4.6
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前半のこんなに恐ろしいことがいつまでも続くわけがない!いつ終わるんだ!のハラハラするサスペンス感にものすごく引き込まれました。立場を利用した行為の強要については読んでいて今話題になっているニュースのことを思い出しました。「残酷な神が支配する」で検索すると予測変換に出てきたので同じことを思う人が多いみたいです。母親のサンドラには前半の早い時点でイライラしてました。もっとしっかりしてくれよ!!
後半はガラリと雰囲気が変わりますね。途中のジェルミとイアンのやり取りは何度も同じことを繰り返しているようにも感じるのですが、これは心をケアするのに大切なプロセスなのかもしれないと読後に思いました。あのことを完全に忘れることはないという終わり方は現実的で厳しいものですが、萩尾望都先生がそう描き切ってくださることで救われたような気持ちにもなりました。バレンタインのエピソードも達観されていて思わず拝みたくなりますよね。モー様〜!