとつひとつ大事にして、何でもないことを大切にして生きていきたいと思わせられる物語でした。
レコード大好き小学生カケル
小学生だって古き良き物を愛さずにはいられない #1巻応援
レコード大好き小学生カケル
兎来栄寿
兎来栄寿
日進月歩のテクノロジーによって世界は日々便利で豊かになっていきます。その陰で、古び消えていく技術や文化もあります。 マンガ業界においても電子書籍が圧倒的な勢いで伸びてきており、その分紙の書籍、特に雑誌の部数は大きく落ち込んでいる昨今。紙の本は段々と贅沢品でロマンの対象としての意味合いを強めていくことでしょう。 また、描き手においても若手はもちろんのことベテランもデジタルに移行する方が増えてきて、スクリーントーンやペン先などはどんどん絶版となってきています。もうアートナイフでトーンを削って気付かない内に爪の間に挟まっていたトーンカスが公の場で突然出てくることもないのだなぁと思うと一抹の寂しさに駆られます。 しかし、荒木飛呂彦さんのようにあくまでフルアナログにこだわる方も一部にはいます。どんな世界にも一定数いる、古き良きものを愛し続ける人の姿は良いものです。 『頭文字D』で、ハチロクに乗り続ける拓海のこだわり。 『16bitセンセーション』で、守が見せるPC98へのこだわり。 太正浪漫であったり、昭和レトロであったりに惹かれる心は多くの人にあるものでしょう。 変化こそが世界の摂理であり、たゆまなく変動していく環境に適応できなかった者から亡びていくのが定めです。それなのになぜ人はこうもレトロなものに言いようもない憧憬を覚えるのでしょう。 人間も必ず老いる生き物であり、自分もいつか古い人間になってしまう瞬間が訪れるのでそんな自分に重ねる部分もあるでしょうか。 古いものであるが故に蓄積された物語や思い出があり、そこに惹かれるからでしょうか。 ともあれレコードというのもまたノスタルジーと共に憧れをもたらしてくれる存在です。 本作は、レコードを愛し日本一のレコード屋になることを夢見る少年カケルが、周囲の友人たちを巻き込みレコード道を邁進する物語です。 『ドラえもん』のパロディである絵柄とキャラクター配置でかなりギャグ色も強いのですが、その中で本気で奏でられるレコードへの愛の調べが秀逸です。 「ゆで卵カッターで全身をスライスされたような衝撃」 というカケルの原体験。 そのカケルとまったく同じ所感を抱き、 「レコードには…スマホにない音の奥行きや広がりを感じる! 音像がまるで別物だ…」 と初めて触れる魅力に打ちのめされながらも相撲部としての活動の合間で翻弄されるデス夫(1P目の登場シーンで「俺様の夢はGAFAを買収してIT企業の頂点に立つことです!」と言い放つのも最高です)。 デス夫の思い人であり、カケルを通して初めてレコードに触れるヒロインのえみるちゃん。 彼女もまた 「フードプロセッサーで粗挽きにされた感じ」 というインプレッシブな表現力と、レコードをフォークボールの握りで持つなど独自の世界観を持つ少女です。 その他にも癖の強い特徴的なサブキャラクターたちが多数登場し、カケルのレコード道を盛り立てていきます。 おおひなたごうさんらしい、シュールな笑いもそこかしこに散りばめられています。個人的にお昼休みの放送の校長インタビューのテーマが「なぜ作文の宿題にChatGPTの使用を許可したのか?」なのも好きです。デス夫がカケルに対して持つ複雑な感情を基軸に物語がパワフルに駆動していくのも良いです。 しかし、何より最高なのはやはりレコードに対する並々ならぬパッションです。レコードにまったく触れたことがない人であっても、ここまで熱くレコードの魅力を語られてしまっては「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」や聖子ちゃんの曲をレコードで聴きたくなることでしょう。 あとがきを読むと、この作中の熱量も納得です。今は自宅にもうレコードを聴ける環境はないですが、レコードをかけてくれるお店に行ってその音色に耳を傾けながら改めて読み直したくなる作品です。
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【極!合本シリーズ】ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版

【極!合本シリーズ】ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版

『宮本から君へ』『愛しのアイリーン』など映像化作品も多い新井英樹先生の『ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版』が極!合本シリーズに登場! 狂気の男・モンと彼に畏敬の念を抱く小心者の爆弾マニア・トシ。モンは人並みの倫理観も道徳観を持っていない。二人は東京都内の各所に消火器型爆弾を仕掛け、北上を開始した。一方同じ頃、東北各地で家畜や人間が惨殺される事件が発生していた。その犯人は北海道から本州に上陸した超巨大な熊、ヒグマドンだった。大きなチカラを持ったモンとトシ、そしてヒグマドン。両者は、それぞれに動き始め、ぶつかり合う…! ※単行本版『ザ・ワールド・イズ・マイン』1,2巻を収録
【極!合本シリーズ】宮本から君へ

【極!合本シリーズ】宮本から君へ

映像化もされた新井英樹先生の長編作品『宮本から君へ』が、ついに極!合本シリーズに登場! 宮本浩は文具メーカー「マルキタ」の新人営業マン。宮本は恋にも仕事にも不器用で、自分の存在の小ささに苛立ちながら、それでも前へ進もうとする。そんな日々を過ごしていると、宮本は通勤途中の電車のホームで、「トヨサン自動車」の受付嬢の甲田美沙子に出会う。新米サラリーマンのほろ苦くも厳しい日常をリアルに描ききった新井英樹の名作を、ご覧ください。※単行本版『宮本から君へ』1,2巻を収録
【極!合本シリーズ】キーチ!!&キーチVS[シリーズ完全版]

【極!合本シリーズ】キーチ!!&キーチVS[シリーズ完全版]

『宮本から君へ』『愛しのアイリーン』など映像化作品も多い新井英樹先生の『キーチ!!』とその続編の『キーチVS』、シリーズ完全版として極!合本シリーズに登場! 『キーチ!!』(全9巻) 物語の主人公・キーチこと、染谷輝一。数奇な運命を辿る主人公の彼と彼を取り巻く人々の物語で。嵐のような3歳児がカッコいい人間の生き様をカッコよく自然体で生きていく。その愛された人生と、一転してどん底から這い上がっていくキーチの姿に魅了されてください! 『キーチVS』(全11巻) キーチの続編、キーチが世の中の理不尽や悪質な社会に対して牙を向いていく。その名の通りキーチVS! 腐りきった社会の中で、政治や権力に対抗していくキーチは、信念を貫きながら人生を推し進めていく! そして、衝撃のラストシーンへ… ※単行本版 『キーチ!!』1,2巻を収録
【極!合本シリーズ】シュガー&RIN[シリーズ完全版]

【極!合本シリーズ】シュガー&RIN[シリーズ完全版]

『宮本から君へ』『愛しのアイリーン』など映像化作品も多い新井英樹先生の『シュガー』とその続編の『RIN』、シリーズ完全版として極!合本シリーズに登場! 『シュガー』(全8巻) 主人公の石川凛は、人気者でやんちゃな16歳。北海道のとある小さな町で、母と祖父母に育てられた。彼は先のことも考えず、高校を中退し東京へ旅立ちの時を迎えつつあった。運動神経はかなり良いが、いったい何を考えてるかわからないともよく言われる彼は、今はまだ自分が何者になるかも知らないでいる。そう、将来ボクシングの歴史にその名を残すことになるとは…。『RIN』(全4巻) シュガーの続編。ボクシングに魅了された主人公の石川凛19歳になっていた。そして今、彼は自身初の世界タイトルマッチに挑むプロボクサーとなり、自身の持つの才能に露ほどの疑いを持たず、思ったことをそのまま口にすることも一切のためらいを持たない男だった。が、しかし世界はそれほど甘くない⁉ ※単行本版 『シュガー』1,2巻を収録
【極!合本シリーズ】愛しのアイリーン

【極!合本シリーズ】愛しのアイリーン

映像化もされた新井英樹先生の作品『愛しのアイリーン』がついに極!合本シリーズに登場! 主人公の宍戸岩男は年老いた両親を持ち、42歳でいまだ独身。同僚・愛子から誕生日プレゼントをもらったことをきっかけに、恋愛感情を抱くようになっていた。しかし、同僚から愛子は職場の男性複数と関係を持っていることを知らされてしまう。そんな愛子に、一縷の望みをかけて告白したが、岩男は振られてしまい、自暴自棄になる。そして、かねて社長から聞かされていた国際結婚斡旋業者を訪問するのだった。※単行本版『愛しのアイリーン』1.2巻を収録
愛しのアイリーン

愛しのアイリーン

過疎化の進む排他的な村で過保護な母と痴呆のすすむ父と暮らす岩男。フィリピン人女性のアイリーンは、本来願っていたであろう将来を捨てて岩男と結婚するも岩男との関係は痛々しく変化していく――。人との関わりが苦手な岩男は、すべてを内側に溜め込み挙げ句、極めて不器用な形で爆発させる。穏やかな日常がふとした瞬間に崩れ落ち人間の業が露になる。最後に残るのは破滅か…それとも愛か……。欺瞞に満ちた現実社会と誠実に向き合い本質を問う究極のラブストーリー!!■目次■1 岩男2 白状3 咆哮4 ツル5 飛翔6 熱海7 フィリピン
キーチ!!

キーチ!!

知る人ぞ知る問題児キーチこと染谷輝一3歳キーチの感情は複雑で誤解されやすいが両親はそんなキーチをこよなく愛している。ある日突然、キーチの目の前で両親が通り魔に襲われる。突然両親を失いキーチは初めて涙を流すのであった……。キーチは三日三晩寝ることをせず、次の三日三晩を眠り続けそして次の三日三晩は喉がつぶれるほど泣きつづけた。数奇な運命を辿るキーチは、誰と出会いどんな人生を歩むのか――。※第1~9話を収録
キーチVS

キーチVS

『キーチ!!』続編にあたる本作は、国会議事堂前占拠事件から10年後、大人になった染谷輝一の物語である。染谷輝一と甲斐慶一郎はNPO法人「キーチズ・カンパニー」を設立し、「真っ当でいろ」を掲げ日々援助活動に勤しんでいた。カリスマ性を持ち合わせ圧倒的な人気を誇る輝一の影響力は時の総理大臣をも凌ぐほどだった。一方、政治・経済・法律などの英才教育を受けた甲斐慶一郎は「キーチズ・カンパニー」の事務方を率い、輝一の政界進出を目指していた。だが…二人の間に軋轢が生じ、輝一は「キーチズ・カンパニー」と袂を分かつことになる。やがて輝一は社会を震撼させる事件を起こす――。※第1~8話を収録
ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版

ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版

狂気を纏い本能の赴くままに暴力へと走る男・モン。そして爆弾作りが趣味の孤独な少年・トシ。彼らの行く道は破壊なくして語れないバイオレンスロード。わずか7日間でトシモンの被害者は96名に及ぶ。同時期に北の海から本州に上陸した謎の巨大生物ヒグマドン。多数の犠牲者をだし破壊の限りを尽くす。この二つの狂気が交差する時におこるカタルシス――――凡人には理解しがたいストーリー展開に思わず息を呑み、読む者に強烈なインパクトを与え、そして忘れられない作品になるだろう。■目次■01 ばくだん02 パワーボム03 羆04 そこのけ そこのけ05 石コロ06 オニ07 王様とマリア08 天と地
SUGAR(シュガー)

SUGAR(シュガー)

破天荒だが人気者・石川凜、16歳。人は彼を「天才」という。高校を中退し板前を目指し上京するもボクシングに出会い圧倒的才能を開花させていく。凜と出会った者たちは瞬間的に類まれなその才能に気づく――。動体視力、反射神経、凜はボクサーになるべく能力を持ち合わせていた。ひとりの天才少年がプロボクサーへの道をひたすらに突き進む物語の幕が開ける――。■目次■第1発 「初めまして!」第2発 「ま、いんでないかい」第3発 「欣二さんです」第4発 「スローハンドと呼ばれたそうっス」第5発 「発射後、汚れなき頃の話でもひとつ」第6発 「特訓“レイラの穴”・・・・ゆるくねー」第7発 「ちょっといいかも」
呪術廻戦

呪術廻戦

類稀な身体能力を持つ高校生・虎杖悠仁(いたどりゆうじ)は、病床に伏せる祖父の見舞いを日課にしていた。だがある日学校に眠る「呪物」の封印が解かれ、化物が現れてしまう。取り残された先輩を救う為、校舎へ乗り込む虎杖だが!?
SPY×FAMILY

SPY×FAMILY

名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!
宇宙兄弟

宇宙兄弟

2025年。兄は、もう一度だけ自分を信じた。筑波経由火星行きの物語がはじまる!本格兄弟宇宙漫画発進!幼少時代、星空を眺めながら約束を交わした兄・六太と弟・日々人。2025年、弟は約束どおり宇宙飛行士となり、月面の第1次長期滞在クルーの一員となっていた。一方、会社をクビになり、無職の兄・六太。弟からの1通のメールで、兄は再び宇宙を目指しはじめる!
葬送のフリーレン

葬送のフリーレン

魔王を倒した勇者一行の後日譚ファンタジー 魔王を倒した勇者一行の“その後”。魔法使いフリーレンはエルフであり、他の3人と違う部分があります。彼女が“後”の世界で生きること、感じることとは―― 残った者たちが紡ぐ、葬送と祈りとは―― 物語は“冒険の終わり”から始まる。英雄たちの“生き様”を物語る、後日譚(アフター)ファンタジー!
東京卍リベンジャーズ

東京卍リベンジャーズ

【講談社販売部驚愕!空前の重版!】実写映画化で話題!『新宿スワン』作者の和久井健が贈る、最新巨編!!ダメフリーター花垣武道は、ある日ニュースを見ていると、最凶最悪の悪党連合”東京卍會”に、中学時代に付き合っていた人生唯一の恋人が殺されたことを知る。壁の薄いボロアパートに住み、レンタルショップでバイトしながら6歳年下の店長にこき使われる日々。人生のピークは確実に彼女がいた中学時代だけだった……。そんなどん底人生まっただ中のある日、突如12年前へタイムリープ!!恋人を救うため、逃げ続けた自分を変えるため、人生のリベンジを開始する!!【各方面から称賛の声!!】2017年の新連載で1番売れたサスペンス漫画!&2017年の新連載で1番売れたタイムリープ漫画!!LINEマンガ総合ランキング1位獲得!!ホリエモンが選ぶ今読むべき漫画11選ノミネート!!鈴木達央 VS. 島崎信長!? 一人三役で熱い掛け合いをした最新PVがYoutubeで公開中!!「鈴木達央 島崎信長 東卍」で検索!!
Dr.STONE

Dr.STONE

【デジタル版限定!巻末に描き下ろし特典イラスト付き!】一瞬にして世界中すべての人間が石と化す、謎の現象に巻き込まれた高校生の大樹。数千年後――。目覚めた大樹とその友・千空はゼロから文明を作ることを決意する!! 空前絶後のSFサバイバル冒険譚、開幕!!
7SEEDS

7SEEDS

ごちそうを食べて自分の部屋で寝たはず…だが目覚めると、ナツは荒れ狂う海の上にいた。どうして自分がここにいるのかわからない。やがて流れ着いた無人島。生きるための過酷な冒険が始まった!!
SPY×FAMILY

SPY×FAMILY

名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!
宇宙兄弟

宇宙兄弟

2025年。兄は、もう一度だけ自分を信じた。筑波経由火星行きの物語がはじまる!本格兄弟宇宙漫画発進!幼少時代、星空を眺めながら約束を交わした兄・六太と弟・日々人。2025年、弟は約束どおり宇宙飛行士となり、月面の第1次長期滞在クルーの一員となっていた。一方、会社をクビになり、無職の兄・六太。弟からの1通のメールで、兄は再び宇宙を目指しはじめる!
ゴルゴ13

ゴルゴ13

すべてが謎に包まれている男・ゴルゴ13。フィクションの背後に光る恐るべき事実……ゴルゴ13が放つ銃弾の軌跡が、世界の濁流の行方を左右する!!英国諜報部は、大戦末期に莫大な偽札を隠匿した元ナチの親衛隊長を消すためにゴルゴ13を雇った。要塞化した城で待っていたものは!?
BLUE GIANT

BLUE GIANT

ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
違国日記

違国日記

【電子限定!雑誌掲載時のカラー原画を特別収録!】35歳、少女小説家。(亡き母の妹) 15歳、女子中学生。(姉の遺児) 女王と子犬は2人暮らし。少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。しかし姪を連れ帰ったものの、翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた……。対する朝は、人見知りもなく、“大人らしくない大人”・槙生との暮らしをもの珍しくも素直に受け止めていく。不器用人間と子犬のような姪がおくる年の差同居譚、手さぐり暮らしの第1巻!
【推しの子】

【推しの子】

「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で、産婦人科医として働くゴロー。芸能界とは無縁の日々。一方、彼の“推し”のアイドル・星野アイは、スターダムを上り始めていた。そんな二人が“最悪”の出会いを果たし、運命が動き出す…!? “赤坂アカ×横槍メンゴ”の豪華タッグが全く新しい切り口で“芸能界”を描く衝撃作開幕!!
BLUE GIANT SUPREME

BLUE GIANT SUPREME

止まるわけにはいかない宮本大は、単身ヨーロッパに渡る。降り立ったのはドイツ・ミュンヘン。伝手も知人もなく、ドイツ語も知らず、テナーサックスと強い志があるだけだ。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」練習できる場を探すところから始まる挑戦。大の音は、欧州でも響くのか―――
娘の友達

娘の友達

家庭では「父親」として、会社では「係長」として、「理想的な自分」を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である美少女・古都との出会いにより、彼の人生は180度変化する。社会的には「決して抱いてはいけない感情」に支配されながらも、古都の前では自己を開放でき、社会の中で疲弊した心は癒やされていく……。「社会」のために「自己」を殺す現代社会へ鋭く切り込む、背徳のサスペンスが幕を開ける。
世界は終わる。未来はない。そこで人が持ちうる希望とは?『なぎさにて』にコメントする