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**新井英樹作品の文脈** 『なぎさにて』を語る前にまずはこれまでの新井英樹作品を振り返らねばなりません。 最初期の作品を別にすると、『愛しのアイリーン』、『宮本から君へ』、『ザ・ワールド・イズ・マイン』、『キーチ!!』、『SCATTER』などには共通した感情が見て取れます。長きにわたって現代社会の歪みに徹底抗戦し、鉄槌を下し続けて来た新井英樹先生。その筆致たるや、血も汗も涙も涎も精液も身体中のありとあらゆる体液を迸らせながら、言語にならない魂の咆哮と共に殴りつけて来るような凄まじさでした。近年までの新井英樹作品の基底は人間や社会への悲哀と憤怒と、絶望でした。 しかし、『空也上人がいた』でふっと次元が変わった感がありました。そのことは、『空也上人がいた』の単行本冒頭にてご本人がマンガで綴っています。それが更に加速したのは、「みらい!!-岡啓輔の200年-」でした。絵柄も刷新され、女の子が驚くほど可愛くなりました(それが新井英樹先生ご自身として描かれるのも最高)。『空也上人がいた』以降では、これまでと変わって人間への慈愛が満ちているかのように感じられます。未来への希望に溢れた、明るく暖かい人間賛歌となっていました。 『空也上人がいた』マンガHONZ超新作大賞2014 受賞記念対談 http://honz.jp/articles/-/41243 こちらの記事でも、「みらい!!」や『なぎさにて』を描くに至る心境の変化が克明に綴られています。この記事があったからこそ、新生・新井英樹先生の新作がより一層楽しみだったというのもあります。 これは、ただ単純に希望を語るだけとは訳が違います。『アイリーン』を、『TWIM』を、『キーチ』を描いてきた新井英樹先生が描くからこその、とてつもなく眩い光。とうとうこんな境地にまで達してしまったのか、と思わずにはいられませんでした。 悪いことは言わないので、スペリオール2015年2月13日号はどこかで見掛けたら手元に置いておくべきです。『なぎさにて』にも収録されなかった以上、「みらい」はいつ単行本化されるか分かりませんから。 その「みらい」を経ての、『なぎさにて』。これは、言うなれば『アイリーン』から『SCATTER』までの深淵の暗黒と、『空也上人がいた』や「みらい」の極限の光が同居した、まごうことなき最新最高の新井英樹作品です。風が語りかける……すごい、すごすぎる! **『渚にて』と『なぎさにて』** > 「世界の終わりというわけじゃありません。ただ<人類の終わり>というだけで。世界はこのまま残っていくでしょう、そこにわれわれがいなくなってもね。人間など抜きにして、この世界は永久につづいていくんです」 これは、ネビル・シュート著『渚にて』の一節です。 半世紀以上前に書かれた、終末の世界で日常を生きる人々を描く小説。2000年には舞台となったオーストラリアでドラマ化され、2009年には日本でも新訳版が出るなど、不朽の名作として世に残り受け入れられ続けている作品です。その新訳版の後書きでは、こんなことが書かれています。「この物語のテーマは破滅以外の側面。破滅に直面したとき我々はどうするか。乱暴狼藉、無秩序状態を描くことになるだろう。が、『渚にて』ではそのような光景はほぼ描かれない。人はいかに死を迎えるか、いかに生きるか。ネビル・シュートが語りたかったのは、破滅に直面してなお人には守るべきものがあるということ。人は気高い存在であるべきなのだ」と。 『なぎさにて』は、明らかに『渚にて』を意識して、オマージュとして描かれている部分があります。それはタイトルだけでなく、映画版の主題歌である「THE END OF THE WORLD」が第一話で歌われていることからも解ります(ちなみに、村上春樹著『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』にもこの歌詞は引用されています)。何よりも、人類が緩やかな終末に瀕していながらも、それぞれの想いの下でこれまでと同じ日常を送ろうとするその人間としての在り方を問う姿が、正にそのものであると言えます。 余談ですが、個人的に渚という名前はどうしても「渚カヲル」を思い出させます。渚はシ者であり、「カヲル」という名は「オワリ」の一文字ずつ先にある文字。それを含めて、渚という言葉は強く終わりを連想させます。 **終わり行く世界での人間の在り方を描いた物語** 2011年の6月にケープタウンに生えた「ニョロニョロ」。日本では「豆の木」とも通称されるそれは、世界に災厄を齎すものでした。アフリカで発祥したホモ・サピエンスと同じように、ユーラシア大陸、日本、アメリカ大陸、北極、南極と世界中に次々と生えていった豆の木。 ケープタウンに生えた豆の木は、ある時膨らみ破裂して、甚大な被害をもたらしました。半径二十kmで樹液を浴びた者は即死。即死を免れた者も、その撒き散らされた毒による影響で病死。累計五十万人が死亡。そんな、いつ破裂するとも判らない死の豆の木が、日本だけでも千本以上生えてしまった世界。しかし、最初のケープタウンが破裂して以降、世界中で破裂した豆の木はなく、四年が経過。「世界は終わるんだから」と今までとは違った生き方を選ぶ人々もいる一方、辛うじて秩序が保たれている社会。 その中で、日本で初めての豆の木が生える瞬間を目撃してしまった杉浦一家を中心に、『なぎさにて』の物語は綴られていきます。 ヒロインの女子高校生・杉浦渚は、四年前に突然閉ざされてしまった未来を前に自分がしたいことを探し求めて生きる少女。多くの人々と同じように、世界の終わりに直面したことでこれまでの自分とは違う自分として生きようとし、毎日を悔いなく過ごそうと渚は試みます(それにしても、新井英樹作品とは思えないほどかわいい)。こんなに動くヒロインはなかなかいない、と思わせられる、動的さが印象的です。 一方で、キーパーソンとなっているのが渚の父親・宙哉。彼は、ギリギリの所で世界が終わるということを受け入れず、その絶望に抗おうとします。改めて、毎朝7時に家族全員で朝食を取ることを決まりとしたり、子供たちとジョギングをしたり、これまで通りの日常をより大切にしようとします。「日常から未来と希望が見えなくなったのなら日常で絶望を消すこともできるはずだ」と。それも、確固たる意思ではなく、世界や家族の状況を見て惑いつつ、娘に訝しげに思われつつも、人間らしく悩みながら希望に向かおうとする姿に、好感と共感を覚えます。 度々電波障害(パショー)が起こるようになった世界でも、インターネット上で「滅坊」「終息厨」といったカテゴライズをして煽り合いを続ける、どうしようもなく愚かしい人間の描写を欠かさないのも、新井英樹先生らしい所です。 **全てが無に帰す世界の果てで** 私たちも現実に四年前、3.11と原発事故を経験をしています。今まで築き上げてきた常識が覆され、理が一瞬にして全て粉々にされてしまったような、世界の関節が外れたようなあの感覚。それが、この『なぎさにて』では豆の木という形でありありと再現されています。恐ろしいのは、作中では豆の木の惨劇によって3.11が些事として描かれていること。あれほどの事件であっても、時の経過や他の事件の上書きによって人々の中からは驚く程に影が薄くなってしまうというリアリティ。背筋が震えました。 我が子に「他人も自分も思いやれる子になって欲しい」と願い、一所懸命に働いてきた宙哉。そもそも、人の歴史、現在の社会で幸福に暮らせるありとあらゆるシステムは、次代に何かを残そうと粉骨砕身してきた人々の功績。両親や祖先が受け継いで来た賜物。しかし、そんな想いや未来が一瞬で無に帰されてしまう瞬間。圧倒的な虚無と絶望が襲い掛かります。それは、SFでもファンタジーでもなく、現実に真っ当に起こりうる、あるいは違う形で現に起きていることです。 私たちが生きるために教えられてきたことのほとんどは、この人類社会の末永い繁栄のため、人類社会に与するために必要なことです。その未来が全否定された時、社会の機構の一部ではなく完全なる一個人に回帰せざるを得なくなった時、私たちは何をするべきでしょうか。あるいは何をしたいと思うでしょうか。明日か数年後か解らないけれど、人間が絶滅する。そんな状況に置かれた時の自分の行動を想像せずにはいられません。圧倒的な問い掛けを突き付けてくる物語です。 豆の木や大災害などなくとも、今を生きる人々の多くは明るい未来が見出だせないで生きています。未曾有の少子高齢化社会で、衰退を免れないことは明白な日本。安い給料で、一生を添い遂げるパートナーもおらず、年金を貰える宛もなく、老後など想像もできず、その前に野垂れ死ぬか自殺している姿の方が余程リアルに思い描ける。いっそ世界なんて滅びてくれ……そんな風に考える人も決して少なくないであろう今の時代。そんな、世界に息衝く人間が必死に押し殺しながらも抑え切れない絶望感。閉塞感。そういった物を、『なぎさにて』の世界からは感じずにはいられません。終わる世界に生きるが如く未来を見据えて生きることができない人にとっては、全くもって、他人事ではない物語なのです。 しかし、この物語は、上述のインタビューでも描かれている通り、圧倒的な絶望を前にした人間の希望を描いた物語であるはずです。第一巻の最後では、正に圧倒的な絶望が人類に襲い掛かります。『火の鳥』未来編のあるシーンを髣髴とさせるようでした。それでも、驚くほどにビビッドな色使いで、あたかもまっすぐな青春物語であるかのように描かれた単行本の表紙に象徴されるように、渚たちはきっと絶望の中で希望を提示してくれるはずです。 倫理も、道徳も、規範も、あらゆるものが無価値になったとしても、それでも信じられる何かしらを『なぎさにて』は見せてくれる。そう確信しています。もしかしたら、それは愛と呼ばれるものかもしれません。『渚にて』では高潔な愛が一つ大きな希望でしたが、『なぎさにて』ではそうではないかもしれません。確かなことは、極限の世界で必死に生きる人々の姿は私たちに人間にとって本当に大切なことを切に伝えようとしている、ということです。 『なぎさにて』の、新井英樹先生の出す答を、襟を正して見守りましょう。
兎来栄寿
兎来栄寿
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タイトル
本文
なぎさにて
なぎさにて
新井英樹
新井英樹
あらすじ
人類は滅亡するために生まれてきたのか――――!? 主人公・杉浦渚はどこにでもいる普通の女子高校生。杉浦一家もどこにでもいる普通の家族。ただし、取り巻く世界は確実におかしくなっていた。2011年に人類発祥の地・ケープタウンに不思議な木が生えたときから… 突如として世界各地に生え始める不思議な木… 強制的に「世界の終わり」を意識させられる人類… 刹那的な享楽にふける人… 全てを諦め投げやりな生き方を選ぶ人… 全てが急速に変わり始めた世界の中で、変わらないことを選び絶望に挑む、家族の物語がここに開幕!!
なぎさにて 1巻
人類は滅亡するために生まれてきたのか――――!? 主人公・杉浦渚はどこにでもいる普通の女子高校生。杉浦一家もどこにでもいる普通の家族。ただし、取り巻く世界は確実におかしくなっていた。2011年に人類発祥の地・ケープタウンに不思議な木が生えたときから… 突如として世界各地に生え始める不思議な木… 強制的に「世界の終わり」を意識させられる人類… 刹那的な享楽にふける人… 全てを諦め投げやりな生き方を選ぶ人… 全てが急速に変わり始めた世界の中で、変わらないことを選び絶望に挑む、家族の物語がここに開幕!!
なぎさにて(2)
舞台は、浴びれば即死してしまうほどの猛毒を持つ巨木ニョロニョロが世界の至る所に生えるようになった世界… 一度は小康状態になったニョロニョロの膨張が、突如、再び世界中を襲い、人類はパニックに陥ってしまう。主人公の渚は、現役女子高生。本当なら青春を謳歌している年頃のはずが、目の前に広がるのは明日死ぬかも知れない世界。彼女は思う…… 「死ぬまでに、私の幸せを見付けなきゃ…」絶望が覆う世界の中に、希望はあるのか!?
なぎさにて(3)
舞台は、浴びれば即死してしまうほどの猛毒を持つ巨木「ニョロニョロ」が至る所に生えるようになった世界。未来が約束されない世界を生きる父、母、娘、息子、祖母の杉浦一家。世界が続くなら起こらなかったはずの 試練に軋轢、不安感… 家族みんな、四苦八苦。真面目にやってみてもバカやってみてもテキトーやってみても、ダメなのか。
なぎさにての情報の提供お待ちしてます!
掲載している内容の誤りや、この作品に関するおすすめの記事、公式情報のリンクなどはこちらからお送りください。みなさまのご協力をお願い申し上げます。
崇くんはいいやつ
大地の学校にいる5年生の地球防衛軍みたいな子が好きです
高圧的な嫌なやつかと思いきや、スケッ...
生えた
はいいは入り方
ねぇ私、
恋も知らずに
死んじゃうの?

の美しさよ
五七五になっているから音が綺麗だよね
【極!合本シリーズ】ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版

【極!合本シリーズ】ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版

『宮本から君へ』『愛しのアイリーン』など映像化作品も多い新井英樹先生の『ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版』が極!合本シリーズに登場! 狂気の男・モンと彼に畏敬の念を抱く小心者の爆弾マニア・トシ。モンは人並みの倫理観も道徳観を持っていない。二人は東京都内の各所に消火器型爆弾を仕掛け、北上を開始した。一方同じ頃、東北各地で家畜や人間が惨殺される事件が発生していた。その犯人は北海道から本州に上陸した超巨大な熊、ヒグマドンだった。大きなチカラを持ったモンとトシ、そしてヒグマドン。両者は、それぞれに動き始め、ぶつかり合う…! ※単行本版『ザ・ワールド・イズ・マイン』1,2巻を収録
【極!合本シリーズ】宮本から君へ

【極!合本シリーズ】宮本から君へ

映像化もされた新井英樹先生の長編作品『宮本から君へ』が、ついに極!合本シリーズに登場! 宮本浩は文具メーカー「マルキタ」の新人営業マン。宮本は恋にも仕事にも不器用で、自分の存在の小ささに苛立ちながら、それでも前へ進もうとする。そんな日々を過ごしていると、宮本は通勤途中の電車のホームで、「トヨサン自動車」の受付嬢の甲田美沙子に出会う。新米サラリーマンのほろ苦くも厳しい日常をリアルに描ききった新井英樹の名作を、ご覧ください。※単行本版『宮本から君へ』1,2巻を収録
【極!合本シリーズ】キーチ!!&キーチVS[シリーズ完全版]

【極!合本シリーズ】キーチ!!&キーチVS[シリーズ完全版]

『宮本から君へ』『愛しのアイリーン』など映像化作品も多い新井英樹先生の『キーチ!!』とその続編の『キーチVS』、シリーズ完全版として極!合本シリーズに登場! 『キーチ!!』(全9巻) 物語の主人公・キーチこと、染谷輝一。数奇な運命を辿る主人公の彼と彼を取り巻く人々の物語で。嵐のような3歳児がカッコいい人間の生き様をカッコよく自然体で生きていく。その愛された人生と、一転してどん底から這い上がっていくキーチの姿に魅了されてください! 『キーチVS』(全11巻) キーチの続編、キーチが世の中の理不尽や悪質な社会に対して牙を向いていく。その名の通りキーチVS! 腐りきった社会の中で、政治や権力に対抗していくキーチは、信念を貫きながら人生を推し進めていく! そして、衝撃のラストシーンへ… ※単行本版 『キーチ!!』1,2巻を収録
【極!合本シリーズ】シュガー&RIN[シリーズ完全版]

【極!合本シリーズ】シュガー&RIN[シリーズ完全版]

『宮本から君へ』『愛しのアイリーン』など映像化作品も多い新井英樹先生の『シュガー』とその続編の『RIN』、シリーズ完全版として極!合本シリーズに登場! 『シュガー』(全8巻) 主人公の石川凛は、人気者でやんちゃな16歳。北海道のとある小さな町で、母と祖父母に育てられた。彼は先のことも考えず、高校を中退し東京へ旅立ちの時を迎えつつあった。運動神経はかなり良いが、いったい何を考えてるかわからないともよく言われる彼は、今はまだ自分が何者になるかも知らないでいる。そう、将来ボクシングの歴史にその名を残すことになるとは…。『RIN』(全4巻) シュガーの続編。ボクシングに魅了された主人公の石川凛19歳になっていた。そして今、彼は自身初の世界タイトルマッチに挑むプロボクサーとなり、自身の持つの才能に露ほどの疑いを持たず、思ったことをそのまま口にすることも一切のためらいを持たない男だった。が、しかし世界はそれほど甘くない⁉ ※単行本版 『シュガー』1,2巻を収録
【極!合本シリーズ】愛しのアイリーン

【極!合本シリーズ】愛しのアイリーン

映像化もされた新井英樹先生の作品『愛しのアイリーン』がついに極!合本シリーズに登場! 主人公の宍戸岩男は年老いた両親を持ち、42歳でいまだ独身。同僚・愛子から誕生日プレゼントをもらったことをきっかけに、恋愛感情を抱くようになっていた。しかし、同僚から愛子は職場の男性複数と関係を持っていることを知らされてしまう。そんな愛子に、一縷の望みをかけて告白したが、岩男は振られてしまい、自暴自棄になる。そして、かねて社長から聞かされていた国際結婚斡旋業者を訪問するのだった。※単行本版『愛しのアイリーン』1.2巻を収録
愛しのアイリーン

愛しのアイリーン

過疎化の進む排他的な村で過保護な母と痴呆のすすむ父と暮らす岩男。フィリピン人女性のアイリーンは、本来願っていたであろう将来を捨てて岩男と結婚するも岩男との関係は痛々しく変化していく――。人との関わりが苦手な岩男は、すべてを内側に溜め込み挙げ句、極めて不器用な形で爆発させる。穏やかな日常がふとした瞬間に崩れ落ち人間の業が露になる。最後に残るのは破滅か…それとも愛か……。欺瞞に満ちた現実社会と誠実に向き合い本質を問う究極のラブストーリー!!■目次■1 岩男2 白状3 咆哮4 ツル5 飛翔6 熱海7 フィリピン
キーチ!!

キーチ!!

知る人ぞ知る問題児キーチこと染谷輝一3歳キーチの感情は複雑で誤解されやすいが両親はそんなキーチをこよなく愛している。ある日突然、キーチの目の前で両親が通り魔に襲われる。突然両親を失いキーチは初めて涙を流すのであった……。キーチは三日三晩寝ることをせず、次の三日三晩を眠り続けそして次の三日三晩は喉がつぶれるほど泣きつづけた。数奇な運命を辿るキーチは、誰と出会いどんな人生を歩むのか――。※第1~9話を収録
キーチVS

キーチVS

『キーチ!!』続編にあたる本作は、国会議事堂前占拠事件から10年後、大人になった染谷輝一の物語である。染谷輝一と甲斐慶一郎はNPO法人「キーチズ・カンパニー」を設立し、「真っ当でいろ」を掲げ日々援助活動に勤しんでいた。カリスマ性を持ち合わせ圧倒的な人気を誇る輝一の影響力は時の総理大臣をも凌ぐほどだった。一方、政治・経済・法律などの英才教育を受けた甲斐慶一郎は「キーチズ・カンパニー」の事務方を率い、輝一の政界進出を目指していた。だが…二人の間に軋轢が生じ、輝一は「キーチズ・カンパニー」と袂を分かつことになる。やがて輝一は社会を震撼させる事件を起こす――。※第1~8話を収録
ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版

ザ・ワールド・イズ・マイン オリジナル版

狂気を纏い本能の赴くままに暴力へと走る男・モン。そして爆弾作りが趣味の孤独な少年・トシ。彼らの行く道は破壊なくして語れないバイオレンスロード。わずか7日間でトシモンの被害者は96名に及ぶ。同時期に北の海から本州に上陸した謎の巨大生物ヒグマドン。多数の犠牲者をだし破壊の限りを尽くす。この二つの狂気が交差する時におこるカタルシス――――凡人には理解しがたいストーリー展開に思わず息を呑み、読む者に強烈なインパクトを与え、そして忘れられない作品になるだろう。■目次■01 ばくだん02 パワーボム03 羆04 そこのけ そこのけ05 石コロ06 オニ07 王様とマリア08 天と地
SUGAR(シュガー)

SUGAR(シュガー)

破天荒だが人気者・石川凜、16歳。人は彼を「天才」という。高校を中退し板前を目指し上京するもボクシングに出会い圧倒的才能を開花させていく。凜と出会った者たちは瞬間的に類まれなその才能に気づく――。動体視力、反射神経、凜はボクサーになるべく能力を持ち合わせていた。ひとりの天才少年がプロボクサーへの道をひたすらに突き進む物語の幕が開ける――。■目次■第1発 「初めまして!」第2発 「ま、いんでないかい」第3発 「欣二さんです」第4発 「スローハンドと呼ばれたそうっス」第5発 「発射後、汚れなき頃の話でもひとつ」第6発 「特訓“レイラの穴”・・・・ゆるくねー」第7発 「ちょっといいかも」