てせうすのふね
あらすじ
1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童含む21人が毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。
りばーべっど
あらすじ
10万円で人が死ぬ街で、生き抜け! 中学生の溺死事件が相次ぐ街、川淵。父とこの地に住むこととなったゲームだけが取り柄の少年、流星。不良グループに絡め取られるように、死者が出た河岸へ導かれーー。13歳のサバイバル、開幕!
ぷらねてす
あらすじ
SFニュースタンダード登場!!400万年を経て人は地上より飛び立った。この宙(そら)は人の強さを試す――。
ほおずきのれいてつ
あらすじ
あの世には天国と地獄がある。地獄は八大地獄と八寒地獄の二つに分かれ、さらに二百七十二の細かい部署に分かれている。そんな広大な地獄で、膨大な仕事をサラリとこなす鬼神。それが閻魔大王第一補佐官・鬼灯(ほおずき)である!――人にとっての地獄。それは鬼にとっての日常なのです。ドSな補佐官・鬼灯に、上司の閻魔大王は涙、涙……そんな日常です。冷徹でドSな鬼灯とその他大勢のわりかし楽しげ地獄DAYS!
あせとせっけん
あらすじ
【描き下ろし特典ペーパー(漫画1P)を巻末に収録。特典ペーパーは紙版に封入されているものと同じです。】女性に絶大な人気を誇る化粧品&バス用品メーカー・リリアドロップに勤めるOL・八重島麻子(やえしまあさこ)は、重度の汗っかきなのがコンプレックス。デオドラント製品が手放せない生活の中、ある日、商品開発部の名取香太郎(なとりこうたろう)に、「君の体臭は素晴らしい! 新商品の石鹸開発のため、これから毎日、君のにおいを嗅ぎに来ます!」と言われてしまう。でも、においを嗅がれるのは、そんなに嫌でもなくて…。
そうてんこうろ
あらすじ
“乱世の姦雄(かんゆう)”と呼ばれ、中国史上に巨大な悪名を残した英雄・曹操(そうそう)。だがその破格な生き様は、天に愛された者のみが持つ輝きに満ちている。この物語は、その輝きによって照らし出される新たな「三国志」である。
あらすじ
群雄割拠、下克上の戦国時代。立身出世を目指しながら、茶の湯と物欲に魂を奪われた男がいた。織田信長(おだのぶなが)の家臣・古田左介(ふるたさすけ)。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千宗易(せんのそうえき=利休)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。生か死か。武か数奇か。それが問題だ!!
かちょうしまこうさく
あらすじ
島耕作、34歳。新肩書、課長。出世にあくせくする気もないが、新しい椅子の座り心地はなかなか悪くない。島の所属する宣伝部の情報が、ライバル会社に漏れていた。それは、派閥絡みの社内政略にまで発展し、島は渦中に巻き込まれている自分を知る。さらに、浮気相手とタカをくくった女たちもあなどれない…スーパーサラリーマンのサクセスストーリーはここから始まった!!
そうだんやくしまこうさく
あらすじ
日本を代表する電機メーカー・テコットの会長を退いた島耕作は相談役に就任。テコットの枠にとどまらず日本の経済活動に貢献したいと考える島耕作。東京五輪が迫る中、その視野にとらえたのはスポーツ界だった。旧態依然のアマチュアスポーツ界に優れた経営ビジョンを持ち込むことで変革を起こそうとしている人間たちがいる。「スポーツは教育」「スポーツで金儲けはしない」――そんな凝り固まった考えの社会に風穴を空けろ。2020年の東京オリ・パラ、その後のスポーツビジネスを見据えて、島は動き始める。一方、テコット内部では新社長・風花凜子への風当たりが日増しに強くなり怪文書が出る始末――その時、島耕作は!?
こうのどり
あらすじ
出産は病気ではない。だから、患者も家族も安全だと思い込んでいる。毎年この産院で行われる2000件の出産で、約300件の出産は命の危険と隣り合わせだ。その小さな命が助かることもあれば、助からない時もある。100%安全などあり得ない。それが出産。年間100万人の命が誕生する現場から、産科医・鴻鳥サクラの物語。
ちんもくのかんたい
あらすじ
日米は、世界でも類をみない高性能な原子力潜水艦「シーバット」を、極秘裡に造り上げる。日本によって資金、技術提供をされた日本初の原潜であったが、米第7艦隊所属という、数奇の宿命を背負った落とし子でもあった。艦長には、海上自衛隊一の操艦と慎重さを誇る海江田四郎が任命された。しかし、海江田は試験航海中に指揮下を離れ、深海へと潜行、突如反乱逃亡をする!原潜、核兵器、国家、戦争、そして…真の平和とは!?激動の20世紀末、人類最大のテーマに挑む最高傑作!
こじんさあります
あらすじ
ある日突然、平凡なサラリーマンは女になった…。磯森晶、32歳。妻・苑子と二人暮らし。わりとありふれた、冷めた夫婦生活を送っていたが、ある日、晶は女性になってしまった。それは、身体ごと性別が変わってしまう「異性化」だった。初めての化粧に初めてのブラ…そして初めての感情。戸惑う晶に妻の苑子は…。読む者の心をゆさぶる、新しい「性」の物語が開幕!!
してぃ
あらすじ
一文無しの大学生・南雲の行くところ必ず何かが起こる。普通のCITYに住むちょっと普通じゃない人々。彼女が走ればCITYは回る、皆が繋がる。あらゐけいいちワールド全開のガールズ・ラン・コメディ開幕!
きらーえいぷ
あらすじ
人工知能が極度に発達した22世紀末。突如、謎の飛行体「GAYLA(ゲイラ)」によってすべてのAIが停止した。人間の兵士すら一人もいない世界で、戦争勃発の危機を予知した大企業は、兵士の養成を決意。主人公・坂本哲平は「人が人を殺す」技術を学ぶために、歴史の中の戦場に飛ばされる。ミッションは「ナポレオンとの決戦」!? 『バンデット』の河部真道が放つ、驚天動地のSFバトルアクション開幕!!
くろはくぶつかんごーすとあんどれでぃ
あらすじ
ロンドン警視庁の犯罪資料館「黒博物館」に展示された“かち合い弾”と呼ばれる謎の銃弾。ある日、それを見せてほしいという老人が訪れたとき、黒衣の学芸員は知ることになる。超有名な「お嬢様」と、「もうひとり」が歴史的大事件の裏で繰り広げた、不思議な冒険と戦いを…! 藤田和日郎の19世紀英国伝奇アクション超待望の第2弾、ここに開幕!!
ぴあののもり
あらすじ
森のピアノは、その少年を待っていた――。捨て去られたピアノ。壊れて音の出ないピアノ。いま、ひとりの少年の選ばれた指が、失われた音を呼び覚ます。少年の名は一ノ瀬海(いちのせかい)。彼は心に深く豊かな森を抱えていた。
くろはくぶつかんみかづきよかいぶつとおどれ
あらすじ
ガス燈が霧ににじむヴィクトリア朝のロンドン。ロンドン警視庁〈スコットランド・ヤード〉の犯罪資料室「黒博物館」を、歴史的ホラーヒーローの「生みの親」が訪れる。彼女が閲覧を希望したのは、赤いブーツ…2年前、女王主催の舞踏会で起きた怪事件の遺留品だった。そして女は、一人のおぞましく、あまりにも奇妙な女剣士の思い出を語りだす。第1シリーズ『黒博物館 スプリンガルド』、第2シリーズ『黒博物館 ゴーストアンドレディ』に続く大英帝国伝奇アクション待望の第3シリーズ、開演!
さいくりーまん
あらすじ
かつて自転車選手として将来を嘱望された竹繁が、サイクリングロードで意気投合したロードバイク初心者の矢美津。二人は「自転車」という趣味でつながり、仲間になる。しかし、実は矢美津は、竹繁にとって気安く話せない人物だった…! 家庭の悩み、職場のストレス。自転車を漕ぐだけで、みんな後ろに吹っ飛んでいく! 新しい自分、新しい世界が見つかるファンライドストーリー、開幕! 読むと自転車に乗りたくなる!!
わにだんしゃく
あらすじ
その名はアルファルド・J・ドンソン。ワニ。職業:小説家。楽しみは仲よしのウサギ、ラビットボーイとの食べ歩き(生ガキや讃岐うどんなど)。超ジェントルマンだけど、お店で時々「野生」が騒いでしまい…。モーニングで、作者も予想外の大反響! 動物好きも、食べ歩き好きも、貴族好きも、『あらしのよるに』好きもきっと満腹。ノーブルにしてワイルドな、なさそうでなかった漫画の誕生!
このかいしゃにすきなひとがいます
あらすじ
「俺たち、付き合わない?……内緒で」お菓子メーカーの経理部に勤めるアラサー男子・立石には、秘密があった。それは、昨日できたばかりの、かわいい恋人の存在。なぜなら相手は、同じ会社の企画部で働く勝気な同期女子・三ツ谷だから――! してないひとも、あこがれてるひとも、迷惑してるひとも、きっと言いたいことがある。ちょっとは覗いてみたくなる。秘密厳守のピュア社内恋愛ストーリー!
らんど
あらすじ
~その村では人は必ず50歳で死を迎える~。村人を縛るしきたり、「あの世」と呼ばれる山の向こう。双子の姉を生け贄に捧げられた少女・杏。獣の皮をかぶった役人達が取り仕切る「この世」と呼ばれる村で神に見守られて暮らす人々。そして、不思議な山の民。杏が見つめる先には希望も絶望もある。この物語で描くのは、山下和美が抱く、日本という国への不安。
すいーつほんぶちょういちのせかい
あらすじ
外川無線電機の東京本部長・一ノ瀬櫂。社内でも優秀と評判の彼には、「スイーツ男子」という誰も知らない秘密があった――。甘いもののためならハードワーク。カロリーだって気になっちゃう。それでも止まらないスイーツ愛!Dモーニングで絶好調連載中のスイーツサラリーマン漫画が詳細レシピ付きで登場!!
ちぇーざれはかいのそうぞうしゃ
あらすじ
「私の母は娼婦――そして父は怪物だ」15世紀のイタリア、ルネッサンス時代。現代政治学の祖・マキァヴェッリに「理想の君主」とまで謳われながら、歴史の闇に葬られた英雄チェーザレ・ボルジア。争いに向かおうとする不穏な時代に、全ヨーロッパ統一という野望を抱いた男の戦いの物語。本邦未訳『サチェルドーテ版チェーザレ・ボルジア伝』(イタリア語原書)を精査し惣領冬実が描く、華麗なるルネッサンス絵巻!
ふうたろうふせんにっき
あらすじ
山田誠也、のちに「忍法帖」シリーズでその地位を確立する大作家・山田風太郎は、昭和20年、医学生として東京にいた。時は太平洋戦争末期、同世代の若者は、みな戦地へ。しかし体調不良で召集を見送られた誠也は、お国のために体を張れない葛藤を抱えながら、日々を送っていた。そんな彼が当時の世間を、そして日本をどう見ていたか。克明に綴られた日記を、令和の今だからこそ、コミカライズ。個性派漫画家・勝田文がユーモアを交えて描く風太郎と昭和20年は、必読ものです!
時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。