以前雑誌『COM』について書かせて頂きましたが、今回は1970年9月号に掲載された貴重な記事を紹介します。
当時の児童まんが界の大手9社に依頼された自社PR。
トップは「フジオ・プロ」ですが、こちらは最後に紹介します。
2番手は「さいとう・プロ」
見開きです。
1階は駐車場になっている4階建てのビルの写真が載ってますが、調べたところ現在は無さそうです。
ページの上半分は3階の制作部の様子。
おそらくスタッフの方が描かれたのでしょうが、きっと普段の様子だと思います。
真ん中で腕を組んで歌を唄うさいとう・たかをさん。
本当にこんな感じだったのでしょうか。
ちなみに歌っているのは「国境の町」という曲のようです。
ページの下半分は劇画通信教育ゼミナールの募集案内になってます。
小さくゴルゴがいるのがいいですね。
3番手は「カワサキ・プロ」
川崎のぼるさんらしい絵はなく、ラフスケッチの仕事場イラストです。
知らないスタッフの机とか戸棚が居留守用となってたり、細かく目を通すと結構面白い事が書いてあり面白いです。
4番手は「石森マンガスタジオ」
石森さんの仕事量からしたらちょっとこじんまりしている感じがします。
トキワ荘時代のステレオが石森さんの正面にあるのが何かいいですね。
音符があちこちに描かれているので、きっと音楽を絶やさない仕事場だったのかなと想像します。
5番手は「手塚プロダクション」
見開きです。
他の方と比べてかなりの大所帯ですね。
そして2ページのあちこちに原稿待ちの編集者さんが怒った様子で描かれているのが何とも手塚さんの仕事場らしいと言えます。
6番手は「藤子スタジオ」
京王プラザホテルが建設中なのが時代を感じさせてくれます。
文は藤子不二雄さん御本人との記載がありますが、FさんかAさんかは不明です。
こういうところに文を書くのは安孫子さんだと思いますがどうなんでしょう。
Qちゃんが描かれているのが嬉しいですね。
7番手は「つのだじろうプロダクション」
上部のイラストはつのださん御自身の絵だと推察します。
仕事場の画はスタッフの手によるものでしょうが、つのださんが描かれてないのが謎です。
たまたまいらっしゃらなかったのだと思いますが。
8番手は「ダイナミック・プロ」
見開きです。
仕事場のイラストで仕事をしているのが永井豪さんだけなのがおかしいですね。
連載中の漫画が5本なのが永井豪さんの凄さです。
最後の9番手は「ちばてつやプロダクション」
見開きです。
外観が一戸建てですが、まさかちばてつやさんの自宅兼用なのでしょうか。
流石にそれは無いと思いますが。
「ジョー生誕の地」と書かれているのがいいですね。
さてトップバッターの「フジオ・プロ」
見開きです。
9社中唯一仕事場のイラストがありません。
赤塚キャラが描かれてはいますが、ほぼ真面目な会社案内となってます。
紹介を最後に回したのは、他の8社と比べて違いが大きい為です。
細かく書かれた情報は実に興味深いものが多く、漫画製作と企画の総合メーカーをめざす姿勢が大きく伺えます。
赤塚不二夫さんがこの2ページにどれだけかかわったのかは不明ですが、ギャグ無しの広報が意外といったら失礼でしょうか。
記事の最後のページに漫プロ案内図が載ってますが、山手線の西側のみなのはCOM発行の虫プロ商事が池袋なのが大きいと思います。
この記事はどこかに再録されているのでしょうか。
昭和45年という漫画界隆盛を伺える貴重な記事だと思い、紹介した次第です。