以前に、『甲冑の戦士 雅武』の記事で横手市増田まんが美術館を訪ねたと書きましたが、その際、ついでということで横手市雄物川郷土資料館という小さな博物館にも行きました。博物館自体より、併設されている「雄物川民家苑木戸五郎兵衛村」という民家園(この言葉、知らない人は知らないと思いますが、博物館明治村とか江戸東京たてもの園のような建物系野外博物館の一種で、古民家を集めているものです。筆者が住んでる川崎市には「川崎市立日本民家園」という日本最大級かつ「民家園」という言葉の発祥地である民家園が存在する関係で、筆者は民家園めぐりが好きなのです)が目的で行ったんですが、博物館も小さいながら羽後交通横荘線(『9で割れ!!』の記事で書いた雄勝線の兄弟路線です)の資料が割とあったりとなかなか個人的な満足度は高く、そして、民具展示コーナーの一角に存在したあるものが目を引きました。
ユ……『UFO戦士ダイアポロン』のバス!?
ダイアポロンつっても知らない方が多いとは思いますが、76年放映の巨大ロボットものテレビアニメで、雁屋哲+海堂りゅう(土山しげるの旧名義)「銀河戦士アポロン」(未単行本化)を原作としています(ただ原作にはロボは登場しないので、大幅に変えられている模様)。一切説明がなかったのでなんでここに農具とか昔のハエ取り器(写真の後ろに写ってるガラス瓶みたいなやつです。一切説明ないから知らないと何か分からないですが……)とかと一緒に並んでいたのか、そもそもなぜダイアポロンとバスが組み合わされてオモチャになっていたのかとかは一切分かりませんが……(”ダイアポロンバス”で検索しても本気で一切情報が出てこず、アメリカの古オモチャ通販サイトで「ダイアポロン電車」というオモチャも売られていたことだけは分かり、正直謎は深まりました。まあ当時のオモチャって、「ウルトラマンタロウが三輪車に乗ってる(ぜんまい仕掛けで走る)」「オバQがモーターボートに乗ってる(ぜんまい仕掛けで走る)」とかの今から見るとコンセプトわからないものがよくありますが。もともとただのバスのオモチャだったのの金型再利用とかなんですかね)。
しかし現代だと、「UFO戦士」というネーミング、あまり理解し難いのではないかと思います。70年代の日本、UFOブームが起きていたのです。いや筆者は生まれてないので又聞き的な話ですが。あと、三島由紀夫や星新一など錚々たるメンバーが参加していたことで知られる「日本空飛ぶ円盤研究会」は55年設立であるように、それ以前の日本ではUFOに関心が全然持たれていなかったわけでもないんですが、まあその辺の細かいところは専門書に任せるとしまして、70年代に入ると五島勉『ノストラダムスの大予言』(73年)がベストセラーになるなど日本ではオカルト全般がブーム(ツチノコブームなんかもこの頃)となり、72年には高知で「介良事件」、75年には山梨で「甲府事件」という有名なUFO目撃事件が起きるなどしていたんですね。この流れは漫画やアニメにも波及し、75年には「東映まんがまつり」で『これがUFOだ!空飛ぶ円盤』という有名なUFO事件をオムニバスで描くドキュメンタリー風アニメが上映されたり、『マジンガーZ』『グレートマジンガー』に続く「マジンガーシリーズ」3部作目の『UFOロボ グレンダイザー』がテレビ放映されてヒットしたりしますし、特撮でも『ウルトラマンレオ』は最後のクールが「防衛隊(MAC)の仲間が全員殉職」というトラウマ展開で知られる「MAC全滅! 円盤は生物だった!」から始まる「恐怖の円盤生物シリーズ」というシリーズになったり、76年には「円盤戦争バンキッド」、78年には「UFO大戦争 戦え! レッドタイガー」という作品が生まれたりしています。ダイアポロンもそういう流れなんですね。別に漫画とかに限らずとも、76年には現在でも誰もが知っている「日清焼そばU.F.O.」が生まれ、77年にはピンク・レディーが「UFO」というヒットソングを歌っていたとか、まあ色々あるのです。
マクラが無駄にクソ長くなりましたが、今回紹介するのはそんなUFOブームの中で少年誌に連載されたマイナーUFO漫画、三木孝祐+木村知生・かどい文雄『UFO狩り』です。作画に2人名前があるののは、木村画(表紙も担当)の「UFO狩り」と、かどい画の「UFO列島」という作品がニコイチで収録されている単行本だからです。版元はグリーンアロー出版社(現・青泉社)となっています。
まず「UFO狩り」の方から紹介しましょう。これは『週刊少年ジャンプ』77年1〜4号に短期連載されたもので、作画の木村は後に「木村知夫」と名義を少し変えてから『週刊少年チャンピオン』で連載した『Let’sダチ公』で知られる人。本作の頃はデビューしたばかりでした。
内容は、各話が完全に独立したオムニバスのドキュメント風作品です。第1話は「恐怖の円盤総攻撃」のタイトルで、UFOによってアブダクション(誘拐)や直接攻撃事件を扱っており、「まず助からないだろうほどの火傷を全身に負いながら、脈や血圧はほぼ正常」という奇妙な急患が病院に運び込まれるという冒頭から、その人が自分はUFOに捕まってモルモットにされていたという体験談を語るというストーリーです。
また、UFO界隈では有名なエイモス・ミラー事件が、かなり躍動感のある焼き殺され方で描かれていたりします。
第2話は「実験円盤は飛ぶ!!」のタイトルで、福生にある中学校のUFO同好会が実験円盤などを作る活動をしていたところ、宇宙人に実際に出会うというストーリー。これは、日本で中学校が舞台だからか、それほどかっ飛んだところはなく終わります。
第3話は「UFO対NASA」のタイトルで、バイキング計画で撮影された火星地表の写真に文字のようなものが写っていたというところから始まる、「NASAの内幕を描く」的なストーリー。
これについては、「外国の機関だから何書いてもいいやろ」とばかりに風呂敷を広げまくっており、マンテル大尉事件(1948年、UFO目撃通報を受け、追跡司令を受けたアメリカ空軍のトーマス・F・マンテル大尉機が墜落したという事件。米海軍が秘密裏にテスト飛行させていたスカイフック気球を誤認し、高高度まで追いすぎたために酸欠を起こして失神し墜落したというのが定説です)がすごく脚色されて描かれた上に、
CIAは遭難したUFOに乗っていた金星人を捕獲・監禁していることになっていますし、
マンテル大尉の息子というのをNASAの偉いさんとして登場させ、「マンテル大尉の遺言」まで勝手に作って「金星人とNASAが戦っている」というストーリーを作っちゃってます。エイモス・ミラーはともかくマンテル大尉は実在した人なんだぞ……。
第4話は「宇宙人の影を追え!!」というタイトルで、世界各地での宇宙人目撃情報をマクラにして、「古代から人間に知られており、緑色のヌメヌメした皮膚を持つ小さな体を持つもの」こそが宇宙人だということで、「河童=宇宙人説」がメインテーマとなっています。
ストーリー的には、「岩手県北上郡更木村で昭和50年に起きた実話」(更木村があったのは1954年までで、昭和50年には北上市の一部となっており、あと所属していたのは和賀郡であって北上郡という郡は存在しないんですが)という触れ込みで、進という小学生が偶然「川太郎」という河童と仲良くなり、川太郎が「1万5000年前に水ガメ座14番惑星から来た移民のうちの一人」であることや、キュウリは彼らが故郷から持ってきた種子から生まれた(だから河童の好物)ものであること、河童の頭の皿は環境適応コンピューターが埋め込まれた跡(だから河童の弱点)であることなどを聞かされ、最後は台風で増水した川に呑まれて溺れ死にそうになったところを助けられるも、川太郎は皿が割れて死んでしまうという、いくら子ども相手でも「実話」で押し通すには無理がありすぎるだろ……というものになっています。
本話最大の見所は、イタリアの画家兼作家L. R. Johannis(なんですが、本作では「イタリアの人類学者、ラプッツ・ルイジ・ヨハネス教授」とされています。いちおうWikipediaにはイタリア語版にだけ記事がある人です)がスケッチしたという宇宙人のイラストが河童に似ていると主張するシーン。
………にている!! ラーメンマンとラーメンマン・ランボーくらい似ている!! 世の中、「断言する」って大事だということを我々に教えてくれます。
後半に収録の「UFO列島」の話もしましょう。こちらの連載は77年の『増刊少年キングオリジナル』というクソマイナー雑誌(いちばん有名な掲載作が『リョコー少年団』という、永井豪作品の中でもよほどのファンじゃないと読んだことなさそうなやつというくらいのマイナーっぷりです。ちなみに馬島進氏という編集者が一人で作っていた雑誌だそうで、同氏はその後『少年キング』本誌の編集長となり(この時期に立ち上げられた作品として有名なのは藤子不二雄『まんが道』)、その後は脱サラして五反田でラーメン屋「馬かんべえ」(現在は閉店)を始めたという人です)で、
作画のかどい(「門井文雄」名義で発表の作品が多い)は、80年代中盤以降のエロ劇画で活躍したことで主に知られる人ですが、それまでは本作のような少年漫画や普通の野球漫画なんかも描いていました。82年には、今はなき大陸書房から出ていた「漫画で読む〇〇」的な本の先駆けである「劇画カルチュア」というシリーズで『資本論』のコミック版なんかも描いており、これは09年に再編集されて『理論劇画 マルクス資本論』のタイトルでかもがわ出版から出し直され、結構ヒットしたりしています。かもがわ出版のサイトによれば、その後、17年に亡くなったとのこと。
内容の説明に行きます。各話が独立していた「UFO狩り」と違ってこちらは、トラック運転手・黒沢大造の息子でUFOに興味シンシンな少年・大助が、休みを父親のトラックに乗って過ごすことでUFOにゆかりのある土地を訪ねようとしていたところ、UFOを追う飛野切人というルポライターと出会い、彼に誘われてUFOと古代遺跡の関係を追うというのが毎回の基本ストーリーです(古代文明とUFOを結びつけるのは、エジプトのピラミッドやナスカの地上絵などを宇宙人と結びつけたエーリッヒ・フォン・デニケン『未来の記憶』(68年、邦訳69年)というベストセラーがあったことなどもあって、この時期にはすでにメジャーなオカルト論の一つとなっていました)。で、この切人という人物、無茶な仮説を自信満々に断言する姿に『MMR マガジンミステリー調査班』のキバヤシ味があり、かなりキャラが立っております。まず第1話、大助親子が群馬県館林市に来たとき、「パトカーがガードレールに衝突事故を起こしたが、運転していた警官が『UFOが低空飛行で前を横切ったためハンドル操作を誤った』と証言したため、取り調べに来た別の警官と押し問答」という現場で彼と出会うのですが、「いうにことかいてもうちょいとましな嘘をつきゃいいのによ UFOなんていい年の大人がいうことかよ!!」としごくもっともな意見を言う大造に対し、彼はこう答えます。
「フフフ… ところがこの館林じゃそうもいえないのさ!!」
いいですね、「この館林じゃそうもいえないのさ」。「分福茶釜」とアニメ『宇宙よりも遠い場所』以外で館林をこんな力強く押す作品あまりないと思います。館林にお住まいの方はぜひこれから「この館林じゃそうもいえないのさ」を日常の会話の中で使ってみて下さい。第1話はこの後、秋田県鹿角市の大湯ストーンサークルで、「古代遺跡はUFOにとって航空標識のようなもの」という自説を披露し、UFO否定派だった大造を納得させるというジャブ程度で終わります。
話のスケールがいきなり一気にデカくなるのは第2話「オキクルミカムイの話」。舞台は北海道・余市にあるフゴッペ洞窟です。ここは日本で数少ない(同じく北海道の手宮洞窟とここの2箇所のみ)岩面彫刻(壁画)がある洞窟遺跡として知られています。現代では、シベリア東部などに同じような彫刻が見られることから、4〜5世紀頃に、このあたりの住民が日本海を挟んだ北東アジア周辺と交流をしていた跡ではないかというのが定説となっているのですが、本作では「2000年前に高度な文化を持つフゴッペ人が住んでいた」「フゴッペには守護神の伝説がある」「フゴッペ人は古代エジプト人と同じ太陽信仰を持っていた」などと大幅にホラ度がアップ。
さらに切人は、アイヌの伝説で「オキクルミカムイ」という神が「シンタ」という空飛ぶ船に乗っていたというものがあることから、当然のようにUFOと関連付けます。ちなみにこの辺の話は当時は結構有名だったもので、「宇宙友好協会(CBA)」というUFO研究団体が平取町に「ハヨピラ」という施設を作った(ものの、その後CBAが力を失って消滅し、町に寄贈されたのち廃墟化)という実績があったりします(国立民族学博物館のサイトにも、アイヌ民族史研究の佐々木利和氏が「利用された創世説話」として”平取はアイヌの伝統的生活空間の再生地として、また重要文化的景観として国指定された町である。だが、今日の「ハヨピラ」は、無責任な集団によって荒らされたままである”と手厳しいことが書かれています)。そして切人は、偶然出会ったアイヌ文化研究家から聞いた話をもとに、「フゴッペ人は宇宙人と地球人の混血児達!!」という結論に達し、
最終的に、フゴッペ洞窟沖の海中から守護神・スフィンクスが現れ、「やはりそうか!! スフィンクスの宝とはオキクルミカムイのシンタ…つまりUFOなのだ!! そしてスフィンクスとはUFOの簡易補給基地!」とエラいことを言い出します。マガジン編集部の人間がいたら「な……なんだって——!!」と叫んでいることでしょう。
第3話「悪魔の復活」は、石川県羽咋郡押水町(現・宝達志水町)が舞台。「羽咋」という地名を聞くと「ああ、UFOで町おこしの所ね」と思われる方もいるかもしれませんが(書きながら「羽咋=UFO」を常識のように語っていいのか不安になってきました)、それはお隣の羽咋市で、またUFOによる町おこしが起きたのは本作よりもだいぶ後のことです(この辺の経緯は、宇宙科学博物館コスモアイル羽咋の公式サイトを読んで下さい)。本作で舞台となるのは、三ツ子塚という古墳群です。ここはモーゼの墓と言われており、1993年には「伝説の森公園 モーゼパーク」という公園として整備されています。……いやこんな事言われても大抵の人にとっては初耳すぎると思いますが、これは竹内文書(竹内巨麿(1874?〜1965)という人がその存在を主張した、神武天皇以前の日本に超古代文明が存在していたとか、あとキリストとかモーゼとかは日本に来て死んだとか書いてある文書。一般的には偽書とされます)に影響された山根キク(1893〜1965)という人が、「キリスト、モーゼ、ヨセフ(『旧約聖書』の「創世記」に登場するヤコブの子)、シャカはみんな日本に来て死んでいる。特にモーゼは、王政ローマを建国した初代王とされるロームルスと同一人物であり、最後は日本の宝達山に来て583歳まで生きた。三ツ子塚はモーゼと、その妻ローマ姫(享年462歳)、孫のタルラスイホスチヒリウス(享年188歳)の3人の墓だ」と主張していた(神武天皇だって127歳で済ませてるんやぞ)ことに基づいております(詳しく知りたい人は国会図書館デジタルコレクションで読めますよ)。公園になったのは、企業誘致に失敗するなど展望がなく、観光スポットも特になかった押水町が、新宗教の信者が来るということで整備したという、なんか本当に「藁をもすがる」みたいな経緯によるそうです。ちなみに山根キクの本だと、ヨセフは伊勢原市、シャカは長野市で死んだということになっていますが、まあこの2自治体はこんな怪説に乗っかる必要もないとこですから、今ではすっかり忘れ去られていますね。
その後切人と大助は、三ツ子塚の研究をしていた地元の中学校教師がキャトルミューティレーション状態の死体となって発見されるという事件に遭遇し、彼が最後に読んでいた本が『西遊記』だったということから推理を展開、『西遊記』と『竹内文書』はモーゼとシャカという数々の奇跡を起こした聖者=異星人の物語であり、孫悟空・猪八戒・沙悟浄とはリモコン万能秘密兵器を意味しており、「今…世界各地で発生している人工放射能による奇っ怪な事件こそ 彼等異星人が万能兵器の性能を確認するために起こしているんですよ!!」とかなりキバヤシ度の高い断言を立て板に水でまくしたてます。
本作、単行本に収録されているのはここまでとなっていますが、雑誌ではあと2回連載が続いております。ついでなので軽く紹介しておきましょう。
第4話・「沈黙の巨石遺跡」では、舞台となるのは熊本県菊水町。ここには「トンカラリン」というトンネル状の謎の遺跡(一度は「近世の排水路」という結論になったものの、その後の調査で排水路にしては不自然なところもあるとされ、現在は「用途は謎」ということになっています。ただ、中世〜江戸期のものとされ、「古代遺跡」ではないです)があり、やはりこれがUFOと関連付けられて話が進みます。
なお、この扉絵を見ると分かる通り、雑誌掲載時は原作が轟一太名義となっています。この頃よくあった、雑誌に同じ原作者が複数連載を持つ場合に別名義を使う(梶原一騎=高森朝雄など)というパターンでもないっぽく、この名義を使った正確な理由は不明ですが、このコンビが同誌に初めてこのテーマで描いた「宇宙人はそこにいる!?」という作品(75年、筆者未見)が、三木本人を主人公としたモキュメンタリー的漫画で、三木が竜飛崎を取材中に行方不明になって終わるという内容らしいので、そことの平仄を合わせたのかもしれません。
そして最終話(理由は不明ですが原作の名がなく、かどいの単独クレジットになっています)で舞台となるのは富士山。ここで切人たちはなんと、「宇宙人と会見した」と自称したUFOコンタクティーの元祖であるジョージ・アダムスキーの話に登場する金星人オーソンと出会います(いや、「なんと」と言われてもUFOに詳しくない人にとっては「?」でしょうが……)。そしてオーソンは、「富士山はエネルギー=コントロール施設のある人工ピラミッド」なのだろうというキバヤシ的断言推理をする切人を笑い、「富士山どころかこの日本列島のほとんどが人工の島!!」と掟破りのキバヤシ返しで切人たちを絶句させます。
そして最後、切人はオーソンの言っていることが真実かを確かめるために、彼女のUFOに乗って宇宙へ飛び立ち、物語は終わります。「そして…明日…彼らとコンタクトするのは…きみかもしれない!!」という最後のメッセージを残して……。
ちなみに、この作品の原作者である三木という人は、轟一太の他にも、吉田雄亮、吉田竣売など10近い名義を使い、漫画原作者としては本作の他にも『玉割り人ゆき』(作画・松森正。映画版は有名だが原作はかなりマイナーという珍しい作品)や『私設六本木警察』(作画・緒方恭二)など青年向けをメインに多く作品を発表しており、80年代に入ると自販機向けエロ本の版元を経営したり、アニメや特撮などの脚本にも進出したり(『スペースコブラ』『科学戦隊ダイナマン』などで書いてます)、さらには映画プロデューサーとなって、かの三池崇史を初めて監督に抜擢する(『レディハンター 殺しのプレリュード』。なお、製作は本作の方が早いものの、リリースは『突風!ミニパト隊 アイキャッチ・ジャンクション』の方が早いため、三池の監督デビュー作は後者となります)という映画史に残ることをやったかと思えば、『開港風雲録YOUNG JAPAN』という大作映画をプロデュースして大コケさせて映画業界から消えたり、その後は実話怪談本の著者となったり、02年からは吉田雄亮名義で文庫書き下ろしの時代小説をメインで書いていたり(昨年12月にも最新作が出たばかりです)というUFOの軌道のような生き方をしている人でして、詳しいことは雑誌『TRASH-UP!! vol.9』に掲載された高鳥都氏の「異色人物リサーチ 三木孝祐のマルチすぎる人生」という記事にまとめられています。世の中にはまだまだいろいろな人がいる。