セブン セブン セブン! はるかな星がふるさとだ! 堂々50ページの大特集。『週刊少年マガジン』昭和42年48号 桑田次郎『ウルトラセブン』「狙われた街」

TBS日曜午後7時からの武田薬品提供ウルトラシリーズ。

第4番目の『ウルトラセブン』は1967年から1年に渡って放送されました。

私は当時小学校1年生です。

後に繰り返された再放送は何度も観ましたが、正直に申しますとこの初回放送の記憶はあまり残ってません。

第3話に出てきた「エレキング」と第8話の「メトロン星人」のソフビ人形を持っていたのは憶えてますから、熱心には観ていた筈です。

では漫画版の方はどうかというと、こちらもあまり憶えてません。

テレビも漫画も印象が薄かったという訳ではなく、再放送で最初の記憶が上書きされたのだと思います。

それでも私のオタク体質の原点であるウルトラシリーズに関する当時の物は、何を見ても未だに心ときめくお宝です。

高額なプレミア価格が付いたものが多く、なかなか思い切って買えないんですけどね。

この『週刊少年マガジン』昭和42年48号は背表紙の状態が良くなくて、そこそこ安い値段で売られていた為購入しました。

『週刊少年マガジン』(講談社)昭和42年48号

次号予告から11月10日(金曜)の発売だと思われます。

調べたところ第7話「宇宙囚人03」の放映2日前です。

ところがカラー扉が美しい桑田次郎さんの漫画は、「狙われた街」の最終話(全4回)です。

ウルトラセブンとメトロン星人がちゃぶ台を挟んで相対する、実相寺昭雄さんの演出が語り継がれる「狙われた街」は第8話。

雑誌の発売から次の回ではなく、更に翌週の放映です。

このあたりの意図は今となってはわかりませんが、所有する同じ昭和42年の45号と47号と共に紹介しましょう。

残念ながら第2回の46号は持ってませんが、当時の週刊少年マガジンの『ウルトラセブン』への力の入れ様が伺えると思います。

まずは第1回の45号。

『週刊少年マガジン』(講談社)昭和42年45号

巻頭の2色グラビアは「大出撃ウルトラセブン」と題した、変則折込の見開き画付きで10ページです。

「南村喬之」さんの2色グラビアも素晴らしいのですが、個人的にモノクロなれど「石原豪人」さんのセブンとイカルス星人の画に目が釘付けになります。

この45号の発売時には第3話「湖のひみつ」までが放送されてますが、「イカルス星人」は第10話です。

しかし漫画版「狙われた街」第1回の号にもかかわらず第8話のメトロン星人は巻頭グラビア内には記載されてません。

これは第1回の漫画内にメトロン星人の姿はおろか、名前も出て来ない内容の為ではないかと推察します。

続いて第3回の47号。

『週刊少年マガジン』(講談社)昭和42年47号

漫画の最後のページになってようやくメトロン星人の情報が記載されます。

ちなみに47号の表紙はゴジラとミニラです。

『週刊少年マガジン』(講談社)昭和42年47号

そして48号。

「ワイド特集 どうどう50ページ」と謳われ、ウルトラセブンの号と言っていいでしょう。

『週刊少年マガジン』(講談社)昭和42年48号

漫画版最終話に合わせてなのか、カラー見開きにメトロン星人の写真が載ってます。

15ページの2色グラビアは第12話までの宇宙人が乗る円盤が図解されてます。

『週刊少年マガジン』(講談社)昭和42年48号

そう、現在も欠番となるあの12話です。

スペル星人の名前だけですが、ちゃんと記載されている貴重なグラビアではないでしょうか。

カラー扉を従えた漫画は30ページ。

『週刊少年マガジン』(講談社)昭和42年48号

第1回と第3回は15ページですからいきなり倍ですよ。

セブンとメトロン星人の対決を存分に描いた、最終話にふさわしい内容とボリュームには唸らされます。

所有している『ウルトラセブン』の特集された雑誌はこの45号と48号の2冊です。

他にも『別冊少年マガジン』や月刊誌の『ぼくら』でも特集されてますが、そちらはかなりの高額で販売されており手が出せません。

いずれは所有したいとは思ってますが、身の丈に合ったお金の使い方で趣味を楽しむのが一番でしょう。

さて別冊を含めた『少年マガジン』での漫画は桑田次郎さんですが、『ぼくら』では一峰大二さんが描かれてます。

現在も復刻された単行本を新刊書店で買う事が出来ますが、昭和の時代は朝日ソノラマのサンコミックスでの出版でした。

ウルトラセブン』のタイトルで全6巻なのですが、1巻から4巻までが桑田次郎さんで5巻と6巻が一峰大二さんという不思議な出版です。

これが古書店では、1巻から4巻の桑田版をセットにして売られているのはよく見かけます。

ところが5巻と6巻の2冊を一峰版としてセットにして売っているのは見た事がありません。

5巻と6巻は必ずと言っていいくらい桑田版と一緒に全6巻で売られているんですよ。

更に桑田版は1冊のバラで売られてますが、一峰版はバラではまず売られてません。

古書漫画を集めていた若い頃は4巻までバラで買ったはいいものの、5巻と6巻が手に入らずに蔵書整理で手放しました。

現在は運良く手に入れることが出来た6巻のみ所有しています。

せっかくなので表紙をお届けしておきましょう。

『ウルトラセブン』(一峰大二/朝日ソノラマ)6巻

桑田セブンに比べると腕や胸の筋肉が強調されてますね。

また目がしっかり描かれているのも一峰セブンの特徴です。

『ぼくら』本誌も入手して一峰版を雑誌で読みたいのはやまやまですが、高額な上に『ぼくら』そのものが漫画専門の古書店でもあまり見かけません。

入手難易度は高いですが残りの人生でいつかは、とは思ってます。

他にも講談社から雑誌サイズのコミックが何冊か出版されており、複数の漫画家さんが描かれてます。

一峰さんも描かれているのですが、なんせプレミア価格もさることながら出現率の低さが顕著です。

漫画専門店のガラスケースに入っているのを見かけるくらいで、あまりお目にかかれません。

古書店の従業員時代に何冊か扱ったことがありますが、現物を手にしたのはその時だけです。

先述の12話もコミカライズされて収録されており、こちらは更に珍しいですね。

ちなみに12話はドラマとしてシングル盤のレコードにもなってます。

現物を見た事はありませんが、スペル星人のメンコもあるんですよ。

欠番になっているとはいえ当時の物が現存し流通しているのは、古物という業界がある限り当然ではあります。

今回は所有する『週刊少年マガジン』から桑田版『ウルトラセブン』を紹介しました。

 

 

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