少し前の記事ですが『火星大探検』のグラビアが掲載された、昭和44年の『週刊少年サンデー』を紹介しました。
今回はその2年前、昭和42年新年の3.4合併号を紹介しましょう。
40代の時は古書店で働いていた為多くの古い漫画雑誌に触れましたが、当然自分の物ではありません。
あれから15年以上が経ち、ここ最近は古書店で昭和時代の色々な漫画雑誌を購入して自分の物として楽しんでます。
古書店で売られている漫画雑誌は概ねビニール袋に入ってますよね。
これは商品保護の意味合いが強く、当然と言えます。
よく利用する神保町の漫画専門古書店は、目次ページをスキャンして印刷した用紙をビニール袋に入れてあります。
これが雑誌購入の際にかなり役に立つんですよ。
でもこんな親切な売り方をしているのは、私が知る限りこの店だけです。
このお店以外で雑誌を購入する際は、表紙に記載された情報だけが頼りです。
今回紹介するこの昭和42年3.4合併号は違う店で見つけて、「21世紀のビックリ特集!!紀元2001年」の文字に魅かれて買いました。
表紙買いとでも言いますか。
持って帰ってまさに「開けてびっくり」です。
「紀元2001年」の特集だけでなく、漫画も我々世代にとって豪華としか言いようがない作品ばかり。
特にカラーの広告が良いんですよ。
このカラー広告のページだけで買ってよかったと満足するほどですが、まずは巻頭グラビア記事の「紀元2001年」を紹介しましょう。
最初のページ、タイトルの上に「サンデーが想像した21世紀の世界」と書かれてます。
このグラビア記事はとにかく突拍子もない発想で読者の子供を喜ばせるか驚かせるか、という趣旨で作られているとしか思えない内容です。
石原豪人さんがトップを飾っているのが嬉しいですね。
三つ目の宇宙怪獣の顔よりも、羽として描かれた鷹の顔の方が怖いのが豪人さんらしいと言えます。
最近の雑誌購入の最も大きい要因は、こうして石原豪人さんのイラストに出会うのを期待しているからに他なりません。
もっともっと欲しいですね、豪人画。
残りの人生長いとは言えませんが、いつか豪人コレクターと自称できるくらいには手に入れたいとは思ってます。
次は「ロボット部隊大あばれ」という2色の見開き画。
ロボットだから当たり前なんですが、妙な無表情が不思議な怖さを感じさせます。
ページ下部に「もうすぐ実現」という道具の未来予想がありますが、ポケットテレビという予想。
昭和42年といえば私が小学校に入学した年です。
この頃には大方の家庭には白黒ですがテレビがありました。
勿論ブラウン管で、子供が一人では持てない大きさと重さです。
ラジオの様に小さいテレビは未来ならきっとある筈だと考えるのは当然です。
現実に21世紀となった今、流石にテレビどころか「スマホ」なんて物の存在は昭和のこの当時誰も考えつかなかったでしょう。
さらに言えばタッチパネルの概念すらあったのか怪しいところです。
スマホだけでなくインターネットもそうですが、そんなものは無かった時代からあって当たり前の現在まで生きてきました。
昭和から見れば未来の今、様々な便利を実感出来てある意味幸せだと考える次第です。
続いては見開き画の「21世紀の東京」。
「長谷邦夫」さんが描かれた、典型的な未来都市の予想図です。
子供の頃はこうなると信じてましたよ、なんせ「21世紀」ですからね。
そして2色見開き画の「空中空母」。
こちらは「川崎のぼる」さんが描かれてます。
『週刊少年マガジン』で『巨人の星』連載真っ只中で、『週刊少年サンデー』のグラビア記事の見開き画を描くという力業です。
漫画家さんがこういったグラビアの見開き画を描くのは珍しいのではないかと思いますが、もっとこの年代の雑誌を確認して検証したいですね。
では目次ページに移りましょう。
なんとも豪華な連載漫画陣ですが扱いはトップではありません。
口絵は除いて「読み物」がトップです。
その「読み物」に「ふしぎなふしぎな話」がありますが、なんと「水木しげる」さんの見開き画が2点で4ページという贅沢さです。
文も書かれているのに何故目次に名前が載らなかったのかはわかりませんが、純粋に表紙買いした雑誌なのでこの水木さんの4ページは嬉しい限りです。
目次からではわからないと言えばカラー扉絵もそうです。
神保町の古書店はスキャンした用紙の作品タイトルの横にカラー扉と小さく書いてくれたりしてますが、巻頭カラーではない扉絵のみカラーの情報は目次にも表紙にも無いのが普通です。
この号のカラー扉絵は『パーマン』『あばれ王将』『おそ松くん』の3作品です。
個人的な好みで『パーマン』のカラー扉絵をお届けしましょう。
何故ならばその裏が「不二家の『オバQ』お菓子」の広告なのですよ。
これは良いですねぇ。
おそらく人気商品だったでしょうから現存していると思いますが、中身の食品はともかくパッケージだけでも売られていたら手に入れたいですね。
復刻して販売してくれると嬉しいのですが、購買層が限られている為商業としては難しいでしょう。
裏表紙の広告が「イマイ」という会社のプラモデルです。
サンダーバード2号が一番大きく扱われてます。
下の方に小さなマグマ大使がいるのが良いですね。
サンダーバード2号は子供の頃持ってました。
小さい物で「イマイ」製なのかも覚えてませんが、ちゃんと真ん中の格納庫が降りるようになってて結構長い事大事にしてた記憶があります。
当時の子供たちの間では2号が一番かっこ悪いと不評でした。
何故私が2号を所有していたのかは思い出せませんが、サンダーバードといえば2号なんですよ。
テレビ放送もよく観てましたが、2号への思い入れは強いですね。
そしてその裏表紙の裏の広告。
「マルサン」という会社の「怪獣シリーズ」。
いやぁ、持って帰って見た瞬間「おぉぅ」と変な声が出てしまいました。
これはこの広告ページ1枚だけでも懐かし物商品として通用するんじゃないでしょうか。
昭和36年生まれの私のオタク体質は幼稚園のときに観ていた『ウルトラQ』と『ウルトラマン』が原点です。
だから還暦過ぎたいい歳のおっさん(おじいちゃん)でも心ときめくんですよ。
当時この品々の箱も中身もどれ一つとして見た記憶はありません。
この頃は一日に10円をもらって駄菓子屋でなんか買ってたと記憶してます。
650円が現在だといくらくらいかはわかりませんが、近所のおもちゃ屋に置かれるような物ではなかったと思います。
憶えてないだけであったかもしれませんが。
大人になって知ったとはいえ、このパッケージの素晴らしさはたまりませんね。
未組み立てで、箱もそれなりに綺麗な物は全種類現存しているのでしょうか。
仮にあったとして、お金にも糸目をつけなかっとしてもコンプリートは不可能に近いと思います。
それくらい稀少な品々でなかなか市場には出回らず、でも欲しいという願いが多かったのか復刻されてます。
当時の全種類が復刻されたかはわかりませんが、当然その復刻版もプレミア価格で販売されてます。
でも復刻版のコンプリートは可能でしょう。
広告には写真がありませんが、科学特捜隊のジェット機である「ビートル」まで作られていたんですね。
その「ビートル」より「ゴジラ」の方が安いのが気になります。
また円谷怪獣ではない「大魔神」があるのも世代的にくすぐられます。
あとモーター付とモーター別の2種類に分かれている理由も謎です。
この「マルサン」という会社の商品広告は当時の少年誌に多く載っており、ヴァージョン違いも色々手に入れて比較していきたいですね。
ちょっと熱く語ってしまいましたが、また古い雑誌を入手しましたらご紹介したいと思います。